なぜ子供を持つ親は学校教員の勤務環境改善を訴えないのか?

政府の働き方改革が進められています。

内容の是非はともかく、改革しようという方向は正しいものです。

しかし、同じ労働者でありながら蚊帳の外に置かれているのが学校教員です。

働き方改革をめぐり、残業時間の上限が年間720時間(月平均60時間)、最長月100時間未満のラインで落ち着きそうだ。しかし、蚊帳の外に置かれている職業もある。その1つが学校の教員だ。連合総研が2016年12月に...

SNSを使って教員自身からひどい職場環境が訴えられるようになってきました。

また、各種メディアもそれを積極的に取り上げています。

しかし疑問なのが、子供を持つ親からの声があまり聞こえてこないことです。

日本随一のブラック職場

早朝から夕方まで授業や部活指導に忙殺される。

部活が終わってからようやく授業準備や各種事務処理。

学校を出るのは深夜で、家は寝に帰るだけの場所。

土日も部活の練習や引率でつぶされる。

今や学校は電通もビックリのブラック企業です。

精神疾患で5千人が休職

肉体面だけでなく精神面でもストレスの溜まる日々。

2015年に精神疾患で休職した公立教員は5千人を超えるそうです。ひぇ~

しかし、子供を思うがゆえに手を抜けない。

夢を持って進んだ道なのに体も心も傷ついていく。

学校の先生方は本当にお気の毒だと思います。

自分の職場は自分で変えろ

ただ、厳しいことを言うようですが、自分で選んだ道です。

そして、自分の仕事であり自分の職場です。

イヤなら辞めれば良いし、職場環境は自分で変えれば良い。

不当労働で学校長や教育委員会、国を相手に訴訟を起こしても良いのです。

子供を通わせてる親は、もっと先生方のことを考えるべきだ。

僕はそういう意味で親が声を上げろ、と言っているのではありません。

学校は学力を付けさせる場所

親は何のために子供を学校に通わせているのか?

友だちと遊ばせるためでもなければ、サッカー選手にするためでもない。

基本的に勉強させるためですよね?

勉強してちゃんと学力を付けさせるために学校に通わせている。

そのために税金という形で子供の授業料を払っているのです。

教員の仕事は学力付与

そして、その学力の付与を行うのが学校の教員です。

教員の仕事は学力を付けさせることです。

部活の指導等は二義的なもので、教員の仕事の第一義は学力付与です。

教員は学力付与のために職務を遂行しなければならない。

それが実現できる職場環境でなければなりません。

授業準備の時間もない

では、教員を取り巻く今の職場環境はどうなのか?

朝から晩まで授業と部活指導。

本来の業務時間内では教案作成もできない。

深夜帰宅ではニュースも見れない。

土日も部活では普通の日本人の生活はできない。

そんな教員がどうやって社会科を教えるのですか?

今の学校では学力は付かない

学校教員は今の就業環境では、十分な授業準備はできません。

それでは、生徒に十分に学力を付ける授業はできません。

つまり、自分の子供が十分な学力を身に付けることができないのです。

親は声を上げるべきと僕が思うのは、教員のためではありません。

自分の子供のために声を上げるべきだと思うのです。

生徒も被害者

メディアは教員の厳しい就業状態だけを取り上げています。

しかし、その被害を受けているのは教員だけではありません。

準備不足の授業という形で、生徒もまた被害を受けているのです。

つまり、教員の就業問題は他人事ではなく我が子の問題なのです。

もちろん、悲惨な先生方のためにも声を上げるべきです。

しかし同時に、自分の子供のためにも声を上げるべきではないでしょうか?

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