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【初心者に説明!】ソーシャルレンディングの匿名組合契約とは何か?

ソーシャルレンディングで「匿名組合契約」って単語を時々見かけますよね?

左野くん
左野くん

うん。見かけるけど…

右田さん
右田さん

実はよく分かってません~!

という方が多いのでは?

そこでこの記事では、投資初心者でも分かるように匿名組合契約を説明します。

結論から言うとこんな感じです。

  1. ソーシャルレンディングは貸金業です
  2. でも、個人が貸金業をすると法律に引っかかります
  3. そこで、匿名組合契約を使って法律をクリアします
  4. 匿名組合契約にはデメリットもあります

それではさっそく、説明スタートです。

タロウさん
タロウさん

トコトンかみくだいて、分かりやすく説明するよ!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

ソーシャルレンディングの本質は個人が行う貸金業

匿名組合契約とは、ソーシャルレンディングで投資をする際に、投資家とソシャレン業者との間で結ぶ契約です。

投資をする画面で、下の画像のように契約への同意を必ず求められます。

なぜ匿名組合契約が必要なのか?

それを理解するために、まずソーシャルレンディングの本質を説明します。

タロウさん
タロウさん

知っている人は飛ばしてOKです!

ソーシャルレンディングのお金の流れ

ソーシャルレンディングでは、お金が次のように流れます。

  1. 投資家がソシャレン業者にお金を渡す
  2. ソシャレン業者が集まったお金を企業に貸す
  3. 企業がソシャレン業者に利息を付けてお金を返す
  4. ソシャレン業者が投資家に分配金(利息)を付けてお金を返す

ソーシャルレンディングは貸金業

ソーシャルレンディングって何なのか?

突き詰めて言うと、こうです。

  1. 投資家が
  2. ソシャレン業者経由で
  3. 企業にお金を貸して
  4. 利息を得る

これってつまり、

左野くん
左野くん

投資家が貸金業をやっている!

その通り!

ソーシャルレンディングの本質は個人が行う貸金業です。

タロウさん
タロウさん

ズバッと言うと「ソシャレン=金貸し」です!

個人が貸金業を営むと貸金業法に違反する

もっとも大々的に貸金業を行っているのは銀行です。

なので、貸金業は別に悪い商売ではありません。

でも、個人がやると問題になる場合があります。

タロウさん
タロウさん

ちょっとややこしいけれど、何が問題なのか説明します!

貸金業の定義

貸金業法第2条は貸金業を次のように定義しています。

第二条 (中略)「貸金業」とは、金銭の貸付け(中略)で業として行うものをいう。(貸金業法第2条

業として」お金を貸すと貸金業に該当する、ってことです。

右田さん
右田さん

「業として」ってどういう意味?

「業として」の定義は以下の通りです。

  1. 反復継続して
  2. 社会通念上、事業の遂行とみることができる程度のものである

(典拠:財団法人大蔵財務協会「新訂<実例問答式>貸金業のすべて」PDF

タロウさん
タロウさん

1.反復継続して、2.事業遂行と見られる程度に、3.お金を貸すと、貸金業に該当する、ってことだね!

ソーシャルレンディングは貸金業に該当する

では、ソーシャルレンディングは貸金業に該当するのでしょうか?

まず、ソーシャルレンディングは「反復継続して」企業にお金を貸します。

左野くん
左野くん

2つ目の「事業の遂行とみることができる程度のものである」はどうなの?

これについては、

  1. その行為の主体、行為の目的等に即して具体的に判断されることが必要である

(典拠:上掲書)

そうです。

そして、金融庁はソーシャルレンディングが「事業の遂行とみることができる程度のものである」と判断しています。

右田さん
右田さん

条件を2つとも満たした!

したがって、ソーシャルレンディングは貸金業に該当します。

このため、ソーシャルレンディングを利用して投資家が企業にお金を貸す行為も貸金業に該当します。

タロウさん
タロウさん

投資家がソシャレンでお金を貸すと貸金業になります!

貸金業者としての登録要件

ソーシャルレンディングでお金を貸すと、投資家が貸金業をすることになりますが。

左野くん
左野くん

僕たち個人が貸金業をすることはできるの?

できます。

しかし、貸金業を行うには貸金業者としての登録が必要です。

貸金業法第3条で次のように定められています。

第三条 貸金業を営もうとする者は(中略)登録を受けなければならない。(貸金業法第3条

貸金業者として登録すれば、ソーシャルレンディングで貸金業を行ってもOKです。

右田さん
右田さん

登録すればOKなんだ~

しか~し!

個人が貸金業者として登録するには、次の3条件すべてを満たす必要があります。

タロウさん
タロウさん

一つでも外したらアウトだよ!

個人が貸金業者になるのは非現実的

5千万円持っていて、3年以上の実務経験があり、国家資格を持っていればOKです!

左野くん
左野くん

いやいやいやいや

右田さん
右田さん

どう考えても無理でしょw

ですよね。

普通の投資家は5千万円も持っていませんし、貸付業務の経験もありません。

僕たち個人投資家が貸金業者の登録をするのは、現実的には不可能なのです。

タロウさん
タロウさん

貸金業者としてソシャレンをするのは非現実的です!

なお、上に挙げた3条件は必要な条件の一部です。貸金業者登録に必要な条件は他にもあります。

匿名組合契約を使うことで貸金業法をクリアする

ここまでの要点を簡単にまとめます。

  1. ソーシャルレンディングは貸金業
  2. なので、投資家も貸金業者の登録が必要
  3. でも、ハードルが高すぎて登録はムリ
  4. なので、投資家が貸金業者としてソシャレンをするのは不可能

要は、貸金業法が投資家の行く手をさえぎっているのです。

そこで、貸金業法をクリアするために考えられたのが、匿名組合契約の利用です!

タロウさん
タロウさん

ここからややこしい話が続きます。できるだけ分かりやすく説明しますね!

商法第535条

匿名組合契約とは商法第535条に規定される契約の形態です。

まずは条文を読んでください。

第五百三十五条 匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。(商法第535条

左野くん
左野くん

分かりません~!

だよね。笑

商法第535条をソーシャルレンディングに置き換える

分かりやすくするために、商法第535条の条文をソーシャルレンディングに置き換えます。

タロウさん
タロウさん

順を追ってていねいに説明するよ!

当事者=投資家とソシャレン業者

太字の部分を置き換えていきます。

第五百三十五条 匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。

まず、当事者とは匿名組合契約を結ぶ人です。

ソーシャルレンディングでは、投資家ソシャレン業者です。

そして「当事者の一方が(中略)出資をし」ですので、

  • 当事者の一方=出資する人=投資家
  • 相手方=ソシャレン業者

です。

したがって、こうなります。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。

タロウさん
タロウさん

匿名組合契約は投資家とソシャレン業者が結びます!

営業=営利を目的とした業務

続けて太字の部分です。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。

ここでの「営業」は、営業マンとか営業トークとかの営業ではありません。

右田さん
右田さん

営業には他の意味があるの?

営業の本来の意味です。

営業=利を目的とした

条文を置き換えてみましょう。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者の「営利を目的とした業務」のために出資をし、その「営利を目的とした業務」から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。

左野くん
左野くん

ややこしくなったね?

太字の部分は実際のソーシャルレンディングでは何のことなのか?

こういうことですよね。

  • ソシャレン業者の営利を目的とした業務=案件の募集から貸し付け、回収、分配、返済までの一連の業務すべて
  • その営利を目的とした業務から生ずる利益=借り手企業から受け取る利息などの利益

ここまでを踏まえて分かりやすく書き換えるとこうなります。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者が募集し執行する投資案件に出資し、その投資案件でゲットした利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。

タロウさん
タロウさん

次は最後の部分だよ!

効力を生じる=契約が成立する

最後の部分です。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者が募集し執行する投資案件に出資し、その投資案件でゲットした利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる

「約する」は、投資家とソシャレン業者が約束する、ですよね。

そして「効力を生ずる」は、契約として成立する、ことです。

以上より、商法第535条をソーシャルレンディングに置き換えるとこうなります。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者が募集し執行する投資案件に出資し、その投資案件でゲットした利益を投資家に分配することを、投資家とソシャレン業者が約束することによって、成立する契約である。

左野くん
左野くん

ようやく日本語になった。

右田さん
右田さん

で、どういう意味なの?

商法第535条の趣旨

ソーシャルレンディングに置き換えた場合、商法第535条の趣旨はこんな感じです。

  1. 匿名組合契約では
  2. ソシャレン業者の投資案件に
  3. 投資家が投資し
  4. その投資案件で得られた利益を
  5. 投資家がもらう

匿名組合契約を結んだ投資家とソシャレン業者が何をするのか?

その大枠を定義づけているのが商法第535条です。

タロウさん
タロウさん

ソシャレン業者が募集する案件に投資家が投資し利益を得る。これが匿名組合契約だよ!

上記の趣旨はあくまでもソーシャルレンディングの場合です。その他の場合の匿名組合契約については、この限りではありません。

匿名組合契約のポイント

さて、ソーシャルレンディングに書き換えた条文を、もう一度見てみます。

第五百三十五条 匿名組合契約は、投資家がソシャレン業者が募集し執行する投資案件に出資し、その投資案件でゲットした利益を投資家に分配することを、投資家とソシャレン業者が約束することによって、成立する契約である。

書き換えた条文のポイントは2ヶ所です。

  • 投資家がソシャレン業者が募集し執行する投資案件に出資
  • 投資案件でゲットした利益を投資家に分配する

この2ヶ所の重点はこうです。

  • 投資家は投資案件に出資(投資)する
  • 投資家は投資で得られた利益の分配を受ける

それはつまり、こういうことです。

  • 投資家は投資をしているわけで、お金を貸しているのではない
  • 投資家は投資収益を得ているわけで、貸金の利息を得ているのではない

投資家は投資をしているだけ。

そのお金を使って貸金業をしているのはソシャレン業者。

したがって、

匿名組合契約を使ってソーシャルレンディングを行った場合、投資家は貸金業を行ったことにはならない

ということです。

タロウさん
タロウさん

貸金業をしているのはソシャレン業者で、投資家は投資をしているだけです!

なお、実際にはこれだけでは不十分で、貸金業を行っていないことにするためには、他にいくつかの条件が必要です。
そして、各ソシャレン業者はその条件を満たす形で業務を行っています。

匿名組合契約で貸金業法をすり抜けている

実態としてソーシャルレンディングは貸金業です。

投資家がソシャレン業者を通して企業にお金を貸し、利息で儲けます。

でも、それでは貸金業法に引っかかってしまいます。

そこで、投資家とソシャレン業者との間に匿名組合契約をかませることで、

  • 投資家:投資案件に投資している
  • ソシャレン業者:投資の中身としてお金を貸している

ということにしたわけです。

左野くん
左野くん

でも、それって屁理屈じゃない?

イエ~ス、まさに屁理屈です!

でも屁理屈でソシャレンができるようになるなら、それで良いじゃないですか。

法律なんてそんなものですよ!笑

なお、ソシャレン業者から借り手企業にお金を貸す際に、そのお金を出したのが誰なのかは知らされません。
お金を出したのが山田さんなのか田中さんなのか、借り手企業は分からない。つまり、出資者が「匿名」なので匿名組合といいます。
いわゆる「借り手企業の匿名化」とは無関係です。

匿名組合契約がソシャレンを成り立たせている

ここまでをまとめると、以下のようになります。

  1. ソーシャルレンディングの実態は貸金業
  2. でも、それだと貸金業法に引っかかる
  3. そこで、匿名組合契約を利用し
  4. 投資家は投資案件に投資しているだけで
  5. 貸金業をしているわけではない
  6. という理屈にした

投資家が貸金業者の登録をしなくてもソーシャルレンディングができるように、匿名組合契約を利用する、ということです。

タロウさん
タロウさん

ソーシャルレンディングは匿名組合契約のおかげで成り立っているよ!

匿名組合契約のデメリット

僕たち投資家は匿名組合契約を利用することで、法律に触れることなくソーシャルレンディングができます。

この点で匿名組合契約の利用は、投資家にとって大きなメリットです。

しかしその反面、次のようなデメリットもあります。

  • ソシャレン業者の業務に口出しできない
  • 損失が出たら分配金を得られない
  • 元本が保証されない

順番に見ていきましょう。

タロウさん
タロウさん

匿名組合契約にはデメリットもあるよ!

1.ソシャレン業者の業務に口出しできない

商法第536条

商法第536条は次のように定めています。

第五百三十六条 3 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。
4 匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない。(商法第536条

ソーシャルレンディングの実務ですと、

  • 匿名組合員=投資家
  • 営業者=ソシャレン業者
  • 第三者=借り手企業

ですので、条文を書き換えるとこうなります。

第五百三十六条 3 投資家は、ソシャレン業者の業務を執行し、又はソシャレン業者を代表することができない。
4 投資家は、ソシャレン業者の行為について、借り手企業に対して権利及び義務を有しない。

左野くん
左野くん

ってことは、どういうこと?

つまり、商法第536条が意味するところは、

  • 投資家はソシャレン業者の業務を行えない
  • 投資家はソシャレン業者に代わって何かをすることはできない
  • 投資家は借り手企業に直接アクションを起こすことはできない

ということです。

右田さん
右田さん

何もできないし、口も出せないってこと?

ザックリ言うとそういうことです。

具体例に落とし込むと、こんな感じです。

  • 借り手企業が返済不能になった時に、担保を処分しろとソシャレン業者に指示できない
  • 債権譲渡するのか、競売にかけるのか、ソシャレン業者の決定に異議を唱えられない
  • 借り手企業に乗り込んでいって資金を回収できない

匿名組合契約書にも書かれている

匿名組合契約って案件が順調に動いているときは良いのですが。

トラブルが起こると投資家が一気に不利になってしまうのです。

左野くん
左野くん

でもそんなこと、ソシャレン業者のサイトに書かれてないよ?

いえ、これらは各ソシャレン業者の匿名組合契約書に明記されています。

ここでは、不動産系で人気ナンバーワンのOwnersBookの契約書で見てみましょう。(どの業者もだいたい同じ内容です。)

第5条第2項 本営業は、営業者の判断において行い、営業者は、本営業の遂行につき(中略)本匿名組合員の同意を要しないものとします。
また、本匿名組合員は(中略)本営業の遂行に一切の関与をすることはできないものとします。
本匿名組合員は、(中略)本借入人及び保証人に対して、直接本貸付契約に基づく貸付金の返済その他の請求又は連絡をしないものとします。

ソシャレン業務に関与できない、借り手に返済を請求できない。

ちゃんと書かれていますよね。

タロウさん
タロウさん

匿名組合契約では投資家は業務にタッチできません!

2.損失が出たら分配金を得られない

商法第538条

次は商法第538条です。

第五百三十八条 出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、匿名組合員は、利益の配当を請求することができない。(商法第538条

ちょっと分かりにくいですね。例えば、

  1. 出資総額(=貸付総額)が3千万円だったが
  2. 借り手企業が返済不能になり
  3. 担保を処分したが2千万円しか回収できなかった場合
  4. 損失の1千万円を補填するまで
  5. 投資家は分配金を請求できない(既払い分を除く)

ってことです。

左野くん
左野くん

元本割れしてるんだから、分配金もへったくれもないね。

右田さん
右田さん

まぁ、これはしょうがないか。

3.元本が保証されない

商法第542条

最後に商法第542条です。

第五百四十二条 匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる。(商法第542条

これが強烈です!

分かりやすく書き換えましょう。

第五百四十二条 投資案件の運用が終わったら、ソシャレン業者は投資家にお金を返さないといけません。
でも、投資家から集めたお金が貸し倒れとかで減っちゃった場合は、残ってる分だけ返したらOKです♪

左野くん
左野くん

はい?

右田さん
右田さん

ごめん、意味分かんない!

例えばこういうことです。

  1. 投資家から3千万円を集めました
  2. この3千万円を借り手企業に貸しました
  3. ところが、借り手企業が倒産して返せなくなりました
  4. 担保を処分して2千万円だけ回収できました
  5. 投資家に2千万円を返しました
  6. 残りの1千万円は返さなくてOKです(テヘペロ!)
左野くん
左野くん

テヘペロじゃないだろ!

右田さん
右田さん

1千万円も返しないさいよ!

損失が出てもソシャレン業者は責任を負いません。

なぜならば上の方で説明した通り、匿名組合契約は営業者が募集する案件への「投資」だからです。

タロウさん
タロウさん

投資なのだから元本保証はできないよね…

匿名組合契約書にも書かれている

これもソシャレン各社の契約書に書かれています。

さきほどと同じOwnersBookで見てみましょう。

第8条 営業者は(中略)本借入人から(中略)元本の返済を受領した場合には、本匿名組合員に、当該受取貸付元本額に本匿名組合員出資割合を乗じて得られる金額を出資金の返還として分配するものとします。

「当該受取貸付元本額に」って書いてますよね。

貸付元本全額を返すのではなく、借り手から受け取った返済分だけを返すってことです。

左野くん
左野くん

ソシャレン業者の資産から取り立てることはできないの?

右田さん
右田さん

社長が責任取って返すべきよ!

それについてもちゃんと書かれています。

第19条 1 営業者による(中略)債務の支払は、営業者が本匿名組合契約に基づき取得又は受け入れた財産、その他本営業に関して取得し又は受け入れた財産のみを引当として、(中略)営業者の有する他の資産には一切及ばないものとし、本匿名組合員はこれを異議なく承諾し、これを撤回しないものとします。
2 本匿名組合員は、(中略)債権の回収を図るため、営業者のいかなる財産についても差押、仮差押その他の強制執行手続の開始又は保全命令の申立を行わないものとします。

借り手が返済できなくなった場合、元本は保証されません。

また、ソシャレン業者にその損失の補償を求めることはできません。

タロウさん
タロウさん

匿名組合契約はコケた時に一気にダメージが来るよ!

ソーシャルレンディングの匿名組合契約のまとめ

ソーシャルレンディングにおける匿名組合契約の意義と役割。

分かりましたでしょうか?

左野くん
左野くん

だいたいね。

右田さん
右田さん

ぼんやり半分くらいかな?

では、最後に重点だけをもう一度まとめておきます。

  1. ソーシャルレンディングの本質は貸金業です
  2. 投資家がソシャレンをするには、本来は貸金業者の登録が必要です
  3. でも、貸金業者の登録をするのは事実上不可能です
  4. これを解決するために、匿名組合契約を利用しました
    • 投資家は投資をしているだけ
    • 投資家は貸金業はしていない
    • 貸金業をしているのはソシャレン業者
    • 屁理屈だけどOK
  5. 匿名組合契約にはデメリットもあります
    • ソシャレン業務に口出しできない
    • 損失が出たら分配金は得られない
    • 元本は保証されない
    • 損失の補償をソシャレン業者に要求できない

以上です!

タロウさん
タロウさん

あなたのソーシャルレンディングの理解に役立てばうれしいです!

 

ソーシャルレンディングの始め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ソーシャルレンディングとは?【知識ゼロからの始め方入門】
累計投資額6千万円、ソシャレン歴3年の現役投資家が、ソシャレンの仕組み、利回り、儲かるか、他の投資との比較、デメリット、リスク、特長、始め方、よくある質問、失敗しない注意点、安全優先の上手なやり方、おすすめ業者などを解説します。

コメント

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

デビュー案件

業者が運営を開始後、初めて募集する第1号案件のことを、このブログではデビュー案件と呼んでいます。

このブログが独自に使っている用語であり、一般用語ではありません。

デビュー案件は一般に安全性、利回りともに高いことが多いです。

また、運営開始直後で会員がまだ少ないため、競争率が低く投資しやすいです。

デビュー案件はおすすめだと僕は思っています。

軍用地案件

軍用地案件はソーシャルレンディングのPocket Fundingが扱っている案件です。

担保が投資用不動産として人気が高い軍用地であるため、元本をほぼ確実に回収できることから、安全性が非常に高い人気の案件です。

なぜ、軍用地案件で元本をほぼ確実に回収できるのかは、この狭いスペースでは説明できません。

3分で読めますので、こちらの記事を参照してください。

軍用地案件の安全性が高い理由

1棟アパート、1棟マンション

不動産クラウドファンディングで「1棟アパート、1棟マンション」という表現を使う場合、アパートやマンション丸々1棟が投資対象であることを表します。

逆に投資対象が部屋単位である場合は「区分マンション」という表現を使います。

(区分アパートというのは聞いたことがありません)

海外案件

ソーシャルレンディングでは投資家のお金を借りるのが海外の企業であったり、借り手が日本企業であっても資金使途が海外企業への出資であるなど、投資家のお金の最終的な行先が海外である案件を海外案件といいます。

不動産クラファンでは投資家のお金で取得するのが海外の不動産である案件を海外案件といいます。

一般に海外案件は利回りが高い一方、海外ゆえにリスクが高くなることが多いです。

投資においてリターンとリスクはワンセットであり、ハイリターン・ローリスクはありえません。

初心者は海外案件には手を出さないことを強くおすすめします。

分散投資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分散投資とは、利用する業者や投資する案件、案件のタイプなどを集中させず、複数に分ける投資手法のことです。

例えば、ソシャレンで1つの業者だけを使っている場合、その業者が倒産するとすべての資産を失うことになります。

また、不動産クラファンで東京の物件だけに投資していると、東京の地価の下落が全投資額に影響を及ぼしますよね?

分散投資をすることで大きな被害を防ぎ、万が一の場合でも被害を小さく済ませることができます。

事故

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金の支払いや元本の償還が遅れたり、元本が戻ってこなくなるなどのトラブルを、このブログでは「事故」と表現しています。

業者

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングの運営会社のことを、このブログでは「業者」と呼んでいます。

FundsやCREAL、バンカーズ、いずれも業者です。

Fundsのサイトの画像

「事業者」という表現を使っているメディアもあります。

満了

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで募集額満額の応募が集まることを、このブログでは「満了」と表現しています。

募集額1億2千万円の案件で、応募が1億2千万円集まった状態が満了です。

満了のイメージ画像

「完売」という表現を使っているメディアもあります。

担保順位

1つの担保に複数の貸し手がいる場合の、貸したお金を回収する優先順位のことです。

例えば、評価額1億円の土地を担保に3者が下のように融資したとします。

担保順位 貸し手 融資額
第一順位 悪徳銀行 6千万円
第二順位 腹黒信金 2千万円
第三順位 山田さん 1千万円

借り手が返済できなくなり担保を処分するも、8千万円でしか売れなかった。

この場合、まず悪徳銀行が6千万円を回収、次に腹黒信金が2千万円を回収します。

第三順位の山田さんは1円も回収できません。

ソシャレン業者の担保順位が低い場合は注意が必要です。

源泉徴収税

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは、業者が20.42%の所得税を引いてから投資家に分配金を支払います。

この20.42%の所得税のことを源泉徴収税といいます。

引かれた源泉徴収税は業者が税務署に納めます。

壁芯面積

マンションの部屋の面積を測る際に、壁の中心線を基準に出した面積を壁芯面積といいます。

一方、我々が普通に使う壁の内側の線を基準に出した面積は内法面積です。

壁芯面積と内法面積の説明図

1口単位と最低口数

1口単位とは投資できる金額の単位です。

例えば1口=10万円の案件では、20万円、70万円と10万円単位で投資できます。

ですが、13万円や99万円では投資できません。

最低口数とは投資する際に最低限必要な口数です。

例えば以下の案件の場合、

  • 1口単位:1万円
  • 最低口数:2口

最低2万円から1万円単位で投資できます。

右田さん
右田さん

2万円の次は3万円だよ。

こんな感じに別ウィンドウが開き、ここで用語の解説などをします。

右下の「close」か別ウィンドウの外の部分をタップすると、別ウィンドウが閉まり記事に戻ります。

不成立

不成立とは案件の募集を行ったが、事情により案件を実行できなくなることです。

例えば、応募が最低成立金額に達しない場合、案件を実行できず不成立となります。

また、不動産クラファンで応募は順調に集まっていたものの、取得予定だった不動産に不備が見つかったため取得が中止になり、案件が不成立となることもありえます。

逆に成立は応募が集まり案件を実行できるようになることです。

最低成立金額

例えば、ソーシャルレンディングで「投資家から5千万円集めて企業に貸す」という案件があるとします。

この案件を募集して10万円しか集まらなかったら、ぜんぜん足りないので貸せませんよね?

でも、不足が数百万円ならば、その分は業者が自社で資金を出して合計5千万円とし、企業への融資を実行できるかもしれません。

そこで、業者が募集の際に「4千万円以上集まれば、満額集まらなくても不足分は自社で負担して融資を実行します」と約束します。

この場合の4千万円が最低成立金額です。

つまり、最低これだけ集まれば案件を実行しますよというラインのことです。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系の業者」とは、業者自身やその親会社などが上場企業である業者を指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと多くの投資家に認識されています。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

ソーシャルレンディングの仕組み

そして、借り手企業が支払う利息が、投資家が受け取る分配金となります。

一方で、借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこないことも。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。