グリーンインフラレンディング、JCサービスとバイオマス発電、経産省

ソーシャルレンディングの再生可能エネルギー系の案件。

今までは太陽光がメインだった。今後はバイオマスか?

よく分かってないのでお勉強を。

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで300件を超える案件に1億5千万円以上を投資し損失ゼロ。
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バイオマス発電全般

再エネ全般

概況

  • 2015年の発電量比率は火力83%、再エネ14%(水力9%、他5%)
  • ↑再エネの内、水力65%、太陽光23%、バイオマス6%
  • ↑つまり、現状でバイオマスは1%足らず
  • 経産省は2030年で発電量の4%をバイオマス、7%を太陽光にしたい(ちな、水力9%、LNG27%)←水力の半分なのでかなりのボリューム
  • そこで2012年にFIT開始
  • ↑まず技術面でハードルが低い太陽光が認定事業のほとんどを占めた
  • ↑2016年の発電量は2012年度比で太陽光7倍、バイオマス3倍、風力2倍
  • ↑2016年から風力、バイオマスが伸びて再エネ認定数の2割まで来た
  • (太陽光の天井が見えてきてバイオマスに流れている?)

各エネごとのシェア等

  • 再エネの中では太陽光が圧倒的
  • バイオマスは10%にも満たない、風力と同レベル

バイオマス発電所

開設状況

  • 国の2030年の予想件数を認定容量ベースですでに2倍以上オーバー
  • 2017年9月の認定済み件数1,604万KW
    2030年の導入目標602~728万KW
  • 認定済みの木質バイオマス発電所:2017年3月末で491ヶ所(1,200万kw)
  • ↑しかし、まだ稼働してないのがほとんど
  • 状態万kw比率
    総認定量1,247100%
    移行導入413%
    新規導入645%
    未導入1,14292%
  • ↑これから建設、稼働が本格化するのだろう

コストなど

発電コスト
  • 発電コストの7割が燃料費らしい
  • 発電コスト(kwh)の比較
  • 太陽光30~45円
    バイオマス17~32円
    風力10~17円
    石炭、水力など10円前後
    地熱9~12円
  • 10円との差額がFITで国民の負担になっている
建設コスト
  • 風力47万円/kw
    木質バイオマス41万円/kw
    太陽光30万円/kw
    液体バイオ燃料(パーム油)21万円/kw

木質ペレット

その前に、

パーム系

  • パーム油は経産省もネガティブな印象
  • ↑輸入なので日本の環境にも雇用にも寄与しない
  • ↑現地の森林伐採など環境問題がある
  • ↑食用油など食品用の需要が大きい
  • 認定済み発電所の出力ベース4割はパーム油を燃料とする計画
  • ↑認定済みが全て可動したらRBDステアリンの世界生産量の半分が必要←無理やろw

ペレットの必要量

  • 川崎バイオマス発電株式会社(発電規模 33,000 kW)で年間18万t(kwあたり5トン前後?)
  • FITで認定された事業の内、9割は輸入燃料を前提
  • ↑9割の内の4割はパーム油
  • 数百万トンのペレットが輸入される見込みらしい
  • 国内年間でペレット換算3,000万トン必要らしい
  • ↑ちな、2020年予測全世界生産量が4,000万トン
  • 林野庁データで2016年の木質バイオマス利用量は900万トン、9割が木材チップ、ペレットは2%
  • ↑木材チップの内、輸入物は1%
  • 電力の4%をバイオマスにする(2030年の経産省目標)には、年間3,000万トン輸入が必要らしい
  • ↑ちな、16年の輸入量は数十万トン
  • ↑16年の全世界の流通量は1,400万トン

ペレットの供給量

  • 木質ペレットの16年の国内生産量:12万トン
  • ↑ここ数年横ばい
  • ↑年間生産量1,000トン以下の工場が6割
  • 木質ペレットの17年の輸入量は50万トン
  • ↑ここ数年2ケタ増
  • ↑内、カナダ36万、ベトナム13万

ペレットの輸入価格

  • 木質ペレットの17年の平均通関価格は2万円/トン
  • ↑16年からおおむねこのレベル
  • ↑カナダが2~2.5万、ベトナム1.5万
  • PKSの17年の輸入量は110万トン、1位ネシア、2位マレーでほぼ全量
  • ↑ここ2年1~1.2万円/トンで推移

制度・規制

  • 認定事業者は発電設備の設置費用と年間の運転費用の報告を行う必要あり←チェックできる
  • 年に1回入札して落札できた業者が事業化できる
  • 2018年4月から審査等始まり12月に落札発表、3月に認定取得

固定価格買取制度(FIT)

  • 高いまま放っておいても売れないから、電力会社経由で利用者(僕ら)に割高で買わせる制度。
  • ↑ただし、一定価格で一定期間(20年)
  • ↑20年はペレットが売れる?
  • ↑期間終了までに設備投資を回収できるか?

買取価格(輸入ペレットの場合)

  • 2017年2万kwh未満2万kwh以上
    24円21円
    2018年1万kwh未満1万kwh以上
    24円入札で決定

懸念点

  • バイオマスの発電所は申請続出状態
  • ↑太陽光と一緒でよく分からん業者も参入している
  • ↑破綻する発電所が続出するだろう
  • ↑燃料確保できずに破綻するのでは?
  • バイオマスは原料の安定供給の確保、原料の収集、運搬、管理にコストがかかる

経産省とエネ庁

立場・意向

  • 基本、積極推進
  • でも、再生って本来は国内の話
  • ↑海外ペレットを入れた時点で本筋から外れる
  • ↑国内の環境にも雇用にも寄与しないから
  • ↑なのに固定買取制度でそのコストを国民に負担させる
  • ↑大義名分が立たない
  • ただ、現実は海外物を使うしかない、国内で足りないから

算定委員会での議論から

  • 再エネの拡大と国民負担の抑制の両立が経産省の意向
  • 日本の木質バイオマス発電の買取価格は高い(日本24円、欧州は8~15円)←今後、下げていく布石
  • 17年4月以降の認定分について、出力換算で燃料の10%がパーム油、40%がパーム椰子殻(PKS)←パーム系は環境に悪影響って批判的な意見をよく見る
  • 17年3月以前の認定分ではパーム系が8割を超えていた←やはり経産省はパーム系を減らしたい
  • バイオマスは7割が燃料費、どうすればFITから自立できるか?←20年までに自立させる意向、つまり値下げ
  • 燃料価格の低減が必要←輸入材を受け入れるしか解がない(パームダメとか条件は付くだろうが)

推測

  • 経産省として再エネはコケさせられない
  • 同時に買取価格も下げたい
  • ペレット輸入を認めざるを得ない

参考:調達価格等算定委員会(第31回)

委員

  • 植田和弘(京大教授):環境経済学(地球温暖化対策、廃棄物処理とリサイクル、森林破壊、生物多様性の保全など)の第一人者
  • 山内弘隆(一橋大教授):交通経済学
  • 高村ゆかり(名大教授):研究分野は、地球温暖化に関する国際法・政策、環境リスクと予防原則、環境条約の遵守手続・制度など国際環境法に関する諸問題
  • 辰巳菊子(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問):環境問題系
  • 山地憲治(公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)理事・研究所長):専門は地球温暖化問題やエネルギー問題に関するモデル分析、バイオマスに詳しい

GIL関係

貸付について

  • 発電所の発注者がコケた場合、認可IDが担保になる?
  • 古い認可は売電単価が高い(24円)から売れるだろう
  • つまり、担保価値として認められる?
  • はっきり言って、このあたりはバクチだな

タイ事業

  • ゴムの木を使った弊社のバイオマス発電事業に対し、ソムキット副首相が前向きな姿勢
  • 当社がゴムの木を、現地工場で高品質なペレットに加工して日本に輸出し、国内のバイオマス発電所で燃料として活用するという、一気通貫の取り組みを行うプロジェクトに着手することになりました。2017年8月にはタイ駐在員事務所を開設し、タイ政府と基本合意書を締結

推測

  • 事業者C:JCサービス
  • 事業者A:JC証券?
  • 事業者H:SPC

JCグループの商売

大きな流れ

  • 投資家の資金→JCグループで発電所建設→事業者に売却
  • 建設を受注した時点でほぼ利確(相手によるが)
  • 売却時点で完全に利確
  • その後、燃料のペレット販売で継続収益

JCの狙い(推測)

  • リスクのある発電事業そのものには携わらない
  • 売却して利確する発電所建設請負で商売1つ目
  • 売却相手に燃料のペレットを販売して2つ目
  • 発電所建設よりもペレット商売の方が美味しい?
  • 発電所はつながり作りで、その後が本当の商売
  • だからタイに工場作って安定供給体制構築?

JCグループ企業

タイの状況

  • ゴム古木の供給元:パンガー県(プーケットの隣)のゴム農事6組合と8製材所
  • ※東部のラヨーン県(パタヤの隣)からも調達予定
  • 調達量:年間35万トン(ペレットじゃなくゴム古木)
  • ※ゴム古木の端材はタイ南部で年間4,000万トン発生
  • 契約期間:20年
  • 2017年8月、タイ駐在員事務所開設
  • 2017年9月:タイ政府工業省工業振興局と基本合意書締結
  • カセサート大学とトレファクション(半炭化:ペレットに比べて重量あたりの熱量が1.3倍になり、輸送・貯蔵効率が向上)を含むペレット技術について共同研究
  • トレファイドペレットはタイ国内の石炭火力発電所に混焼用として供給検討
  • 2018年に現地工場着工
  • 2020年に輸出開始予定←意外と遅かった
  • タイのナンバーナイングリーンパワー社と合弁でペレット工場をパンガー県に設立予定
  • ↑日産70トン、年間25万トンを予定
  • JCでゴム古木からペレット300万トン調達し50万kw発電見込み

判断

妥当性

  • バイオマスは国策
  • ↑太陽光の後釜として来ている
  • ↑太陽光同様に跳ねる可能性
  • 認定済み未稼働が400件以上ある
  • ↑まだ建設需要が多い
  • 輸入ペレットは大幅に増える
  • ↑経産省はパーム系は減らしたい
  • ↑17年50万トン、今後の見込み年間数百万トン
  • ↑FIT価格を下げるには輸入材を使うしかない

課題

  • 発注者であるで発電業者の見極めが重要
  • ↑しっかりした大手が良い
  • ↑発電所建設の返済能力があるか
  • ↑ペレットを適正価格で大量に売れるか
  • 引き際の見極め
  • ↑国はFITを10円台まで半減させるはず
  • ペレットの値下げ圧力がかならず来る
  • ↑JCが耐えられない水準まで下がったら撤収

9月5日:追記

以上は2018年4月28日に調べて書いたものです。

記録として残していますが、ご存知の通り状況が大きく変わっています。

僕もこれを書いた当時はグリーンインフラレンディングで投資をするつもりでしたが、方針を大きく転換しました。

今は安全第一で上場企業系のOwnersBookや大手系のクラウドバンクなどを中心に投資をしています。

詳しくは下記の記事を参照してください。

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