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TATERU社が再発防止策を発表、上場企業系は対応がまともだと再認識

データ改ざん問題の発覚から2週間。

TATERU社が再発防止策を発表しました。

今回の件で、やはり上場企業系は安心できると再認識しました。

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に1億9千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

特別調査委員会とは別

TATERU社は改ざん問題の調査と再発防止策への提言を行う「特別調査委員会」を設置したと、9月4日に発表しています。

今回の再発防止策はそれとは別のものです。

 当社は、特別調査委員会による調査とは別に、本件に関する再発防止策について具体的に検討し、下記の再発防止策を実施することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

なお、今後の特別調査委員会による調査結果を踏まえた再発防止策に関する提言につきましても、真摯に受け止め、随時見直しを行ってまいります

特別調査委員会の調査期間は確か3ヶ月だったと思います。

それを待つのではなく先に防止策を策定、実施する姿勢は評価できます。

再発防止策の内容

本日(2018年9月14日)、TATERU社が自社サイト上で再発防止策を発表しました。(先ほどの引用文も下記より引用)

当社従業員による不適切行為に対する再発防止策に関するお知らせ(PDF)

具体的な内容は以下の通りです。

1.業務フローの変更

  • 従来は融資関係資料が「顧客→営業社員→金融機関」と渡っていた
  • 本日より営業部門とは独立した「事務課」を新設
  • 融資関係資料の流れを「顧客→事務課→金融機関」とする
  • これにより営業部門が関与できない業務フローとする

これが最も効果的で実効性があるでしょう。

RenosyのGA Technologies社の不動産販売部門では、以前からこのようなフローになっています。

2.契約適合性手続の厳格化

  • 顧客の契約適合性(アパートを買って大丈夫か)の確認手続きを厳格化
  • 事務課で残高データの原本の確認を必ず行う

要は、預金残高23万円の50代男性がアパートを買うなんていう、笑えないジョークを今後は行わないということです。

3.業務モニタリング

  • 上記1.2.の遵守状況について内部監査室が抜き打ち検査を行う

4.コンプライアンス遵守体制の見直し

  • コンプライアンス重視をトップが継続的に社内に発信する
  • コンプライアンス教育・研修体制の強化・見直しを行う
  • 以上によりコンプライアンス意識の向上に努める

5.内部通報制度の充実

  • 内部通報制度はあったが、書類改ざんに関する内部通報が今までなかった
  • 内部通報制度の存在とその意義を社員に周知徹底する
  • 顧客と取引先用のコンプライアンスラインを10月1日までに開設する

ここで言うコンプライアンスラインとは、顧客や取引先がTATERU社に関係する不正・不当行為を告発する窓口のことです。

社内に作る場合と弁護士事務所など社外に作る場合、両方の場合があります。

対応は評価できる

すべきことをしている

日経新聞の報道以来、事実認定、調査委員会の設置、そして今回の再発防止策策定と、不祥事に対してすべきことをしっかりやっていると思います。

また、TATERU Fundingの希望者への出資金返金も完了しています。

TATERU Fundingへの応募からキャンセル、返金までを時系列でまとめ
TATERU Fundingに応募してからキャンセルして返金されるまでを時系列でまとめました。データ改ざん問題の発覚、中途解約の申請、匿名契約終了の可能性、解約通知書の発送、TATERU社による持分買取の申し出など、この2週間の動きです。

データ改ざんについては指弾されて然るべきです。

ただ、その後の対応についてはまともにやっていると評価されて良いと思います。

対応が速い

また、対応が速いです。以下に時系列でまとめますが。

  • 8月31日:日経新聞が改ざんを報道
  • 8月31日:事実を認めるプレスリリースを発表
  • 9月4日:特別調査委員会を設置
  • 9月4日:広告掲載の自粛を発表
  • 9月10日:保有株売却で23億円調達(返金資金?)
  • 9月14日:TATERU Fundingの希望者へ返金完了
  • 9月14日:再発防止策を発表

事件発覚から2週間で調査委員会設置、ファンディング会員への出資金返金、そして委員会の調査発表を待たずに再発防止策を発表。

ベンチャー企業らしいスピード感ではないでしょうか。

上場企業系がやはり安心

僕は以前からソーシャルレンディング業者は上場企業系をオススメしてきました。

今回のTATERU社の事件で、上場企業系であっても事業者リスクと無縁ではないことが分かったのは残念です。

しかし、希望者への資金の全額返金、しかもわずか2週間で完了させた点など、問題が起きたあとの対応が上場系はやはり違うと感じました。

みんクレ、ラキバン、グリフラと対応が全然違いますよね。

TATERU Fundingが募集を停止したのは残念ですが、僕は今後ともOwnersBookなどの上場企業系業者を中心にソーシャルレンディングを続けていきます!

コメント

早期償還

案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損とは投資したお金が戻ってこなくなることです。

例えば、2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなったなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%

劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が返済することや、連帯保証人が借り手に代わって返済することが債務履行にあたります。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。