かつてはソシャレン業界の盟主であったmaneo。
一連の不祥事で信用が失墜し、盟主の座をSBIソーシャルレンディングに譲り渡し、クラウドバンクに抜かれるのも時間の問題です。
これからmaneoはどうすれば良いのか、ソシャレン投資家の立場で考えてみました。
結論から申し上げますと、maneoマーケットを事業譲渡するのが良いと思います。

maneoの今後についてマジメに考えてみたよ!
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maneoグループには2つの事業がある
一括りに「maneo」と呼ばれますが、その事業内容は2つあります。

maneoがやっている2つの事業を説明するよ!
ソーシャルレンディングは分業構造
ソーシャルレンディングは次の2つの業務から成り立っています。
- 募集業務:投資家から資金を集める
- 貸金業務:集めた資金を借り手に貸し付ける
そしてそれぞれの業務を行うには、次の資格(免許、登録)が必要です。
- 募集業務:第一種または第二種金融商品取引業
- 貸金業務:貸金業

お金を集めるのと貸すのとでは、それぞれ別の資格が必要なのか。
maneoグループ内部での分業体制
maneoグループではこの2つの業務を2つの法人で分業しています。
- 募集業務:maneoマーケット株式会社(二種金業者)
- 貸金業務:maneo株式会社(貸金業者)
maneoグループに限らず多くのソシャレン業者がこの分業体制を採っています。
例えば、不動産系で一番人気のOwnersBookでは以下の通りです。
- 募集業務:ロードスターキャピタル株式会社(二種金業者)
- 貸金業務:ロードスターファンディング株式会社(貸金業者)
一つの法人で両方を行っているのは、SBIソーシャルレンディングなどごく一部の業者です。

集める係と貸す係で別々の法人にしてるってことね。
maneoマーケットは二種金代行業
maneoグループが他のソシャレン業者と違うのは、二種金代行業を行っている点です。

maneoマーケットの特徴だよ!
募集係は簡単ではない
貸金業に比べて第二種金融商品取引業は登録するためのハードルが高いそうです。
また、投資家から資金を集めるためには、システムの構築、さらにその運用管理などでコストがかかります。
ですので、募集係、つまりソーシャルレンディングでの第二種金融商品取引業務を行うのは簡単ではありません。
maneoマーケットが募集係を代行
そこに目を付けたのがmaneoグループです。
グリーンインフラレンディングやクラウドリースなど、貸金業の登録を持つソシャレン業者に対して二種金業務を代行する。
そうやって形成されたのが、いわゆる「maneoファミリー」です。

投資家の被害を作りまくった悪名高きmaneoファミリーだよ!
maneoグループが失敗した原因
maneoグループはソシャレンと二種金代行業の2つの事業を行いましたが、いずれも失敗したと言わざるを得ません。
その理由を考えます。

maneoがコケた原因だよ!
貸金業者としての力量不足
まず、元々の本業であったmaneoによるソーシャルレンディング業務です。
これについては、貸金業者として力量不足だったということでしょう。
昨年後半からmaneo本体の貸付案件で次々と遅延やデフォルトが起こっています。
その内容を見るにつけ、借り手がダメダメだったり、担保評価がグダグダだったり、いざ債務不履行になっても担保を処分できなかったり。
単純に貸金業者として力不足で、それをリファイナンスでごまかし、しのいできた。
そう言わざるを得ないのではないでしょうか?

業界最大手は幻想だったってことね。
二種金代行業者としての管理不十分
次に、maneoマーケットによる二種金代行業です。
こちらについては管理不十分の一言に尽きるでしょう。
投資家から資金を集めてファミリー業者に渡すだけ。
その資金がどのように使われているのか、監視もチェックも不十分だった。
それが数々の事件、不祥事を引き起こしたことは、読者諸兄姉もご存知の通りです。

右から左に流すだけで放ったらかし。左から戻ってこなくなって当然だよ!
二種金代行業は悪い商売ではない
ただ、僕はmaneoマーケットの二種金代行業自体は、決して悪い商売だとは思いません。
むしろ、必要とされる良い商売だと思うのです。

maneo再生のポイントだよ!
二種金代行業へのニーズはある
上述した通り、第二種金融商品取引業の登録は簡単ではありません。
また、システムの構築などで多額のコストがかかります。
ソーシャルレンディングに参入したいけれど、二種金のハードルが高い。
そういった新規参入希望業者から見て、二種金代行業には一定のニーズがあるでしょう。
二種金代行業の必要性もある
僕がそれ以上に思うのは、二種金代行業の必要性です。
maneoマーケットは全然できていませんでしたが、二種金代行業に本来最も求められるものは、貸金業者に対する外部チェック機能です。
OwnersBookはマザーズ上場企業ですから大丈夫でしょうが、自社で二種金と貸金業の両方をやってるって怖くありませんか?
自社内で完結して外部のチェックが入らないから、悪いことをしようと思えばできるじゃないですか?

言われてみれば、みんなのクレジットやラッキーバンクもそうだったよね。
二種金代行業による信頼性の向上
募集係(二種金)と貸付係(貸金業)を分離し、募集係による外部チェック機能を働かせる。
そうすることによって、ソシャレン業者の信頼性と投資家の安全性を向上できると僕は思うのです。
例えば、LENDEXは自社で二種金と貸金業の両方を登録しています。つまり、自社で両方やっています。
ただ、LENDEXは上場企業でも大手でもないので、OwnersBookやクラウドバンクに比べて信用力で劣ります。
もし、しっかりした企業がLENDEXの募集業務を代行し、外部機関としてLENDEXの貸金業務を監視、チェックするとなると、今よりも信頼性は高まると思うのです。

確かにLENDEXが単体でやっているよりは、外部チェックが入ることで安心度は増すよね。
二種金代行業には可能性がある
もちろん、「しっかりした企業」が行うことが大前提です。
しかしその前提が満たされるのであれば、二種金代行業はソーシャルレンディングにとって重要な役割を果たすことができます。
新規参入業者の負担軽減と、それらの業者への外部チェック機能。
僕は二種金代行業には少なからずの可能性があると思います。
maneoマーケットを事業譲渡しては?
そこで提案というか思い付きですが、maneoマーケットを事業譲渡してはどうでしょうか?

アホが爆弾提案してみますよ~!笑
maneoの信頼性はゼロ
さきほど述べた通り、二種金代行業が価値を持つのは「しっかりした企業」が行うことが大前提です。
maneo関係者の方々には申し訳ないですが、今のmaneoグループを誰が「しっかりした企業」と思うでしょうか?
すでにmaneoの信頼性は地に落ちています。
二種金代行業をmaneoマーケットがやると言っても、誰も安心しないでしょう。

むしろ不安でいっぱいになるよね。
GMOに事業譲渡しては?
そこで、maneoに出資しているGMOグループに二種金代行業を事業譲渡してはどうでしょうか?
つまり、現在maneoマーケットが行っている二種金代行業務をGMOが行うということです。
東証一部のGMO傘下できっちりとした管理体制を構築し、二種金代行業に本来求められる、外部チェック機能を強化する。
maneoマーケットが今まで通り継続するより、はるかに安心できるはずです。
ファミリー業者の信頼性向上
GMOへの事業譲渡には他にもメリットがあります。
一つはmaneoファミリーで残っている業者の信頼性の向上です。
maneoファミリーでは多くのソシャレン業者で問題が発生しました。
しかし、僕は次の4社は決して悪い業者だとは思っていません。
- LCレンディング
- スマートレンド
- さくらソーシャルレンディング
- プレリートファンド
例えば、スマートレンドはいまいち人気がありませんが、実はオリエント信販を源流とする消費者金融のプロ集団です。

今はmaneoファミリーということで避けられている感がありますが、GMOのチェックが入るとなると、多少なりとも信用度は上がるはずです。
ファミリー業者への安心の回復
もう一つはファミリー業者に投資している投資家の安心の回復です。
7月からmaneoファミリー業者の分別管理口座が、maneoマーケットの管理に移りました。
このことに不安を感じたり、これを理由にファミリー業者からの資金引き上げを検討する投資家が増えています。
もし、分別管理口座をGMOが管理してくれることになれば、投資家の不安は一掃されるのではないでしょうか。

LCレンディングに400万円投資中の僕としては、ぜひともGMOさんに代わって欲しいです!!!
maneoの立て直し
そしてmaneo本体です。
maneo本体も体制を立て直そうとしているのかもしれません。
しかし、maneoが単独でやっている限り、投資家はどうしても信用しきれないです。
maneoマーケットをGMOに譲渡すると、maneoの案件をGMOが募集し、GMOがmaneoを監視することになります。
GMOに監視される状態の中で再起を図る方が、投資家の理解を得られるのではないでしょうか?

maneo単体だと、何か悪いことをコソコソやるのでは?と、どうしても疑っちゃうもんね。
maneoマーケット事業の再生に期待
Fundsも二種金代行業
今、ソーシャルレンディングで最も人気が高い業者の一つがFundsです。
そのFundsですが、細かい点での違いはありますが、実はmaneoマーケットと同じ二種金代行業です。
投資家への募集業務はFundsが行い、集めた資金の貸付はファンド組成企業と呼ばれる提携企業が行っています。
募集と貸付を分業し、募集業務だけを行う二種金代行業という点で、Fundsとmaneoマーケットは実は同じなのです。
Fundsは管理業務をシッカリやっている
両者の違いは二種金代行業の核心である、貸金業務への外部チェックをFundsが厳格に行っている点です。
Fundsはつい先日、IVS LaunchPadで優勝しました。
IVS LaunchPadはインターネットを使った事業の事業モデルコンテストです。
過去の優勝企業にはクラウドソーシングのクラウドワークス(2012年度)やクラウド会計ソフトのfreee(2013年度)などそうそうたるメンツが揃っています。
そのIVS LaunchPadでFundsが優勝したことは、二種金代行業の価値や必要性の一つの証だと思うのです。
二種金代行業を潰すのは惜しい
僕は申し訳ないですがmaneoグループには何も期待していません。
しかし、maneoマーケットの二種金代行業には必要性と価値があると思っています。
このまま潰してしまうのは惜しい。
GMOなどまともに外部チェックを行える企業に事業譲渡して、maneoマーケット事業が再生されることを期待します。

maneoの良し悪しとは別の問題として、二種金代行業はやり方次第で価値が出ると思います!
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