OwnersBookの2017年12月期決算の分析と懸念点、投資判断のまとめ

OwnersBookを運営するロードスターキャピタル社の2017年12月期決算が発表されました。

結論から言うと絶好調です。

さっそく見ていきましょう!

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決算内容の推移

第1期である2012年12月期決算からの推移を見ていきます。まずは売上高と経常利益からです。(単位:百万円、2018年12月期は予想)

売上高・経常利益

期間 売上高 前年増 経常利益 前年増
2012年12月期 31 1
2013年12月期 251 709.7% 127 12,600.0%
2014年12月期 756 201.2% 201 58.3%
2015年12月期 2,992 295.2% 688 242.3%
2016年12月期 4,659 55.7% 703 2.2%
2017年12月期 8,794 88.8% 1,189 69.1%
2018年12月期 10,498 19.4% 1,591 33.8%

今期は売上高が昨対9割、経常利益が7割の大幅アップです。絶好調ですね。来期の予想はかなり控えめな気がします。

経常利益率・自己資本当期純利益率(ROE)

期間 経常率 前年増 ROE 前年増
2012年12月期 3.2%
2013年12月期 50.6% 47.4%
2014年12月期 26.6% ▲24.0%
2015年12月期 23.0% ▲3.6% 38.9%
2016年12月期 15.1% ▲7.9% 24.7% ▲14.2%
2017年12月期 13.5% ▲1.6% 23.6% ▲1.1%
2018年12月期 15.2% 1.7%

経常利益率、ROEともに下がっています。業界平均が分からないので良いのか悪いのか判断できないのですが。(知ってる人、教えて下さい!)

販売管理費

期間 販管費 前年増 販管費率 前年増
2016年12月期 430 9.2%
2017年12月期 592 37.7% 6.7% ▲2.5%
2018年12月期 1,050 77.4% 10.0% 3.3%

来期予想は販管費の大幅アップとなっています。

昨年9月に発表された資料(PDFファイル)の中で、OwnersBookの認知度を拡大するため、Webマーケティングやセミナー開催、メディアへの露出を強化するとありますので、販促費を増加させるのかな?と思います。

会社説明の内容

決算短信に書かれていた説明内容の一部を抜粋、要約します。

不動産事業

  • 日銀の金融緩和政策を背景とする金融機関の積極的な融資姿勢により、不動産取得姿勢が依然として旺盛
  • 都心5区の既存オフィスビルの空室率が3.02%、平均賃料が48ヶ月連続上昇
  • これらが当社の不動産事業にプラスに働いた

クラウドファンディング事業

  • 日本のクラウドファンディング事業は、2017年の市場規模が前年比46.2%像の1,090億円となる見込み
  • これを受けてOwnersBookも投資家会員数、累積投資金額ともに増加

要するに不動産、クラファンともに市況が良く、それに上手く乗れたので業績が上がったということです。

OwnersBook事業の実績

OwnersBookは事業の一部

OwnersBookを運営しているのはロードスターキャピタル株式会社(以下、ロ社)です。ロ社は主に以下の3つの事業を行っています。

  • 不動産投資事業
  • 不動産賃貸事業
  • クラウドファンディング事業

クラウドファンディング事業がOwnersBookのことです。OwnersBookはロ社の事業の一部であり、上に挙げた数字は全事業を合計したものです。OwnersBook単体のものではありません。

そこで、決算短信などからひろえるOwnersBook単体の数字を並べてみます。

売上高

期間 売上高 前年増
2016年12月期 7
2017年12月期 65 827.3%

前年比で売上高9倍です。すごいなぁ。前年の売上高が7百万円ですので、そもそものベースが小さいってのもあるのですが。それでもこの急成長はすごいですよね。

会員数と累積投資金額

期間 会員数 前年増 累積投資金額 前年増
2016年12月期 1,758名 1,031
2017年12月期 7,635名 334.3% 3,652 254.2%

会員数は1年間で6千人増え、前年の4倍以上になっています。ソーシャルレンディングの認知度が高まったこと以上に、アフィリエイトなどを使って積極的にマーケティングを行った結果でしょう。

累積投資額は36億円です。この1年間で26億円増えている、つまり、去年1年間で26億円の投資を行ったということです。

maneoは1ヶ月で40億くらい投資しているので、それに比べればまだまだではありますが。それでも急成長している点はポジティブに評価できるのではないでしょうか。

集めた資金

会員から集めた資金は貸借対照表の匿名組合出資預り金にあたります。

期間 匿名組合出資預り金 前年増
2016年12月期 758
2017年12月期 2,989 294.3%

こちらは去年の4倍です。会員数の増加に比べて4割ほど低いですので、会員1人あたりの投資額は下がっているようです。

これは会員数の増加に案件の供給が追い付いていないことが原因でしょう。OwnersBookは募集を開始してから数分で満了する案件が多いことも見て取れます。

決算説明会資料によるとオリックス銀行と提携して案件数の増加を図るそうです。しかしその一方で、今年も会員獲得のマーケティングを強化するようなので、会員増に案件増が追いつかず案件不足が解消されない、投資したくてもできない状況が続くと予想します。

懸念される点

ここまでOwnersBookについてポジティブな点を説明してきました。しかし何事も良い点だけとは限りません。決算資料から見えたネガティブな点について指摘します。

営業貸付金

先ほどの項目で説明した貸借対照表の「匿名組合出資預り金」が、OwnersBookが僕たち会員から集めたお金です。そして、それをOwnersBookが不動産事業者に貸し付けたお金が「営業貸付金」です。

投資家から匿名組合出資預り金を集めて、事業者に営業貸付金として貸し付けるってことです。

この両方のお金を並べてみると奇妙なことに気付きます。

期間 匿名組合出資預り金 営業貸付金 貸付率
2016年12月期 758 235 31.0%
2017年12月期 2,989 1,167 39.0%

そうなんです。集めたお金の3~4割しか貸し付けてないんです。

では貸し付けていないお金はどこに行ったのか?まず間違いなく、ロ社の不動産投資資金として使われています。

実はロ社の案件が多い?

ソーシャルレンディングは

  1. 投資家からソシャレン運営会社が資金を集め
  2. 運営会社が資金を必要とする事業者に貸し
  3. 事業者がその資金を使って事業を行い
  4. 運営会社に借りた資金+金利を返し
  5. 運営会社が手数料を引いた上で
  6. 投資家に資金と配当を返す

というビジネスです。単純化すると下の図のようになります。

OwnersBookの場合、ロ社が集めたお金をABCD不動産に貸付け、ABCD不動産は借りたお金で不動産に投資するということです。

先ほどの項目で説明した営業貸付金とは、ABCD不動産のように社外の事業者に貸し付けたお金です。それが3~4割しかない。では残りの6~7割はどうなっているかというと、社外に出ずにロ社自身が不動産投資に使っている、ABCD不動産がロ社になっているということです。(そもそもロ社の本業は不動産投資業です。)

それはつまり、OwnersBookがサイトで募集している案件の6~7割は、ロ社自身が行う不動産投資案件ということでしょう。

ロ社が使っていることは問題ない

OwnersBookが集めた資金を、ロ社が不動産投資に使うこと自体は問題ではありません。また、金融庁の指導によりソシャレン運営会社は貸付先を明らかにすることができないため、ロ社がこの事実を隠しているという指摘も誤りです。

僕としては、自分が投資した資金をロ社が使おうとABCD不動産が使おうと、しっかり利息を付けて返してくれたらそれでOKです。だって、それが目的で投資してるんだから。

むしろ、投資した資金をどこが使っているか、具体的な投資先の6~7割がロ社であるという事実が分かってむしろラッキーです。だって、ロ社の業績をチェックすれば良いんだもん。

ロ社の業績に要注意

そうです。ここがポイントです。業績のチェックです。

ソシャレンで最も怖いのは、資金の貸付先がコケることです。株や投資信託と違って、ソシャレンでは僕らが投資した資金は保護されません。貸付先がコケて担保でカバーできなかったら、僕らの資金は消えてなくなります。

特にOwnersBookはメザニンローン(劣後ローン)がけっこうあるので、貸付先がコケた場合に担保は銀行などのシニアローンに当てられ、メザニンまで回ってこない可能性が少なくありません。

僕らがOwnersBookに預けた資金の多くの部分をロ社が投資に使っている=ロ社がコケたらお金が戻ってこない、です。したがってOwnersBookを利用する僕らにとって最も重要なことは、ロ社がコケないことです。

ですので、ロ社の業績は常にチェックして、危ないと感じたらすぐに撤収する。不動産市況が悪くなる予兆が出たら、OwnersBookについても長期案件は避けるといった対策が必要なのではないでしょうか。

手数料取りすぎてね?w

気になったことをもう一つ。

OwnersBookの手数料率

OwnersBookは僕らから集めたお金(匿名組合出資預り金)を事業者に貸し、その際に取る手数料を収益(売上高)としています。

ただし上で見たように、匿名組合出資預り金すべてを事業者に貸し付けているのではなく、一部はロ社自身で使っています。ロ社自身が使う資金に対して、ロ社が手数料を取るってのはおかしな話です。

なので社外の事業者に貸し付けた資金(営業貸付金)に対して手数料を徴収していると考えるべきです。したがって、手数料率は売上高÷営業貸付金×100となります。さて、どれくらいかな?

期間 売上高 営業貸付金 手数料率
2016年12月期 7 235 3.0%
2017年12月期 65 1,167 5.6%

利回りより高い!

え~っ!5.6%はちょっと取りすぎじゃね?だって、OwnersBookの利回りって平均で5%切るくらいでしょ。投資家の利回りよりソシャレンの取り分のほうが多いってどうよ?

ということでOwnersBookさん、手数料取りすぎです。もうちょっと利回りアップして下さい!笑

OwnersBookをやるか?

以上、OwnersBookの2017年12月期の決算短信を見てきました。その上で僕がOwnersBookで投資をするか結論です。

投資します

はい、投資します。OwnersBookは会員数、資金額ともに絶好調で増えていますし、ロ社の本業である不動産投資業も今のところ好調です。

利回りに不満はあるものの(笑)、そうは言っても5%ですので、銀行金利に比べれば盆と正月とヤマザキ春のパンまつりが一緒に来たくらいの好条件です。やらない理由がありません。

ロ社の不動産投資事業に注目

唯一気がかりなのが、前述したようにOwnersBookが集めた資金の大半をロ社自身が使っている点です。それ自体は問題なく、上手に使って予定通りの利回りを付けて返してもらえれば、我々投資家としては何の文句もございません。

しかしながら、ロ社がコケたら僕たちもアウトです。預けたお金は返ってこなくなります。ですので、ロ社の不動産投資事業が順調なのか、これは常にチェックが必要です。

不動産市況に要注意

ただ、そもそも論として今の日本のソーシャルレンディングは不動産のシェアが圧倒的に高いですよね。LENDEXPocketFundingは不動産特化だし、クラウドバンクも不動作が多いし、maneoとLCレンディングも親会社の本業は不動産業です。つまり事実上「ソシャレンやる=不動産やる」になわけです。

ですのでOwnersBookに限ったことではなくソシャレンをやる以上は、その会社の不動産部門や不動産系親会社の業績は言うまでもなく、日本の不動産市況、不動産関係の指数などにも常に目を配る必要があるのではないでしょうか?

危なくなったら即撤収

ということで僕は、四半期ごとに発表されるロ社の決算短信を常にチェックするという前提で、OwnersBookをやります。平和な間はガッツリ稼がせてもらい、危険な香りが漂いだしたら速攻で撤収します!

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OwnersBookに興味をお持ちの方はこちらから→ OwnersBook(公式サイト)

OwnersBookで投資するメリットとデメリット、パソコン、スマホでの取引口座の開設方法は以下の記事を参考にしてください!

オーナーズブックは投資初心者に最適のソーシャルレンディング業者の一つです。オススメする11の理由と4つのデメリットを紹介します。上場企業の不動産のプロ集団が運営するOwnersBook。強さの秘密は担保です。しかしそれが同時に弱点を生み出しています。
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コメント

  1. 匿名さん より:

    > まず間違いなく、ロ社の不動産投資資金として使われています。
    えぇ!って感じです。 OwnersBook 内 の「口座残高」も反映されてるってことはないですかね? 自社案件をメインにしている所は避けようと思ってたのにこれは意外でした。

    • タロウ タロウ より:

      口座残高は投資されていないのでロ社が使うことはできないはずです。
      LCレンディングやグリーンインフラレンディングも自社案件ですよ。
      僕はロ社やロジコムは現時点では本業が堅調なので、下手なところに貸し付けられるよりもむしろ安全と思っています。

  2. 匿名さん より:

    自社向け融資だとどうしてもコンプライアンスが甘くなるし、ダメになったとき一度に全部がダメになってしまうので、やっぱり避けたいです。
    でも、SBI SL や maneo も実際借りている業者は限られていて 貸し倒れるときは相当な本数に影響出る可能性もあるなとも思いますが。やっぱり匿名性がアダになってますね。。
    何とかしてもらいたい

    • タロウ タロウ より:

      おっしゃる通り匿名性をなんとかして欲しいですね。安心して投資できないですよ。
      すべての元凶はソーシャルレンディングに貸金業法を適用していることです。
      金融庁のみなさんも無理があることは我々以上に理解してらっしゃるはずなので、立法府がソシャレン新法を作ることを期待します。