クラウドバンクと金田創氏、橋村純氏、関係者と経歴などを徹底調査!

【最終更新:2019年2月6日】

「クラウドバンクで投資して大丈夫なのか?」

「経営者とかについても調べておくべきでは?」

そう考えてこの記事に来られたのだと思います。

実は僕も同じように考え、クラウドバンクや関係者について徹底的に調べました。

その内容をみなさんと共有します。

クラバンで投資するのか? みなさんの判断のヒントになれば幸いです。

なお、僕はクラバンで投資中ですが、盲目的なクラバン信者ではありません。

ですので、ネガティブな内容も書いていますが、ご了承いただければと思います。

クラウドバンクの概要

  • ソーシャルレンディング業界第3位の大手業者
      • 1位SBI-SL、2位maneo
      • 将来的には2位に浮上か?
  • 証券会社が運営している → 金融庁の監視が厳しい
  • 大手の中では利回りが比較的高い(6%台後半)
  • 1万円から投資できる
  • 貸し倒れは過去に無し(延滞は有り)
  • 過去に行政処分を2回受けている(後で詳しく説明します)

決算内容

運営会社である日本クラウド証券の直近4期の決算内容です。(単位は百万円)

決算期売上高経常利益純利益
2015年3月131▲76▲67
2016年3月146▲58▲67
2017年3月227▲10▲21
2018年3月741466465
  • 創業以来、長らく赤字が続いていた
  • 2018年3月期に大幅な黒字に転換
  • 累積損失も一掃した模様
  • この一年で一気に成長した

企業について

ここからは、

  • 企業とグループ
  • 関係者とその経歴
  • クラウドバンク設立までの経緯

を詳しく見ていきます。

グループ組織

グループの統括会社であるクラウドバンク株式会社の下に、3つの100%子会社があります。

各社の事業内容は以下の通りです。

  • クラウドバンク(グループ統括会社)
      • 日本クラウド証券(案件の組成と募集)
      • クラウドバンク・フィナンシャルサービス(企業への貸し付け)
      • クラウドバンク・インキュラボ(システム管理)

業務の役割分担

3つの子会社が業務を分担してソーシャルレンディング事業を運営しています。

  • クラウド証券が案件を組成し、投資家に対して募集
  • 応募で集まった資金をフィナンシャルサービスに送金
  • フィナンシャルサービスが企業に貸し付け
  • 事業に関わるシステム管理はインキュラボが担当

図で表すと以下のようになります。

つまり、お金の流れは

投資家 → クラウド証券 → フィナンシャルサービス → 借り手企業

です。

次にこれら4社の基本情報です。

クラウドバンク株式会社

グループの統括会社、親会社。

概要

  • 所在地:東京都港区六本木七丁目4番4号 六本木Artshell 5F
  • 代表取締役社長:金田 創
  • 取締役:橋村 純(兼、クラウド証券社長)
  • 社外取締役:川戸 淳一郎
  • 資本金:2億3,456万円
  • 設立:2014年10月1日

株主(2016年9月30日現在)

  • Aaron Asset Management:40.49%
  • コンサバティブホールディングス:16.09%
  • 八木 圭介:4.43%
  • 佐藤 勝紀:4.05%
  • 平澤 創:2.70%
  • コントロールパックス:1.80%
  • 藤原 彰人:1.62%
  • 大前 和徳:1.38%
  • 東 明浩:1.35%
  • Aqua Bloom Holdings Limided:1.35%

日本クラウド証券株式会社

案件を組成し、投資家から資金を集める役割。投資家側の窓口。

概要

  • 所在地:東京都港区六本木七丁目4番4号 六本木Artshell 5F
  • 代表取締役社長:橋村 純
  • 取締役 内部管理統括責任者:土井 充
  • 取締役:斉藤 洋
  • 取締役:片岡 直毅
  • 社外取締役:喜多埜 裕明
  • 資本金:1億円

沿革

設立の経緯については、後ほど詳述します。

  • 2012年12月27日:出縄ホールディングス、みどり証券にTOB実施
  • 2013年1月30日:上記TOB完了
  • 2013年4月1日:日本クラウド証券株式会社に商号変更
  • 2013年12月:クラウドバンクをサービス開始
  • 2014年10月1日:組織改編、クラウドバンク株式会社の100%子会社化
  • 2017年1月:応募金額100億円突破
  • 2017年10月:応募金額200億円突破
  • 2018年5月:応募金額300億円突破
  • 2018年11月:応募金額400億円突破

クラウドバンク・フィナンシャルサービス株式会社

クラウド証券が投資家から集めた資金を、借り手企業に貸し付ける役割。借り手企業側の窓口。

  • 所在地:東京都港区六本木七丁目4番4号 六本木Artshell 5F
  • 代表取締役社長:金田 創
  • 資本金:4千万円

クラウドバンク・インキュラボ株式会社

クラウドバンクの管理システムの開発・保守、クラバン内のシステム屋。

  • 所在地:東京都港区六本木七丁目4番4号 六本木Artshell 5F
  • 代表取締役社長:金田 創
  • 取締役:斉藤 洋
  • 取締役:片岡 直毅
4社はそれぞれ別法人になっていますが、所在地が同じであることから分かる通り、実質的に一つの会社です。

関係者について

次にクラウドバンクの主な関係者の情報です。

金田 創

クラウドバンクグループの総帥。

略歴

  • 1967年6月22日生
  • 灘中、灘高卒
  • 1991年3月:東大工卒
  • 1993年3月:東大工院修士
  • 1996年3月:東大工院博士課程単位取得退学
  • 1996年4月:モニターカンパニー日本支社(コンサル業)
  • 2000年5月:スーパーリンク設立(ITコンサル)、代表取締役
  • 2004年2月:コーリング設立(eコマース)、取締役
  • 2008年4月:SHOPPING.JP(コーリングより社名変更)、代表取締役(現任)
  • 2011年1月:アイシーピー監査役(現任)
  • 2011年4月:Aaron & Associe設立、代表取締役(現任)
  • 2013年2月:みどり証券(現、クラウド証券)取締役
  • 2013年6月:クラウドバンク・インキュラボ、代表取締役(現任)
  • 2014年10月:クラウドバンク取締役
  • 2016年6月:同、代表取締役(現任)

人物

  • クラウドバンク社長
  • クラウドバンク・フィナンシャルサービス社長
  • クラウドバンク・インキュラボ社長
  • グループのトップであり、4割の株式を保有する筆頭株主
  • クラウドバンクの親分は金田氏であり、証券の橋村氏は雇われ社長
  • 頭脳はそうとう良い、東大は毎年3千人が合格するけど灘中は180人
  • コンサル出身でIT業界が長い
  • あまり表に出ない人で情報が極端に少ない
  • クラウドバンクは案件の情報開示も消極的、そういう企業体質?

橋村 純

ソシャレン事業の代表者。

略歴

  • 1987年5月30日生
  • 2010年3月:防大卒
  • 2010年4月:ニイミ 営業担当(専門商社)
  • 2012年2月:インタストリアル・ディシジョンズ(みずほ系列のエネルギー系コンサル)
  • 2012年7月:IDIインフラストラクチャーズ(同系列のファンド運営会社)
  • 2014年3月:EYトランザクション・アドバイザリーサービス(投資顧問会社)
  • 2015年6月:日本クラウド証券
  • 2015年8月:同、取締役
  • 2015年8月:クラウドバンクCA取締役(2017年11月にクラウド証券に合併)
  • 2016年6月29日:日本クラウド証券、代表取締役(現任)
  • 2016年6月:クラウドバンク取締役(現任)

人物

  • クラウド証券 現社長(2代目)
  • 防大卒なのに任官拒否という時点で、ネガティブな印象を持ってしまう(どんな事情があったのかは知らないが)
  • 資源系が長く、金融畑ではない
  • そもそも、クラバンに来るまでの社会人経験は5年だけ
  • なぜこの人を社長にしたのか、金田氏の意図が分からない
  • 実務家であり、いわゆる社長タイプではない
  • 会社の方針とかは金田氏が決めて、それを着実に実行する係という感じ?

出縄 良人

クラウドバンク設立時の会長。

略歴

  • 1961年静岡県生
  • 1979年:藤枝東高卒
  • 1983年:慶應経卒
  • 1983年:監査法人太田哲三事務所(現:新日本有限責任監査法人)
  • 1993年:ディー・ブレイン設立(中小企業向けコンサル)
  • 1997年:ディー・ブレイン証券設立(グリーンシート専門)
  • 2010年:同、代表取締役退任
  • 2010年:出縄&カンパニー設立 代表取締役(現任)
  • 2013年2月6日:みどり証券(現、クラウド証券) 取締役会長
  • 2014年2月5日:日本クラウド証券 取締役会長退任
  • 2014年:ダイキアクシス 社外取締役(現任)
  • 2015年5月:DANベンチャーキャピタル設立 代表取締役(現任)
  • 2017年9月:GoAngel運営開始

人物

  • このあとで詳述するが、クラウドバンク設立時の取締役会長
  • 中小企業のコンサル、金融が長く、グリーンシート制度の生みの親
  • 現在は株式型クラウドファンディングのGoAngelを運営

大前 和徳

クラウドバンクの実質的な生みの親。

略歴

  • 1968年7月6日生
  • 1993年3月:北大経卒
  • 1993年4月:北海道拓殖銀行
  • 1999年(?):英ランカスター大MBA
  • 1999年4月:中央信託銀行(現、三井住友信託銀行)
  • 2001年2月:ソフトバンク・ファイナンス(現、SBIホールディングス)
  • 2007年7月:セキュアスカィテクノロジー CFO
  • 2009年2月:エクスチェンジコーポレーション設立 副社長、日本で2番目のソーシャルレンディングであるAQUSH事業を立ち上げ
  • 2013年2月6日:同、退任退社
  • 2013年2月6日:みどり証券 代表取締役
  • 2014年10月1日:クラウドバンク 代表取締役
  • 2016年6月29日:クラウドバンク 代表取締役退任
  • 2016年6月29日:日本クラウド証券 代表取締役退任
  • 2016年12月7日(?):エレベート株式会社 代表取締役(現任)

人物

  • クラウドバンクの初代社長
  • maneoに次ぐ日本で2番目のソーシャルレンディングであるAQUSHを立ち上げた
  • クラウドバンクを実際に作ったのはこの人
  • 後述する不祥事の責任を取って2016年に辞任

土井 充

  • クラウド証券 取締役 内部管理統括責任者
  • 2015年11月:クラウド証券取締役内部管理統括責任者

齊藤 洋

  • クラウド証券 取締役
  • 2016年10月:クラウド証券取締役経理財務責任者

片岡 直毅

  • クラウド証券 取締役
  • 2016年8月:クラウド証券取締役IT責任者
  • 2016年11月:同取締役マーケティング責任者
クラウドバンクの本当のトップは、運営会社であるクラウド証券社長の橋村氏ではなく、統括会社トップの金田氏です。
そして、ソシャレン事業を立ち上げたのは、元AQUSHの大前氏です。

設立までの経緯

以上を踏まえた上で、クラウドバンクがサービスを開始するまでの経緯を説明します。

なお、以下については主に実践ソーシャルレンディングを参考にしています。また、僕の推測を含みます。

経緯

ディー・ブレイン証券

主に中小企業向けのコンサルティング業務をしていた公認会計士の出縄良人氏が、1997年にディー・ブレイン証券を設立しました。これがクラウドバンクの前身です。

ディー・ブレイン証券はグリーンシートを専門に扱う証券会社でした。

グリーンシートは非上場株を取引する制度で、中小企業やベンチャー企業の資金調達手段として期待されました。

ディー・ブレイン証券はグリーンシート取引の最大手でしたが、経営が軌道に乗らず、出縄氏は2010年10月に責任を取って辞任しました。

出縄氏の復帰

出縄氏のあとを受けて、みどり証券と名を改めた会社を引き継いだのは、元バンダイ社長の山科誠氏でした。

山科氏はFX取引をメインにすることで会社の立て直しを図りましたが上手くいかず、2年後の2012年に出縄氏に会社の買い戻しを打診しました。

捲土重来を図ったのでしょう。出縄氏はこれに応じ、2012年12月にみどり証券へのTOBを実施し、TOB完了後の2013年2月にみどり証券会長に就任しました。

2人のキーパーソンの登場

この時に2人のキーパーソンが登場します。

金田創氏

1人は現在のクラウドバンク社長であり、クラウドバンクグループのトップである金田創氏です。

コンサルティング業務で出縄氏と付き合いがあった金田氏は、みどり証券のTOBに係る資金として、1億5千万円を出縄氏に融資しました。

大前和徳氏

もう1人は当時、日本で2番目のソーシャルレンディングであるAQUSHの運営会社の副社長だった大前和徳氏です。

大前氏が加わった経緯についてインタビューで出縄氏は、

「大前氏は当時ソーシャルレンディング事業の準備中で、その大前氏からTOBの提案を受けた」

と答えていますが、その真偽は不明です。

いずれにしても大前氏が加わったことで、クラウドバンクがソーシャルレンディングを運営できる体制が整いました

大前氏が社長就任

3人の内、実務を進めたのが出縄氏と大前氏ですが、2人の思惑にはズレがあったと思います。

中小企業コンサル出身でグリーンシートを育ててきた出縄氏は、間違いなく株式型クラウドファンディングをやりたかったはずです。

FUNDINNOがそうですが、株式型クラファンはベンチャーやスタートアップを支援する性質を強く持ちます。

これに対してAQUSH出身の大前氏がやろうとしたのは、言うまでもなく貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)です。

資金を出したオーナー的立場である金田氏は、恐らくソーシャルレンディングの方が有望と判断したのでしょう。

事実、当時はアメリカでもソーシャルレンディングが主流でした。

このため、みどり証券の代表取締役社長には大前氏が就任し、出縄氏は取締役会長にとどまったのだと推測します。

総合クラウドファンディング企業

ただ、この時点でクラウドバンクに株式型をやる意向はあったようです。

みどり証券が日本クラウド証券に称号を変更した2013年4月に、大前氏は

「寄付型、貸付型、株式型などすべてをやりたい」

と日経新聞の記事で述べています。

また、2013年12月に貸付型のサービスを開始した際に、出縄氏と大前氏が

「2014年に株式型を始める予定」

と表明しています。

さらに、2014年9月にも

「2015年以降に株式型に参入予定」

と大前氏が述べています。

運営開始当初のクラウドバンクが、貸付型(ソシャレン)にとどまらず株式型なども扱う、総合クラウドファンディング企業を目指していたことは間違いないようです。

出縄氏が去る

しかし、上述の2014年9月のインタビュー記事で、大前氏は「メインはソーシャルレンディングである」と述べています。

あくまでもメインは貸付型で、株式型がメインになることはない。

最初から分かっていたことですが、実際に新会社が始まってそれを痛感したのでしょう。

ソーシャルレンディングのサービスが始まって2ヶ月後の2014年2月に、出縄氏はクラウド証券の会長を辞し、クラウドバンクを去りました

そして3年半が経った2017年9月、株式型クラウドファンディングであるGoAngelのサービスを開始しています。

大前氏も去る

出縄氏が去った後も大前氏はマスコミ対応などで精力的に活動し、クラウドバンクの顔として活躍していました。

ところが、2015年に後述する不祥事が起き、クラウドバンクは金融庁から行政処分を受けました。

また、5ヶ月近くに及ぶ営業停止となり、業績も大きく低迷し最終赤字となりました。

この責任を取って大前氏は、翌2016年6月にクラウド証券の代表取締役を退任しました。

こうしてクラウドバンクの創成期を支え、サービスを立ち上げた出縄氏と大前氏でしたが、創業からわずか3年で会社を去ることになりました。

資本の変遷

クラウドバンクグループの資本=支配権がどのように移り変わったかも見ておきます。

出縄ホールディングス

みどり証券をTOBするにあたって、出縄氏は出縄ホールディングスを設立しました。

そして、金田氏が代表を務めるAaron&Associe(以下、A&A)から1億5千万円を借入れ、TOBを実施しました。

TBO完了時にみどり証券の約半分の株式を保有していたのは出縄ホールディングスです。

その意味でクラウドバンクは出縄氏のものと言えなくはありません。

Aaron&Associe

出縄ホールディングスはその後、以下のように名称を変更します。

  • 2012年12月:出縄ホールディングス
  • (2014年2月5日:出縄氏、日本クラウド証券 取締役会長退任)
  • 2014年3月以前:クラウドバンク・ホールディングス
  • 2015年6月以前:Aaron Asset Management

クラウドバンク・ホールディングスの議決権のほぼすべては、A&Aが保有していました。

また、社名再変更後のAaron Asset ManagementはA&Aの実質的子会社です。

つまり、出縄ホールディングスが保有していた株は、最終的に金田氏のA&Aが間接的にすべて保有することになったということです。

金田氏の会社に

そもそも、みどり証券の買収資金全額を金田氏から借入れた時点で、クラウドバンクは間接的に金田氏の会社でした。

2014年2月に出縄氏が退社する際に、借入金と株式を交換して精算するといったやり取りがあったのではないでしょうか。

出縄氏が買い戻したはずのみどり証券は、クラウドバンクに形を変え、最終的に金田氏の会社になったのでした。

年表

事実を年表にまとめました。興味が無い方はスルーして下さい。

  • 1997年:出縄良人氏、ディー・ブレイン証券設立(グリーンシート専門の証券会社)
  • 2010年10月25日:業績悪化の責任を取り出縄氏、代表取締役退任
  • 2010年:山科ファンド(元バンダイ社長山科誠氏)が後を継ぐ→経営不振
  • 2012年:山科ファンドが出縄氏に株式売却の意向を表明
  • 2012年:出縄ホールディングス設立、Aaron&Associeが融資
  • 2012年12月27日:出縄ホールディングス、みどり証券にTOB実施
  • 2013年1月30日:TOB完了
  • 2013年2月6日:大前和徳氏、エクスチェンジコーポレーション(AQUSHの運営会社)副社長退任
  • 2013年2月6日:出縄氏、みどり証券 取締役会長就任
  • 2013年2月6日:大前氏、みどり証券 代表取締役就任
  • 2013年2月6日:金田創氏、みどり証券 取締役就任
  • 2013年4月1日:日本クラウド証券株式会社に商号変更
  • 2013年12月:クラウドバンクのサービス開始
  • 2014年2月5日:出縄氏、日本クラウド証券 取締役会長退任
  • 2014年3月以前:出縄ホールディングス、クラウドバンク・ホールディングスに社名変更
  • 2014年10月1日:クラウドバンク設立、日本クラウド証券を子会社化
  • 2014年10月1日:大前氏、クラウドバンク代表取締役就任
  • 2014年10月1日:金田氏、クラウドバンク取締役就任
  • 2015年5月:出縄氏、DANベンチャーキャピタル設立
  • 2015年6月以前:クラウドバンク・ホールディングス、Aaron Asset Managementに社名変更
  • 2015年6月:橋村氏、日本クラウド証券入社
  • 2015年7月3日:関東財務局、クラウドバンクに行政処分
  • 2015年8月:橋村氏、日本クラウド証券取締役就任
  • 2016年6月29日:大前氏、クラウドバンク代表取締役退任
  • 2016年6月29日:金田氏、クラウドバンク代表取締役就任
  • 2016年6月29日:橋村氏、クラウドバンク取締役就任
  • 2016年6月29日:大前氏、日本クラウド証券代表取締役退任
  • 2016年6月29日:橋村氏、日本クラウド証券代表取締役就任
  • 2017年9月:出縄氏、GoAngel運営開始

行政処分について

クラウドバンクは過去に2回、行政処分を受けています。その内容について紹介します。

なお、処分の原因や命令の内容などについては、重要なものだけを抜き出して記載しています。

2015年の行政処分

経緯

  • 2015年6月26日:証券取引等監視委員会が金融庁に対し、クラウドバンクへの行政処分を求める勧告
  • 2015年7月3日:関東財務局がクラウドバンクに行政処分(業務停止命令他)
  • 2015年10月9日:クラウドバンクが業務再開延期を発表(顧客預り金残高の照合が完了していないため)
  • 2015年11月28日:業務再開

処分の原因

  • 分別管理を適切に行っていない状況
  • 顧客に対し必要な情報を適切に通知していないと認められる状況

端的に言うと、

  • 旧みどり証券から引き継いだシステムが古くて、
  • 顧客の増加に対応できなかった

ということです。

処分内容

2つの処分が下されました。

業務停止命令
  • 期間:2015年7月10日~10月9日
  • 対象:新規案件の募集
業務改善命令
  • 法令違反の状況について、システムも含む抜本的改善策の策定(実施期限:2015年10月9日)
  • 経営管理態勢、業務運営態勢、内部管理態勢の整備

処分への対応(改善内容)

内部管理態勢の整備
  • コンプライアンス機能の強化(バックオフィス部門の人員増強、業務全般のチェック体制の徹底)
  • 業務管理フローの見直し(業務実態に即した業務フローと規定の整備)
  • 適切な人員配置(上記の実施を可能とする人員配置)
  • 経営管理体制の強化(責任者への権限委譲による担当部署の責任の明確化)
システムの改善
  • 業務系システムのアップグレード
  • 管理系システムの変更

僕の感想

  • 顧客の増加にシステムが対応できなかった点は失笑するしかない
  • ただ、資金の流用など悪質な違反ではなかった
  • また、システムに問題があることには気付いていて、同年1月から新システムの開発に取り組んでいた
  • なので、みんクレやラキバン、グリフラのような悪質なものではない
  • 対策に万全を期すために業務停止を2ヶ月近く自主的に延長するなど、対応自体は誠実に行っている
  • 業務改善命令を受けてそれを実行したことで、システムや社内体制が大きく改善された
  • 結果として、行政処分がクラウドバンクにとってプラスに働いた

2017年の行政処分

経緯

  • 2017年6月2日:証券取引等監視委員会が金融庁に対し、クラウドバンクへの行政処分を求める勧告
  • 2017年6月9日:関東財務局がクラウドバンクに行政処分(業務改善命令)
  • 2017年7月10日:関東財務局に業務改善報告書を提出
  • 2018年2月15日:業務改善命令が終了

処分の原因

  • 虚偽の広告をした(手数料還元で利回りアップと謳っておきながら、実際には還元していなかった)
  • 保全について虚偽の説明をした(融資先はメザニンローンと説明しながら、実際には一部がエクイティ出資だった)

処分内容

業務改善命令
  • 広告審査体制の構築
  • 経営管理体制、業務運営体制、内部管理体制の整備
  • 今般事案の責任の所在の明確化

処分への対応(改善内容)

  • 2案件とも前社長(大前氏)時代に行われていた
  • 1件目は手数料分を投資家に還元済み
  • 2件目は投資資金と利息を予定通り投資家に償還済み
  • また、広告の作成体制を改善済み

僕の感想

  • 2件とも意図的ではなくミスや漏れということなのだろうが
  • 内容的には前回よりも重いと感じる
  • また、前社長(大前氏)時代のことだと言うが、時系列で見てみると…
      • 2014年5月~2015年5月:1件目が発生
      • 2015年:橋村氏(現社長)取締役就任
      • 2016年1~7月:2件目が発生
      • 2016年6月29日:大前氏社長退任、橋村氏社長就任
      • 2017年6月9日:行政処分
  • 少なくとも2件目については、現社長が取締役時代に起きたこと
  • 現社長にお咎め無しというのはいかがなものか?
  • 当時28~29歳で実権は大前氏と金田氏が握っており、権限が非常に弱い取締役であったことは考慮すべき
  • なお、不祥事を2回起こしてもう次は許されないとなったことは、クラウドバンクにとってはプラス

行政処分に対する判断

金融機関として行政処分を受けたことの意味は非常に重いです。

ただ、行われたことは悪意のある詐欺的なものではなく、システムやチェック体制など、会社の運営体制がしっかりしていなかったことが原因です。

そもそも、みどり証券という倒産しかけの会社でスタートし、それまでのグリーンシートからソーシャルレンディングへと、扱う商品も完全に変わりました。

言い方は悪いですが、ボロボロの会社が新しいものに手を出して不手際が生じたと言って良いでしょう。

そして、2度の行政処分を受けたことで、ボロボロだった会社組織、システム、チェック体制が整備されました。

結果的にクラウドバンクにとってプラスになったということです。

ですので、現在のクラウドバンクを評価する際に、行政処分を受けたことをネガティブに捉える必要はないと思います。

行政処分を受けた事実は重いが、「過去に行政処分を受けた=現在のクラウドバンクは危ない」ではない、ということです。

クラウドバンクの特長

クラウドバンクの特長と言われるものについて説明します。

1.証券会社が運営している

第一種だから厳しい

証券会社であることについて、クラウドバンクは次のようにアピールしています。

  • クラウドバンクは証券会社(第一種金融商品取引業者)が運営している
  • 他の運営会社は第二種金融商品取引業者
  • 一種と二種では財務基準など求められる基準が違うし、金融庁の監視も厳しい
  • それに耐えうるだけのキッチリした会社である

これらはすべて事実で、金融庁のチェックが厳しいがゆえに2回も行政処分を受けています。

情報発信に消極的

ただ、クラウドバンクのサイト内に書かれている「透明性の高い運営を行っています」には、疑問符を付けざるを得ません

まず、クラウド証券社長の橋村氏、グループトップの金田氏ともに、情報発信について極めて消極的です。

2人ともインタビュー記事などを見ることは非常に少なく、OwnersBookの岩野社長などに比べれば情報発信はしていないに等しいです。

開示情報が極めて少ない

またそれ以上に問題なのは、個々の案件の事業内容や担保の内容について、情報の開示レベルが非常に低い点です。

例えば、担保の大まかな所在地や評価額、LTVなど、他の業者では普通に開示されている情報がクラウドバンクでは開示されていません。

金融庁による借り手匿名化の指導を遵守しているとも言えますが、それでも同業他社に比べて圧倒的に情報が少ないです。

決算情報は開示

この2点から僕は、クラウドバンクはSBIソーシャルレンディングと並んで「情報公開に対する積極性が業界で最も低い」と判断しています。

ただ、証券会社であるため決算情報が開示されることと、二種業者に比べて経営の健全性が高いレベルで求められることについては、ポジティブに評価しています。

2.案件の種類が多い

あまりクローズアップされませんが、クラウドバンクの大きな特長です。

クラウドバンクは次の6種類の案件を募集しています。

  • 不動産
  • 中小企業
  • 太陽光発電
  • 風力発電
  • バイオマス発電
  • アメリカ不動産

例えば不動産だと僕のイチオシ業者はOwnersBookです。

しかし、OwnersBookは不動産案件しかないので、OwnersBookだけに投資すると投資先が不動産に偏ってしまいます

クラウドバンクであれば不動産以外の案件もあるので、案件の種類が偏らず分散投資につながります

3.短期案件が多い

クラウドバンクは他の業者に比べて、運用期間が1年未満の短期案件が非常に多いです。

6ヶ月以内や3ヶ月の案件も少なくありません。

ソーシャルレンディングは運用期間が終了するまで元金を引き出すことができないというリスクを持っています。

運用期間が長くなると途中で何が起こるか分かりませんので、特に投資初心者は運用期間が短い案件で投資すべきです。

その意味でクラウドバンクは投資初心者に向いていると僕は思います。

4.出金手数料が無料

多くのソシャレン業者では、投資終了後に資金を引き出す際に、数百円の出金手数料がかかります。

たかが数百円かもしれませんが、投資資金が少ない場合は手数料で収益が吹き飛んでしまいます。

投資初心者は投資額も多くないでしょうから、出金手数料無料は大きなメリットです。

投資して大丈夫か?

ここまでクラウドバンクについて詳しく見てきました。

では、クラウドバンクで投資して大丈夫なのでしょうか?

結論から申し上げると、大丈夫だと思います。

ただし、他の業者と併用する必要があります。クラバン単独はリスクが高すぎます。

クラウドバンクの長所と短所

他の業者と比べた場合のクラウドバンクの長所は次の2点です。

  • 案件の種類が多い
  • 短期案件が多い

対する短所は次の3点です。

  • 案件についての情報が少ない(特に不動産案件)
  • 再生エネルギー案件が中心になる
  • 上場系に比べて信用度が劣る
投資の安全性を高めるためには、この3点は無視できません。

取るべき対策

その対策として次の3つが考えられます。

  • 不動産案件は他の業者で投資する
  • 再エネ案件は運用期間が短いものに投資しリスクを下げる
  • 信用度が高い業者を組み合わせてリスク分散する

こうすることでクラバン1社で投資するリスクを避け、同時にクラバンの特長を活かせます。

具体策

具体的にどの業者を利用するか?

僕はソシャレン業者の信頼性を、次のようにランク付けしています。

ランク業者名理由
SSBIソーシャルレンディング東証一部上場系
ALCレンディングJASDAQ上場系
OwnersBookマザーズ上場
Renosyマザーズ上場
Bクラウドバンク証券会社
FANTAS funding不動産クラファン
CREAL不動産クラファン

昨今のソシャレン業界の状況を見る限り、上場系の信頼性が高いことは間違いありません。

証券会社が運営するクラウドバンクは、上場系の次に位置付けられます。

物件情報などを全面的に公開できる不動産投資型クラウドファンデイングの2社も、クラバンと同レベルの安全性を期待できます。

現在の投資額

上記7社の内、Renosyは抽選制のため、ほとんど投資できません。

ですので、それ以外の6社で分散投資するのが、最も安全性が高いと考えています。

ちなみに、僕はこれら6社に以下のように投資中です。(2019年10月末現在)

業者名投資額
SBIソーシャルレンディング92万円
LCレンディング224万円
OwnersBook66万円
クラウドバンク0円
FANTAS funding200万円
CREAL50万円

最終的には上から3社で300万円ずつ、下から3社で200万円ずつに調整できれば理想的です。

有望投資先6社の特長

最後に僕が考えるこれら6社の特長を、短くまとめておきます。

SBIソーシャルレンディング

  • 東証一部上場SBIホールディングスのグループ会社
  • 企業としての信頼性はソシャレン業界でダントツのトップ
  • 投資先企業がまったく見えないのが懸念点
  • 安全神話に頼りすぎないように注意

SBIソーシャルレンディング(公式サイト)

LCレンディング

  • 業績好調なJASDAQ上場企業のグループ会社
  • LCギャランティファンドは親会社の連帯保証付き
  • 安全性最強のLCギャランティファンドに絞って投資すべき

LCレンディング(公式サイト)

OwnersBook

  • 業績絶好調なマザーズ上場企業が運営
  • 不動産系で圧倒的な一番人気
  • 徹底した安全第一主義、担保も硬い
  • 安全重視ならば一番のオススメ

OwnersBook(公式サイト)

クラウドバンク

  • 証券会社運営の信頼性
  • 案件の種類が多く、運用期間が短い
  • 使い勝手が良く、他の業者と組み合わせやすい

クラウドバンク(公式サイト)

FANTAS funding

  • 業者が投資家と一緒に出資するので、利害関係が一致
  • 物件の値下がり20%までは、業者が損失を負担
  • 売却しやすい都内の中古ワンルーム案件が多い
  • 運用期間が短く、利回りが高い
  • 透明性が高い不動産クラファン

FANTAS funding(公式サイト)

CREAL

  • 業者が投資家と一緒に出資するので、利害関係が一致
  • 物件の値下がり10~15%までは、業者が損失を負担
  • 透明性が高い不動産クラファン
  • 6ヶ月中古ワンルーム案件がオススメ

CREAL(公式サイト)

以上です。

最後に

クラウドバンクは間違いなく良い業者です。

でも弱点もあるので、他の業者と組み合わせて使うことをオススメします。

原稿用紙33枚分の長い記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。

あなたの投資の参考になればうれしいです。

一緒にソーシャルレンディングで資産を増やしましょう!

コメント

  1. メザニン より:

    エクイティをメザニンと称して募集している行為が許されるならジャンク債を元本保証と謳って販売する悪徳業者と何ら変わりはありません。
    分別管理もシステム上の問題といいますが、第三者対応要件上の致命的なミス。証券の債権者から顧客資産を差し押さえられるリスクがソン残するという重大な問題点です。
    一種業は厳しいですが監督する人間の数が足りていないのでこうした業者のモニタリングは困難で十分注意する必要があるでしょう。

  2. マーシーキーザ より:

    どうもどなたかしりませんが・・・
    モモツシモンのことはご存知でしたか?