Travelocityの概要

Travelocityのサイトイメージ

Travelocityはアメリカの格安チケット予約サイトです。Travelocityの歴史は航空券予約システムの歴史そのものとも言えるものです。

1950年代当時、航空券の予約は旅行代理店から電話などで航空会社に照会が入り、紙に書かれた残席情報と照らし合わせて発券するという工程でした。完全な手作業であるため発券ミスも多く、また航空需要の高まりを受けて処理の限界に達していました。

1953年、アメリカIBM社のセールスマンであったBlair Smithは出張先から帰るアメリカン航空機の機内で、当時のアメリカン航空社長のC.R.Smithと偶然隣の席になりました。名字が同じだというところから会話が始まり互いの仕事について話していく中で、アメリカン航空の予約発券データをIBMのコンピュータシステムを使って処理する構想が生まれました。

両社はすぐに合同のプロジェクトチームを立ち上げシステムの開発に着手し、1960年に世界初のコンピュータ予約システム(CRS:Computer Reservations System)であるSabre(Semi-Automated Business Research Environment)が誕生しました。これによって予約システムの自動化が実現し、またデルタ航空など競合する航空会社も追随して同様のシステムを開発したため、航空券の予約発券は一気に近代化を遂げました。

アメリカン航空は1976年にSabreを旅行代理店に開放し代理店が直接Sabreに接続できるようにしました。1984年には指定した期間、区間の最安値チケット検索機能であるBargainFinderをSabreに搭載したことにより、現在の格安チケット予約サイトの下地となる環境が整えられました。

さらに翌1985年に消費者がパーソナルコンピュータからSabreにアクセスし、航空券の検索、予約ができるeasySabre公開し、チケットの予約を消費者に開放しました。そして1996年には消費者が旅行代理店を通さずにGDS(Grobal Distribution System)に接続して航空券の予約購入をできる世界初のウェブサイトをリリースしました。それがTravelocityです。

アメリカン航空は2000年にSabreをSabre Holdingsとして独立させましたが、このときにTravelocityも同業のPreview Travelと合併してSabre Holdingsの子会社となりました。Sabre Holdingsは2002年にSite59.com、2005年にlastminute.comなどの予約サイトを買収し、Travelocityグループの拡大をすすめ、TravelocityはついにExpedia、Orbitz、Pricelineと並ぶアメリカの4大チケット予約サイトとなりました。(lastminute.comは2014年にスイスのBravofly Rumbo Groupに売却)

所在地
アメリカ
日本語対応
なし
日本円表示
なし
スマホ対応
問合せ対応
英語
操作性
普通

その後Sabre Holdingsは2007年にTexas Pacific GroupとSilver Lake Partnersの出資を受けてその子会社となりました。2013年には同業大手のExpediaと北米でのホテル予約部門などでのマーケティング協力を結びました。そしてついに2015年にSabre HoldingsはTravelocityをExpediaに売却し、TravelocityはExpedia傘下の予約サイトとなり現在に至っています。コンピュータ予約システムの開発から普及、チケット予約サイトの誕生から競合、そして再編。Travelocityの歴史はこの業界の歴史そのものといえるでしょう。


Travelocityのチケット価格は平均的もしくは平均よりやや高めです。アジア路線では平均かやや高め、それ以外の路線でも平均的な価格です。LCC(格安航空会社)のチケットにも対応していません。どうしようもなく高いというわけでもないけれど、かといって取り立てて安いというほどでもないというのがTravelocityが出すチケット価格です。

また、上で述べた通り2013年からExpediaとの提携を始め、2015年には同社の子会社となっています。このため、Travelocityの価格は基本的にExpediaとほぼ同じで、時にはExpediaより高いこともあります。ですので、あえてチェックするならばExpediaだけで十分なのではないでしょうか。

予約と変更・キャンセル

ネットでの予約方法

Travelocityで格安チケットを予約する際の画面の操作方法について説明します。

Travelocityの予約画面

PC版ではまずRoundtrip(往復)、One way(片道)、Multiple destinations(東京→マニラ→バンコクのような複数区間指定)を選択します。

出発地と目的地はNRT(成田)やHND(羽田)のように空港の3レターコードを入力しても良いですし、TOKYOのように都市名をそのまま入力してもかまいません。

東京のように複数の空港がある都市では空港の選択ができますが、安いチケットを探す場合は「All Airports」にして選択肢を増やしたほうが良いです。

Travelocityの予約画面

次に出発日、帰国日、搭乗する人数を入力します。スマホ版では出発日だけ選択して画面上の「Done」をタップすると片道に、帰国日も選択してからDoneをタップすると往復になります。

Travelocityの予約画面

PC版では「Advanced options」をクリックするとオプション画面が表示され、直行便、払い戻しができるチケット、利用する航空会社、座席クラスを指定することができます。

入力が終わったら「Search」を押して検索結果画面に移動します。

Travelocityの予約画面

検索結果画面では航空会社、出発時刻、到着時刻、所要時間、乗り継ぎ回数、チケット価格などが表示されます。PC版では行きと帰りのフライトの組み合わせで表示されますが、スマホ版では行きのフライトしか表示されません。

Travelocityの予約画面

スマホ版では行きのフライトを選択した次の画面で帰りのフライトを選ぶようになっています。

Travelocityの予約画面

「Show Flight Details」(スマホ版ではフライトを選択した後の画面の「View Details」)を押すと、搭乗便名、使用機材、乗り継ぎ空港での待ち時間などの詳細情報が表示されます。

Travelocityの予約画面

PC版では画面左の「Filter your results by」のところを操作すると、乗り継ぎ回数や航空会社、搭乗する時間帯などで検索結果を絞り込むことができます。スマホ版にはこの機能はありません。親会社のExpediaもそうですがTravelocityはPC版にある機能の一部をスマホ版では省略しています。

Travelocityの予約画面

購入するチケットを決めたら「Select」ボタンを押し、次に現れた画面下部にある「CONTINUE BOOKING」を押します。スマホ版では帰りのフライトを選択すると表示される「Book」ボタンをタップし、その次の画面で「Traveler」をタップします。

Travelocityの予約画面

この画面では氏名などの搭乗者情報を入力します。電話番号は先頭のゼロを外して入力します。スマホ版では電話番号入力欄の左に国番号を入力するのですが、デフォルトでアメリカの国番号の1が表示されていますので、日本の国番号81に書き換える必要があります。非常に気付きにくいですので注意してください。

また、スマホ版ではメールアドレス、生年月日、性別も入力します。ここで入力したメールアドレスに予約表などが送られてきますので、確実に受信できるアドレスを入力しましょう。

Travelocityの予約画面

「Seat Preference」欄でAisle(通路側)かWindow(窓側)か座席を選ぶことができます。ただし、必ずそうなることが保証されるわけではありません。

Travelocityの予約画面

購入するチケットの航空会社のマイレージ会員である場合、「Frequent Flyer Information」欄にマイレージカードのナンバーを入力することができます。スマホ版にはこの機能はありません。

必要な項目を入力したら「CONTINUE BOOKING」をクリックします。スマホ版では「Done」をタップし、次の画面で「Enter payment」をタップします。

Travelocityの予約画面

PC版では保険加入の案内が出ますが、不要であれば「No」にチェックを入れます。

次にクレジットカードの情報を入力していきます。「Card Identification Number」(スマホ版では「CVV」)はカード裏面に書かれてある番号の下3桁のことです。PC版では搭乗者名が自動的にカード名義人欄に入力されています。間違っていないか確認して下さい。

Travelocityの予約画面

次に入力する住所はカード会社に登録してある住所です。「City」欄に都道府県名、「Address」欄にそれ以外の住所を入力します。スマホ版ではハイフォンは使えません。「Postal Code」は郵便番号です。PC版ではこの下でメールアドレスを入力します。ここまで入力したらスマホ版では「Done」をタップします。

Travelocityの予約画面

画面下の方に「Terms of Use」などのリンクがあり、リンク先に利用契約や約款などが書かれています。後になって知らなかったと言っても通用しませんので、必ず目を通して内容を理解しておきましょう。

「CONTINUE BOOKING」(スマホ版では「Book」)を押すと支払処理が行われます。確認画面などは表示されませんので注意してください。支払いが完了するとのちほど予約ナンバーなどがメールで送られてきます。

変更、キャンセルについて

Travelocityの支払処理画面の一番最後のところには通常「Tickets are nonrefundable and nontransferable.」と書かれています。払い戻しも譲渡もできないということです。航空会社の規定でキャンセルができることもありますが手数料が発生します。上記の予約の例では手数料は最低1万円でした。

また、キャンセルなどの規定は「24時間以内はキャンセル無料」など特別な記載がない限り、予約が完了した直後から適用されます。支払処理をした、つまり「CONTINUE BOOKING」をクリックした次の瞬間から払い戻し不可であり、キャンセルペナルティが発生するということです。

ひどいとか、あんまりだとかいう話ではなく、そういう規定になっていてそれに同意して「CONTINUE BOOKING」をクリックしたのだから、同意した規定が適用されるということです。Travelocityに限らず海外の予約サイトでチケットを購入する場合は、変更やキャンセルをしたらお金は1円たりとも戻ってこない、変更やキャンセルは一切しないつもりで購入することをおすすめします。

さらに、Travelocityは日本語には一切対応していませんので、変更やキャンセルは電話であろうとメールであろうとすべて英語でやりとりすることになります。英語に自信がない人は注意しましょう。

最安値の推移

Travelocityで調べた東京発主要路線往復の最安値の推移です。調査方法、表の見方については「価格調査の概要」をご参照ください。(※順位低迷のため調査対象から除外しました。)

9路線平均

月度
順位
平均
区分
5月
14/18
$670
4月
14/16
$534
3月
9/13
$529

上海

月度
順位
安値
区分
5月
11/18
$417
一般
4月
6/16
$298
一般
3月
8/13
$315
一般

香港

月度
順位
安値
区分
5月
11/18
$324
一般
4月
7/16
$263
一般
3月
7/13
$274
一般

バンコク

月度
順位
安値
区分
5月
10/18
$299
一般
4月
5/16
$329
一般
3月
9/13
$356
一般

マニラ

月度
順位
安値
区分
5月
10/18
$290
一般
4月
6/16
$320
一般
3月
10/13
$344
一般

シドニー

月度
順位
安値
区分
5月
14/18
$817
一般
4月
15/16
$900
一般
3月
10/13
$706
一般

ホノルル

月度
順位
安値
区分
5月
12/18
$1,145
一般
4月
13/16
$692
一般
3月
9/13
$652
一般

ロサンゼルス

月度
順位
安値
区分
5月
14/18
$955
一般
4月
13/16
$660
一般
3月
6/13
$712
一般

ニューヨーク

月度
順位
安値
区分
5月
5/18
$982
一般
4月
9/16
$787
一般
3月
4/13
$759
一般

パリ

月度
順位
安値
区分
5月
16/18
$804
一般
4月
15/16
$557
一般
3月
10/13
$642
一般