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【地震保険料控除】ソーシャルレンディングの所得税の算出と所得控除

地震保険料控除とは何か?

この記事を読めば、

  1. ソーシャルレンディングと不動産投資型クラウドファンディングで
  2. 所得税を計算する際の
  3. 地震保険料控除の扱いと
  4. 地震保険料控除を使った節税の仕方

が分かります。

それではさっそく説明していきます!

タロウさん
タロウさん

税金のことがよく分からないという人のために、ていねいに説明するよ!

以下で「所法」は所得税法、「所令」は所得税法施行令を表します。
この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

地震保険料控除の概要

まず最初に、地震保険料控除の重点を説明します。

  1. 地震保険料を支払うと
  2. 一定の金額が
  3. 課税所得から引かれる

その結果、

  1. 課税所得が少なくなるので
  2. 税金が安くなる

です。

と言われてもいまいちピンとこないと思うので、概要をザックリと説明します。

タロウさん
タロウさん

地震保険料控除で税金が安くなる仕組みを大まかに説明するよ!

課税所得が減って税金が減る

例えば、次のような人がいるとします。

所得税率が20%の場合の所得税の計算式(課税所得×20%-427,500円)に当てはめると、

  • 課税所得:500万円
  • 所得税(20%):500万円×20%-427,500円=572,500円

所得税は572,500円です。

もし、この人が5万円の地震保険に入っていると、所得税の課税所得が5万円減ります。(5万円減る理由はあとで説明します。)

その結果、

  • 課税所得:495万円
  • 所得税(20%):495万円×20%-427,500円=562,500円

税金が1万円減って562,500円に減ります。

これが地震保険料控除の仕組みです。

左野くん
左野くん

減った課税所得5万円にかかる分の、20%の所得税が減ったわけだね。

右田さん
右田さん

5万円×20%=1万円が減ったってことか。

地震保険料控除の対象となる地震保険

地震保険料控除の対象となるのは、資産が損害を受けた場合に保険金が支払われる地震保険です。

地震で家が倒れたら保険金が支払われる。そういう保険に入っていると地震保険料控除を受けることができます。

ただし、次の3点について条件があります。

  • 損害を受ける資産の所有者
  • 損害を受ける資産の種類
  • 損害の原因

それぞれ見ていきます。

タロウさん
タロウさん

3条件すべてを満たす地震保険だけが、地震保険料控除の対象になるよ!

損害を受ける資産の所有者

損害を受ける資産の所有者が次のいずれかである必要があります。

  • 保険料の支払者
  • 支払者と生計を一にする配偶者
  • 支払者と生計を一にするその他の親族

(典拠:所法第77条

左野くん
左野くん

夫が保険料を払っていて、夫本人や一緒に生活している妻や子供の所有資産が保険の対象って感じだね。

生計を一にする」については、「生活費をともにしている」と考えてください。ですから、サラリーマンの夫の給与で暮らしている主婦や子供、祖父母はこれに該当します。共働きの場合も同様です。
また、夫が単身赴任していたり、子供が進学で一人暮らしをしていても、夫の給与で家族が暮らしていたり、子供に仕送りをしている場合などは「生計を一にする」に該当します。
逆に二世帯住宅で親夫婦と子供夫婦が同居していて、お互いに収入があって生活費を別会計にしている場合は、「生計を一にする」には該当しません。
親族とは「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」のことです。(民法第725条
「血族」は本人と直接に血がつながっている人(養子を含む)です。「姻族」は結婚した相手の血族です。例えば、夫の姻族は妻の両親や祖父母、兄弟などです。

損害を受ける資産の種類

保険の対象となる損害を受ける資産は、次のいずれかでなければなりません。

  • 資産の所有者が常に居住している家屋(居住用家屋)
  • 資産の所有者の生活に通常必要な家具や衣服など(生活用動産)

(典拠:所法第77条

一言で言うと、損害を受けると日常の生活にダメージを受ける住居や家財です。

ですので、別荘やクルーザーなどは対象の資産とはなりません。

右田さん
右田さん

地震で住んでいる家が倒れたり、冷蔵庫が壊れたりっていうのが対象になるわけね。

生活用動産とは生活に通常必要な動産です。1個(または1組)の価額が30万円を超える貴金属や書画、骨董品などは該当しません。(所令第25条

損害の原因

損害の原因は以下の4つのいずれかに限られます。

  • 火災、損壊、埋没、流失
    • ただし、地震、噴火、津波のいずれかを直接または間接の原因とするものに限る

(典拠:所法第77条

地震で家が損壊したとか、噴火の火山灰で家が埋没したとか、津波で車が流失したとか、そういった損害が対象です。

左野くん
左野くん

とにかく地震とかの天災で被害に遭ったら、地震保険料控除の対象になるか市役所や税務署に相談するのが良さげだね。

この章のまとめ

この章を簡単にシンプルにまとめると、次のようになります。

  1. 次のような地震保険に加入している場合
    1. 保険料の支払者や家族が所有する
    2. 普段の暮らしのための住居や家財が
    3. 地震などで損害を受けた際に
    4. 保険金が支払われる保険
  2. 地震保険料控除が受けられる
タロウさん
タロウさん

ごくごく普通に地震保険に入っていれば、地震保険料控除を受けられるよ!

地震保険料控除の控除額と節税効果

次に、地震保険料控除の控除額の出し方を説明します。

あわせて、実際の控除額の算出例と節税効果も紹介します。

タロウさん
タロウさん

地震保険料控除で税金がどれくらい減るか説明するよ!

地震保険料の場合

まず、基本となる地震保険料の場合です。

支払保険料

地震保険料控除の控除額は「支払保険料」によって決まります。

支払保険料とは、実際に支払った保険料から剰余金、分配金、割戻金などを差し引いたものです。

剰余金などを地震保険料の支払いにあてた場合も、実際に支払った保険料から差し引かれます。(以上、所法第77条

支払保険料は、保険会社から毎年10~11月頃に送られてくる地震保険料控除証明書に記載されています。

右田さん
右田さん

要するに、保険会社に払った額から保険会社から受け取った額を引けば良いってことね。

控除額の出し方

控除額は支払保険料に応じて以下の通りです。(所法第77条地方税法第314条の2

税区分 支払保険料 控除額
所得税 5万円以下 支払金額の全額
5万円超 一律5万円
住民税 5万円以下 支払金額÷2
5万円超 一律2万5千円

例えば支払保険料が3万円の場合、所得税の控除額は3万円、住民税は1万5千円です。

なお、支払保険料が5万円を超えると、所得税の控除額は5万円、住民税は2万5千円で一律です。

計算例と節税効果

表だけ見せられてもピンとこないと思いますので、実際にどのように税金が減るのか、例を挙げます。

  • 所得税率:20%
  • 住民税率:10%

この人が地震保険に加入し、支払保険料が年間4万円だったとします。

この場合、さきほどの表に当てはめると地震保険料控除の控除額は次のようになります。

  • 所得税の控除額:4万円
  • 住民税の控除額:2万円
左野くん
左野くん

地震保険料控除では課税所得から引く金額が所得税と住民税で違うんだね。

そこが地震保険料控除の注意点です。

この控除額が所得税と住民税の課税所得から差し引かれます。

  • 所得税の課税所得:4万円減る
  • 住民税の課税所得:2万円減る

これら減った分にかかるはずだった税金が消えてなくなります。

  • 所得税の節税額:4万円×20%=8千円
  • 住民税の節税額:2万円×10%=2千円

所得税、住民税あわせて1万円安くなりました。

控除された金額にかかるはずだった税金の分が安くなるということです。

右田さん
右田さん

保険料を4万円払って、そのうちの1万円戻ってくると考えると大きいよね。

旧長期損害保険の控除額と節税効果

※ 2007年1月1日以降に地震保険に加入した人は、この節と次の節は読む必要はありません。

(本節と次節の典拠:所法附則平成18年第10号第10条地方税法附則平成18年第7号第5条

長期損害保険とは?

2007年に地震保険料控除が始まるまでは、損害保険料控除という制度がありました。

その対象であった「長期損害保険」について、下記すべての条件を満たすものに限って、現在も所得控除を受けることができます。

  • 契約時期が2006年12月31日以前
  • 満期払戻金がある
  • 保険期間が10年以上
  • 2007年1月1日以降に契約内容を変更していない(保険料のみの変更は可)
  • 保険期間の開始時期が2006年12月31日以前

控除額の出し方

控除額は支払保険料に応じて以下の通りです。

税区分 支払保険料 控除額
所得税 1万円以下 支払金額の全額
1~2万円 支払金額÷2+5千円
2万円超  1万5千円(一律)
住民税 5千円以下 支払金額の全額
5千~1万5千円 支払金額÷2+2,500円
1万5千円超  1万円(一律)
左野くん
左野くん

ややこしそうに見えるけれど、表に当てはめて計算するだけなので簡単だよ。

計算例と節税効果

さきほどと同じように例に当てはめて税金がいくら減るか見てみます。

  • 所得税率:20%
  • 住民税率:10%

この人が加入している長期損害保険の保険料が年額2万円だったとします。

さきほどの表に当てはめると、控除額は以下のようになります。

  • 所得税の控除額:1万5千円(上限)
  • 住民税の控除額:1万円(上限)

そして、控除された課税所得にかかるはずだった分、税金が安くなります。

  • 所得税の節税額:1万5千円×20%=3千円
  • 住民税の節税額:1万円×10%=1千円
右田さん
右田さん

あわせて4千円の減税か。ぶっちゃけイマイチだね。笑

両方が関係する場合

地震保険と長期損害保険の両方に入っている場合、控除額の出し方は次の2通りに分かれます。

複数の保険に加入している場合

複数の保険に加入していて、例えば次のようになっている場合です。

  • 保険A:地震保険
  • 保険B:長期損害保険

この場合、控除額は次のようにして出します。

  1. 地震保険の算出法で保険Aの控除額を出し
  2. 長期損害保険の算出法で保険Bの控除額を出し
  3. 1と2を足したものが合計の控除額
  4. ただし、上限は所得税5万円、住民税2万5千円

例えば、保険A(地震保険)の保険料が3万2千円、保険B(長期損害保険)の保険料が2万円の場合、次のようになります。

  • 保険Aの控除額
    • 所得税:3万2千円
    • 住民税:1万6千円
  • 保険Bの控除額
    • 所得税:1万5千円(上限)
    • 住民税:1万(上限)
  • 合計の控除額
    • 所得税:4万7千円
    • 住民税:2万6千円 → 2万5千円(上限)

住民税の控除額の上限は2万5千円ですので、合計が2万6千円であっても控除額は2万5千円となります。

左野くん
左野くん

それぞれの表に当てはめて控除額を出し、最後に足し算すればOKってことだね。ただし、上限に注意!

1つの保険契約に両方が入っている場合

1つの保険契約の中に、地震保険と長期損害保険の両方が入っている場合、例えば次のような場合です。

  • 保険A全体の保険料:1万円
    • 地震保険部分の保険料:3千円
    • 長期損害保険部分の保険料:7千円

この場合は、いずれか一方の控除のみが適用されます。つまり、

  • 地震保険の算出法に3千円を当てはめて算出した控除額
  • 長期損害保険の算出法に7千円を当てはめて算出した控除額

この2つの好きな方(金額が大きい方)を控除額とします。(納税者が自分で選べる)

タロウさん
タロウさん

控除額として使えるのはどちらか一方だけ。両方使うことはできないよ!

注意点

注意点は以下の通りです。

  • 複数年分の保険料を一括で支払った場合、支払った年に支払保険料全額の控除を受けることはできません。
    • 支払保険料÷保険期間で出した金額を1年あたりの支払保険料として控除を受けます。
    • 例えば、保険料10万円、保険期間5年間の場合、5年間に渡って支払保険料2万円に対する控除を受けます。
  • 地震保険とセットになっている火災保険の保険料は控除の対象となりません。
  • 店舗兼住宅の場合、住宅として使用している面積で按分します。
    • 例えば、支払保険料が10万円で住宅分の面積が4割の場合、支払保険料を4万円として控除額を算出します。
    • ただし、住宅分の面積が90%以上の場合、支払保険料全額で控除額を算出します。
  • 外国の保険会社と海外で締結した保険は地震保険料控除の対象となりません。
タロウさん
タロウさん

よく分からない場合は保険会社に聞けば教えてもらえるよ!

地震保険料控除を受けるための手続き

実際に地震保険料控除を受けるにはどうすれば良いか?

会社員とそれ以外について、簡単に説明します

タロウさん
タロウさん

地震保険料控除で税金を安くするための手続きだよ!

会社員などの場合

会社員などの給与所得者は、年末調整をすることで地震保険料控除を受けることができます。

年末調整では、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」の地震保険料控除の欄に必要事項を記入し、勤務先に提出します。

その際、10~11月頃に保険会社から送られてくる地震保険料控除証明書の添付、提示が必要です。(所法第196条

ただし、地震保険料を給与天引きで支払っている場合、地震保険料控除証明書の添付、提示は必要ありません。(所令第262条

右田さん
右田さん

会社員は年末調整をすればOK。分からないことは会社の総務や人事に聞けば大丈夫ね!

自営業者などの場合

自営業者など非給与所得者は、確定申告をすることで地震保険料控除を受けることができます。

その際、地震保険料控除証明書の添付、提示が必要です。(所法第120条

注意点

注意点は以下の通りです。

  • 地震保険料控除証明書の提出、提示は原本が必要です。(コピー不可)
  • 地震保険料控除証明書を紛失した場合、保険会社に依頼して再発行を受けます。
  • 保険に加入した年は、地震保険料控除証明書は保険証券と一緒に送られてきます。
タロウさん
タロウさん

会社やパート先から給与をもらっている人は年末調整。それ以外の人は確定申告をすれば、地震保険料控除を受けられるよ!

ソーシャルレンディングと地震保険料控除

地震保険料控除をソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングに活用できるか?

それぞれ見ていきましょう。

タロウさん
タロウさん

ソシャレンや不動産クラファンの節税に地震保険料控除を使えるかだよ!

ソーシャルレンディング

例えば、マンションを担保とするソーシャルレンディング案件に投資したとします。

仮にそのマンションが地震保険に入っていたとしても、地震保険料控除を受けるのは保険料を支払っている人です。

ソシャレン投資家が保険料を払っているわけではないので、投資家が地震保険料控除を受けることはできません。

左野くん
左野くん

保険料を払う分、税金で優遇されるわけだから、当たり前っちゃ当たり前だよね。

不動産投資型クラウドファンディング

不動産クラファンの場合も同様で、投資家は保険料を払っていないので、地震保険料控除を使って節税することはできません。

なお、不動産クラファンでは投資対象となる不動産に損害保険をかけるのが一般的です。

そして、不動産が損害を受けた際に保険会社から支払われる保険金は、CREALFANTAS fundingでは投資案件の収益に含まれます。

ですので、不動産が地震などで損害を受けたとしても、その案件が地震保険に加入していて損害を上回る保険金が支払われれば、元本を回収できる可能性が高まります。

投資した不動産案件が地震保険に加入している可能性があることは、知識として知っておきましょう。

タロウさん
タロウさん

いずれにしても、ソシャレン、不動産クラファンで地震保険料控除を使って節税することはできないよ!

地震保険料控除のまとめ

それでは最後に地震保険料控除の要点をまとめておきます。

  1. 地震保険料控除を受けると
    1. 課税所得が減るので
    2. 支払う税金が減ります
  2. 地震保険料控除の対象となるのは
    1. 保険料の支払者とその家族が
    2. 普段の暮らしで使う住居や家財が
    3. 地震などで損害を受けた時に
    4. 保険金が支払われる保険です
  3. 地震保険料控除を受けられるのは
    1. 地震保険料の支払者本人です
  4. 地震保険料控除の控除額の出し方は
    1. 2006年以前と2007年以降で異なります
    2. 所得税と住民税で異なります
  5. 地震保険料控除で安くなるのは
    1. 所得税と
    2. 住民税です
  6. 地震保険料控除の手続きは
    1. 会社員などは不要(年末調整)
    2. 自営業者などは確定申告で行います

地震保険料控除の節税金額は決して大きくはありません。

しかし、地震保険料自体が高額ではないため、節税率でみると効果は大きいです。

控除の申告もれがないように有効に活用して下さい。

タロウさん
タロウさん

減らせる税金は少しでも減らそうね!

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。