遅れる代わりに安いのがLCCで安かろう悪かろうではない

てるみくらぶの問題で安かろう悪かろう論が出ました。

てるみは安いから悪いんだみたい指摘が。

その流れで格安航空会社(LCC)も安かろう悪かろうだ。

安かろう悪かろうだから遅れるんだという指摘もされてたのですが。

LCC常用者として、それはちょっと誤解だよと弁護してみます。

LCCは遅れる乗り物

結論から言うと、LCCは遅れるから安いのです。

LCCとは元々そういう乗り物であり、それが悪いのではありません。

遅れる代わりに安い。それがLCCです。

では、遅れることがなぜ安さにつながるのか?

理由は2つあります。

LCCは折り返し時間が短い

まず、折り返し時間の短縮です。

例えば羽田から福岡に飛び、折り返しで羽田に戻るとします。

福岡での折り返し時間を普通の航空会社は1時間くらい取ります。

これに対しLCCは40分くらいで折り返します。

航空会社や空港によっては30分で折り返す場合もあります。

折り返し便の出発が遅れる

仮に福岡への到着が15分遅れたとします。

普通の航空会社は折り返しに余裕があります。

そこで遅れを吸収するので、折り返し便は定時で出発できます。

しかしLCCは折り返し時間にまったく余裕がありません。

このため、到着が遅れると折り返し便の出発も遅れます。

それだけではありません。

福岡から羽田への到着が遅れると、その機材を使った次の便の出発も遅れます。

次の便の出発が遅れ、到着が遅れ、また出発が遅れの繰り返し。

その機材がその日の運行を終えるまで遅れがずっと続くのです。

機材を減らしてコストダウン

では、なぜそれが安さにつながるのか?

折り返し時間を短くすると、そのぶん機材が飛んでいる時間が長くなります。

機材が遊んでいる時間を切り詰めると、機材を有効活用できます。

その結果、普通の航空会社ならば5機必要な運行を、LCCは4機で回します。

1機減ることで機材の購入費だけでなく、保守管理費、人件費なども減ります。

こうしてコストダウンすることで、チケット代を安くしているのです。

定時運行よりも安さを優先させているということです。

LCCは予備機がない

もう一つは予備機材の問題です。

普通の航空会社は予備機を持つことで機材の故障などに対応します。

しかしLCCはギリギリの機材数でやりくりし、基本的に予備機を持ちません。

このため、トラブルが起きた時に代わりの機材で運行させることができません。

その結果、遅れや欠航が生じるのです。

ギリギリの機材数にすることで、コストダウン→チケットの安さを実現していることは言うまでもありません。

遅れる代わりに安い

理由のない安さはありません。

LCCは遅れる可能性と引き換えに安さを実現しています。

遅れる代わりに安い。これがLCCです。

安かろう悪かろうではなく、LCCに定時運行を期待するのが間違いです。

遅れるリスクを承知の上で、安さを選んで乗るのがLCCという乗り物です。

TPOで使い分けよう

ですので、遅れたら困る時は絶対にLCCを利用してはいけません。

商談の出張でLCCを使うなんて、いやいや、あり得ないでしょ?

結婚式に出るのでLCCって、よほど出たくないのかと疑ってしまいます。笑

遅れても大丈夫な時は、安さ優先でLCC。

絶対遅れられない時は、定時運行優先で普通の航空会社。

LCCがなかった昔と違い、使い分けができる便利な時代になったものです。

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