有権者の機嫌取り対策のプレミアム商品券は税金のムダ使い

各地の自治体で発行されたプレミアム商品券。

消費喚起を目的としたものでしたが、趣旨に合わない利用が相次いだようです。

この手の商品券、過去にも失敗した事例があったと思うのですが。

なぜこんな政策を実施したのでしょうか?

今回のプレミアム商品券には疑問を感じざるを得ません。

そして、疑惑も。

プレミアム商品券の狙い

プレミアム商品券は、購入した金額よりも高い商品を購入できるというものです。

5千円で買った商品券で、6千円使えるみたいな。

そうすることで、みんなに消費してもらって、地域経済を活性化させよう。

そしてそれが日本経済全体に波及していく。

そういう狙いで発行されたのが、今回のプレミアム商品券です。

この時点で失敗するの見え見えなんですが。

想定外利用の事例

しかし実際には、消費喚起につながらない使い方も横行しました。

新聞やニュースなどによると、次のような支払いに使われたそうです。

  • パチンコ
  • 車検
  • 司法書士への報酬
  • 家賃・駐車場代
  • プロパンガス代
  • 病院代
  • 交通機関の定期券代
  • 葬式代

商品券で葬式出すって発想はなかったなぁ。

故人は遺族に何か恨みでも買われてたんやろうね。笑

いずれにしても消費の喚起にも地域経済にもつながらない使い方ばかりです。

今の庶民は消費マインドではない

でも、葬式はともかくこういう使い方が出るって予想はできたと思うのです。

だって、今の庶民のマインドは消費ではなく生活防衛です。

現在に対して少しでも節約しよう、将来に対して少しでも貯めよう。

そんな庶民に商品券を渡しても消費しようとは思いません。

それを使って、どうすれば防衛できるか必死に知恵を絞る。

新たな消費の出費ではなく、現在の消費の節約に使おうとする。

これくらい誰でも予想できたと思うのです。

官僚たちは分かっていたはず

では、霞が関のみなさんは予想できなかったのか?

そんなはずないと思うんだよなぁ。

官僚は高給取りみたいに言われますが、それは上の方のごく一部だけです。

30代の官僚と話したことがあるのですが、貧乏サラリーマンの僕より安月給で腰を抜かしました。

彼らもまた消費よりも防衛の一般庶民なのです。

しかも東大京大卒の優秀な頭脳で、それが分からないわけがない。

政治家が機嫌取りをした

では、なぜそれでもやったのか?

役所ではなく政治が主導したんでしょうね。

国民の機嫌取りのために。

庶民はこれで(消費ではなく)節約できるとよろこぶ。

商業者は多少なりとも売り上げた増えてよろこぶ。

ムダな政策に異議を唱えよう

僕はブサヨでもアベガーでもありませんが。

こういう大衆迎合の機嫌取り政治はキライです。

こんなことに税金を使う、保育士の待遇改善のほうがはるかに国のためになる。

我々はこういう政策によろこぶのではなく、政府に異議を唱えるべきです。

ちなみに今回のプレミアム商品券に投入された税金、1,595億円だそうです。

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