上海パクリ大江戸温泉物語|中国メディアとネット民の反応

大江戸温泉物語が上海でパクられた事件。

中国のメディアがどう伝えたか、中国ネット民の反応は?

気になりますよねぇ~

さっそく見てみましょう!

環球時報は(しぶしぶ)冷静に伝える

まずは中国ネトウヨ御用達の環球時報です。

自国に不利な内容ですので、淡々と事実だけを伝えております。

以下、勝手に全訳掲載するとDeNAの二の舞いになりそうですので、要点だけかいつまんで訳します。笑

12月23日14時30分(北京時間)

上海市郊外で21日、「大江戸温泉物語」が営業を始めた。

温泉だけでなく食事やマッサージといったサービスも提供。

店内には熊本県の人気キャラ「くまモン」のぬいぐるみもあり、日本らしさを演出している。

(きっと偽物の)くまモンを(勝手に)置いてることを認めました。

しかしNHKによると、日本の大江戸温泉物語は次のように表明した。

「海外で法人は設立しておらず、いかなる企業とも提携していない。上海の施設と当社は一切関係ない。」

日本メディアの取材に対し、上海大江戸の従業員は次のように答えた。

「日本の会社との関係はよく分からないです。でも、上海での営業に問題はないと思います。」

NHKニュースの報道内容を、ほぼそのまま伝えました。さらに、

NHKはニュースの最後で次のように報じた。

「中国企業による無許可での外国ブランドの使用や、商標登録はたびたび発生している。東京、上海の両者の間で、商標の使用などをめぐって争議となることが予想される。」

ちなみにこれ以降、環球時報はこの問題を報じていません。

環球は産経新聞と同じく、右寄り読者の期待に応えるのが仕事です。

都合の悪いネタはフェードアウトがお約束。笑

新民晩報はナイスな取材と報道!

さて、お次は地元上海の夕刊紙、新民晩報です。

こちらは短時間にていねいな取材をし、実に公平な報じ方をしています。

日本のメディア(特に朝日)に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいです。

記事の頭からかいつまんで訳していきます。

上海大江戸報道の概要

12月24日07時24分

先日、中国版ツイッターで「日本の大江戸温泉物語が上海にやって来る!」とのツイートが流れ、中国の温泉愛好家の期待を高めた。

ところが日本大江戸が、上海大江戸と一切関係ないと即座に表明した。

上海大江戸は記者に対し「日本大江戸と加盟関係にある」と答えた。

上海市消費者保護委員会は「加盟関係があるならば、上海大江戸は契約書などを速やかに提示し、消費者の知る権利を守らなければならない。」とした。

しょっぱなから上海大江戸に対して、うたがいモード満開です。

また、上海市政府も非常に適切な対応をしています。

日本大江戸は上海大江戸と無関係と主張

上海大江戸は中国版ツイッターで次のようにツイートしていた。

「日本の大江戸温泉物語が12月中旬に上海に上陸します。日本最大の温泉施設、大江戸温泉物語が上海に誕生するのです!」

ところが日本大江戸の声明は以下のようであった。

「当社と同じ名称の温泉施設が上海でオープンしたことを確認している。現在、当社は日本国内のみで営業しており、海外で同じ名称の法人は設立しておらず、海外のいかなる企業とも提携していない。中国も含め、日本国外の同名称の施設と、当社は何ら関係を持たないので、ご注意ください。」

日本大江戸の声明は2つの点を明確に伝えた。

一つは上海大江戸と一切関係がないこと、もう一つは、上海大江戸も含めて一切の中国企業との提携を行っていないこと、である。

日本大江戸の主張を正確に伝えています。

注目すべきは最後の一文です。

上海大江戸は中国の企業から大江戸温泉物語の商標使用権を得たとしています。

日本大江戸が中国のあらゆる企業と提携していないことは、この上海大江戸の主張を否定するものです。

上海大江戸への取材結果

記者は上海大江戸に行き取材を行った。

地下鉄駅前の店舗には「大江戸温泉物語、純日本式の温泉テーマパーク」と書かれた大きな看板があった。

店の前では何人かの客が店をバックに写真を撮っていた。

店内に入り、フロントで責任者への取材を申し出たが、不在との回答であった。

制服を着た従業員は「私は店でのお客様対応だけなので、メディアのことは分からないんです。会社の方に電話していただけないでしょうか。」

そこで記者は同店に客のふりをして電話し、日本大江戸との関係をたずねた。

すると担当者は「当店は日本大江戸の加盟店です。」と答えた。

更に詳しい状況を調べるため、記者は店の責任者の携帯番号を手に入れた。

しかし、何度かけてもつながらなかった。

中国語の記事のすみずみから、記者がはなっから上海大江戸を疑っているのが伝わってきます。笑

しかし、日本の新聞の記事よりリアリティというか、臨場感があるよね。

消費者保護委員会は早急な情報公開を求める

上海大江戸の公式ツイッターによると、同店の運営会社は上海江泉酒店管理有限公司である。

企業登記の検索サイトによると、同社は2015年9月10日に登記され、ホテル経営や水処理設備などを事業内容としている。

記者は一つの疑念を持った。

上海大江戸は日本大江戸の名称だけでなく、字体やロゴも似たようなものを使っている。

これは違法な権利侵害になるのではないだろうか?

中国の記者もちゃんとしてますよね。で、どうなる?

上海の知的財産権を扱うコンサルタントの梅小平氏は、記者に次のように答えた。

「商標権には地域性がありますので、大江戸温泉物語がブランドに当たるのか、中国で商標登録されているかなどは調査が必要です。」

梅氏は今の段階では権利侵害と判断できないとした上で、次のように続けた。

「しかし、現在は情報技術が発達しており、上海大江戸が日本に同じ名称の企業があることを知らないはずがありません。」

梅氏はさらに、名称、字体、ロゴの使用にあたり、加盟契約を結んでいないとすれば、不当競争の疑いがあるとした。

なに、この中国コンサル。すごいマトモじゃん。

「もし加盟契約をしているのならば、”ブランド加盟証明証”を提示すべきです。」

上海市消費者保護委員会の汪鶇主任はこう述べた上で、運営会社の上海江泉酒店管理有限公司が本当に日本大江戸と加盟契約を結んでいるのならば、早急に情報を公開して自らの合法性を証明し、消費者の知る権利を保証すべきだとした。

汪主任はさらに、もし同社が加盟契約を偽造しているのならば、消費者を惑わした嫌疑がかかると指摘した。

今回の件について、すでに工商行政管理局が調査を開始しており、本紙も今後の動きを追っていく。

行政サイドもすごくしっかりしてることに驚き。

以上が新民晩報の記事です。

非常にていねいに取材し、偏ることのない公正な報道だと思います。すばらしい!

中国ネット民と消費者の反応

さぁ、お次は今回の件についてのネット民の反応です。

反日、嫌日系の反応は想像がつきますのが、一般庶民の反応はどうでしょうか?

飲食店やサービス業について、消費者が評価を書き込むサイト。

中国版食べログの「大衆点評」を見てみます。

パクリ論が大勢

>桃乐妃嗲囡囡さん

パクリだ。

>krisssさん

日本側は支店はどこにもないと声明を出してる。もろパクリだ。

>mnbjlouyさん

日本の公式サイトはデマを否定してる。これはパクリだよ。

>糖果牛牛妈さん

日本のライセンスを取ってない。見た目を似せただけだ。日本側も上海には出店していないと言っている。

>咖啡奶泡小金鱼さん

本物じゃない。ニセモノだよ。

>Lulucz4238さん

日本の大江戸が声明を出した。日本以外はすべてパクリだってよ!

>linlin0441さん

日本側が大江戸は日本にしかないと言ってる。私、もう入場券買っちゃたよ!

>gzw0さん

日本で働いていた時に行ったけど、すごく良かったよ。上海に来るのか!と思ったのに。パクリとは…

恥ずかしいからやめてくれ

>aokagaさん

こんなにも早く恥をかかされることになるとは。

>ptgmailuser_3903110018さん

パクリだって日本でニュースになってるよ。お願いだからお店の名前を変えてくれ。中国人の面汚しだよ。

>上海大江戸の反論

当社はすでに声明を発表しています。ぜひ公平な立場から今回の問題を見てください。ご満足いただけるようにまた新たな発表をします。

中国人らしいやり取りも

以下は一連のやり取りです。

>玲珑meimeiさん

本当にニセモノだったら、名前やロゴを同じにしたりしないだろ?経営者はどういうつもりだ?クソ日本が権利侵害と追求しないはずない。営業中止と賠償を求めてくるぞ。店側の説明が不十分だ!

>上海大江戸の反論

みなさん、本件については公開声明を出します。

>MOONSKULLさん

クソ日本は中国での商標登録をしてないんだから、中国でロゴを使うのは合法だよ。この社長は法律の盲点をついて自分のブランドにしたんだ。

それと可能性は低いけど、本当に提携を交渉中で、まだ提携が成立してないだけかもしれない。日本人はこのあたりに厳格だからね。

>玲珑meimeiさん

公式ツイッターで中国初出店って言ってて、俺も知り合いに国内初だと言ってたんだ。それが今日になって恥をかかされるちゃったよ。

>MOONSKULLさん

名称とかまったく同じでなくても良いんだよ。小京都温泉物語とか、富士山とかに変えれば良いじゃん。大江戸のイメージで作ってて、それが魅力になってんだから。(同じ名前にして)恥をかかされる必要ないよ。

利用者の評価はそれほど悪くない

実際に利用した人の感想も見てみましょう。

>就晓得吃吃吃さん

中に入って最初の印象はすごく良い。思いっきり日本風で、内装が良かった。湯船は大きくはないけど、すごくちゃんとしてて清潔だった。露天風呂も大きいのがあったし。

シャンプーやボディーソープとかはすべて資生堂だった。浴衣は5~6種類あってデザインも良かったけど、大きいサイズがなかったのが残念。

2階はフードコートで、ラーメン屋や焼肉屋があった。値段は相場の2割増しくらい。味は今ひとつだった。

休憩スペースはすごく狭くて、建材か接着剤の匂いがひどかった。

設備やお風呂は良いんだけど、時間をつぶせるネタがなくて退屈しちゃう。(割り引きの)99元なら考えるけど、100元オーバーなら次はないかな。週末は混雑しそうだからありえない。

>流水花间さん

初日に行ったけど、人は少なかった。

湯船は(先に進出している日本資本の)極楽湯とそっくりだよ。くまモンと一緒に自撮りできるのも良かった。

フードコートは問題あり。極楽湯は席に注文を取りに来て持ってきてくれるよね。でもここは、フードコート内の各お店に自分で買いに行くスタイル。さんざん歩き回らされたよ。

>SUNXINNO1さん

準備不足でオープンしたって感じ。マンガの棚はスカスカでちょっとしかないし、自動販売機は故障だらけ。

飲食は普通ね。値段はともかく、味はもう少し良くして欲しい。フードコートが散らかりっぱなしで、ゴミもあちこちにあった。

運営管理レベルが極楽湯とは雲泥の差。上海の大江戸は東京の大江戸とまったくの別物よ。(←東京にも行ったことがあるみたい)

>飞宇宝贝さん

くまモンと写真を撮れるところがあった。アメニティはすべて資生堂で、ニベアのボディローションもあった。

浴衣はすごく大きくて、おデブさんでも大丈夫。デザインも良かった。食べ物は高くはないけど、味は普通ってところ。

従業員のサービスも良かったし、値段(138元=2,000円)から見てOKだと思う。

>狸太さん

湯船が大きくないので、人が多いと混み合うだろうね。焼肉を食べたけど悪くなかった。

ニセモノではあるけど悪くはなかったよ。極楽湯を別としたら選択肢に入るね。

上海大江戸への期待は高かった

日本製品やサービスへの評価は中国で非常に高いです。

極楽湯は上海の他、武漢でもオープンしており、青島、無錫にも出店予定です。

人気は非常に高く、2時間待ちの日もあるそうです。

東京の大江戸温泉物語も、利用した中国人から非常に高く評価されています。

それだけに、上海大江戸への期待も高かったことが書き込みからうかがわれます。

誰もが上海大江戸=パクリと判断した

注目すべきは、日本大江戸の発表を聞いて、ほとんどの中国人が上海大江戸はパクリと判断したことです。

日本大江戸の発表を疑う書き込みは、ほとんど見られませんでした。

誰もが疑うことなく、上海大江戸=パクリと判断する。

誰よりも中国人自身が、中国人をまるで信用していない。

今回の事件でそのことが、また明らかとなった形です。

さらなる疑惑が現れた!

この記事を書いたあとで、新たな疑惑が出てきました。

実は上海大江戸は別の中国企業に騙されたのでは?という声です。

本当のクロは一体誰なのか?

ブログにまとめましたので、良かったこちらも読んでみてください。

上海大江戸温泉物語は騙された被害者?|パクリ事件に新たな疑惑
上海パクリ大江戸温泉物語事件で新たな疑惑です。無許可でパクったと見られていた上海の温浴施設業者が、実は別の中国企業に騙されていた疑いが出てきました。企業側が提出した新たな資料から事件の真相を探ります。

くまモンの無断使用に熊本県が抗議

このブログで紹介した通り、くまモンを勝手に使ってます。

熊本県がさっそく抗議しました。

これについての中国ネット民の反応もまとめました。

上海パクリ大江戸温泉くまモン無断使用で熊本県抗議|中国人の反応
上海に現れたパクリ大江戸温泉問題に新たな展開です。この施設がくまモンを無断で使用していたことが判明し、熊本県が抗議を行いました。この件に対する中国ネット民の反応を紹介します。

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