年金制度は破綻したので投資など自助努力で老後資金を作れと国が表明

「人生100年時代」の老後の資産のあり方について、金融庁が指針をまとめました。

要点を端的にまとめると、

  • 老後の生活を国が年金で支えるのは無理
  • 投資をするなり自分でなんとかしてくれ

です。

これに対してネット上では不満や怒りが爆発しています。

しかし、金融庁が言っていることは(耳障りが悪く不愉快で不都合ですが)100%正しいです。

この記事では、

  • 金融庁の指針の要旨
  • 年金で支えられない理由
  • 対策としての投資

について解説します。

タロウさん
タロウさん

文句を言っても不都合な現実は変わりません。手遅れになる前に手を打ちましょう!

老後資金は年金ではなく自助で賄う

金融庁が発表した指針はこちらです。

「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)PDF

非常に興味深く勉強になる内容です。一読をお勧めします。

以下、重要な要旨の部分だけを抜き出して説明します。

タロウさん
タロウさん

金融庁の指針だけど、国の方針と考えて良いはずだよ!

長寿=コストアップ

まず、日本人の長寿化について指摘しています。

日本人は長生きするようになった。さらに、現在の高齢者は昔に比べて格段に元気であり、社会で活躍し続けている。(中略)しかしながら、寿命が延び活動し続けるということは、それだけお金がかかるということを意味する。(出典:前掲書35ページ)

表現を選んで書いていますが、要は「長寿=コストアップ」ということです。

右田さん
右田さん

長生きすればするほどお金がかかるってことね。早死したくなるなぁ…

年金の受給額は減り続ける

その老後の支えとなるはずの年金ですが、金融庁は次のように見解を示しています。

公的年金の水準については、中長期的に実質的な低下が見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれる。(出典:前掲書8ページ)

年金の受給水準が低下し、逆に負担は増加している。そして、今後もそれが続く。

見込まれるなんて言っていますが、5万%確実です。

年金だけで暮らしていくのは無理

その結果どうなるか?金融庁の答えがこちらです。

公的年金制度が多くの人にとって老後の収入の柱であり続けることは間違いないが、少子高齢化により働く世代が中長期的に縮小していく以上、年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい。今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある。(出典:前掲書24ページ)

年金を負担する現役世代が減っていく以上、年金だけで満足な生活水準を維持できない可能性がある。

ズバッと言うと「年金だけで暮らしていくのはあきらめてね」ってことです。

左野くん
左野くん

あきらめろって言われても、どうすれば良いのさ!

老後は自分でなんとかしてくれ

どうすれば良いか?こうすれば良いそうです。

年金受給額を含めて自分自身の状況を「見える化」して老後の収入が足りないと思われるのであれば、各々の状況に応じて、就労継続の模索、自らの支出の再点検・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」 の充実を行っていく必要があるといえる。(出典:前掲書24ページ)

自助、つまり、自分でなんとかしてくれってことです。

いやぁ、直球ですね。

この部分を読んだとき、声を出して笑ってしまいました。笑

右田さん
右田さん

ぜんぜん笑い事じゃないんだけど。

自分ごとだから早く手を打て

金融庁も笑い事だとは思っていないようです。このように述べています。

これを見据えて、今何ができるか、何をすべきか。(中略)今後のライフプラン・マネープランを、遠い未来の話ではなく今現在において必要なこと、「自分ごと」として捉え、考えられるかが重要であり、これは早ければ早いほど望ましい。(出典:前掲書35ページ)

遠い未来の話ではなく、既にリアルな現実問題である。

他人事ではなくあなた自身の問題であり、早く手を打たないと大変なことになる。

表現は柔らかいですが、内容はとんでもなくシビアです。

国民に対して覚悟と対応を明確に求めています。

金融庁の指針のまとめ

ここまで、金融庁の指針をまとめると、こういうことです。

  1. 長寿でコストアップになる
  2. でも、年金の支給額は減り続ける
  3. 年金だけで暮らしていくのはぶっちゃけ無理
  4. 国は支えられないから自分でなんとかしてくれ
  5. 冗談抜きのガチであなた自身のリアルな問題だよ
  6. 早く手を打たないと手遅れになるよ
左野くん
左野くん

冗談じゃない。ふざけんなよ!

「ざけんな!」と言いたい気持ちは分かります。

しかし、あるべき論ではなく現実論として、金融庁が言っていることは100%正しいです。

老後に年金で食べていくのは不可能です。

年金制度は破綻済みで立て直せない

年金制度は既に破綻しています。

そして、立て直すことは不可能です。

タロウさん
タロウさん

年金で食べていけない理由を説明するよ!

年金が破綻している理由

年金が破綻済みである理由は実に単純です。

年金制度が始まった1961年、支給開始年齢は55歳で平均寿命は68歳でした。

つまり、年金で食べていくのは13年間でした。

年度支給開始平均寿命受給期間
1961年55歳68歳13年
2016年65歳84歳19年

それが現在、支給開始年齢は65歳、平均寿命は84歳、年金で食べていくのは19年間です。

って、考えれば分かるでしょ?

13年しか食べていけない年金で、19年も食べていけるわけがないじゃないですか!

右田さん
右田さん

受給期間が5割増えたんだから、負担する年金を5割増しにするか、負担する人の数を5割増しにしないと無理よね。

負担する現役世代も減った

いやいや、負担する現役世代は増えるどころか激減です。

1960年当時、高齢者人口(55歳以上)1,192万人に対して、現役世代人口(15~54歳)は5,343万人でした。

年金受給者1人を(5,343÷1,192=)4.5人の現役世代で支えていました。

年度高齢者現役世代現役/高齢者
1960年1,192万人5,343万人4.5人
2015年3,387万人7,728万人2.3人

それが2015年では、高齢者人口(65歳以上)3,387万人に対して、現役世代人口(15~64歳)は7,728万人です。

年金受給者1人を支える現役世代は2.3人です。半分に減っています。

負担する期間が5割増え、負担する現役世代が半分に減った。

誰がどう考えても年金制度は破綻しています。

制度が時代に合わなくなった

年金が問題になるたびに、「消えた年金が~」とか「厚労省の役人が無能!」とか言う人が出てきますが。

そんな問題じゃないんです。

人口も1人あたりGDPも右肩上がりだった高度成長期に作った年金制度が、どちらも右肩下がりの現代に対応できなくなった。

制度や構造が現代に合わなくなって破綻すべくして破綻した

これが日本の年金制度の実情です。

左野くん
左野くん

年金をもらう期間が増えたのに負担する人が減ったら、維持できなくなるのは当然ってことか…

年金を立て直す方法

この年金制度を立て直すことは不可能です。

破綻した主な理由は次の2つです。

  • 受給期間が13年から19年に伸びた
  • 負担する人が半分に減った

これらを解決するには、

  • 受給期間を13年に戻す
  • 1人あたりの負担額を増やす
  • 負担する人を増やす

このどれかしかないでしょう。

具体的にはどうするか?

  • 定年を72歳に引き上げる(寿命85歳-13年)
  • 現役世代の負担額を2倍にする
  • 移民を受け入れて現役世代の人口を2倍にする

抜本的に問題を解決しようと思ったら、これくらいしか方法はないでしょう。

右田さん
右田さん

いや、それはちょっと、どれもパスでしょ!

民主主義の日本は年金制度を立て直せない

その通りです。有権者はこの3ついずれも絶対に受け入れません。

そうである以上、どの政党もこれらの政策を打ち出すことはあり得ません。

だから、年金破綻と分かっていながら、自民党も民主党も社会党も歴代すべての政権が、この問題の抜本的解決に手を付けようとしなかったのです。

日本が民主主義国である限り、年金制度を立て直すこと不可能です。

タロウさん
タロウさん

僕は定年72歳引き上げが良いと思いますが、選挙で100%負けるから無理でしょうね…

国は本気で自助を迫っている

年金はすでに破綻済みで立て直せない。

国もそのことが分かっているから、老後は自分でなんとかしてくれと言ってきたのでしょう。

NISAとiDeCo

その予兆は何年も前からありました。

その一つがNISAとiDeCoです。

税制面での優遇が大きく、老後の資産形成に非常に有利な制度です。

あまりにも優遇が大きいので、僕はずっと「銀行やタンスに眠っている個人資産をマーケットに吐き出させるためにやっている」と思っていました。

左野くん
左野くん

市場に個人資産を呼び込むのは政権の基本方針だよね。

本気で自助を求めている

しかし、今回の金融庁の指針を読んで、NISAとiDeCoに対する僕の認識が大きく変わりました。

どうやら国は本気で自助させるつもりのようです。

国民が自分で老後の面倒を見るためのツールとしてNISAとiDeCoを作った。

冗談ではなく本気で国民に自助せよと言っている

となると問題は深刻です。

自助できなければ野垂れ死ぬのみです。

右田さん
右田さん

自分で老後の面倒を見られなければ、野垂れ死ぬしかないってこと!?

野垂れ死ぬ国民を国は救えない

そして、野垂れ死ぬ国民を国は救わないでしょう。

いや、救えない。

すでに年間の社会保障費は33兆円で、一般会計予算の34%に達しています。

これ以上増やせないし、これ以上の負担増に耐えられません。

いざとなれば老後は生活保護を受給すれば良いと思っている人は、自分の考えの甘さを認識すべきです。

左野くん
左野くん

財源が限られる以上、受給者が増えれば1人あたりの支給額を減らすことになるよね…

国が勧める投資は長期積み立て

では、どのように自助すれば良いのか?

国は投資での自助を求めています。

タロウさん
タロウさん

どのように投資すれば良いかを説明するよ!

金融庁は長期積み立てを推奨

金融庁は指針の中で次のように指摘しています。

長期・積立・分散投資など、少額からでも資産形成の行動を起こす(出典:前掲書25ページ)

株やFX、仮想通貨といった短期一発狙いではなく、長期積み立てでの資産形成を推奨しています。

積み立てNISAとiDeCoを支持

具体的には次のように提案しています。

こうした長期に亘る資産形成を支援する制度として、税制面で一定の優遇が行われている「つみたてNISA」と「iDeCo」がある。(出典:前掲書29ページ)

左野くん
左野くん

本気で積み立てNISAとiDeCoをやれと言ってるんだね。

しかも、こんな表まで作って勧めています。ガチのマジですね。

積み立てNISAとiDeCoはオススメ

国の思惑は別として、積み立てNISAとiDeCoはオススメです。

積み立てNISAは年間40万円の投資資金まで、運用益が非課税です。

僕は昨年の7月から、ひふみ投信で40万円いっぱいまで投資しています。

また、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となります。

仮に、掛金が月2万円、所得税率が20%であれば、住民税とあわせて年間7万2千円の節税になります。

新入社員で会社に入って退職するまで40年続ければ、300万円近い資産を作れます。

右田さん
右田さん

リタイアして収入がゼロになった時の300万円って、すごく大きいよね!

ソーシャルレンディング

なお、僕はiDeCoはやっていません。

60歳になるまで途中で引き出せないからです。

小心者ですので、そんな未来を楽観視する度胸はありません。

僕がソーシャルレンディングで投資しているのは、利回りが5%前後と高いことだけでなく、運用期間が6~12ヶ月と短いことです。

今から始めるならば、FundsLCレンディングをオススメします。

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不動産投資型クラウドファンディング

ただ、ソーシャルレンディングには借り手企業の匿名化という問題があります。

そこで昨年末から、僕は投資のメインを不動産投資型クラウドファンディングに移行中です。

投資案件の住所まで開示されるなど、情報の透明性がソーシャルレンディングとは桁違いに高いからです。

これから始めるならば、FANTAS fundingCREALをオススメします。

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タロウさん
タロウさん

僕はソシャレンとクラファンで、合わせて1千万円以上を投資中です!

年金破綻の老後を投資で乗り切ろう

最後に要点をまとめます。

  1. 年金は破綻しています
    • 寿命が伸びて受給期間が5割増し
    • 負担する現役世代は半減
  2. 年金は立て直せません
    • 年金制度の構造的な問題が原因
    • 痛みを伴う改革が必要
    • 民主主義の日本では無理
  3. 国は自助を求めています
    • 国が年金で老後を支えることは不可能
    • 自分でなんとかしてもらうしかない
    • なんとかできない人は野垂れ死ぬのみ
  4. 野垂れ死ぬ国民を国は救えません
    • 社会保障制度も破綻寸前
    • 生活保護もいずれ行き詰まる
  5. 国は長期積み立てでの自助を推奨しています
    • 積み立てNISA
    • iDeCo
  6. 他の投資手段も検討すべきです
    • ソーシャルレンディング
    • 不動産投資型クラウドファンディング

厳しい内容ですが、四の五の言ったところで状況は変わりません。

現実は現実ですから対応しましょう。

幸い多くの国民はまだ動いていません。

iDeCoをやっているのは成人人口の1.6%、積み立てNISAはわずか1.0%です。

早い者勝ちのアドバンテージが効くうちに動いて、自分の老後を守りましょう!

タロウさん
タロウさん

国も年金も頼りにならない。文句を言っても始まらない。投資で老後資金を作って生き延びよう!

★2020年1月末現在の僕の主な投資先と投資額は以下の通りです。

 

Funds
FANTAS funding

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