飲食店禁煙の厚労省案は愚策|喫煙者は店内に押し込んで隔離すべき

厚生労働省が飲食店での喫煙を原則禁止にしようとしています。

これは愚策です。

なぜならば、非喫煙者のためにならないからです。

喫煙者ではなく非喫煙者、嫌煙者こそ、この案に反対すべきです。

最初にお断り

最初に断っておきますが、僕は喫煙者です。

ですが、海外のタバコに寛容な国に住んでいる上、日本には数年に一度しか帰りません。

なので、日本の飲食店が禁煙になっても困りません。

そういう立場で、非喫煙者の利益保護という観点から書いています。

飲食店が禁煙になって困る喫煙者の立場で書いているのではありません。

非喫煙者、嫌煙者の方々は、それを踏まえた上で読んでいただければと思います。

東南アジアのホテルの例

飲食店の話の前に、東南アジアのホテルについて。

東南アジアでは、ほとんどのホテルが全館禁煙です。

そして、ごく一部のホテルにのみ、フロアを分けて喫煙できる部屋があります。

その一方で、東南アジアの喫煙率は日本よりも高いです。

このため全館禁煙のホテルにも、多くの喫煙者が宿泊します。

入口はタバコの煙だらけ

その結果どうなるか?

東南アジアでの滞在歴が長い方はご存知かと思います。

全館禁煙のホテルの入口では、常に誰かがタバコを吸っています。

そしてその人数は、分煙ホテルの入口よりもはるかに多いのです。

ウソではなく本当にそうなんです。

室内で吸えないから外に出てくる

理由は簡単です。

喫煙者は定期的にタバコが吸いたくなります。

分煙ホテルでは、吸いたくなったら自室内で吸います。

ところが、全館禁煙ホテルでは外に吸いに出るしかありません。

その結果、全館禁煙ホテルの入口周辺は煙だらけになるのです。

全館禁煙は非喫煙者を煙にさらす

全館禁煙ホテルってイメージ的には良さげに感じます。

ですが現実には、分煙ホテルのほうが非喫煙者への実害が少ない。

全館禁煙にして喫煙者を外に押し出すよりも、吸える空間を作って喫煙者をそこに押し込んだほうが良いのです。

吸える空間をあえて用意して、そこに押し込んで隔離する。

その方が非喫煙者が煙被害に遭うリスクが減るのです。

店内禁煙にすると店頭喫煙が増える

すべての飲食店を禁煙にすると、これと同じことが起こります。

チェーン展開するような資本力のある大手飲食店と、個人経営の零細店で対応が分かれます。

  • 大手:店内に喫煙室を作って分煙化
  • 零細:店内は禁煙で店頭に灰皿を置く

その結果、その店の利用客だけでなく通行人まで、入口の前を歩くたびに、タバコの煙にさらされることになります。

店頭禁煙は不可能

これに対して、店頭での喫煙を禁止すべきという意見があるでしょう。

しかし、はたして現実問題として可能でしょうか?

繁華街や商業地は可能でしょう。既存の禁煙エリアを広げれば良い。

ですが、街中のラーメン屋の前の道まで規制できますか?

あるべき論や理想論ではなく「現実問題」として。

僕は不可能だと思います。(可能だと思う方を否定しません。)

厚労省案は店頭喫煙被害を増やす

今回の厚労省案は、飲食店オール禁煙です。

良さげに感じますが、現実の損得勘定で考えてみてください。

確かに非喫煙者にとって、すべての飲食店内で煙がなくなるのはメリットです。

その代わり、店頭喫煙の被害に遭うのは今よりも確実に増えます。

今まで店内で吸っていた喫煙者が、店頭に出てくるからです。

店の選択肢は減る

逆に、オール禁煙にせず、店内で喫煙できる店を残すとどうなるか?

非喫煙者が喫煙可の飲食店を選べないというデメリットは生じます。

しかし、喫煙者はもはや国民の2割足らずです。

大手店は間違いなく分煙にするでしょうし、禁煙にする零細店も増えます。

ですので、選べる店が減るといっても限定的です。

店頭喫煙が減る

逆にメリットは、喫煙者を隔離できることです。

ごく一部の喫煙可能店に、喫煙者を押し込んで隔離できる。

その結果、店頭でタバコの煙を吸わされずに済むようになります。

冒頭で紹介した、東南アジアのホテルと同じです。

喫煙できる空間に喫煙者を押し込んで隔離する。

その方が、非喫煙者が煙にさらされるリスクは減るのです。

東海道新幹線の全車禁煙

それでも全面禁煙にすべきという方、新幹線をどう思いますか?

東海道新幹線が全車禁煙になりましたが、良くなりましたか?

喫煙室でタバコを吸ってきたオッチャンが、戻ってきて隣りに座る。

タバコ臭くてしょうがない。

このタバコ臭問題が激増してるじゃないですか。

乗車前のニコチンチャージ

東北新幹線は喫煙室すら作りませんでした。

ではそれでタバコの臭いから逃れられたか?

乗る直前に仙台まで2時間分のニコチンチャージをしたオッチャンが隣に座る。

大宮を過ぎてもまだ臭いじゃないですか。

喫煙車両を廃止したのが失敗

新幹線は喫煙車両を残しておくべきでした。

全車禁煙ではなく、喫煙車両と禁煙車両との間はドアが開かないようにする。

車内の空調も別系統に分ける。乗務員も喫煙車両用に1人増やす。

それらのコストは喫煙車料金として、喫煙車の乗客に負担させる。

そうしておけば、喫煙者を喫煙車両に押し込んで隔離できた。

今のような、隣に煙臭いオッチャンが出現することを回避できたのです。

喫煙者は隔離すべき

今回の飲食店の問題も同じです。

全面禁煙にすると、東南アジアのホテルや新幹線のようになります。

喫煙者と煙が、非喫煙者の空間に出てきます。

喫煙者と非喫煙者を、同じ空間に存在させてはいけません。

喫煙者は喫煙可能な店に押し込んで隔離するべきです。

そのための隔離場所として、タバコを吸える飲食店をあえて残すべきなのです。

喫煙者を外に出してはいけない

オール禁煙にすれば、店頭喫煙が絶対に増えます。

今まで店内で吸っていた喫煙者が、必ず外に出てきます。

彼らと一緒に煙も外に出てきます。

外に出すべきではない。押し込んで隔離すべきです。

非喫煙者のみなさんは是非、自らの利益のために、現実的に考えてください。

今回の厚労省案は、明らかに愚策です。

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