はじめに

海外で生活する理由

僕が発展途上国で暮らし始めて10年近くになります。最初は中国で、今はフィリピンで暮らしています。そろそろ別の国に引っ越したいと思っていますが、その候補もベトナムやインドネシアといった途上国です。
なぜ発展途上国で暮らすのか? それは発展途上国での海外生活ならではの7つのメリットがあるからです。
今回は「発展途上国で暮らす7つのメリット」について僕なりに書いてみたいと思います。

1.低コストで暮らせる

途上国の通貨

一番大きいのはこれです。物価が安いので生活費がかかりません。日本の4~5分の1くらいです。
このように書くと、発展途上国で暮らすと「安く済む」とだけとらえられがちなのですが、実はそうではありません。低コストで豊かに暮らせるのが途上国ライフです。

仮に途上国の物価が日本の5分の1だとしましょう。日本で500円する定食が途上国では100円で食べられるということですよね。
これは逆に見ると、日本では缶コーヒー1本買うこともできない100円玉が、途上国では定食を食べられるくらいの価値になるということ、つまり、お金の価値が5倍になるということです。
もっと現実的に言うと、日本から持ってきた200万円の現金は、途上国では1,000万円の価値になるということです。つまり、200万円持っていても日本ではギリギリの貧しい暮らししかできないのに、途上国では年収1,000万円レベルの暮らしができるということです。

もちろん海外で暮らしていると将来の事とかいろいろ不安がありますし、贅沢な暮らしをしていると下手に目立って犯罪のターゲットにされかねません。なので僕は実際にはつつましい生活しかしていません。
でも、同じお金が5倍の価値を持つ途上国での海外生活は、決して惨めで貧しいものではないのです。むしろ日本にいる低所得者より余裕のある暮らしができます。

2.自由でおおらかに暮らせる

信号

途上国は日本や先進国のように細かくありません。堅苦しい決まりやルール、社会通念のようなものに縛られることなく、自由でおおらかな気持ちで暮らすことができます。

例えば道を渡る時。
日本では1車線しかないような細い道で、早朝深夜で車が1台も走ってなくても、信号が赤だったら渡りませんよね。ムダだなと思っても。
途上国では誰もそんなことはしません。渡って問題ないんだから渡ります。それ以前に、信号自体があまり無いですし。笑

もちろんデメリットもあります。車も人を優先してくれたりしませんから、車の通りが多い道を渡るには技術が必要になります。
屋外での喫煙のルールなんてありませんので、タバコが嫌いな人は不快な思いをするかもしれません。

でもそういったデメリットを差し引いても、細かいことにこだわらず自由に暮らせることは、僕にとっては大きなメリットです。

3.人と同じでなくて良い

同調圧力

日本って同調圧力がものすごく強い国だと思いませんか? 出る杭は打たれるじゃないですけど、人と違うと異端視されたり、なぜ同じようにしないんだと批判的に見られたり。
人と同じでなくてはいけない。それが日本という社会だと思います。

もちろん発展途上国にも同調圧力のようなものはあります。しかし日本ほどひどくはありません。中国なんてけっこうみんな好き勝手にオン・マイ・ウェイです。
でもそれ以上に大きいのは、海外では日本人は外国人であることです。そもそもその国の人ではないんですから、誰も僕がみんなと同じように動くことを期待していません。
あいつは日本人だ。自分たちとは違う。なので行動が違って当然。そう見てもらえます。

これは快適です。もちろん好き勝手するというわけではありません。その国の文化や習慣は必ず尊重します。
ですがそのわきまえさえ守れば、あとは何をどうしようと自由です。誰も同調圧力なんてかけてきません。Be Freeです。

4.毎日の暮らしで意外と困らない

フィリピンのスーパー

発展途上国ってインフラがボロボロとか、とんでもない生活環境だとか、そんなイメージを持っていませんか? 実はそれほどひどくないんです。
もちろん、田舎やスラムに行けばとんでもない状況でしょうが、少なくとも首都やそこそこの大都市であれば、そこまで不自由のない暮らしができます。

例えばインターネット。マニラのネットのスピードは日本より遅いです。ごくたまにですがつながらない時もあります。
でも、サイトを閲覧したり、Youtubeで動画を見たり、画像をアップロードしたりするぶんには何も困りません。
接続できないことも最近はめったにないですし。

また、買い物でも困ることってほどんど無いです。コーラとかラックスのシャンプーとか、日本で売られている世界ブランドの商品はスーパーで普通に手に入ります。
スーパーも日本と変わりません。ショッピングカートに商品を入れて、最後にレジでお金を払って。お店の人が買った商品をレジ袋に入れてくれるので、かえって日本より便利なくらいです。

そんな感じなので、普通に暮らすぶんには発展途上国でもそんなに困ることはないんです。

5.外国人コンプレックスがなくなる

外国人

フィリピンにはアメリカ人がたくさん住んでいますので、彼らと接することもあります。
で、接してみると、当たり前のことなんですがアメリカ人も普通の人間なんです。慣れない途上国暮らしで困ってたり、どのバスに乗れば良いか分からなくてウロウロしてたり、つまづいて転びそうになってたり。

話してみても普通のおっさんだったりおばちゃんだったりするわけです。レジの女の子をいやらしそうな目でジロジロ見てたり、フィリピンは毎日暑くてうんざりよねぇ、ってぼやいてたり。
なんだ、ぜんぜん僕と一緒じゃん!笑

途上国で同じ外国人同士として接しているうちに、外国人コンプレックス、特に欧米人に対する苦手意識のようなものがすっかりなくなりました。

6.適応能力が高くなる

飛行機

適応能力が高くならないと暮らしていけないってのもあるんですけど。苦笑

一番分かりやすいのが時間感覚です。フィリピンでは誰も時間なんて守りません。彼ら的には守っているのでしょうが、日本人の感覚では守っているうちに入りません。
なのでこの国に来たばかりの頃はけっこうイライラしてました。でも人間って慣れるんですよね。対応できるようになるんです。

例えば、何かの配達が来る時。午前中に配達すると言われたら、午後もフルオープンにします。そしてその日のうちに配達が来たら、おぉ、今日はラッキー♪と喜びます。笑

飛行機も遅れるのは当たり前。なのでその日のうちの乗り継ぎというのは基本的にしません。遅れて乗り継げなくなる可能性があるからです。
どうしても乗り継がなければならない時は、少なくとも5時間は乗り継ぎ時間を取って予定を組みます。
そして、運良く時間通りに飛んだ時に備えて、5時間分の時間つぶしのネタを用意していきます。笑

日本と違う環境で暮らし、それに対応することを日々強いられていく中で、日本にいる時よりも適応能力は確実に高くなったと思います。

7.日本のすばらしさが分かる

日本

僕は海外に住んでいる在外邦人です。これは自信を持って言えますが、我々在外邦人は日本国内でずっと暮らしている人より、はるかに日本の素晴らしさを知っています。
恐らく内地の人より愛国心は数倍強いです。

なぜか? 日本に住んでいると日本が普通なので日本の素晴らしさに気付けないんです。
気付いていると思っているかもしれませんが、骨身に染みては理解できていないはずです。

駅のエスカレーターが止まらずに動いている。スーパーの商品すべてに値札が付いている。落としたものが戻ってくる。道端のベンチに座っても服が汚れない。
どれも途上国ではあり得ないことです。
でも日本で暮らしているとそれが当然なので、あり得ない素晴らしいことなんだと気付くことができません。

では1ヶ月や2ヶ月、外国に留学すれば分かるか? ずっと日本で暮らすよりは良いかもしれません。3泊4日で海外旅行をするよりははるかに理解できるはずです。でも、本当の意味では分からないと思います。
特に実感できないだろうと思うのは日本人に対する信用度です。これは現地に入り込んで生活してみて初めて実感できることです。

例えば中国ではよほど反日思想が強い人を除いて、アパートやマンションの大家さんは日本人には喜んで部屋を貸してくれます。
なぜならば、日本人は部屋をきれいに使うし、家賃の支払いなどでトラブルを起こさないということを知っているからです。
外国人の中では日本人が一番信用できる。下手な中国人に貸すより安心できる。だから日本人には喜んで部屋を貸してくれます。

でも、今の素晴らしい日本を作ったのも、日本人に対する高い信用度を築いてきたのも、我々今の日本人ではありません。
一世代、二世代前の先人たちが必死に築き上げてきてくれたものです。
今の僕たちは、先人たちが築き上げてくれた日本への信用度のおかげで、途上国で毎日快適に暮らしていくことができているのです。

なので、日本人への信用度を下げるようなことは絶対にできない。この信用度をさらに高めて次の世代に引き継いでいかなければならない
そういう緊張感を持って今日も途上国で暮らしています。

最後に

途上国で暮らすと聞くと、なにか苦労とトラブルが連続する日々のようなイメージが持たれがちなんですが。
実際にはそこまで大変なわけではありません。ネットも普通に使えますし、スマホからLINEで誰かに連絡したりもできます。
買い物だって贅沢さえ言わなければそれほど困ることはありません。

しかも、日本の数分の1のコストで暮らしていけますし、日本にいる時のように細かいことを気にしたり、人の目を過度に意識する必要もありません。
適応能力も上がりますし、日本の素晴らしさを知り、本当の意味での愛国心を身に付けることができます。

もちろん誰もが途上国に移住できるわけではないのですが。
例えばネットがつながればどこでも商売ができる自営業者、いわゆるノマドワーカー的な人には途上国はおすすめです。
そうでない人は長期の途上国旅行や、1・2週間の留学でも良いので、途上国ライフを体験してみてはいかがでしょうか?
きっと今とは違う世界が見えてくると思いますよ!