JCサービス以外にバイオマス発電を行っている企業について。
同業他社を材料に勉強。
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サミットエナジー
概要
- 発電事業者(新電力事業者)
- 住友商事の100%子会社
- 2001年2月創立
- 自社の発電所+他の発電事業者から購入した電力を、事業者、一般家庭に販売
- 石炭、天然ガス、太陽光、風力、バイオマスを燃料とする発電所を複数持つ
- バイオマス系の発電能力は17万5000kW
- バイオマス発電事業者協会 副代表理事
バイオマス系の発電所
なお、いずれも子会社の法人
酒田バイオマス発電所
- 酒田北港
- 2012年12月:設立
- 2016年4月:着工
- 最大発電能力:50,000kW
- 総事業費:250億円←ちょっと割高?
- 燃料:4割を国産材
- 補助燃料:石炭
糸魚川バイオマス発電所(サミット明星パワー)
- 明星セメント糸魚川工場内(姫川港至近)
- 2003年4月:建設着工
- 2005年1月:営業運転開始
- 主燃料:建設廃材
- 最大発電能力:50,000KW
- 発電効率:35%(かなり高いらしい、普通は20%くらい)
半田バイオマス発電所
- 衣浦港の岸壁
- 2012年12月:設立
- 2017年6月:営業運転開始
- 発電出力:7万5000kW(木質バイオマス専焼として国内最大)
- 総事業費200億円
- ↑75MWだから4倍で300億円、割安に作ってる?
- 敷地は東京ドームの2倍(チップの保管場とかも必要だから)
- 燃料は↓
- 輸入木質チップ:5割
- 輸入PKS:3割
- 国産材:1割
シンエネルギー開発
概要
- 発電所の計画・開発・運営(所有はしない)
- バイオマス専門
- 2011年10月設立
- インドネシアに100%子会社
- ネシア、マレーの長期契約現地工場からPKSを輸入
- バイオマス発電事業者協会 副代表理事
親会社
- 沼田資源株式会社
- 1990年4月設立、資本金3,000万円
- 本社:群馬県沼田市
- 産業廃棄物収集運搬処理業
- チップ工場(処理能力木くず531トン/日)
- ↑ここで本業とつなげるわけね
発電所
石狩新港新エネルギー発電合同会社
- バイオマス専焼
- 2020年:商業運転開始予定
- 敷地面積:約5万平方メートル
- 発電出力:50,000kW
- 使用燃料:輸入PKSと地域材
野田バイオパワーJP
- 岩手県九戸郡野田村(久慈港から15km)
- 敷地面積:約3万平方メートル
- 発電出力:14,000kw
- 総投資額:65億円
- 電力会社への売電収入:26億円/年(見込)
- 2014年8月:着工
- 2016年8月:商業運転開始
- 燃料消費量:年間14万トン
- 内、未利用材:7万トン
- バーク(丸太外皮):1万トン
- 剪定枝:2万トン
- 輸入PKS:4万トン
大月バイオマス発電株式会社
- 大林クリーンエナジー(大林組100%子会社)
- 発電容量:1万4500kW
- 2010年10月:設立
- 2016年8月:着工
- 2018年8月:営業運転開始予定
- 燃料:未利用間伐材、剪定枝を年間約15万t
グリーン・エネルギー研究所
概要
- バイオマス発電とペレット製造
- 高知県
- 2012年7月設立
- 現地の未利用材、間伐材、廃材を利用
- バイオマス発電事業者協会 理事
- ここは小さいな
発電所
宿毛バイオマス発電所
- 発電出力:6,500kW
- 燃料:木質チップ(未利用木材、一般木材)
フォレストエナジー
概要
- バイオマス発電所の開発並びに運営
- 2015年4月設立
- もともとは投資ファンド
- 投資先の発電事業者を切り出して事業会社に
- バイオマス発電事業者協会 理事
- ここもいまいちピンとこないなぁ
発電所
ユナイテッドリニューアブルエナジー
- 秋田港
- 発電出力:20,500kW
- 事業規模:約125億円←これは高い
- 敷地面積:27,000平米
- 2014年4月:着工
- 2016年7月:営業運転開始
- 燃料
- 国内木材:11万トン/年
- PKS:5万トン /年
宮崎森林発電所
- 日向港から25km
- 発電出力:5,750kW
- 事業規模:35億円←これも高い
- 2014年5月:着工
- 2015年4月:営業運転開始
- 燃料
- 国内木材:7万トン/年
レノバ
概要
- 再エネ発電業者(太陽光、バイオマス)
- もとはリサイクルのコンサル
- 千本倖生が会長
- 2000年5月:創業
- 2018年2月:東証一部
- バイオマス発電事業者協会 理事
- 太陽光メインで発電専業はヤバイよ
発電所
- ソーラー12ヶ所(予定含む)
- バイオマスは上記のユナイテッドリニューアブルエナジーに出資
- 燃料:地産の未利用材メイン、PSK補助燃料
メモメモ
- 1MW=4億+αってとこだな
- 着工から稼働までザックリ2年
- 1万kwまでは未利用材や間伐材でなんとかなるみたい
- 5万を超えると輸入PKSとか入れないと絶対無理
- だから5万kwクラスだと臨港が絶対条件
太陽光ってどうよ?
千葉の倒産したゴルフ場跡地とかならまだしも、宮崎の海岸線とかソーラー発電の立地としてどうなの?消費地から離れすぎてるだろ?
電力会社に売電するから関係ないのかな?
あと、やっぱり安定供給の問題。曇ったら発電できないとか基幹電源として成り立たないのでは?
そういう意味ではバイオマスや水力、地熱の方が優位性があると思う。
バイオマスの燃料
廃材や間伐材、未利用材に頼るってどうよ?まず、量がたかが知れてるでしょ?
経産省はバイオマス発電の量を現在の5倍くらいにしようとしている。では、国内の木質バイオマスの供給量を今の5倍にできるのか?
やろうと思えばできるだろう。でも、コストは上がるよ。今は廃材とか受動的に提供を受けているものを、新たに木を切り出すとか能動的に取りに行くことになるから。
でも、コストを売電価格に乗せることはできない。経産省はFIT価格を下げる方向だし、そもそもFITは20年で終わるのだから。
ならばやはり低コストの外材に頼らざるを得ない。
それを考えた時に、国内産燃料を前提としている発電所は厳しいのではないか?山梨の大月とか外材を使いようがないよね。大林が社会貢献的な意味も含めてやってるから良いようなもので。
だからやっぱり、大型船が接岸できる臨海地帯に最低でも5万kwクラスの発電所を作り、基本的に外材メインを前提とする。しかも、PKSだけではなくペレットも使う。
で、結局そこで大切になるのが燃料の確保。インドネシアやマレーシア、JCだとタイの現地企業と長期契約して、安定確保ができるか。そして、安値を維持できるか。
だからバイオマス発電の要所って突き詰めると、安い燃料をどれだけガッチリ押さえられるか?にかかってるんじゃないかな?
JCで当面25万トン/年、将来的に300万トン調達見込。50~60万kw分くらい。300はともかく25は話にもならん。発電所1基分だよ。
JCがどれくらいペレットを生産できるか、そこをしっかりチェック、追っかけないと。
コメント
いつもながら素晴らしい情報収集ですね。
日々チェックさせて頂いています。
いえいえ、とんでもない。
ググり方が人よりちょっと粘着質なだけです。笑