Renosyクラウドファンディング第1号案件の重要事項説明書の解説

Renosy投資型クラウドファンディングの第1号案件の募集が始まりました。

開始15分で募集総額の3倍を超える応募。大盛況で何よりです。

それはさておき、募集内容の詳細を見てみたいと思います!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで300件を超える案件に1億5千万円以上を投資し損失ゼロ。
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物件の特定

投資対象の不動産の住所が公開され、物件が特定されました。

  • 所在地:東京都品川区東大井2丁目7-3
  • 物件名:LUXURYアパートメント品川シーサイド
  • 家賃相場:7.8~9万円/月
  • 売買相場:2,000~2,300万円

重要事項説明書から分かること

これを読まなきゃ話にならない重要事項説明書です。読んで分かったことを以下に示します。

物件の詳細

以下の通りです。

所在地東京都品川区東大井2丁目95番地3
敷地面積559.27平米
種類ワンルームマンション
構造鉄筋コンクリート造地上5階建
床面積23.0平米
所有者(登記名義人)株式会社GA technologies
不動産の価格2,200万円
優先出資総額1,540万円(投資家分、70.0%)
劣後出資総額660万円(GA社分、30.0%)

なお、所在地がサイトの表示と違っていますが、サイト表記がいわゆる住所で、重要事項説明書に記載されているのは登記上の地番です。

分配金の詳細

投資家が受け取る分配金の正式な名称は「匿名組合分配損益」です。そして、その内訳は賃貸損益売却損益です。

家賃収入と売買益の合計を投資家に分配しますよ、ってことです。

さらに詳しく説明すると、こんな感じになります。

賃貸損益

賃料などの収益から管理料などコストを引いたもの。

  • 賃貸損益=賃貸売上-賃貸費用
  • 賃貸売上:賃料、共益費、登記解約違約金、利息
  • 賃貸費用:不動産管理料、共有部分の水光熱費、固定資産税、都市計画税、外注費、保険料、修繕積立金、銀行振込手数料

売却損益

マンションを売った売上から、買ったときの原価と諸費用などを引いたもの。

  • 売却損益=売却価格-取得原価-売却費用
  • 売却費用:GA社が支出する仲介手数料、不動産鑑定費用、その他費用、GA社の営業者報酬

Renosyの報酬は保証?

注目したいのは、売却費用の中にGA社(Renosyの運営会社である株式会社GA technologies)の仲介手数料と営業者報酬が含まれていることです。

なのでここだけ読むと、売却価格が原価割れ、つまり、売却で損失が出てもGA社が仲介手数料と営業者報酬を取れるように思えます。

でもそうではありません。このあとで説明します。

匿名組合分配損益の分配優先順位

次に賃貸利益と売却利益を分配する際の優先順位です。次のようになります。

賃貸利益

  1. まず、優先出資額(投資家の出資額、今回は1,540万円)の0.1%までを投資家に分配
  2. 0.1%を超えた分は営業者報酬に充当
  3. さらに超えた分は劣後出資者(GA社)に分配

売却利益

  1. まず、優先出資額(投資家の出資額、今回は1,540万円)の7.9%までを投資家に分配
  2. 7.9%を超えた分は営業者報酬に充当
  3. さらに超えた分は劣後出資者(GA社)に分配

0.1+7.9=8.0

つまりこういうことです。今回の利回りは8.0%で、運用期間3ヶ月です。投資家の元本総額が1,540万円なので、投資家の分配金の総額は1,540万円×8.0%÷12ヶ月×3ヶ月=30万8千円です。

このうち、0.1%分の3,850円を賃貸利益から取り、7.9%分の30万4,150円を売却利益から取るということです。

ポイントは賃貸利益と売却利益の総額から8%を取るのではなく、それぞれから取ることです。

超えた分はGA社

そしてそれぞれ超えた分は、まずGA社の営業者報酬、そしてGA社の分配金、つまり、すべてGA社のものとなります。

逆にいうと、賃貸や売却で利益が出ないとGA社は取り分がゼロになります。(先ほどの話です。)

操作はできる

ただ、いやらしい見方をすると操作はできますよね。

例えば、賃貸利益は見込めず、売却利益が見込めるケースで、投資家の分配を賃貸利益から8%、売却利益から0%としておく。

そうすれば、投資家は賃貸利益が見込めないから分配を受けられず、利益が見込める売却利益はすべてGA社に行ってしまう。

こういう操作が可能は可能ですので、重要事項説明書の内容を毎回きっちりチェックする必要はあると思います。

損失の分配優先順位

賃貸損失

家賃を踏み倒されて共有スベースの光熱費がかかって赤字になったとか、レアケースだと思いますが。

損失が出た場合は、まず劣後出資(GA社の出資金、今回は660万円)で補い、それをオーバーした分は優先出資(投資家の出資金、今回は1,540万円)で補います。

まぁ、どう考えても投資家が損失を被ることはないでしょう。

売却損失

これはありえます。今回は2,200万円でマンションを取得しますが、2,000万円でしか売れなかったら200万円の損失になります。

これについても、まず劣後出資(今回は660万円、全体の30%)、次に優先出資(今回は1,540万円、全体の70%)です。

これがRenosyのサイトで説明されていた、30%値下がりまではRenosyが損をかぶるので投資家は安全というものです。

なお、劣後出資は常に30%と決まっているわけではありません。重要事項説明書で毎回発表されますので、内容をチェックしましょう。

契約の解除

重要事項説明書の5ページ目に記載があります。

投資家は投資をしたあと、好きな時に契約を解除、つまり、出資金の返金を求めることができ、送金手数料などはRenosyが負担するとの内容が書かれています。

GA社に確認したところ、いつでも無料で返金できるで間違いないとのことです。

営業者報酬

今回の品川案件でGA社が得る報酬は「賃料収入の最大5%+売却価格の最大5%」です。

ちょっとシュミレーションしてみましょうかね。笑

賃料収入の最大5%

賃料を仮に8万円とすると、8万円×3ヶ月×5%=1万2千円。

ここから管理料とかいろいろ引かれて、投資家分の3,850円よりちょっと多いくらいかな?

売却価格の最大5%

売却価格=購入原価2,200万円+投資家分7.9%の30万4,150円+鑑定費用その他諸々です。

その他諸々を仮に10万円とすると、売却価格は2,240万4,150円。それの5%ですから112万円ですか。

う~ん、投資家分全部合わせて30万円で、GA分は112万円ってか?

まぁ、最大でですからね。良しとしましょう!笑

特に問題なし

重要事項説明書をすべて読んでみましたが、特におかしなところは見当たりませんでした

ただ、分配の比率とか数字が絡む内容だけでも、毎回読んでチェックした方が良いなと感じました。

Renosyの記念すべき第1号案件、僕も参戦するつもりですが、今の時点で募集額の6倍を超える9,670万円の応募が集まっています。

弱ったなぁ、くじ運めっちゃ悪いんだよ~。苦笑

Renosy(リノシー)
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