はじめに

安い旅行の強い味方、格安航空会社(LCC)。東南アジアやヨーロッパ、アメリカでは庶民の足としてすっかり定着しています。
マレーシアのエアアジアやフィリピンのセブパシフィックのように国内最大の航空会社になっているLCCも少なくありません。
日本でもピーチ・アビエーションやジェットスターの登場で一気にLCCの認知度が高まってきました。若い人を中心にLCCの利用者も急速に増えています。

ところが、LCCを利用した人のツイッターへの書き込みやブログなどを見ると、LCCを利用して不満を感じている人が少なくないことが分かります。
そしてその多くの原因は、実はLCCに対する不理解です。

せっかくの旅ですから楽しく過ごしたいですよね。
そこで自他ともに認めるLCCヘビーユーザーが「LCCで気持ち良く旅するための7つの心構え」をご紹介します!

1.理由のない安さは無い

マクドナルドのチキンは中国産の鶏肉だから100円なんです!笑
ま、それは冗談として。

どこかでコストカットをしているからチケットを安く売れるのです。JALやANAと同じコストだったらJALやANAより安いわけないですよね。
コストをカットすると、その分サービスは落ちます。これも当然のこと。チーズもレタスも入ってないからマクドナルドのハンバーガーは100円なんです。

JALやANAのような普通の航空会社(レガシーキャリア)よりサービスが劣るからLCCは安いんです。レガシーより快適じゃなくて不便だから、その分LCCは安いんです。
ですので、LCCにレガシー並みのサービスや便利さを求めてはいけません

自分は快適さや便利さよりも安さを選んだのだ
LCCを利用する時はこのことを絶対に忘れないようにしましょう。

2.追加料金を取るために重量制限がある

「レガシーだったら2kgオーバーくらい目をつぶってくれるのに、チェックインの時にしっかり2kg分の追加料金を取られた!(>_<)」 これは荷物の重量制限に対するLCCの考え方を誤解しています。 レガシーキャリアにとっての重量制限は飛行機を安全に飛ばすためのものです。ですから運行に影響がないならば多少のオーバーは目をつぶってくれます。 ですがLCCにとって重量制限は収益源です。オーバーしている人から追加料金を徴収して会社の収益を増やすために重量制限があるのです。
追加料金を取るために重量制限をしているのですから、目をつぶってくれるわけがありません。それどころか、目を思いっきり見開いて手ぐすね引いて重量オーバーしている乗客を探しています。笑

ですので、LCCを利用するときには重量制限に目をつぶってくれることは一切期待してはいけません。
絶対に目はつぶってくれないつもりで、何が何でも制限重量内に荷物を減らすようにしましょう。

3.定時発着すればラッキー

レガシーキャリアは万が一に備えて余裕を持った機材運用をします。例えば、万が一遅れが出た時のために成田と中部と関空には常に予備の機材を1機待機しておくといった具合に。
だから大幅な遅れが出そうになった時は、予備の機材を使って遅れが出ないように調整できます。

これに対してLCCは機材をフル活用します。予備に1機停めておいてもその機材は1円も稼いでくれませんから常にフル運用です。
そしてフル運用であるがゆえに一度遅れが出たらその日の運行がすべて終わるまで遅れは戻りません。もともと到着してから30分後に出発といったようにギリギリのスケジュールを組んでいるので、遅れを取り戻す余裕がないのです。
逆に言うとそこまで徹底して効率化を進めているからチケットを安くできるのです。

また、欠航になった場合にレガシーならば他社便に振り替えてくれたり、空港周辺のホテルを手配してくれたりします。
ですがこれはあくまでもサービスであり義務ではありません。実は旅行約款には「目的地への渡航を保証する」とだけ書かれており、到着日時を保証するとは書かれていません。
ですからそもそも飛行機が遅れても他社便への振り替えや宿泊場所の手配をする義務は航空会社には一切ないのです。これはレガシーもLCCも同じです。

レガシーは高い料金を取っていますので、サービスの一環として他社便への振り替えなどを行います。それができるくらい割高な料金を取っているとも言えます。
ですがLCCはもともとギリギリの料金しか取っていませんので、他社便への振り替えをする余裕なんてありません。ですからそんなサービスはしないのではなく出来ないのです。

LCCは一度遅れたら一日中遅れが続くくらい効率を追求したスケジュールを組んでいます。また、遅れに対してサービスをする余裕がないくらいの安い料金でチケットを販売しています。
ですので、LCCは遅れて普通、遅れても何もしてくれない、それがLCC、だから安い、と思ってください。
そしてそうである以上はLCCを利用する時は余裕のある日程を組みましょう。LCCでバンコクに到着して2時間後に別のLCCに乗り継ぎとか自殺行為です。LCCは遅れるのが前提です。

4.狭いから安い

LCCを利用して前席との間隔が狭くて窮屈だった~!と不満を言う人がいるのですが。間隔を広くすると高くなりますが良いんですかね?笑

例えばLCC各社がよく使うエアバスA320型機で見てみましょう。レガシーキャリアはこの機材に150~165席くらいの座席を配置します。これに対してLCCは180席です。
1回のフライトで少しでも多くの乗客を乗せたほうが、乗客1人あたりの運航コストが下がります。1回のフライトの燃料代が100万円だとして、150人で割るのと180人で割るのでは、180人のほうが安くなりますよね。

もちろんたくさんの座席を配置すると前席との間隔は狭くなります。その代わり、1人あたりの運航コストが下がるため、チケット代も安くなるわけです。

自分は前席との間隔より安さを選んだ
LCCに乗る時はそう思ってください。

5.空気以外はすべて有料

レガシーキャリアの機内食やドリンク、映画などのエンタメやブランケットの貸出を無料だと思っている人がいますが。それは大きな間違いです。
それらのコストはすべてチケット代の中に入っているのです。事前にチケット代の一部として支払い済みだから、機内食を食べる時やブランケットを借りる時に追加でお金を取られないだけです。
勘違いしてはいけません。タダじゃないんです。先払いしているだけです。なのでレガシーの機内食は食べなきゃ損です!笑

一方、LCCのチケットには機内食その他の代金は含まれていません。含まれていないからその分チケットが安いんです。だから、LCCの機内サービスはすべて有料です。
チケット代にドリンク代は含まれていないので、ジュースもビールも有料です。水代は含まれていませんので、もちろん水も有料です。
エンタメの利用料が入っていませんので、機内で映画を見たりできません。ブランケットの使用料は入っていませんので、ブランケットは貸してくれません。機内販売で購入します。

また、LCCにとって機内販売は大切な収入源です。少しでも機内で販売して少しでも売上げを増やそうとします。
このため例えばエアアジアは、自分で持ち込んだ食べ物や飲み物を機内で食べることを禁止しています。お腹が減ったら機内で買え、のどが渇いても機内で買え、自分で持ち込むのは許さない。何が何でも財布を開け!笑
すさまじいですよね。けどそこまで徹底しているから安いんです。

ですので、LCCに無料のサービスを期待してはいけません。運賃しか払ってないのですから、食事や飲み物がタダで出てくるわけありません。

6.安月給のCAに期待しない

航空会社にとって機材代や燃料費と並んで大きなコストが人件費です。なので少しでもチケットを安くするためになんとかして安く人を雇おうとします。
花型職種であるはずのCAさんも例外ではありません。

マニラ空港のターミナル3はLCCセブパシフィック航空の本拠地です。ターミナルの4階にレストラン街があるのですが、やはり空港だから割高です。
セブパシフィックのCAもこの4階でよく食事をするのですが、誰も高いレストランなんて使ってません。一番安いハンバーガーショップで食べてます。
また、同じ4階にコンビニがあり、お弁当を買ってコンビニの前のベンチで食べてます。29ペソのツナオムレツ弁当とか。笑

そんな安月給のCAさんにJAL/ANAのCAさん並みのサービスを求めちゃダメです。それは無理です。
優秀な人材だったらフィリピン航空に就職しています。その方が給料が高いですから。でもフィリピン航空の採用試験に落ちたから給料が安いセブパシフィックに来たんです。
そんな彼らにレガシー並みのサービスやプロ意識など求めるのが無理な話です。むしろ、安月給で頑張ってるなと温かい目で見てやってください。笑

7.低サービスは自分で補う

これが一番大切です。
最初に書いたように安さには理由があります。理由があるから安いんです。レガシーよりサービスが劣るからレガシーより安いんです。LCCは低サービスを前提で利用する乗り物です。
逆に言うと、最初から低サービスであることを認識して、その分を自分で補えば良いのです。

重量オーバーには目をつぶってくれません。ならばオーバーしないように荷造りしましょう。
遅れる可能性が高いことは分かってるので、多少遅れても大丈夫なようなスケジュールを立てましょう。また、遅れが許されない場合はLCCは絶対に使わないようにしましょう。ビジネスでのLCC利用などあり得ないです。

機内食はありません。ならば食べてから飛行機に乗りましょう。
機内で映画を見たいならばパソコンにダウンロードして持ち込む。寒かったら困るなと思うならブランケットを自分で用意していく。

LCCは新幹線と同じだと思ってください。新幹線の切符には運賃しか含まれていません。運賃しか含まれてないので、飛行機のように食事や飲み物がタダで出てきたり、映画を見たりすることはできません。
なのでみなさんは新幹線に乗るときには、自分で食べ物を持ち込んだり、暇つぶし用に本や雑誌を持ち込んだりするじゃないですか。それと同じです。

最後に

LCCを利用して不満を感じる人が決定的に勘違いしているのは、LCCとレガシーは同じ乗り物ではないということです。飛行機という道具は同じですが、中身は別物と考えたほうが良いです。
別物だからチケット代が違って、別物だからサービスが違うんです。

ですから、LCCのチケット代でレガシー並みのサービスを求めると不満が生じるのは当たり前ですよね。
レガシー並みのチケット代を払うのはイヤ。だからLCCの低サービスを受け入れる。まずはその気持ちが必要です。
そして低サービスの多くは自分が準備することで補えます

LCCとレガシーは違う乗り物。
LCCは自分で準備してサービスを補うもの。
そのことをしっかり認識して、LCCで気持ちの良い旅を楽しんでください!