【案件分析】maneo/不動産担保付きローンファンド1206号(物件特定)

ソーシャルレンディングに投資する予行演習として、案件の分析をしています。

不動産を担保とする貸付案件ばかりです。

3回連続でOwnersBookをやったので、今回はmaneoです!

概要

大阪府豊中市の土地を取得する「不動産事業者DH」に対する、この土地を担保とした貸付です。

「不動産事業者DH」は貸付金を資金に土地を取得し、分譲住宅を建設して売却します。

  • 業者名:maneo
  • 案件名:不動産担保付きローンファンド1206号
項目状況
募集総額2,300万円
期間14ヶ月
利回り5.4%
予定収益/10万円6,285円
利益の配当毎月
元本の償還満期後一括
早期償還可能性あり
募集開始日2018年4月20日
投資実行日2018年4月27日
運用終了日2019年6月28日

我々の貸付先はmaneo関連会社の「事業者C」で、「事業者C」が「不動産事業者DH」に貸し付けます。

しかし、実質的には我々が「事業者C」を経由して「不動産事業者DH」に貸し付けるようなものですので、以下、「不動産事業者DH」の担保や事業について分析します。

安全性

担保

担保の有無

抵当権順位第1位の不動産担保があります。

保証会社の保証、会社代表者の個人保証はありません。

項目状況
保証会社の保証なし
不動産担保
個人による保証なし
抵当権の順位第1位

財務構造

担保と貸付の構造は以下の通りです。

項目状況
担保物件の評価額3億7,700円
根抵当権の極度額(LTV)2億7,600万円(73.2%)
予定最大貸付額(LTV)2億3,000万円(61.0%)
今回の貸付額(LTV)2,300万円(6.1%)
今回貸付時点でのLTV6.1%

maneoによる当該担保物件の評価額(分譲住宅開発後の売却予定額)は3億7,700万円で、抵当順位第1位でmaneo(実際は事業者C)が極度額2億7,600万円(担保比率73.2%)の根抵当権を設定します。

これからmaneoは「不動産事業者DH」に対し、第1次から第10次までの10回に分けて、総額2億3,000万円(61.0%)の貸付を行います。

今回は第1次として2,300万円(6.1%)を貸し付けますが、第10次までの総額で最終的にはLTVが61.0%となります。

担保内容

概要

maneoサイトによると担保物件の概要は以下の通りです。

項目状況
種別土地
面積2,270平米
種別戸建用地
所在地大阪府豊中市
所在地

maneoサイトでは大阪府豊中市とのみ記載されています。最寄り駅等は分かりません。

土地の現状

現在は更地です。周辺は戸建て住宅が多く流動性に問題はないとのことです。

担保の妥当性

物件の特定

当該担保物件の面積は2,270平米で、分譲住宅開発後の売却予定額は3億7,700万円です。つまり、平米あたり16万6千円で売却するということです。

ネットで調べたところ、新築住宅に占める土地代の比率は、平均値的、相場的に言えば最大でも半分程度のようです。(間違ってたら教えてください!)

ということは、土地代は最大でも平米8万円前後。つまり、当該担保物件はそれくらいで取得できるエリアに所在するということになります。

で、豊中市内でこの条件に近い土地を探してみました。

住所価格面積平米単価
東豊中町1丁目6,970万円626平米11.1万円
東豊中町2丁目5,980万円456平米13.1万円
東豊中町3丁目3,390万円373平米9.1万円
東豊中町3丁目8,000万円1,501平米5.3万円
上野東3丁目6,180万円485平米12.7万円

平米8万円で取得というのはかなり厳しそうですね。

上野東3丁目は東豊中町に隣接します。ですので、当該担保物件は東豊中町とその近辺に所在すると推測しました。

そして、最も安い東豊中町3丁目をグーグルマップで見ていたら、まとまった更地がありました。

東豊中町3丁目31番地にあるこの土地は、千里ハイツという不動産会社が管理しており、以前は家庭菜園だったようです。

グーグルマップの衛星写真がいつのものか分かりませんが、すでに重機が入って整地が進んでいます。

この土地の面積は16,000平米ありますが、僕が見た限り東豊中町にはここ以外で2,270平米を超える更地はありませんでした。

ですので、当該担保物件が東豊中町に所在するという僕の推測が正しければ、この31番地の土地の一部を取得するのだと思います。

分譲住宅の価格

当該担保物件に住宅を建てて、平米16万6千円で売却できるのか?東豊中町3丁目の分譲住宅の価格を調べてみました。

住所価格面積平米単価
東豊中町3丁目6,980万円256平米27.3万円
東豊中町3丁目9,800万円316平米31.0万円
東豊中町3丁目4,370万円216平米20.2万円
東豊中町3丁目5,190万円229平米22.7万円
東豊中町3丁目8,350万円255平米32.7万円

平米あたり16万6千円を余裕で超えていますね。

よく考えたら、土地面積2,270平米から道路に使う面積を引いてなかったので、それを考えたらこれくらいになるのかもしれません。

公示地価の推移

当該担保物件が所在すると推測される大阪府豊中市東豊中町3丁目に隣接し、立地条件が近い4丁目の2ヶ所の過去4年間の公示地価(1平米あたり)の推移は下記の通りです。(19-21は2年分しかデータがありませんでした。)

住所2014年2015年2016年2017年
4丁目1-20252千円253千円253千円253千円
4丁目19-21-千円-千円210千円210千円

ほとんど動いていません。

人口の推移

豊中市全域及び東豊中町の過去5年間の人口の推移は以下の通りです。(各年4月1日付、出典:豊中市役所

地域2014年2015年2016年2017年2018年
豊中市392,977394,129394,672396,171397,682
東豊中町17,44917,49717,38817,28617,175

豊中市の人口は毎年わずかながら増えていますが、東豊中町はわずかながら減っています。

担保の妥当性の判断

まず、当該担保物件の評価額の妥当性ですが、面積2,270平米の内、道路に使う面積を仮に3分の1とすると、住宅に充てる面積は1,500平米です。

分譲住宅開発後の売却予定額3億7,700万円を割ると、1平米25万円で売却できれば良いことになります。

上で見たように豊中市東豊中町3丁目の新築住宅は、おおむね平米25万円ラインを超えています。

東豊中町は大阪モノレール少路駅が最寄り駅で、梅田に直結する阪急宝塚線、北大阪急行線の沿線ではありません。つまり、豊中市内では条件の悪いエリアです。

そこで25万円をクリアしていますので、仮にこの物件が豊中市内の別の場所であっても、3億7,700万円は妥当な評価額であると判断します。

ただ、東豊中町4丁目の地価は横ばいを続けている上に、東豊中町の人口はわずかずつですが減少しています。東京の都心回帰現象と同じで、不便な立地が敬遠されているのかもしれません。

したがって、(可能性はかなり低いと思いますが、)作った物件が売れない可能性がゼロとは言えません

ただ、第1次から10次までの総貸付予定額は2億3,000万円で、担保評価額に対するLTVは61%です。

つまり、仮に住宅が予定通り売れず「不動産事業者DH」が返済できなくなり、担保を処分することになっても、最大で4割までは値引きが可能です。

したがって、元本を保証するという担保本来の役割りという意味で、当該物件の担保としての妥当性は十分に認められると判断します。

銀行融資の有無

本案件に対する銀行の貸付はありません。

銀行よりも金利が高いmaneoからわざわざ借りなければならない=銀行が融資に二の足を踏むような担保または事業という意味で懸念要素です。

貸付の妥当性

貸付先企業

貸付先企業である「不動産事業者DH」の所在地などは明らかにされていません。

maneoサイトによると分譲実績が豊富で、不動産の売却についてもノウハウを有するとのことです。

事業内容と経営状況

「不動産事業者DH」は、今回から合計10次で貸し付けられる2億3,000万円を使って、大阪府豊中市に2,270平米の戸建用地を購入します。

そして、住宅を建設して3億7,700万円で売却するとしています。

同社の経営状況について情報はありません。

貸付の妥当性の判断

上で見たように、売却予定価格自体は相場に沿ったものですが、人口減少を考慮すると予定通りに売れない可能性があります。

そのあたりを懸念して銀行が貸付を行っていないのかもしれません。

ただ、値下げできる余地がかなりあることも考えると、大きく失敗する事業とまでは思えません。

したがって、「不動産事業者DH」が行う当該事業資金としての貸付は、完全とまではいかないまでも十分な妥当性を有すると判断します。

安全性の評価

以上より本件の安全性について、

  • 銀行が貸付を行っていない
  • 建設後の住宅が売れない可能性がある
  • しかし、
  • 売れない可能性は極端に高いとは思われない
  • 担保の評価額は妥当である
  • LTVは最大61%と低水準である
  • 仮に返済不能となっても元金は回収できる
  • なんだかんだ言ってもmaneoの案件である

ことから、本件に対する投資の安全性は高いと判断します。

案件の信頼性

リピートの有無

今回の貸付は第1回目です。過去の実績はありません。よって、信頼性は評価できません。

僕の判断

以上を踏まえて僕の判断です。

投資の是非

迷うなぁ…

銀行が融資していないし、過去の実績がない新規ファンドですし、作った住宅が売れない可能性もあります。

ただ、担保が固い。売却予定価格が妥当ですし、いざとなったら4割まで値下げできます。元本が毀損されることはないはずです。

なんですが、利回りが5.4%で運用期間が14ヶ月なんですよね。5.4%はともかく、14ヶ月がなぁ…。ということで僕はパスです。

でも、なんだかんだ言ってもmaneoの案件です。14ヶ月のリスクを取れるのであれば、本案件は十分に投資するに値すると判断します。

投資金額

仮に運用期間が6ヶ月であれば僕は投資します。

14ヶ月の場合、10万円あたりの予定収益は6,285円なので、6ヶ月にすると3,000円くらいですかね。

3,000円稼いでもしょうがないし、6ヶ月ならば逃げ切れるはずですので、僕ならば100万円を投資します。

ひとこと

担保物権についての情報が乏しすぎて、投資して大丈夫なのか判断できません。

ソーシャルレンディング事業者の大本営発表を信じるしかない。これがソシャレンの現状です。

金融庁のみなさん、なんとかしてください!

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