恵方巻やクリスマスケーキなどコンビニのノルマがなくならない理由

恵方巻き、クリスマスケーキ、おせち。

コンビニエンスストアのノルマが社会問題となりました。

高校生が恵方巻き数十本のノルマに苦しむとか。

ノルマ未達分は給料から天引きとか。

信じられないようなことが行われているのですが。

それでも、コンビニのノルマ、絶対になくなりません。

その理由を説明します。

701 じじろぐ:大

諸悪の根源は商品部と営業部

恵方巻きノルマではコンビニの店長が批判されました。

確かに店長も悪いです。しかし店長は下っ端に過ぎません。

言うまでもなく一番悪いのは本部です。

ですが、本部といっても大きな組織です。

その中で悪いのはどこかというと商品部、次に営業部です。

さらに突き詰めるとバイヤー、そして地区本部長です。

小売業は上意下達

チェーンによって呼び名は違いますが。

バイヤーは商品カテゴリーごとに販売計画を立てて仕入れをする人です。

地区本部長は北関東みたいにある程度の範囲の販売を管理する人です。

バイヤーが販売計画を立て、それが地区本部長に降りてきて、さらにエリアマネジャーに来て、店長に来る。

大雑把に言うとそんなイメージです。

販売計画の仕組み

さて、コンビニも含む小売業では、年度末が近づくと来期の販売計画を立てます。

その仕組ですが、まず食品、雑貨、書籍みたいな大きなカテゴリーがあります。

その中で、日配、加工食品、生鮮、飲料など中分類になる。

さらに、弁当、パン、惣菜みたいに分かれて、それぞれにバイヤーが付きます。

販売計画はまずバイヤーが立てます。

そして各バイヤーの販売計画を足し算し、チェーン全体の来期の販売計画ができます。

予算は必ず前年プラス

さて、問題はここです。

チェーン全体として前年割れの売上げ予算は認められません。

必ず前年よりも売上げアップの予算になります。

それ以外は不可です。

日本経済が縮小しようと、人口が減少しようと、競合店が増えようと、売上げ計画は必ず前年プラスです。

小売業に理屈は通らない

理屈で考えるとおかしいんです。でも理屈じゃないんです。

なぜか?

小売業って基本的にアホしか集まってきてないんです。笑

給与水準が一番低く、労働集約型で就業環境が悪い。

就職活動で一番人気がないのが小売りと飲食です。

社員の平均偏差値が一番低いのが小売業です。

だから理屈は通らないのです。

ちなみに僕は小売り出身です。笑

前年プラスは気合いで生まれる

各バイヤーから集まってきた来期の販売計画を足し算すると前年割れだった。

次の瞬間、商品部長から全バイヤーに命令が出ます。

「増やせ。」

アホ集団ですから商品部長もそこまでお利口ではありません。

理屈もへったくれもなしで、バイヤーに販売計画の増額を命じます。

命じられたバイヤーはしょうがありません。

あちらでこちらで、少しずつ数字を上積みしていきます。

こうして恵方巻きの来期の販売計画も、今期よりプラスになるのです。

販売計画がエリアに降りてくる

来期の販売計画には当然、地区ごとの販売計画が含まれています。

それが地区本部長に降りてきます。

そして地区本部長はその計画を、より小さなエリアごとに分けていきます。

(本部計画時点で個店単位まで振り分けるチェーンもあります。)

そしてそれを、エリアマネジャーやスーパーバイザー(SV)に命じます。

本部でバイヤーが決めた恵方巻きの販売計画が、ここでSVに降りてきます。

スーパーバイザーの悲哀

SVは自分のエリアの販売計画に責任を負います。

予算未達だと評価が下がります。

数値管理はセブンやローソンなどちゃんとしたチェーンほど厳格です。

だから、SVにとって恵方巻きのノルマをクリアするのは至上命題です。

だからしょうがありません。店舗に割り振ります。

店長の立場なんて足軽並み

では店舗はどうするか?

フランチャイズチェーンにおいて、力関係は本部のほうが圧倒的に上です。

店長なんて参勤交代を命じられた地方大名の下の下の足軽みたいなものですから。

本部に反旗を翻すなんて現実問題として不可能。

だからしょうがありません。バイトに割り振ります。

実はみんなで自爆している

ノルマを押し付けられて自爆して、確かにアルバイトは被害者です。

ですが、自爆しているのはアルバイトだけではありません。

店長もエリアマネジャーもスーパーバイザーも自爆してます。

それだけではありません。

地区本部長も、バイヤーも、商品部長も自爆してます。

恵方巻きと関係ない週刊誌担当のバイヤーも自爆してます。

商品部内でも恵方巻きのノルマがありますから。

バイトだけではなく、全社みんなで自爆してるんです。

硫黄島玉砕みたいなものです。

コンビニのノルマはこれからも続く

突き詰めれば、前年プラス以外を認めない販売計画が諸悪の根源です。

なので、商品部長が前年マイナスを認めれば変わります。

ですが、商品部長も住宅ローンを抱えた、ただのサラリーマンです。

前年割れ予算なんて絶対に組めない。

だから恵方巻きのノルマはこれからもなくなりません。

小売業ってそういう世界なんです。

バイト団結の集団テロ

ではどうすれば良いか?

バイトでできることがあるとすれば、集団テロでしょう。

店舗のバイト全員でノルマに抗議する。

ただし、店長相手に言っても無理です。店長なんて足軽以下ですから。

スーパーバイザーが店に来て店長と一緒にいる時に言う。

ノルマを課すならば、今月限りで全員辞めると。

それくらいしないと無理です。1人2人の代わりならなんとかなりますから。

でも、店が営業できないとなると、SVの大責任問題になります。

それくらい追い込まないと事態は変わらないと思います。

恵方巻きで臨時ボーナス

逆にSV側、チェーン本部側からのアプローチとして一つ案を。

ノルマで強要するのではなく、ニンジンをぶら下げたほうが良いのでは?

例えば、恵方巻きを10本売ったら、来月1ヶ月だけ時給を30円上げるみたいな。

それが時給でも臨時ボーナスでも余った弁当でも良いのですが。笑

売らなければペナルティではなく、売ったらボーナスのほうがまだマシでは?

コンビニのノルマはなくならない

店長が悪いとか、本部が悪いとか、マスコミの報道が非常に表層的なのですが。

問題の本質はそこではありません。

前年プラスの予算がチェーン本部で強引に作られる。

そして、それが降りてくる地区本部長、エリアマネジャー、店長は逆らえる立場にない。

前年プラス予算と上意下達の構造が、恵方巻き問題の本当の原因なんです。

そして、小売業自身にこの問題を解決する能力はありません。

なので来年も再来年も、恵方巻きとクリスマスケーキのノルマはなくなりません。

この世に小売業が存在する限り。

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