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グリーンインフラレンディングがmaneoに反論、投資家の被害は?

グリーンインフラレンディングの一件。エライことになりました。

グリフラをファミリーから追放したmaneoにJCサービスが全面反論

泥沼の戦いが勃発しました!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

短くおさらい

今までの経緯を短くおさらいします。(ご存じの方は読み飛ばしてOKです。)

あるべき形

JCサービスは子会社のグリーンインフラレンディングとmaneoマーケットを経由して、投資家から資金を集めていました。

投資家→maneoマーケット→グリフラ→JCサービス」というお金の流れです。

グリフラ(及び、グリフラから説明を受けたmaneoマーケット)は、太陽光発電所の建設などを目的と説明し、投資家から資金を集めていました。

疑惑が浮上

ところが、JCサービスが投資家に説明した目的とは違う使途で資金を使っていた疑いが浮上しました。

maneoマーケットはグリフラの案件の募集を一時停止して調査を開始。

その間にJCサービスによる細野豪志議員への5千万円提供問題も浮上。

先週末6月29日にmaneoマーケットは、グリフラの新規会員と新規案件の募集を停止すると発表

maneoファミリーからグリフラが追放される事態となっていました。

ロドスタ先生の速報

これからどうなるのかな?と、僕はのんきに予想記事など書いていたのですが。

師と仰ぐ投資ブロガー、ロドスタ先生のブログ記事を読んでぶっ飛びました。

速報 グリーンインフラレンディング VS maneo 貸倒れ

グリフラがmaneoに宣戦布告しました!どっひゃ~!

JCサービスの発表

ロドスタ先生の記事内容の後追いで大変恐縮ですが、僕なりに今回のJCサービス発表を分析します。

今日7月1日、グリフラの親会社JCサービスが同社サイト上で発表を行いました。

”弊社の子会社である株式会社グリーンインフラレンディングによるファンド募集につきまして、以下の通りお知らせ致します。(PDF)”

内容を転載します。(太字、赤字は僕)

2018年7月1日

お客さま各位

株式会社JCサービス

グリーンインフラレンディングについて

 

弊社の子会社である株式会社グリーンインフラレンディングによるファンド募集につきまして、以下の通りお知らせ致します。

 

株式会社グリーンインフラレンディングは、maneoマーケット株式会社より、募集中のファンドにおける「開発資金」として募集された資金が最終貸付先企業における募集対象案件に対して募集に先行して自己資金により支出を済ませた資金に充当されており、このままファンドの募集を継続することが適切でないとの指導を受けましたので、かかる指導に基づき、対象ファンドに関しては募集を停止するとともに、他のファンドについても資金の使途に関する同社の確認が完了するまでの間、新規の募集を一時見合わせることとさせて頂いていました。

ここまでは事実の確認です。疑義が生じその確認が済むまでグリフラ案件の募集を停止した。そして、maneoマーケットが確認作業を進めました。続けます。

株式会社グリーンインフラレンディングは、「開発資金」とは、案件開発に係る開発着手から開発完了に至る一切の資金を指し、対象ファンドにおける対象事業に対する支出済みの資金を含めて案件開発のための全ての資金との認識の下、ファンド募集の際の内容の表示に「開発資金」との文言を用いて参りましたが、今回のmaneoマーケット株式会社からのご指導を踏まえ、今後適切な対応を行っていきたく考えていたところです。

ここがちょっと分かりにくいかもしれません。要は「開発資金」という単語の使い方について、グリフラとmaneoマーケットの間で相違があった

グリフラとしては「別にごまかそうとか、そういうつもりじゃなかったのに。」的な不満はあったろうと思います。それはさておき。

このような状況の中、株式会社グリーンインフラレンディングの HP において、6月29 日、maneoマーケット株式会社により、株式会社グリーンインフラレンディング及び弊社に対して事前の説明等もなく、一方的に、「ファンド募集停止等のお知らせ」を掲載し、「投資家の皆様にご説明申し上げていた使途とは異なる使途に一部資金が使用されたものと評価せざるを得ない」とし、「今後のファンドの募集」を停止するとの「お知らせ」が掲載されました

 

株式会社グリーンインフラレンディング及び弊社としては、maneoマーケット株式会社に対しまして「資金の使途に関する同社の確認」のための作業に協力してまいりましたが、同社が事実関係の十分な精査確認もないまま、一方的に、自社の見解をもとにこのような対応をされたことは大変遺憾であります。

JCサービスが完全に反論です。maneo側の発表は事前の合意もない一方的なものである。異なる使途に使ったわけではない。ファンド募集の停止には納得できない。そもそも十分な精査はまだなされていない。

maneoの発表に対して、真っ向からノーを叩きつけた形です。

また、一部報道において、ファンドで募集した資金の一部が投資家への事前の説明と異なり融資先の企業から弊社の関係会社または関係者に渡ったかのような記載がありますが、そのような事実はありません

これは6月28日のNHKニュースのことです。

ソーシャルレンディング 証券取引等監視委が資金の流れなど調査(6月28日7時10分)

グリフラを使って投資家から集めた資金の一部が、JCサービス子会社のJC証券に渡ったり、JCサービス社長の中久保氏の個人口座に入金されていたと報じられました。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

グリーンインフラレンディング関連会社の細野氏への資金提供で新事実
グリーンインフラレンディングの関連会社JC証券が細野豪志議員へ5千万円を提供していた問題で新事実が判明していました。ソホのしへの資金は親会社のJCサービスから渡ったもの。そしてグリフラが集めた資金がJC証券と中久保氏個人に渡っていた。

この疑惑をJCサービスが全面否定したことになります。

ファンドに応募して頂きました投資家の皆様に対しましてはご迷惑をお掛けすることのないように致します。皆様には多大なるご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げます。

何卒ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

以   上

maneo発表は合意されていなかった?

このJCサービスの発表、みなさんはどうお感じになられたでしょうか?僕はぶっ飛びました。

事前合意はなかったの?

まずビックリしたのは、29日のmaneoマーケットの発表内容がグリフラとの間で事前にすり合わせ、合意されていなかったことです。

僕はてっきりmaneoとJCサービス、つまり瀧本社長と中久保社長との間で話が付き、ある程度は今後の相談も済んでいるものと思っていました。

ところがJCサービスの発表をそのまま信じるならば、両社での事前の合意はされていなかったことになります。

それはつまり、グリフラ投資家の資金返済など今後をどうするかについても、両社の間で話が付いていないということでしょう。これはシャレになってません。

金融庁も同意してない?

もう一つはこれです。僕の推測レベルですが。

僕はmaneoとJCサービスで今後の対応などの話が付いて、それを金融庁に報告してOKをもらった。その上で29日にmaneoマーケットが発表を行った。そういう流れだと思っていました。

でも、maneoとJCサービスで合意形成されていないのであれば、両社が揃って金融庁に報告して了解を得たという線は消えます。

maneoだけが金融庁に報告したのか?いや、それも考えにくい。

まさか、maneoが金融庁に一切報告しないまま、29日の発表を行った?

いったい何がどうなっているのでしょうか?

グリフラ投資家はどうなる?

さて、今回のJCサービス発表で最も注目すべきはここの部分です。

ファンドに応募して頂きました投資家の皆様に対しましてはご迷惑をお掛けすることのないように致します

無理でしょ?ぶっちゃけ。

JCサービスはmaneoから資金調達できなくなった

JCサービスはすでに進行済みのファンドの借り換えなどで資金が必要です。

今回maneoに対して「ザケンじゃねぇよ!」と啖呵を切ってしまった。聞いてねぇよ、勝手に発表するなよと全面抗争を仕掛けてしまった。

そうなった以上、必要な資金をmaneoマーケットで集めることはもはや不可能でしょう。

つまり、JCサービスがmaneoルートから集金する目処はまったく立たなくなりました。

JCサービス資金ショート?

では、銀行などがJCサービスに貸してくれるか?貸すわけないですよね。

衆院選期間中に借用書もなしに5千万円をモナ男に貸すような脇がスーパースイートな企業に、しかもピンチに陥っている時に貸すわけないじゃないですか。

ならば、担保物権を売却して現金を作る?いやいや、太陽光発電くらいにしか使いようのない田舎の荒れ地に流動性のかけらもありません。

再エネ案件の担保なんてあってないようなもの。担保を処分して資金回収なんて容易なことではない。

こんな状況で「ご迷惑をおかけすることのないように」って、いったいどうやって迷惑をかけない、つまり、投資家に返済するというのでしょうか?

被害は免れないか?

推測であまり物を言うべきではないのでしょうが、グリフラ投資家はかなり厳しい状況に立たされたような気がします。

実は僕も6月4日にグリフラのバイオマス案件に30万円投資する予定でした。

グリーンインフラレンディングの一件での反省点と教訓とすべき点
グリーンインフラレンディングの一件で僕たち投資家が反省すべきこと、教訓として今後に活かすべきことを考えました。利回りに目を奪われた、事業者リスクを意識してなかったなど多々あるでしょうが、僕が最も反省したのは元本回収意識の欠如です。

その朝、偶然読んだブログでグリフラの自転車操業疑惑を知り投資を思いとどまったのですが、そのブログを読んでなければ僕の30万円も今ピンチに立たされていました

グリフラ投資家の今置かれている状況を他人事とは思えません。

中久保社長の姿勢に疑問

投資家がそんな状況に立たされている中、中久保社長はなぜこのような発表をしたのでしょうか?

仮にmaneoが一方的に決めて発表したとして、それは頭にも来るでしょう。

しかし、本当に投資家のことを考えるならば、そこは怒りをぐっと抑え、耐え難きを耐え忍び難きを忍び、投資家のためにmaneoに頭を下げて救済を求めるべきではないでしょうか?

今回このような発表を行った中久保社長の姿勢、非常に理解に苦しみます。

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。