東南アジア放浪記/イメージ画像

サイゴン駅で鉄分補給。行くか、このままハノイまで!そして迎える旅の終わり。

珍メニュー「生春巻きwith雑草」の製造過程を半泣き状態で見学。トホホの気分で夕暮れのホーチミンシティを東南に進む。途中、何人かに地図を見せたりジェスチャーしたりでサイゴン駅の場所を聞く。

初老の男性の次の角を左に曲がれとの身振りを信じ、細い路地を行く。しばらく進むと広い場所に出た。

サイゴン駅

「ここ? なんかさみしげなとこやけど。」


あたりを見渡す。あった。

サイゴン駅

「おぉ、ここや。サイゴン駅や。やっと着いた。」

Ga Sai Gon、ベトナム国鉄の南のターミナル、ホーチミンシティの鉄路の玄関口、サイゴン駅である。


やっとの思いでたどり着いたサイゴン駅。さぁさぁ、さっそく鉄分補給。笑

ベトナム国鉄

「おっと~、いきなり機関車か。ベトナム戦争前から使ってたとか由緒正しきもんやろうなぁ。」

ベトナム国鉄

「これがベトナム国鉄の客車か。洒落たカラーリングやねぇ~」

ベトナム国鉄

「おぉ? これは中国国鉄の緑皮車か? 北京-ハノイ線で使ってたのが紛れてきたんかな?」

春巻きショックはどこへ行ったのやら。スーパーごきげんでノリノリの中年鉄ヲタw


こちらがサイゴン駅の駅舎。思っていたより小振りだ。

サイゴン駅

到着する人を待っているのだろうか。沢山の人がまわりをたむろしている。特に入場制限もないようだ。中に入ってみる。

サイゴン駅

階段を2階に上がる。ここが待合室になるのだろうか。写真の左手に見えるように売店などもある。

サイゴン駅

こちらはきっぷ売り場。写真の奥のところがカウンターになっている。若い欧米人のグループがハノイへのきっぷの予約をしていた。

え~、そして、写真に写っておりますベンチに座り、先ほど購入しました雑草生春巻きを意を決してパクリ。鉄分補給で盛り上がった気持ちは瞬く間に急降下。スーパーブルーに。笑


「あかん、あかん、今日はベトナム最終日。気持ちを盛り上げな。なんかハイテンションになるようなネタでもないもんかいな。」

駅にそんなものあるわけ無いやろ、と思うところだが、なにせ鉄ヲタ。


「おぉ~! 時刻表や~!!」

ベトナム国鉄運賃表

一気にハイテンションw


ベトナム国鉄運賃表

「はは~ん、これは運賃表やな。ハノイまで営業キロで1,726km、ん?これ運賃やけど、ゼロ3つ省略しとるな。ハノイまで2等車で854,000ドン、1等車が1,254,000ドン、次は? そうか、2等寝台の下段が1,848,000ドン、中段が1,661,000ドン…」

ベトナム語はまったく分からないのに、書かれてある内容はすべて分かる。鉄ヲタ恐るべしw


運賃表の隣に時刻表が。縦に長かったので2分割写真で失礼。

ベトナム国鉄時刻表 ベトナム国鉄時刻表

左がサイゴン発ハノイ行き、右がハノイ発サイゴン行き。「TEN TAU」は恐らく列車番号だろう。その下が所要時間で、上りが40時間25分、下りが40時間55分。ともに午後4時前に出発し、翌々日の朝、それぞれハノイとサイゴンに到着する。3日がかりの長旅だ。

1,700kmというと東京から上海くらい。遠いといえば遠いが、1,700kmを40時間ってことは平均時速40kmちょっと。さすがにこれは遅すぎるだろ?


と思ったら、もう少し速い列車もあるようだ。

ベトナム国鉄時刻表 ベトナム国鉄時刻表

「えーっと、一番早いやつで29時間30分か。1日ちょっとやな。しかし、ハノイ着くのが朝4時半って早すぎるなぁ。それやったら4列目の午後3時着のほうが良いわなぁ。あ、でも、朝6時半出発か。僕たぶん起ききらんなぁ~って、あぁ、いかん。こんなん見てたら、むっちゃくちゃ行きたなってきた。行きたい~!ハノイ~!!」


入ってきたのと反対の方向を奥へと進む。階段の上から見下ろす。

サイゴン駅

ここが出発口のようだ。発車が近いのだろうか、たくさんの人が集まってきている。

サイゴン駅

出発を待つ高揚感。中国暮らしが長かったので長距離の汽車旅は何度もしてきた。上海から西安、広州から昆明、ラサから蘭州。これから始まる夜汽車での旅、期待に胸をふくらませながら改札が開くのを何度も待った。

サイゴン駅

今ここにいる人たちも、同じような思いで間もなくやって来る出発の時を待っているのだろう。

サイゴン駅

これから過ごす長い車中。そこで何を見つけ、何を語り、どんな出会いがあり、どんな別れがあるのだろう。旅へと向かう人々の背中を見つめ思いを馳せる。

サイゴン駅

「よっしゃ、次はハノイや。」

サイゴン駅

駅舎を後にする。

サイゴン駅

サイゴン駅に、そしてベトナムに別れを告げる。

こうして20年ぶりのベトナムの旅は終わった。



4泊5日の今回の旅のコスト。飛行機代が1万5千円、ホテル代1万円、その他現地での支出が1万円。なにせ歩いてるだけだから。笑) 〆て3万5千円でした。

東京-大阪を新幹線で往復するよりちょっとかかるってとこでしょうか。意外と安いでしょ?

さぁ、次はみなさんの番です。ようこそ、東南アジアへ!

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