もともと僕は投信積立はしないつもりでした。
というのも、投信積立は5年とか10年とか長期運用が基本で、その割りには利回りが5%くらいだからです。
5%程度ならばソーシャルレンディングでも余裕で狙えますし、半年から1年くらいで短期運用できます。なので投信積立はせずにソシャレンだけにするつもりでした。
ところが、ひふみ投信だけはネット上でやたら評判が良い。なのでやってみようかな?と思ったのですが…
なにせ僕は小心者なので、評判がどれだけ良くても内容がよく分からないものは心配です。そこで徹底的に調べてみることにしました。
同じように迷っている方の参考になれば幸いです!
タップできる目次
ひふみ投信について
運用の方針
投資対象
- 国内外の上場株式中心(東証一部が8割以上)
- 主に時価総額3千億未満の3,200社が投資対象(大手メインではない)
- 中小型株が多いがこだわっているわけではない(アベノミクス直後は4割以上が大型株だった)
- 投資先業種はサービス、情報・通信、電気機器、小売りで約半分
- 運用資産が増えてきたので、海外株を30%まで増やす予定
4つの投資戦略
以下に投資する(1が全体の6割)
- 1.成長株(年率15%以上、5年で2倍、非大手に多い)
- 2.上場ベンチャー株(IPOから時価総額100億まで)
- 3.自由投資(その時の環境に合わせて多彩に)
- 4.外国株(日本の大型株は成長力が低いので、大型に投資する場合は海外)
投資スタンス
- 企業価値に対して市場価格が割安な銘柄に長期投資
- ベンチマークとか大手とか関係なく、本当に長期的に上昇しそうな会社に投資
- 他社や外国人投資家、機関投資家が気付いていない優良企業に投資
- 「中長期的に見れば株価は利益の伸び率に追随する」が基本的考え方(利益の伸びが見込まれる企業に投資)
- 「地味で地道な会社」に投資
- 「守りながら増やす」(株価の下げ局面で下げ幅を最小限に留めることに重点を置く)
- 市場全体が下がる時は下がるが、下がったあとの戻りが早い(良い!)
調査・判断の特長
- 市場のトレンドを踏まえた上で、企業の規模や数字だけでなく、製品や経営者、現場を丁寧に調べて投資先を判断する(足で稼ぐ的)
- だが、数値など定量面の分析も超重視(他社は定量だけだけど、ひふみは定量+定性)
- サービス業担当、小売り業担当のように運用担当者を縦割りにしない(すべての担当者がすべての銘柄に関与→チェック機能)
- 最終的な投資判断は藤野氏が行う(多数決にすると平均値的な判断=市場の平均値に近付いてしまうから)
現金比率50%まで許容
- これが一番の特長だと思う
- 運用資産に占める現金の割合を(基準は15%だが)最大50%まで許容する(全体的に株価が下がる時には無理して買わない)
- 株価が10万円から5万円に下がるのが分かっているなら、株を売って現金で10万円持っていた方が良い
- 実際(たまたまだが)東北の震災2日前に市場の今後の下落を予想して株を売り始め、震災翌日も売って現金比率を20%まで上げた(株で持たず現金で持つ)
- そして原発が爆発して株式市場が大幅下落したあとで一気に買い進めた(安くなってから買い戻し)
- その際、売った株を単に買い戻すのではなく、震災前後で人々の価値観が変わると判断し、それに合う銘柄を買った
- 僕がひふみ投信を買おうかな?と思った最大の理由が、この現金50%を許容している点(普通のファンドはあくまでもすべて株で持つらしい)
- 下がる時に株で持ち続ける必要はない、現金に換えて底値になってから買い戻せば良い
- かつてのバブルと同じように株価が下がる時が必ず来る、その時に現金50%が必ず効果を現す
基準価額の推移
ひふみ投信が販売開始された2008年10月の価額を10,000円として、これまでどのように推移してきたかを見てみます。
日付 | 基準価額 | 前年増 |
---|---|---|
2008年10月1日 | 10,000円 | |
2009年9月30日 | 12,035円 | 20.4% |
2010年9月30日 | 11,173円 | ▲7.2% |
2011年9月29日 | 12,450円 | 11.4% |
2012年9月30日 | 13,415円 | 7.8% |
2013年9月30日 | 21,311円 | 58.9% |
2014年9月30日 | 26,085円 | 22.4% |
2015年9月30日 | 31,152円 | 19.4% |
2016年9月29日 | 33,072円 | 6.2% |
2017年10月1日 | 45,440円 | 37.4% |
平均すると毎年前年比20%増くらいでジワジワ増やしてきていますね。(ってか、20%ってスゴイよね?)
こちらはレオスさんのサイトから借りてきて加工したグラフです。
途中で短期的なアップダウンはあっても、トータルで見ると平均的に滑らかに伸びています。良い感じ!
東証株価指数との比較
ひふみ投信の伸び率が妥当なものなのか?ひふみ投信の運用報告書の中に、東証株価指数(TOPIX)の伸び率との比較があったので転載します。
(上の表と微妙に数字が違うんだけど、細かいことなのでスルーってことでw)
日付 | ひふみ | 前年増 | TOPIX | 前年増 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|---|
2008年10月1日 | 10,000 | 1,311.57 | |||
2009年9月30日 | 12,048 | 20.5% | 1,119.67 | ▲14.6% | ☆ |
2010年9月30日 | 11,146 | ▲7.5% | 1,039.35 | ▲7.2% | ★ |
2011年9月30日 | 12,450 | 11.7% | 976.39 | ▲6.1% | ☆ |
2012年10月1日 | 13,415 | 7.8% | 962.16 | ▲1.5% | ☆ |
2013年9月30日 | 21,287 | 58.7% | 1,598.95 | 66.2% | ★ |
2014年9月30日 | 26,484 | 24.4% | 1,811.98 | 13.3% | ☆ |
2015年9月30日 | 30,864 | 16.5% | 1,964.62 | 8.4% | ☆ |
2016年9月30日 | 33,072 | 7.2% | 1,883.03 | ▲4.2% | ☆ |
2017年9月30日 | 45,440 | 37.4% | 2,432.53 | 29.2% | ☆ |
2010年と2013年を除いて、ひふみ投信の前年比伸び率がTOPIXのそれを上回っている、つまり勝っています。
TOPIXや日経平均など日本経済に連動するインデックスファンドよりも、ひふみ投信の方が実績を出しているということです。
なお、年単位で勝っている=ずっと勝っているではありません。年間で勝っていても、月別で見ると勝っている月もあれば負けている月もあります。
勝ったり負けたりあるけれど、トータルで見たら勝ってるよと。投信積立は短期売買する金融商品ではないので、トータルで勝ってくれれば僕はOK。
手数料など
- 買付手数料:無料
- 信託報酬:年1.0584%(アクティブファンドとしては安い)
- 解約手数料:無料
- 税金:雑所得20%を源泉徴収(選択可能)
資産形成応援団
5年以上継続保有している分について、一定料率で還元するサービス。
- 5年以上…資産残高の年率0.2%
- 10年以上…資産残高の年率0.4%
- 例えば預けているお金が100万円だと、5~9年目に毎年2,000円、10年目以降は毎年4,000円還元
- 現金で還元するのではなく、還元された分がひふみ投信の買い付けに充当される(毎年2,000円分ひふみが増えるってこと)
その他もろもろ
- ひふみ投信はレオスが投資家に直接販売する商品(証券会社などを経由して販売するのはひふみプラス)
- ひふみプラス、ひふみ年金も、ひふみ投信と同様にチャイルドファンドとしてひふみマザーに投資してるので、入り口は違っても実際の投資先は同じ
- 名前の由来は、123のはじめの一歩、「日を踏む」一日一日踏んでいく長期のお付き合い、「火風水土」信、物質の4要素、無くてはならない物
- 毎月2回の運用レポートで、どんな株にどれくらいの比率で投資しているか報告(それを見てもきっと僕は理解できないw)
- (ってか、どの株が良いか分かるなら投信なんてせずに自分で買うよね)
- 為替ヘッジ無し(ただし、海外株の比率は低く、高める予定も現時点では無い)
- 基本すべてオンライン(親会社がシステム系の会社)
- 直販の場合、購入の都度振り込みか、自動引落での積立購入
- 口座開設の際に特定口座(毎年の損益計算をレオスが行う)か、一般口座か選べる(どの証券会社もそうだよね?)
- 特定口座は源泉徴収するかしないか選べる
- 積立購入は毎月5日(SBIみたいに毎週とかできない、だったらSBIのほうが良いかな?)
- つみたてNISA口座も開ける(先に総合口座を開いてから追加で)
- ひふみプラスは販売会社(SBIとか)の買付手数料がかかる(だったら直販が良いね)
- マイナンバーが必要
ひふみ投信の運営会社
会社概要
- 運営会社:レオス・キャピタルワークス株式会社
- 設立:2003年4月16日
- 資本金:1億円
- 事業内容:投資運用業、第二種金融商品取引業
- 社長:藤野英人
沿革
- 2003年4月:レオス株式会社設立(社長藤野英人氏、取締役COO湯浅光裕氏、当初は投資助言業)
- 2003年8月:現社名に商号変更
- 2004年4月:楽天証券でレオス日本成長株ファンド(鞍馬天狗)販売開始
- 2008年10月:ひふみ投信販売開始(レオスで直接販売)
- → リーマン直後で全然売れず、経営危機
- 2009年2月:ISホールディングスの子会社化(藤野氏社長退任)
- 2009年10月:藤野氏取締役復帰
- 2012年5月:ひふみプラス販売開始(証券会社などで間接販売)
- → これを契機に一気に伸びた
- 2015年10月:藤野氏社長復帰
- 2016年10月:ひふみ年金運用開始
会社の特長など
- 独立系なので資本関係の販売会社等から影響を受けにくい
- レオスは古代ギリシャ語で「流れ」の意味(人材、技術なども含めた日本の資本の流れを作りたいとの思い)
- 情報開示に積極的(親会社とえらい違いw)
- 創業当初は社員4人、バイト2人
財務情報
まず、売上高と経常利益について。ようやく赤字経営を脱したってところですね。(単位:百万円)
期 | 営業収益 | 前年比 | 経常利益 | 前年比 |
---|---|---|---|---|
2014年3月期 | 284 | ▲96 | ||
2015年3月期 | 446 | +57.0% | ▲65 | |
2016年3月期 | 894 | +100.4% | 72 | |
2017年3月期 | 1,288 | +44.1% | 44 | -38.9% |
レオスの営業収益は委託者報酬(ひふみ)と投資顧問報酬です。その2つに分けたものも見てみます。
ひふみ収益がこの4年で倍々ゲームで増えてますね。投資顧問の方は完全に脇役業務になっちゃった。
期 | 委託者報酬 | 前年比 | 投資顧問報酬 | 前年比 |
---|---|---|---|---|
2014年3月期 | 155 | 129 | ||
2015年3月期 | 304 | +96.1% | 142 | +10.1% |
2016年3月期 | 733 | +141.1% | 161 | +13.4% |
2017年3月期 | 1,127 | +53.8% | 161 |
主要株主
株主 | 議決権 |
---|---|
ISホールディングス(レオスの親会社、以下、ISH) | 53.55% |
3A(遠藤氏の資産管理会社?) | 12.10% |
遠藤昭二(ISH社長) | 11.88% |
藤野英人(レオス社長) | 8.99% |
湯浅光裕(レオス取締役運用本部長) | 7.00% |
白水美樹(レオス取締役営業本部長) | 3.00% |
JSPF3号投資事業有限責任組合 (社外取締役の松本氏が社長を務めるWMPのファンド) | 1.27% |
村井眞一(ISHの大株主12.98%、TSUTAYA共同創業者) | 1.22% |
岩田次郎(ISH常務、元レオス社長、現取締役) | 0.90% |
横尾和也(IS本体の人、ISHの子会社になった時の取締役、 今もグループ子会社の役員など) | 0.07% |
親会社関係に議決権の8割を握られてる。あらら、殺生与奪の権は完全に親会社にありですな。
役員の変遷
ひふみ投信開始直前(2008年7月)
ちょっと多すぎねぇか?w
- 代表取締役社長兼CEO:藤野英人
- 取締役兼COO:湯浅光裕
- 取締役会長:北村光正(元大和証券投資信託委託専務執行役員)
- 取締役:木内政雄(元西友社長)
- 取締役:佐藤明(バリュークリエイト社長、元野村のアナリスト、藤野氏と同年代、社外取締役)
- 執行役員:中川信幸(元ギメディカル取締役、財務系の専門家っぽい、藤野、佐藤氏とつながり有り)
- 執行役員:五十嵐毅(創業時のメンバー、現ダイレクト営業部長)
- 執行役員:笹島実樹子(証券アナリスト)
- 執行役員:立田博司(元ブラックロック・ジャパン(世界最大の資産運用会社の日本法人)のファンドマネジャー、現ポートフォリア(みのりの投信)社長、後述)
- 執行役員:奥野リチャード眞(誰だ?)
ISH子会社化直後(2009年2月)
藤野、北村、木内、佐藤氏他が退任
- 代表取締役社長:岩田次郎(当時、ISH経営企画室長)
- 取締役運用本部長:湯浅光裕(留任)
- 取締役マーケティング部長:白水美樹(当時、レオスマーケティング部長)
- 取締役:横尾和也(当時、ISH取締役)
- 取締役:草野正人(当時、ISH経理部部長)
藤野氏取締役復帰(2009年10月)
横尾、草野氏が退任
- 代表取締役社長:岩田次郎(留任、ISH常務)
- 取締役CIO:藤野英人
- 取締役運用本部長:湯浅光裕(留任)
- 取締役マーケティング部長:白水美樹(留任)
藤野氏社長復帰(2015年10月)
藤野氏と岩田氏が交代
- 代表取締役社長兼CIO:藤野英人
- 取締役管理本部長:岩田次郎(ISH常務)
- 取締役運用本部長:湯浅光裕(留任)
- 取締役営業本部長:白水美樹(留任)
現在(2016年6月~)
- 代表取締役社長兼CIO:藤野英人
- 取締役管理本部長:岩田次郎(留任、ISH常務)
- 取締役運用本部長:湯浅光裕(留任)
- 取締役営業本部長:白水美樹(留任)
- 社外取締役:藤本隆(元日本政策投資銀行、後述)
- 社外取締役:松本守祥(WMP社長、後述)
ひふみ投信の主な社員
役員
藤野英人氏
創業者、現社長、最高投資責任者(CIO)
年表
- 1966年8月、富山市生まれ(名古屋に引っ越し、現在の実家は大宮)
- 1985年:旭丘高校卒(超優秀じゃん!)
- 1990年:早稲田法卒(1年留年してる?)
- 1990年:野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)
- 1996年:ジャーディンフレミング(現JPモルガン・アセット・マネジメント)
- 2000年:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
- 2001年6月:WSJで世界のオフショア・ファンドマネージャーで1位
- 2002年末:S&Pマイクロパル日本中小型株部門、3年間の成績で1位
- 2003年8月:レオス創業、社長CIO
- 2008年10月:ひふみ投信スタート
- 2009年2月:同、社長辞任
- 2009年10月:同、取締役就任
- 2015年10月:同、社長CIO
経歴
- 元々は裁判官、検察官志望(父方の祖父が満州の高等裁判所の裁判官で、親戚が同じ道を進ませたがっていた影響)
- 司法試験に落ちたので社会勉強のつもりで就職
- 野村で最初の2年はアシスタントアナリスト(企業調査の下働き)、3年目からファンドマネジャー
- 運用部門で中小企業経営者たちと接する中で起業を意識
- 外資系証券会社の進出で実力付ける必要性を痛感、そんな時に野村証券不祥事が起こり転職決意、ジャーディンフレミングへ
- JF在籍時の1999年にJF中小型オープンで運用成績219.3%(国内株式ファンド中トップ)
- ITバブル当時は当初300億程度だった運用資産が2年足らずで2,800億に、カリスマファンドマネジャーと呼ばれる(おぉ~)
- 2000年、バブル崩壊を予測、下落相場に巻き込まれるのは自分にとって打撃になると判断し退社
- 同時期に著名なベンチャー投資家ジョージ・コツメッスキー氏(George Kozmetsky, 1917~2003)から内弟子の誘い
- 理想の国民的な投資信託を作りたい思いが勝り、悩んだ末に断る、ゴールドマンサックスへ
- 本人曰く、ここが転機
- ゴールドマンサックスで投信商品「一寸法師」を中心に、中小型株式運用を担当
- 3年勤めた末に退社
- 前職3社への共通の不満は販売姿勢(商品を短期間で乗り換えさせたり、長期保有に不向きな商品だったり、顧客の資産形成を真剣に考えてるとは思えなかった)
- 不満というか、自分が考える「あるべき」を実現できないジレンマだよな、それが雇われ人の限界
- 2003年レオス創業、当初は零細の独立系で苦戦
- その後、海外の年金(豪保険大手AMP、ノルウェーSWF政府年金基金など)の運用などで成功(2008年6月時点で運用助言残高400億)
- 2008年、満を持してひふみスタート、直後にリーマンで経営危機
- 一時は個人資産21億だったのが、逆に借金2千万に
- 2009年、ISホールディングスに身売り、経営権とやる気を失い転職を考えるも、白水氏に説教され翻意(後述)
- 全持ち株を1株1円で手放した代金3,240円を今でも自宅で額に飾っている、臥薪嘗胆
- その額縁は資産21億時代に舞い上がって購入したエルメス製(人間臭いところもあるんやねw)
人物など
- 中小型・成長株の運用経験が長い
- 高校1年時に生徒会副会長、陸上部で短距離と円盤投げ
- 大学時代に取り組んだこと:司法試験、日中学生会議(渋いなぁ)
- 趣味:ピアノ(小学生から)、テニス、ダンス、トライアスロン
- 好きな食べ物:炊きたてご飯(安上がりw)
- ご母堂はブラジャー販売員だったことばかりクローズアップされるが、子供の頃からピアノを習わせたり、進学する予定だった千種高校の前に引っ越したり(孟母かよw)、教育熱心だったご様子
- 人と合うことを大切にしている(現場百回、これが基本だよな)
- 日本電産永守社長を尊敬、直筆の額を会社に飾っている
- valuもやってる
- ITバブルを煽ったとの批判も(著書で光通信を推していた)
- 自分の資産はレオス株、ひふみ、未上場株が3分の1ずつ(滅びる時は投資家と一緒か、逃げるなよw)
- 水や小物雑貨の販売会社の役員をしたり、書籍を多数出版したり、業績が軌道に乗る前の段階でなんで本業以外にこんなにエネルギーを割いたのかな?
- この人、根はまじめで人を騙すタイプじゃないと思う、だからひふみ投信は信頼して良いと思うんだけど、問題は親会社なんだよな、ここのトップがどういう人かまるで見えない
投資への考え方など
- 就職するまではいわゆるエリート路線を是としていたが、野村で中小企業経営者に接する中で考えが変わっていった
- 学歴や社会的地位で勝っても、禄を食み草を食む草食動物のサラリーマンに過ぎず、彼らのようなリスクテイカーではないというコンプレックスから、自分も経営者になりたいと思うようになった
- 投信を買う投資家と販売会社を通さず直接つながりたかった(株は安い時に買って高い時に売るべきなのに、販売会社は市場が悪い(=株安)時は何もせず、良い(=株高)時に買わせようとする)
- ファンドマネジャーの情報をもっと公開すべきと主張(そう思う、少人数で回すファンドだからこそ、自分のお金をどんな人が触ってるのか知りたい、だから僕もここまで調べている)
- 自分と他のファンドマネジャーの違い、1.徹底的に現場主義、2.短期実績よりも長期実績、3.見えない資産を見る、4.経営者との議論を大切に、5.楽しんでいる
- 見えない資産とは、経営者、従業員、顧客など定性面を重視した上で、資金など定量的な物も含めたところの、組織全体としての資産(なんとなく分かる)
- 夢は、1.トップマネージャーより世界一の起業家創出、2.日本の個人資産1200兆円の10%を投資へ
- 以前は、ファンドの規模が大きい=良いではない、資産数千億あっても時価数十億の中小企業を買いようがない、と言っていた
- しかし今は、買いたい企業がいくらでもあるから資産1兆円あっても運用できる、と言っている(言うこと変わってない?)
- 2012年時点では、ひふみは運用上限500億、行っても1千億と言っていた、もし数千億になったら中堅企業への直接投資をするとも言っていた(調べてみたら、すでに未上場の企業にレオスが出資している)
- 2015年に、純資産総額3千億までは今の投資手法で上手くやれるが、その先は分からないと発言(すでに6千億だぞ~)
ひふみプラスを巡って
- ひふみ投信スタート前は直販一本で、販売会社経由は否定していた
- 2009年2月のISH子会社化後も、少なくとも2011年4月時点では証券会社での販売の可能性はほぼ完全否定だった
- 他の社員のインタビュー記事を見ても、販社経由は客のためにならない、また、販社経由では投資家に自分たち運用担当者を見てもらえず、資金を預けるに足るか評価してもらえない、だから我々は直販だとみんな明言している
- なのになぜ販社経由のひふみプラスを始めたのか?
- また、2008年のひふみ投信スタート前後では、藤野氏は各種メディア、自分のブログ等々で、ひふみ投信についてスーパー積極的に発信していた
- ところが2012年のプラス開始前後では、プラスを始めた経緯、理由などについて藤野氏の発言が皆無
- 雑誌のインタビューなどは受けているのに、その中でプラスには一切言及していない、これは明らかに不自然
- プラスはやりたくなかった、直販一本でやりたかった、ってことだろな?
- 唯一見つけたインタビュー記事(プラス開始後の2012年10月)で「客が便利に買えることが重要、販売方式ありきではない、客が一番利便性の高いところで売られているのが一番良い、ひふみ投信を幅広く世の中に届ける事が僕らの一番の願い」と述べている
- いやいや、違うだろ?だったらなぜ最初は直販だけにした?2008年と2012年で販売会社の回転売買体質は変わったのか?
- 販売会社が自社の都合で投信を客に売る、情報提供とかセミナー開催とか自由度が奪われる、つまり販社経由は客のためにならない、だから直販にこだわったんでしょ?
- プラス開始は間違いなくISHの意向だろう、子会社化したが赤字体質が変わらない、経営改善のため親会社として当然の判断だし、株式を8割も握られてるんだから従うしかない
- でも、このインタビュー記事は良くないよ、本当のことを語ってるとは僕には思えない
- でも、だからこそ、この時期プラスについて藤野氏はほとんど語らなかったんだろうな、語りたくないよな
語録
- 「私たちは正しい投資教育の普及を目指し、大学での授業や学校の先生に対する投資教育(中略)を積極的に行っています。」←全面的に支持、僕も社会人になる前に投資教育を受けたかった
- 「日本中のお客様からお預かりした資金を日本の成長企業、頑張っている企業に投資をすることにより「日本を根っこから元気にする」ことに全力を尽くします。」
- 「投資をすることは知的でオシャレな社会貢献だ」←町工場のオヤジを訪ね歩いてる張本人がオシャレを強調って、なんじゃそりゃw
- 「手に汗かかない額を投資する」←冷や汗かかない程度の余剰資金で投資、大切なことだよな、消費者金融で金借りて仮想通貨に突っ込んだ連中に聞かせてやりたい
- 「2002~12年で平均株価は変化無し、だが、70%の企業は株価倍増、いわゆる大手企業が24%マイナス、中小のプラスを大手のマイナスが食いつぶしていた」
- 「経団連の正副会長企業の大半は2002~12年で国富を大きく減らした、そんな企業がなぜ経済界のリーダーなのか?」←ごもっとも!
- 「良い会社というのは共通点がないんです、それぞれが違うんです。誰とも違うという部分を大切にしている」
- 「資本市場を通じて明るい未来、豊かな社会を創る、投資のプロダクトは輝く未来」
- 「株式市場は英知を結集し未知の分野の成長を支える場であり、投資はエクイティ(直接金融)ビジネスの根幹」
- 「外資系金融機関はニューヨークなどの本社に最高のエリートがいて、東京のトップは本社に戻りたい願望を抱いて仕事をしており「日本の資本市場をどうやって良くするのか」という発想がない」
- 「ソ連崩壊後のロシア経済の問題やヘッジファンドLTCMの問題、あるいは9・11といった世界経済を揺るがす出来事が起きつつも、世界は必ず前進していくものだと考えている」←今まではそうだったけど
- 「世界では常に皆が必死になって未来を開拓しているのだから、結果的に必ずこの問題も解決されていくに違いないという前提に立てば、サブプライム問題で世界経済が崩壊するのではないかと思われている時こそ、長期的にみて買い場だ」←これからもそうかな?
- 「さわかみファンドという1本のファンドを淡々と売る。淡々と投資家とコミュニケーションしていく。投資家のために毎月全力投球し、全力投球したその内容は全て開示する。これは正しい投資、投信のあり方」
- (初トライアスロンを終えて)「あのレースのおかげで私の中で巣くっていた傲慢さがことごとく砕け散り、消えていきました。それまでの私にはモノサシがたった1つしかなかった。でも、人生ではいくつもモノサシを持つことが大事だし、価値を判断する基準が多いほど豊かな生活を送ることができます」
- 「全力を尽くして完走した人すべてが人生の勝利者なんです」
- 「理想的な株っていうのは、機関投資家も外人も持ってない、地元の人だが持っているピカピカの会社です」
- 「利益の伸びる会社が株価の伸びる会社」
- 「投資で何が大切かと言えば、実は、人間そのものに対する理解とか、人に対する愛情とか、未来に対する信頼」
- 「グローバル化が進んでいる業界っていうのは、非常に強いと思うんです。弱い業界は規制に守られて、グローバル化が進んでいない業界。一番弱いのは僕らがいる金融です」
- 「僕が金融庁の長官なり首相になったら、現在の日本の投資信託の問題を解決するために通したい法案があります。『販売会社は系列の運用会社の商品を扱ってはいけない』。本当の意味での日本の運用競争が始まります。その瞬間に全てが変わります。」←つまりライブスター証券はひふみプラスを売ったらダメってことでOK?w
- 「投資は未来です。投資というのは、これから成長するかどうかが大事です。過去良かったものに投資をすることは、過去に投資をすること。」
- 「ひふみって私だけで持ってると思ってる人がいるけど、そうじゃなくて、湯浅、渡辺、八尾、佐々木、栗岡、みんなでチーム。自慢なのはみんな、泥水をすすってきてること。だから、慎重だし、話が上滑りしない」
- 「相場の荒波にさらされたりすることはあるとは思いますが、しっかり舵を取っていきます。嵐で打撃を受けても、その中でも被害を最小限に抑え、好天の日にはぶっちぎれるようにがんばります」←守りながら増やす、これがひふみの強さ
湯浅光裕氏
経歴
- 取締役運用本部長、創業時からのメンバー、ナンバー2
- 時期不明:ニューヨーク工科大学院卒
- 1990年:ロスチャイルド・アセット・マネジメント
- 1993年:同、日本株運用のファンドマネジャー
- 1999年:同、中小型株ファンドで年間運用成績419%
- 2000年:ガートモア・アセットマネジメント、中小型株ファンド担当
- 2003年4月:レオス創業、取締役COO
- 2009年2月:取締役運用本部長(現任)
人物他
- 新興、成長企業調査・投資、ヘッジファンド運用経験が長い
- ビジョン、ミッション、当事者意識、インセンティブがある会社、コンスタントに利益を出している会社に投資
- 投資家のお金には投資家の意思が込められているので、運用側はどのように運用するか投資家に明示する責任がある(そうだよな)
- 社会貢献につながる投資が理念(どんな社会貢献?)
- 投資では人と違う視点を持って半歩先を考える
- 情報が少ないなぁ…
岩田次郎氏
- 取締役管理本部長
- 1962年7月生まれ
- 時期不明:東芝、システム系
- 2004年1月:アイアンドエーエス取締役、金融商品取引事業者へのシステムコンサル業務従事
- 2005年1月:外為オンライン外国為替事業部長、外国為替取引システムFX-ASPをリリース
- 2005年5月:外為オンライン取締役
- 2008年4月:ISホールディングス(以下、ISH)外国為替統括部長
- 時期不明:ISH経営企画室長
- 2009年2月:レオス社長
- 2009年4月:ISH取締役
- 2009年9月:ISH常務
- 2011年6月:アイアンドエーエス社長
- 2015年10月:レオス取締役管理本部長(16年度半期決算で通期の黒字化が見えたので藤野氏にバトンタッチしたってことかな?)
- だめだ、全然情報が出てこない、システム系出身で遠藤氏の懐刀なのだろう、買収した会社に本体から送り込まれる係、人となりが全然見えない
白水美樹氏
経歴
- 取締役営業本部長、マーケティング担当
- 1967年、北九州市生まれ
- 1990年:第一證券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、株式トレーダー
- 時期不明:ソニー生命保険、営業アシスタント
- 1999年10月:DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、のち、カスタマーサービス部長、経営企画部長
- 2008年4月:レオス、マーケティング部長
- 2009年2月:取締役マーケティング部長
- 2015年10月:取締役営業本部長
人物他
- 米国でネット証券急成長、日本もそうなると確信し米ネット証券と住銀が合弁で作ったDLJに転職
- 2年ほどでカスタマーサービス部長、部下200人、上手くいかず壁にぶつかる(そりゃ30代前半でいきなり管理職+部下数百人とかキツイよね)
- 組織運営、ビジネス、経済を学ぶため、勤務しながら夜間2年間、青山学院大学国際マネジメント研究科でMBA
- 経営企画部に移るもすでに会社が大きくなっていて面白くない、ベンチャーの方が向いていると感じる
- ちょうどレオスがひふみ投信スタート準備時期で販売担当を探していることをレオスの知人から聞き、マーケティング部長として入社(鞍馬天狗販売スタート時に楽天証券在籍だったので、その時のつながりか?)
- リーマン直後の2008年10月にひふみ販売開始→リーマン→経営危機→部下をリストラ(つらいな)
- IS子会社化の際に面接があり、自分の経営ビジョンなどを話したところ、やってみろと言われ取締役に(そうだったんだ)
- リーマンで経営危機、会社身売りで失意の藤野氏が退社の意思を伝えた時に涙ながらに説教「藤野さん、理想の投信を作りたいからレオスを作ったんですよね。理想の投信は作れたんですか?それともそれはウソで、お金のためだったんですか?本当にとことんやりきったと言えるんですか?」(しびれるなぁ、さすが九州の女)
- 営業本部長だけあって各地での講演が多い
藤本隆氏
経歴
- 社外取締役
- 1971年:日本開発銀行(現日本政策投資銀行、以下、政投銀)
- 時期不明:同、地方開発営業部部長、国際業務部部長
- 2001年:セコム損害保険常務
- 2007年:苫小牧港開発社長
- 2012年:中野サンプラザ社長
- 2016年6月:レオス取締役
僕の憶測
- 苫小牧港開発は港湾開発の3セクで、筆頭株主が政投銀
- 中野サンプラザが厚労省の独法から中野区に譲渡された際に、中野区は所有会社である3セクの株式会社まちづくり中野21を設立した
- この中野21に31億円(全体の53%)出融資したのが都市再生ファンドで、都市ファンを設立したのが政投銀
- 要するに、苫小牧もサンプラザも政投銀とつながっている
- セコム損保に入ったのはなぜ?
- 藤本氏は富国生命の北海道の総代をしていて、富国生命とセコム損保は業務提携している、苫小牧→富国→セコムでつながらんことはないが、無理ありすぎだよねw
松本守祥氏
経歴
- 社外取締役
- 1959年生まれ、慶応法卒
- 1982年:ジャパンライン(現商船三井)
- 1989年:日本アセアン投資株式会社(現日本アジア投資(JAIC)、日本最大のベンチャーキャピタル)
- 2000年6月:取締役
- 2002年:海外業務管掌取締役
- 2007年:米国法人CEO
- 2009年6月:社長
- 2012年:会長
- 2013年7月:WMパートナーズ設立、会長(現任)
- 2016年6月:レオス取締役
僕の憶測
- WMPは未公開株を対象とする投資ファンド、非上場の中小企業、ベンチャーの株を取得し、人材、資金などを投入支援し企業価値を高める
- 元々、JAICの一部門としてスタートし、そのメンバーが独立してWMPを設立したが、JAICで2つ目のファンドを作ったときの出資者が政投銀(また出た!)
- 政投銀はWMPの株主でもあり、本店企業投資部課長の新井洋司氏がWMPの社外取締役になっている
- この新井氏は日本プライベートエクイティ(MBOファンドの会社、後継者不足の中小企業の会社売却なども扱っている)の社外取締役もしている
- で、この日プラの株主がJAICと政投銀と日本M&Aセンター(中小企業のM&Aを仲介する会社)
- つまり、非上場中小企業への投資において、WMP、JAIC、政投銀が密接に連携している(と思う)
- で、WMP創業者でJAIC出身の松本守祥氏と前出の政投銀出身の藤本隆氏の2人をレオスの取締役に招いたのは、1つはWMPや政投銀が持つ中小企業についての情報、ノウハウを得るため、もう1つは政投銀とのつながり作り、ってとこかな?
- WMPはファンドを通してレオスに1%ちょっと出資してるので、単純にそのつながりかもしれない
- ちなみにJAICは海外の非上場中小企業の情報も持っている、まさか将来レオスが海外の中小企業株に投資とかあったりして?いや、さすがにないか
運用担当者
藤野氏、湯浅氏の他に4人いる。
渡邉庄太氏
経歴
- 1997年:大和証券投資信託委託、日本株運用担当、アナリスト、ファンドマネージャー
- 2003年:ダイワSMA(富裕層向け資産運用サービス)立上げ
- 2006年:レオス入社
- 2015年:同、運用部長(湯浅氏は運用本部長)
人物他
- 投資戦略コンサル宮島秀直氏の著書に書かれていた「優れた投資信託の条件は、中小型株への投資、自国の株へのネーティブ運用、スモールチームによる運用」に共感、レオスがその3条件を満たすと判断して入社
- 投資対象企業の製品やサービスが社会から必要とされているか?で投資の可否を判断
- 社長や主要幹部の生い立ちや経歴を重視、幼少期の体験が経営者としての資質に大きく影響する(なるほど!)
- 「企業はアピール不足で、もっと自分たちの魅力を出すべき」(魅力ある中小企業をたくさん見ているからこそ感じるんだろうな)
- 「(企業取材で)足元の四半期の1株利益がいくらかなどを聞いたことは一度もない」(あくまでも長期視点でってのはレオスの全社員に浸透しているようだ)
八尾尚志氏
経歴
- 1990年:和光証券(現みずほ証券)
- 時期不明:三菱証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)
- 2004年:オプティマル・ファンド・マネジメント(オーストラリア系の投資会社、日本株専門)、投資アナリスト
- 2013年:レオス、運用部アナリスト
人物他
- 和光入社3年目から日本企業を分析し機関投資家に提案する業務、分析系の適性に目覚める
- 負けない投資、主観を排する(こういう人好き)
- 運用チームとしての和、風通しの良さが大切
- この人もそうだけど、レオスは誰がどのメディアのインタビュー受けても、みんな同じことを話すね、すごいわ
- ってか、この人の情報がまるで出てこない、どんな人なのか分からん
栗岡大介氏
経歴
- 1985年生まれ
- ニューヨーク州立大学卒
- 時期不明:岡三証券
- 時期不明:同、機関投資家営業部(レオスを担当していた)
- 2013年3月:レオス、運用部アナリスト
人物他
- 諦めない経営者たちを投資で応援したい
- 足で稼ぐ派、街の声を聞く
- 東北の震災で株式市場が下落、日本へのネガティブなイメージが広がる中、電池を買いに行ったセリアは良い店だった
- 決して日本全てがダメなのではなく良い企業もある、そういう企業を探して投資家に伝えたい、と感じたのが大きな転機(良いなぁ)
- 機関投資家向け営業でメディア情報を基に提案するも不振、メディア情報=すでに流行った情報と気付き、街を歩いて流行る前のものを探すようになる
- 前職時に後述の佐々木氏に営業したのが入社のきっかけ
- レオス入社を決めた一番の理由は藤野氏に「今までやりたかったことを好きなだけやりなさい」と言われたこと
- 興味のあるものを好奇心のままにとにかく見たい、で、実際に街角ウォッチングも含めてかなり見てる(現場主義に向いてる人なんだろな)
- 「投資はカルチャーだ」ライブ感を持って投資を一緒に楽しむ(分かるようで分からんw)
- レンズを通してとか、ステキな国に投資とか、資産運用はアートとか、話をキレイに語り過ぎ、もうちょっとストレートな表現でお願い!
- インタビュー記事を読んで感じるのが、好奇心旺盛っていうだけあって、知識が豊富な上にその幅が広い
- この人、ネットで情報を集めることの限界を分かってる、レオスの人はきっとみんなそうだろな
- 「株価が上がる会社は儲かっている会社」(こういう分かりやすいのが好き)
- 投資とは?と聞かれて「ワクワクすることですね!」
佐々木靖人氏
経歴
- 2006年:カリフォルニア州立大学ベーカーズフィールド校卒
- 2006年:ブルー・マーリン・パートナーズ(日本のコンサル会社)、ベンチャー企業の戦略立案、効率化支援、IRコンサルティング、資金調達支援など
- 2009年:レオス
- 2013年:ダーウィン・キャピタル・パートナーズ、運用・調査業務
- 2016年1月:レオス、運用部アナリスト
人物他
- 資産運用したいとツイートしたら藤野氏からレスが来たのが入社のきっかけ(ツイッターかよw)
- 「最初は財務中心に優良企業を見つけることをメインに。マーケットは信じてなかった」(どういう意味?)
- 運用が好きというのは伝わるが、それで社会をどうしたいというのが伝わらない(サイト1ページ読んだだけだけど)
- 露出度が低い、地質学者の佐々木さんのほうが有名w
運用担当者への元社員の評価
過去にレオスに在籍した運用部員(つまり同僚)が、在籍時にインタビューで他の運用部員を評した記事を見つけたので抜粋。
川崎さつき氏
- 藤野氏:アクティブな思索家
- 湯浅氏:ドライなジェントルマン
- 渡邉氏:シャイな勝負師
- 八尾氏:優しい職人
- 栗岡氏:繊細な暴れん坊
蛭田純氏
- 藤野氏:教祖
- 湯浅氏:大黒柱
- 渡邉氏:先生
- 八尾氏:潤滑油
- 栗岡氏:少年
片山晃氏
- 藤野氏:面白いことが好きな人
- 湯浅氏:いい意味でこだわりのない人
- 渡邉氏:逆に、細かい事に手を抜かない職人という感じ
- 八尾氏:バランスの取れている人
- 栗岡氏:行動力
樋口直子氏
- 藤野氏:やんちゃざかり
- 湯浅氏:頼みの綱
- 渡邉氏:心優しい職人
- 八尾氏:関西系ダンディ
- 栗岡氏:裏を知らないサル
- 佐々木氏:マーケットフリーク
これ読んで良かった。湯浅氏は写真がやんちゃ坊主みたいだし、お姉さまがいらっしゃるそうなので、いわゆる弟タイプ?みたいなイメージを持ってた。
でもこれを読むと、大黒柱とか頼みの綱とか、ぜんぜん違うじゃん。やんちゃな弟タイプどころか、藤野氏が外担当で、湯浅氏が内をキッチリ押さえるみたいな感じ?
やっぱ情報はきっちり集めんといかんなぁ。(でもきっとまだまだ足りないはず)
その他の社員
五十嵐毅氏
- 現、ダイレクト営業部長
- 2003年レオス創業時のメンバー3人の内の1人(この人がどういう位置付けというか、役どころだったのか分からん)
- 2005年頃は調査、営業、雑務などいろいろやってたみたい(金融畑の人なのかな?)
- 以前は執行役員だった
- この人も情報が出てこない、プロ麻雀棋士の情報ばかり出てくる
立田博司氏(元社員)
- 現ポートフォリア(みのりの投信)社長
- ブラックロック・ジャパンなどで活躍した腕利きのファンドマネジャーで、ひふみ投信スタート時(2008年10月)に執行役員ファンドマネジャーとしてレオスに招かれた
- 当時は藤野氏も、尊敬する最強のライバル、10年来の友人、一緒に仕事が出来ることが嬉しいと評していた
- ところが、2009年2月にレオスがISホールディングスに子会社化されたあと、同年9月にファンドマネジャーを退任(後任は藤野氏)
- 退任発表直後にレオス本社で行われた説明会で、
- 立田氏:1.投資家が長期保有できる投信を作りたかった、2.それで独立系の直販投信を作るためにレオスに来た、3.経営陣の決定に従えないなら辞めるしかない、4.長期投資を投資家に勧めてきたのに1年足らずで辞めることになり申し訳ない
- 岩田氏(当時社長):1.レオスは今後ひふみ以外の投信も設定する、2.その新しい投信をISグループ内の証券会社などで販売する
- 藤野氏:1.新体制でも良い商品は作れる、2.立田氏は尊敬しており負けないようにひふみを運用する、3.基本的な運用方針も客との付き合い方も変わらない
- 僕の推測だけど、レオスを子会社にしたISがレオスの投信商品をライブスター証券など他の証券子会社で販売しようとするのは、グループの相乗効果を高める意味で当然の判断
- しかし立田氏としては(ひふみは今後もレオス直販だが)グループ内と言えども販社経由になる投信を作るのが自分の理想に合わない、それをやるためにレオスに来たんじゃない、で対立したのか?
- 事実、説明会での質疑応答で立田氏は「一番受入れられなかった点は、株式投信について(ひふみ投信以外に)他にも商品を出すことと、間接販売を行うこと」と明言している
- 藤野氏も「自分も辞めて会社を立ち上げるという選択肢もあった」と述べているので、藤野氏自身にとっても新しい投信の設定、販社経由の販売は本意ではなかったのだろう
- その後、立田氏は投信会社ポートフォリアを立ち上げ、2013年4月みのりの投信の運用を開始した
片山晃氏(元社員)
- 1982年、秋田県生まれ
- 2004年に65万から投資スタート、2012年10億超え、2016年100億超えのカリスマ個人投資家、ハンドルネーム五月
- 2013年、アベノミクス相場で失敗し引退宣言、以前からツイッターなどで交流があった藤野氏に誘われ、2013年5月レオス入社
- 2014年6月退社、ベンチャーキャピタルのシリウスパートナーズ設立
- レオス在籍中のインタビュー記事を読んだが、話す内容というか根底にある思想と言うか追っかけてるものが、他のレオス金太郎飴オールスターズと違う
- 投資の技術はオールスターズ同様にピカイチなんだろうけど、その技術を使ってやりたいこと、作りたいものが一致していない、他の金太郎飴たちのインタビューに出ている想いが出てない
- 他の6人とビジョンというかロマンを共有できなかったから1年で辞めたのかな?
ひふみ投信に関連する企業・人
ISホールディングス
概要
- レオスの筆頭株主(53.55%)
- 祖業はシステム開発、IT系金融事業を経て多角化
- グループ全体で21社、400人、1社平均20人弱、平均年齢25歳(労働集約型の正反対だな)
- 平均勤続年数6年(最近はこんなものなの?)
沿革
- 2000年5月:アイアンドエーエス設立(アプリケーションサービスプロバイダ事業)
- 2003年4月:外為オンライン設立(オンラインFX)
- 2008年4月:ISホールディングス設立(上記2社が完全子会社化)
- 2008年4月:ISソフト設立
- 2008年10月:アイネット証券子会社化(ネット証券、オンラインFX)
- 2009年2月:レオスの第三者割当増資、子会社化
- 2009年5月:ライブスター証券子会社化(ネット証券)
- 2009年12月:アース・カー設立(カーシェアリング、駐車場シェアリング)
- 2011年12月:ひまわり証券子会社化(オンラインFX)
- 2012年5月:日本ビルド子会社化(商業施設特化の不動産投資業)
- 2012年12月:Advanced Estate Capital Adviser International, Inc.設立(日本の投資家への米不動産投資サービス業、ソシャレンではない)
- 2013年2月:グランドホテル白山子会社化(石川県白山市のホテル)
- 2015年11月:朝日機工株式会社子会社化(送風機製造業、納入先に電力会社、下記グリーンの発電機と関係)
- 2016年1月:グリーン電力エンジニアリング設立(再生可能エネルギー発電)
- 2016年12月:就活オンライン子会社化(就活サイト)
事業領域とグループ会社
金融
- 外為オンライン
- アイネット証券
- ライブスター証券
- ひまわり証券
- レオス
IT(システム開発)
- アイアンドエーエス(祖業)
不動産
- 日本ビルド
- Advanced Estate Capital Adviser International
駐車場・カーシェアリング
- アースカー
再生エネルギー
- グリーン電力エンジニアリング
- 朝日機工
ホテル
- グランドホテル白山(増築中)
- 大阪泉佐野案件(2019年春開業、日本ビルドが開発、ホテル白山が運営)
情報サイト
- 就活オンライン
遠藤昭二氏
- ISホールディングス社長、レオスの大株主(23.98%)
- 1962年1月生まれ、趣味は将棋
- 1983年4月:オービックシステムエンジニアリング
- 1987年3月:システム技術センター(現ワークスプロダクツ、システム開発業)設立
- 2000年5月:アイアンドエーエス設立
- 2003年3月:システム技術センター売却
- 2003年4月:新日本通商(現外為オンライン)設立
- 2008年4月:ISホールディングス設立
- この人は徹底して表に出てこない、俳優の清水章吾さんとのインタビュー記事だけ、テレビに出たりしてる藤野氏と対照的
- ひふみ投信があったからレオスを買ったらしい(ちゃんと成長性を見越していたんだ)
- 根拠はないが、2014年に福島県猪苗代町に「野口英世博士のふるさと猪苗代応援寄付金」として1千万円を寄付?(寄付者の住所が千葉県で、遠藤氏の住所は千葉市稲毛区、同姓同名なんていくらでもいるから根拠なし)
村井眞一氏
- 蔦屋書店の共同創業者
- 2008年にISホールディングスになった際の共同設立者
- 遠藤氏に次ぐISHの第2位株主(12.98%)
- ISHの役員等には就いていない
- レオスの第8位株主(1.22%)
- 現在はEコマース支援事業を行うAMSの社長
- AMSの社外取締役の一人はレオス社外取締役でファンドを通して出資しているWMP社長の松本守祥氏(みんなつながってるんだな)
ひふみ投信についての考察
以上調べてみて僕が感じたことです。
ひふみ投信の強み
攻めの投信
基本的に攻めの投信です。インデックスファンドは日経平均などの指標と同じ値動きを目指す、つまり平均値でOKとする投信です。
これに対してひふみ投信は、指標よりも上を目指す、果敢に利回りを取りに行く投信です。
中小型株に投資
それを実現するためにひふみは、年率15%以上を期待できる成長株を中心に投資します。主に中小型株です。
無名だけど成長が見込める企業、地味だけど地道な企業、他の投資家がまだ気付いていない優良企業、つまり、株価の大きなアップを近い将来に期待できる割安な銘柄に投資します。
強力な調査体制
そういった企業を発掘するために最も力を入れているのが調査体制です。普通の運用会社では中小型株ファンドは1~2名の担当者で運用するそうですが、レオスでは6人体制で運用しています。
しかも、6人が担当する銘柄を業種などで縦割りにするのではなく、6人全員がすべての銘柄に関与する、いわば6重のチェックを効かせています。
現場主義
さらに、企業の成長には経営者の考え方や人となりが大きく影響するという考えから、各企業に何度も訪問し、経営者本人に何度も話を聞くことに注力しています。
現場で現物で現実を見るという、足で稼ぐ調査を徹底しているということです。
大負けしない
ひふみは攻めの投信ですが、攻め以上に守りの投信です。上げ相場で大勝ちすること以上に、下げ相場で大負けしないことに重点を置いています。
その方法として、例えばひふみ投信の中で細かく分散投信をしており、構成銘柄は100以上、組入比率は高いものでも2%強です。
現金50%
ひふみ投信の最大の特長は、現金の構成比率を50%まで許容している点です。普通の投信ファンドは原則として資産すべてを株で持ちます。
これに対してひふみは50%まで現金で持てるので、下げ相場では株を売って現金に換え、総資産に占める株の構成比を下げることで資産の減少を最小限に留めます。
守りながら増やす
そして、下がりきったところで割安になった株を現金で一気に買い付けます。相場の回復とともにその株が資産の増大を生み出すため、ひふみ投信は他の投信に比べて相場の下落後の戻りが早いのです。
レオスの人たちがインタビューでよく「守りながら増やす」と話していますが、現金50%があるからこそ、それを実現できていると僕は思います。
結果を出している
この記事の上の方でグラフを示しましたが、確実に結果を出し続けています。2008年10月の基準価額10,000円に対して、9年後の2017年10月は45,440円です。
成長率は実に年平均20%以上です。インデックスファンドの平均利回りが年5%前後と言われていますので、ひふみの利回りは驚異的です。
レオス運用チームの強み
プロ集団
言うまでもないことですが。藤野氏、湯浅氏、渡邉氏を始め、この業界で経験と実績を積んできたプロフェッショナルな6人が運用しています。
ロマンとビジョンで結びついたチーム
普通は野村って会社に入って、担当者として集められて運用チームになる。要は野村って組織を理由に結びついているだけです。
でもレオスは違って、理想の投信、投資家にとってあるべき投信を作り、販社を通さずに直接販売したいという想いを理由に人が集まっています。
僕個人の経験からですが、銭金や個人の出世とかではなく、ロマンやビジョンで結びついたチームは間違いなく強いです。
金太郎飴
運用部の人だけでなく白水氏のような営業系の人のインタビュー記事を読んでも、レオスはとにかく話す内容がみんな金太郎飴です。
個々人で表現が変わったりするけれど、同じ匂いというか空気というか、ここまでビジョンを共有できてるってすごい。だからこそ、方針や戦略がブレず、安定して結果を出せているのだと思います。
やりたい仕事
明日からお前これ担当って上司に言われてやらされてるのではなく、金と出世のためにやってるのでもなく、レオス運用部の6人って理想の投信を作りたくて、それで仕事をしていると感じる。
サラリーマンやってりゃ分かりますよね。やらされてる仕事と、やりたくてやってる仕事。どっちの方が死に物狂いで必死にやるか。そして結果が出るか。
で、実際に9年で450%って結果を出してるんだからすごい。
何度もつまづいている
上の方で書いた通り、レオスの歴史は挫折の歴史です。
創業当初は客が集まらず、やっと軌道に乗ってひふみをスタートさせたと思ったら、リーマンで経営危機、挙句にISホールディングスの子会社化。さらに直販の理念を曲げてひふみプラス販売。
全然輝かしい歴史じゃなくて、失敗して叩きのめされて泥水にまみれた屈辱の歴史なわけです。それでも必死にひふみを守り育ててきた。挫折しているからこそ強いはず。
ひふみ投信の弱み
20年先はどうなる?
僕はひふみ投信を積立NISAでやろうと思ってます。ご存知の通り、積立NISAは最長で20年です。僕はイレギュラーがない限り、ひふみを20年やります。
なんだけど、う~ん、20年後は渡邉氏が60代、藤野氏と湯浅氏に至っては70代半ばです。ファンドマネジャーが後期高齢者ってどうよ?w
それまでに本当に後継者を育てられるのか?今と同じ結果を出せるチームを作れるのか?藤野氏たちがレオスを去る時点で判断が必要でしょう。
親会社の胸三寸
なにせISホールディングスと遠藤氏に8割の株を押さえられてますから。すべてはISHと遠藤氏次第です。実際、ISHの子会社になってから、方針を曲げて販社経由のひふみプラスを始めています。
ですので、ISHの動向は常にチェックが必要ですし、これはマズイと感じたら撤収すべきでしょう。
レオスにとってのひふみ投信
根拠のない僕の想像を一つ。
桐たんす物語
レオスがセミナーでよく紹介する「桐たんす物語」という話があります。昔の日本では娘が生まれると庭に桐の木を植え、大切に守り育て、娘が嫁ぐ時にその桐の木で作ったタンスを持たせた。
投信もそれと同じで、大切な人の将来のために長い時間をかけて守り育てるのだ、という話です。
ひふみは桐の木
僕はレオスの人たちにとっても、ひふみ投信が桐の木なのだと思います。
レオス創業以来、つらい時期も挫折もあった。これからもきっとあるだろう。それでも顧客にとってあるべき投信、価値ある企業を育てる投信、明るく豊かな未来を作る投信、そんな理想の投信であるひふみ投信を、何が何でも守り育て、10年、20年先の日本に残す。
ひふみ投信に込めた想いや願いを守り続け、次の世代のレオス運用チームに引き継ぐことができれば、ひふみ投信はこれからも成長し続けるし、それは必ず可能だと思います。
ひふみ投信に投資するかの判断
ひふみ投信を買おうか迷い、迷いを晴らすために徹底的に調べました。その上での僕の結論です。
ひふみ投信に投資する
僕はメインはソーシャルレンディングです。平均5%の利回りなのに5年も10年もインデックスファンドにお金を寝かせるならば、同じ5%で運用できて半年から1年で満期になるソシャレンで十分です。
でも、ひふみ投信はそれをはるかに上回る年平均20%で運用しています。ソーシャルレンディングではこんな利回り無理です。
しかも僕が調べた限りでは、ひふみ投信の強みは弱みをはるかに上回る。その上、今のタイミングならば積立NISAで税金対策もできる。これだけ条件が揃うのにやらない手はない。ソシャレン1本というリスクも回避できる。
ということで、ピヨピヨ初心者の僕ですが、ひふみ投信をやることに決めました。
条件が一つ
ただし一つだけ条件が。
僕はレオス運用部の金太郎飴オールスターズを信頼していますが、現在のオールスターズのスキルと想いが、次の世代のオールスターズに引き継がれるかは分かりません。また、レオスの経営には親会社であるISHとオーナーの遠藤氏の意向が大きく影響します。
ですので、レオスとISHの動きや状況を定期的にチェックし、ヤバイと思ったら撤収する。逆に言うとそのチェックさえキッチリやれば、ひふみに託して問題ないと僕は判断します。
最後に
最後にひふみ投信の強みをまとめて終わります。
- 同じ想いで強く結びついたプロ集団
- 現場主義に基づく足を使った徹底した調査
- 成長が見込める中小型株に投資
- 現金50%で大負けを防ぎ、守りながら増やす
- 平均利回り年率20%の実績
さらに詳しく → ひふみ投信(公式サイト)
コメント
JPX日経中小型株指数でもいいかな。
JPXを見てX-JAPANのこと?と反応したピヨピヨの投資初心者です。
難しいことは分かりません。笑
同郷の遠藤氏は地元に貢献されて素晴らしいです。
そうですか。
それはなによりです。