東南アジア放浪記/イメージ画像

ベトナムの書店に入る。日本語のコーナーに辞書。はい?なんでこんな単語が~

突然のスコールで飛び込んだヒンズー寺院。東南アジアのスコールはすぐ終わる。雨が止み寺院を出る。北東の方角を目指してここまで北上してきた。ここらで東に進路を変えよう。

水たまりを避けながら道を進む。行き交う人で傘を持つ者はごくわずか。そうかい、あんたらもどこぞで雨宿りをしてきたんやな。妙なところで仲間意識を抱いたりするのはもちろん僕だけw

ついさっきまで道沿いは住居ばかりだったのが徐々に商店や飲食店が増えてきた。さらには小洒落たレストランやバー、高そうな日本料理店まで。どうやらホーチミンシティのメインストリート、ドンコイ通りが近づいてきたようだ。


で、ドンコイ通りに着いたのだが。そうだ、忘れていた。僕は物欲がほとんどないのだ。貴金属類はおろか、普通の洋服にすらまったく興味がない。この日着ていた服も上から下まですべてユニクロ。そんな僕がホーチミンのシャンゼリゼと呼ばれるドンコイ通りでウィンドーショッピング? あり得ん。

ならば最初から来るなという話なのだが、来てしまった以上どうしようもない。左へ右へとウロウロしてみるのだが、おかげさまでこれっぽっちもおもしろいところがない。どうしたものかと思っていると、大きな書店が視界に入った。ベトナムの本屋か。おもしろそうだ。入ってみよう。


「ふーん、そっかぁ、そやね、確かに本屋やなぁ。うん、本が並んでる。たくさん。って、日本の本屋と何も変わらんやん。全然おもろない~」

そうなのだ。本に書かれてある活字が日本語かベトナム語かの違いだけで、日本と何ら変わらない普通の本屋であった。おもしろくもなんともない。ドンコイ通りは僕には鬼門だったのか。


「あかんあかん、人間ネガティブになったらあかん。なんかおもろいもん、無理矢理でも見つけたろ。なんかないかね。お、語学コーナーやん。」

ホーチミンシティの書店

「うわぁ、やっぱり圧倒的に英語や。かつての敵国の言葉とはいえ、そら、英語身に付けたほうが就職でも何でもプラスに働くもんなぁ。背に腹は代えられんか。」


英語資格試験対策

確かにそうだろう。上は市内で見つけた英語の資格試験対策をする教室の看板。街で見かけるのはあくまでも英語系ばかりだった。もっともベトナム戦争終結から40年が過ぎているので、もしかしたら今の若い世代にはそこまでの反米感情はないのかもしれない。


「英語の他には~、あら、やっぱり中国語やな。隣の国やし経済も調子ええもなぁ。で、やっと日本語登場か。中国語の半分くらいのスペースやな。ちょっと悔しいなぁ。」

日本語の辞書

「へぇ、日本語の辞書あるやん。何書いてんのやろ、見てみよ。へ?おいおい、勘弁してくれよ~」

日本語の辞書

「キャバレーって、思いっきり昭和やがな。もう使わん死語やろ。ギャングにキャンデーって、いつの辞書や~」

ちなみに、キャバクラどころかランパブもスナックも載ってなかった。笑


陳列スペースは英語、中国語について3番目。売られている辞書は一昔前のもの。つまり、この国における日本の存在感とはその程度ということだ。悔しいがこの事実を受け入れるところからスタートするしかないのだろう。

もちろん、ベトナムで日本語が英語は言うまでもなく、中国語より学習者を獲得することすらさすがにもはや無理だろう。しかし、せめて3位はキープしたい。今のままでは冗談抜きに韓国語に抜かれる可能性がある。

どうすれば良いか? とりあえずは日本企業にしても日本人にしてももっとベトナムに行く。日本企業や日本人と接することで日本に興味を持つベトナム人を1人ずつ増やしていく。そこからスタートかな。


これを読んでベトナムに興味を持ち実際にベトナムに行き、そこで接したベトナム人が日本に興味を持つ。このブログがそんなきっかけになってくれればと思う。

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