リニア新幹線大阪開業後、東海道新幹線を貨物利用できないか?

タイトルそのまんまですが。

リニア新幹線が大阪まで開通したあと、東海道新幹線を貨物利用できないか?

要するに東海道貨物新幹線を走らせることができないか?というテーマです。

最初に申し上げておきますが。

僕はジジイですがスーパーポジティブシンキングです。

どうすればできるか?というベクトルでしか物事を考えることができません。

できない理由をリストアップすることが好きな方はスルーでよろしく!笑

東海道新幹線の利用者が激減する

最初に、貨物新幹線が必要と考える理由を述べます。

鉄オタの方はご存知の内容ばかりなので、見出しだけで読み飛ばしてください。

労働人口の大幅な減少

まず、リニア新幹線が大阪まで開通する2037年の予想人口を見ます。

2017年については、2017年2月1日現在の概算値です。(出典:「人口推計」(総務省統計局)

2037年については、2012年1月における出生中位死亡中位仮定での推計値です。(出典:国立社会保障・人口問題研究所

また、労働人口の定義は20歳以上65歳未満とします。

年度 総人口 労働人口
2017年 1億2,683万人 7,027万人
2037年 1億1,022万人 5,709万人

日本の人口はすでに減少を始めており、2037年には現在よりも13%減ります。

労働人口の減少はそれ以上に進み、現在に比べて19%減ります。

人口の都市流入があるので、東名阪の人口減少は日本全体より緩やかでしょう。

しかし、東名阪でも労働人口が1割以上減ることは確実と予想します。

ビジネス移動の減少

労働人口が減ることで、今後企業は今以上に社員の有効活用を迫られます。

何も生み出さない移動時間は少しでも減らしたいはずです。

テレビ会議の導入、新技術の活用などで、出張を減らす流れが加速します。

労働人口の減少もあり、東名阪の労働者の移動が大減少する可能性があります。

リニア新幹線への乗客移動

この状況下で2037年にリニア新幹線が開通します。

労働人口が2割近く減っているので、数少ない社員を有効に使いたい。

運賃が700円しか変わらないなら、時間短縮できるリニアの方が良い。

東名阪のビジネス移動の需要が、リニア新幹線に大きく流れることは確実です。

もちろん、東京-浜松、新大阪ー豊橋などリニア沿線以外の利用もあります。

しかし、東海道新幹線の利用客が大幅に減少することは否定できません。

東海道新幹線の線路容量

次に線路容量の問題です。

線路容量とは単純に言うと、線路の混み具合です。

現在、東海道新幹線はひっきりなしに走っていて一杯一杯の状態です。

リニアが開通すると、上述の通り多くの乗客が新幹線からリニアに流れます。

その結果、東海道新幹線の線路容量に余裕が生まれます。

もちろん、2本できるから東海道新幹線の運行量が半分に減ったりはしません。

16両編成を8両編成にして運行頻度=利便性を高める可能性が高いです。

2020年投入予定のN700Sは、これを見据えて開発されたという指摘もあります。

JR東海が東海道新幹線向けに新型電車「N700S」を発表した。最高速度は変わらず、最新技術は省エネルギーと安全性と乗り心地に振り向けられた。さらにN700Sには新たな使命として「標準化車両」というキーワードを与えられている。高品質な車両を国内外問わず提供するという。しかし本音は「東海道新幹線の変化に対応し、その価値を維...

しかしいずれにしても、東海道新幹線の線路容量に余裕が生まれること自体は間違いありません。

東海道新幹線は稼がなければならない

線路容量に余裕が出るほど乗客が減少する東海道新幹線。

しかし、乗客が減っても東海道新幹線は稼ぎ続けなければなりません。

JR東海は2013年から10年計画で東海道新幹線の大規模改修を行っています。

その費用は総額で7,300億円です。

2037年には開業73年を迎えますので、さらなる改修もあり得ます。

日々の運行以外にこういったコストも新幹線は稼いでいく必要があります。

線路容量の余裕を使って稼ごう

ここまでをまとめます。

  • 東海道新幹線の利用者が減る
  • 線路容量に余裕が生まれる
  • 改修費などを稼がなければならない

それで僕はこう考えるのです。

リニア開業で利用者が減って生まれた線路容量を使って改修費などを稼ぐべき

僕は北陸新幹線の米原での東海道新幹線への乗り入れを主張していますが。

北陸新幹線が米原で東海道新幹線に接続して乗り入れるべき理由
北陸新幹線が小浜+南回りルートで決まりそうですが、米原ルートにすべきです。実は線路容量の問題は米原から東海道新幹線への乗り入れに一切影響しません。米原経由が有利な理由、線路容量が影響しない理由、小浜ルートにした場合の問題を説明します。

これも線路容量の余裕を使って少しでも収益を上げるという考えがベースです。

東海道新幹線の貨物利用もまた、線路容量の余裕を使って稼ぐ方法の一つです。

東海道貨物新幹線の駅

さて、ようやく東海道貨物新幹線の具体的な話です。

なお、僕は物流の専門家ではなく、単なる鉄オタのジジイです。

しかも鉄オタの分類としては、乗り鉄、時刻表鉄です。

運輸運搬も含め、技術的なことはまるっきり分かりません。笑

きっと間違ったことを書いてる部分があると思います。

なので、ここは間違ってるがこうすれば可能、という建設的ご意見は大歓迎です。

ぜひ勉強させてください。

既存の駅とホームを使う

まず駅ですが、既存の駅とホームをそのまま使えないでしょうか?

貨物ターミナル駅を使うと、そこまでの線路の新設でコストがかかります。

東京、大阪の貨物ターミナル駅は新幹線の車両基地のすぐ隣にありますが。

一旦、東京、新大阪駅に着いてバックして入る配線なので便利が悪いです。

貨物に適したターミナル駅を使うのではなく、既存の駅とホームを使ってできる最善の貨物輸送を実現する。

僕はそういうスタンスで考えてみました。

基本は1面2線

鉄オタでない方のために用語の説明から。

下図は新幹線品川駅の配線図です。

黒がホーム(面)、青が線路(線)です。

このように2つのホームと4本の線路の組み合わせを2面4線といいます。

品川駅は上のホームを新大阪方面行き、下のホームを東京行きで使っています。

リニア開通で列車の本数が減り、品川は全列車停車ですので待避線も不要です。

そこで、上の1面2線を貨物用、下の1面2線を旅客用で使います。

東京からの旅客用下り線は、Cの引き込み線を使えばなんとなるような?

現在の東京方下り線とAとBの引き込み線は、貨物新幹線の留置線にします。

停車駅は5つ

詳しい説明はオタクになりすぎるので省きますが。

基本は上の品川駅のように1面2線、静岡だけ2面2線で停車駅は次のようにします。

品川ー新横浜ー静岡ー名古屋ー新大阪

静岡以外は現在の旅客用ホームの内の1つを貨物専用に転用します。

静岡は旅客用ホームのまま貨物も使いますが、乗客が少ないからなんとかなる?

運搬什器

ここが一番大切なところです。

完璧を追わず、与えられた環境の中での最善を目指します。

運搬に使う什器はパレットとカゴ車

荷物の運搬に使う什器はこれです。

左はハンドリフトとパレットです。

ホームセンターの園芸用品売場とかで見たことないですか?

右はカゴ車です。スーパーでよく見かけますよね。

コンテナは使わない

鉄道輸送と聞いてまず思い付くのはコンテナだと思います。

しかしコンテナは重いです。普通サイズで2トン弱あります。

このため、積み込みにフォークリフトが必要です。

すると、ホームの補強工事が必要になる可能性が出ます。

また、重みに耐えられる新幹線車両が必要になりますし、速度にも影響します。

コンテナとカゴ車ならば、重くてもせいぜい数十kgです。

誰でも扱える

コンテナを前提にすると、積み込みにフォークリフトの免許所有者が必要です。

ですが、コンテナとカゴ車ならば人間がそのまま積み込めます。

高校生やお年寄りのアルバイトでもできるので、雇用の自由度が高まります。

普通のトラックが使える

コンテナは特殊なトラックでないと運べません。

ですが、コンテナとカゴ車ならば普通の2トントラックでも運べます。

トラックへの積み下ろしもドライバー自身でできます。

収納スペースを取らない

空いた什器は必ず出ます。

その一時保管スペースがコンテナではかなりの面積を必要とします。

ですが、パレットならば縦に積み上げるだけでOK。

カゴ車もL字型にたためば収納スペースを取りません。

これらの点を考えると、パレットとカゴ車を使うのが良いと思います。

車両

現在の車両を流用

貨物用の車両は現在の車両を改造して使います。

コスト削減のためです。

パレットが入る程度の扉を側面に何ヶ所か新設する。

車内は座席を全部取り払って、パレットやカゴ車を固定する設備を付ける。

素人考えですが、これだけならば1両数千万円の改造費で済むと思います。

運賃を安くするため

なぜコストを削減するかというと、運賃を安く抑えるためです。

貨物専用の車両を新造すると、間違いなく1両数億円かかるでしょう。

ちなみに、現在のN700系は1両3億円です。

専用車両新造のコストは、貨物の運賃で回収しなければなりません。

車両コストを安くすることで運賃を安く設定でき、価格競争力を持てます。

全体的なイメージと問題点

以上を踏まえて、荷物がどのように動くかのイメージです。

荷物の動き

荷主は出荷地でパレットやカゴ車に荷物を載せ、トラックに積み込みます。

駅に着いたらドライバーは、荷受け場で自分でパレット、カゴ車を下ろします。

荷受け場からホームまでは、駅のスタッフがハンドリフトや手押しで運びます。

貨物列車が到着したら、同様に車内に積み込みます。

降ろすときはこの逆です。

重いものは運べない

問題点は多々あります。

まず、重量のある単一品目の大量運送には向いていません。例えばビール。

重量的に難しく、既存のJR貨物の運送体制のほうが安くて便利なはずです。

ですので、こういった物品の輸送には手を出しません。

鮮度品も無理

また、農作物とか鮮花とか水産物とか、鮮度を求められるもの無理です。

冷蔵設備を付けようと思ったら、車両の改造費が大幅にアップします。

また、一次産品は付加価値が低いので、高い運送費には向いていません。

ですので、これらも貨物新幹線は手を出すべきではないです。

貨物は宅配便が中心になる

貨物新幹線で運ぶのは宅配便の荷物が中心になると思います。

ヤマトや佐川の東名阪拠点間のトラックが、新幹線に移行するイメージです。

宅配便は速達性が求められるので、新幹線との親和性が高いと思います。

また、宅配便の拠点からカゴ車に載せて、そのまま新幹線に乗せるという流れ。

これであれば、宅配会社側での新規設備投資も不要で好都合です。

駅周辺での渋滞の懸念

貨物新幹線が8両編成だとして、全長は200mになります。

これは、4トントラックの荷台の長さの32倍です。

つまり、貨物新幹線1編成あたり、4トントラック32台が駅にやって来ます。

これを上手くさばかないと、駅周辺で渋滞が発生します。

駅構内での荷物の移動

4トン車32台分のパレットとカゴ車を、ホームまで動かさなければなりません。

僕は駅構内の物流の知識がゼロなので全然分からないのですが。

既存の物流と干渉するようならば、専用のルートを作る必要があると思います。

ホームでの荷捌き

新幹線のホームって幅がそこまで広くないですよね。

次にやって来る列車に載せる荷物がホームに一列に並ぶ。

その反対側に荷物を載せた列車が到着する。

果たして空いたスペースで荷物を降ろしてさばけるのだろうか?

まとめ

以上まとめます。

  • リニア開通で東海道新幹線の線路容量に余裕が出る
  • そこに貨物新幹線を走らせて新たな収益源とする
  • ただし、コスト削減のため既存の設備をフル活用する
  • 貨物駅や新規路線は作らず、既存のホームを利用する
  • 車両も既存の車両の改造で対応する
  • なので、輸送什器は軽くなくてはならない
  • また、労働力不足を見越し、特殊技能がなくても作業できるようにする
  • これらから、コンテナではなくパレットとカゴ車を使う
  • 主な荷物は宅配便を想定する

ジジイ発想のベース

いろいろツッコミどころ満載だと思います。

ただ、貨物新幹線について僕は次のような考え方をベースにしています。

  • できない理由ではなく、できる方法を考える
  • 完璧を目指さない

特に後者について、日本人は抵抗感を示す方が多いと思うのですが。

魚も、ビールもなんでもOKの完璧な貨物新幹線が日本的でしょう。

しかし、そうするとコストアップし、実現に時間がかかりますよね。

常温宅急便だけで収支が成り立つならば、完璧な貨物新幹線である必要はない。

僕はこういう考え方なんです。

決して、完璧を否定するのではなく、単なるスタンスの違いです。

みなさんも考えてみてください!

物流素人のただの鉄オタなので、変なことを書いてる部分も多いと思います。

もっと良いアイデアがあれば、ぜひ教えて下さい。

ただし繰り返しますが、僕は徹底してポジティブシンキングです。

できない理由だけでなく、こうすればできるという方向でお願いします。

また、ジジイの暇つぶしのブログなので、青筋立てて議論するつもりはゼロです。

鹿児島から札幌まで黒毛和牛送るか?みたいな軽いノリでお願いします。笑

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