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TSON FUNDING第1号に投資するか?【案件分析】

新たに登場した不動産クラファン「TSON FUNDING」。

第1号案件の募集が12月10日11時に始まります。

最近、新しい業者が増えて、こんがらがっている方も多いのでは?

そこで、ソシャレン、クラファン約50社で会員登録している僕が、案件の詳細を分析し、投資の是非を判断します。

タロウさん
タロウさん

参考になればうれしいです!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

TSON FUNDING第1号案件の概要

それでは、案件の概要からです。

 

TSON FUNDINGとは?

TSON FUNDINGは2020年10月に運営を開始した不動産投資型クラウドファンディングです。(※1 第1号のもの)

サービス名 TSON FUNDING
運営会社 株式会社TSON
運営開始 2020年10月
最低投資額 1万円
利回り 6.7% ※1
運用期間 1年 ※1

運営会社のTSONは名古屋の不動産業者です。

プロ投資家だけが売買に参加できるTOKYO PRO Marketに上場しています。

右田さん
右田さん

上場企業なのは安心感があるね。

 

TSON FUNDING第1号案件の基本情報

TSON FUNDING第1号案件の基本情報は以下の通りです。

  • 案件名:SMART FUND8号
  • 利回り:6.7%
  • 運用期間:1年
  • 劣後出資比率:20.6%
  • 分配:満期一括
  • 募集総額:4,050万円
  • 最低投資額:5万円
  • 出資単位:1万円(最低5万円)
  • 出資上限:1人1,000万円
  • 募集方式:抽選方式
  • 募集期間:12月10日11時~25日13時
左野くん
左野くん

なんで8号なの?

電子化の第1号案件

運営会社のTSONは以前から不動産小口化商品を販売してきました。

ただし、販売手続きは紙の書類のやり取りでした。

それがSMART FUND1~7号です。

TSON FUNDINGは紙ベースだった販売方式を電子化し、インターネットで手続きができるようにしたものです。

今回の案件は、

  • TSONのSMART FUNDシリーズとしては第8号
  • TSON FUNDINGの案件としては第1号

ということです。

実質利回りに注意

今回の案件は利回りに少し注意です。

  • 利回り:6.7%
  • 運用期間:1年

運用期間が1年で利回りが6.7%となっていますが、

  • 振込期限:2021年1月8日
  • 運用開始:2021年1月15日
  • 運用終了:2022年1月14日
  • 償還予定:2022年3月14日

資金が拘束されるのは1年ではなく14カ月です。

ですので、資金拘束期間で見た実質利回りは5.7%です。

  • 6.7%÷14×12=5.7%
右田さん
右田さん

それでも高水準だよね。

タロウさん
タロウさん

OKだと思います!

定期借地権を活用している

今回の案件ではアパート1棟を取得します。

その割に募集額が4,050万円って安すぎると思いませんか?

実は今回の案件では定期借地権を活用しています。

土地の所有者から土地を借りて自己所有のアパートを建設します。

つまり、今回の案件で取得するのはアパートの建物だけです。

定期借地権を活用すれば、低コストで不動産を取得できるので利回りが向上します。

この定期借地権の活用がTSON FUNDINGの特長です。

 

TSON FUNDING第1号案件の投資対象物件

投資対象物件はさいたま市の新築アパートです。

  • 物件名:SONAEさいたま市緑区
  • 所在地:さいたま市緑区松木1-4010
  • 築年:2021年5月
  • 構造:木造2階建て
  • 最寄り:東浦和駅 自転車12分

最寄り駅はJR武蔵野線の東浦和駅です。

左野くん
左野くん

浦和って東西南北中に武蔵浦和、浦和美園ってメンバーが多いよね。

タロウさん
タロウさん

URW48!

右田さん
右田さん

そこまではない…

メゾネットタイプ4室

部屋は1階と2階を階段でつないで1つの住居にしたメゾネットタイプ4室です。

今回の案件では、次のようにアパートを運用します。

  1. 出資したお金でアパートを取得し
  2. 家賃収入を得て
  3. 運用期間の最後に売却して売却益を得て
  4. 売却代金で投資家に元本を返済
左野くん
左野くん

みんなでアパートの大家になるイメージだよ。

 

家賃保証が付いている

今回の案件には家賃保証が付いています

アパートは4室まとめて東京の不動産屋に貸し出され、この不動産屋が入居者を探します。

アパート投資でおなじみのサブリース契約です。

そして、TSONのサブリースは空室保証型で、不動産屋は入居者の有無に関わらず、毎月決まった家賃を大家に支払います。

つまり、アパートが空室でも家賃が保証されるということです。

タロウさん
タロウさん

ここまで案件の概要でした!

TSON FUNDING第1号案件の分析

それでは案件内容の分析です。

 

分配金は得られるか?

今回は分配金から見ていきます。

必要な分配金の総額

今回の案件で必要な分配金の総額は271.35万円です。

  • 利回り:6.7%
  • 運用期間:1年
  • 募集総額:4,050万円
  • → 必要分配金額:4,050万円×6.7%=271.35万円

これが本当に得られるのか見ていきます。

見込まれる家賃収入

この物件の月額賃料は42.8万円です。

右田さん
右田さん

だったら楽勝だね。

タロウさん
タロウさん

スイーーート!

この案件の運用期間は2021年1月~2022年1月です。

しかし、アパートが完成するのは2021年5月末です。

左野くん
左野くん

まだできてないの!

  • 運用開始:2021年1月15日
  • 完成予定:2021年5月31日
  • 運用終了:2022年1月14日

したがって見込まれる家賃収入は、

  • 7カ月分として、42.8万円×6=299.6万円

299.6万円です。

右田さん
右田さん

やっぱりOKじゃん!

タロウさん
タロウさん

スイーーート!

家賃保証=分配金保証ではない

299.6万円はサブリースの不動産屋から受け取る家賃です。

ここから、運用コストや公租公課、事業者報酬などが引かれます。

それらの金額次第では、家賃収入だけで分配金を満額受け取ることはできません

家賃は保証されていますが、分配金が保証されているわけではないのです。

左野くん
左野くん

コストとかはいくらかかるの?

分配金を得られるか判断できない

運用コストなどが分かれば、家賃だけで分配金をカバーできるか分かります。

足りない場合は売却益がいくら出れば良いかも算出できます。

ところが、運用にかかるコストなどが示されていないのです。

ですので、分配金を得られるかは判断できません

タロウさん
タロウさん

こまリータ、セニョリータ!

 

元本は回収できるか?

次に元本を回収できるかです。

必要な売却額

  • 出資総額:5,100万円
    • 優先出資:4,050万円(79.4%)
    • 劣後出資:1,050万円(20.6%)

投資家の出資分は4,050万円ですので、アパートが4,050万円以上で売れれば元本は全額回収できます。

タロウさん
タロウさん

経費等は無視しています!

販売価格は5,720万

今回の物件「SONAEさいたま市緑区」ですが、楽待に情報が出ていました。

販売価格は5,720万円とのことです。

右田さん
右田さん

7掛けでも元本回収できるか。

不動産情報サイトの価格

ただ、5,720万円は売り手の希望価格ですからね。

不動産情報サイトで近隣で築年が比較的近い物件を探してみました。

築年 土地面積 満室賃料/年 価格 表面利回り
2002年6月 153平米 215万円 3,580万円 6.0%
2016年12月 197平米 544万円 9,060万円 6.0%

ともに土地付きで、周辺の土地の相場は平米20万円でした。

今回の物件の敷地は326平米なので土地代で6,520万円です。

建物が楽待プライス5,720万円ならば合わせて1億2,240万円となります。

月額家賃が42.8万円なので年間では514万円。

築年 土地面積 満室賃料/年 価格 表面利回り
2021年5月 326平米 514万円 1億2,240万円 4.2%

これだけで見るとちょっと高すぎる気が…

左野くん
左野くん

家賃が安すぎるんじゃない?

タロウさん
タロウさん

サブリースで不動産屋に引かれてますからね。

それを踏まえると妥当な価格なのかもしれません。

そもそも売れるのか?

価格が妥当であるか以前に、この物件に買い手は付くのでしょうか?

まず、立地が微妙です。(地図上の赤いマーク)

東浦和駅から約3km。

TSON FUNDINGサイトには自転車で12分と書いていますが、徒歩では39分です。

最寄りの松ノ木東公園バス停まで350m、そこから東浦和駅までバスで12~15分

利便性が良いとは言えません。

また、少し離れると田畑が広がっておりまして。

3密回避と子育てには良い環境でしょうが。

ただし、周辺はベッドタウン化が進んでおり、6~7時台は東浦和駅行きのバスが29本もあります。

また、東浦和駅の乗降客数も増え続けています。

なので、すぐに買い手がつくのかもしれません。

ただ、売却できなかった場合は運用期間が最長で6カ月延長される点に注意です。

右田さん
右田さん

やばい気がしてきた…

TSONが買い戻す可能性はある

とは言うものの、不安要素ばかりではありません。

このアパートの現時点での所有者はTSONです。

運用開始と同時に所有権がファンドに移るイメージです。

また、契約書にはTSONが物件を自社で買い取れることが定められています。

対象不動産の売却等について
本事業者は、対象不動産等の売却等(売却し、又は本事業者の固有財産とし若しくは(以下略)

ですので、売却できなかった場合にTSONが自社で買い戻す可能性はあるとも言えます。

タロウさん
タロウさん

上場企業なのでありえる気も…

TSON FUNDING第1号案件の投資判断

以上を踏まえて、TSON FUNDING第1号案件に投資するかの判断です。

 

情報が少なく判断できない

まず分配金について、上述の通り満額受け取れるかは判断できません。

正直なところ、公開される情報が少ないと感じます。

CREALやジョイントアルファは費用などを収支表の形で示します。

もちろん、僕にその妥当性を判断できるだけの知識はありません。

ですが情報があれば、こうやって分配金が出るのだと理解できますし、これは調べた方が良いのでは?と気付けます。

要は、情報をしっかり出してもらうことで自分で納得して投資できるのです。

タロウさん
タロウさん

それで初めて投資は自己責任です!

 

TSONは償還できるのか?

もう一つ気になるのが、TSONは元本を償還できるのかです。

最初の方でTSONは以前から不動産小口化商品を扱っていると書きました。

2020年1月の森林再生1号以来、募集した案件は15件、総額6億6,800万円です。

案件 募集額 償還予定
森林再生1号 1億4,800万円 2021年4月30日
森林再生2号 3,100万円 2021年6月30日
森林再生3号 4,800万円 2021年6月30日
森林再生4号 1,550万円 2021年7月31日
森林再生5号 3,500万円 2021年7月31日
森林再生7号 1,550万円 2021年8月31日
SMART FUND 1号 5,300万円 2021年8月31日
森林再生6号 5,400万円 2021年8月31日
SMART FUND 2号 4,750万円 2021年9月30日
SMART FUND 3号 4,050万円 2021年10月30日
森林再生8号 3,650万円 2021年7月31日
SMART FUND 4号 6,600万円 2022年1月9日
SMART FUND 5号 3,200万円 2022年1月31日
SMART FUND 6号 2,150万円 2022年2月15日
SMART FUND 7号 2,400万円 2022年3月11日
合計 6億6,800万円

森林再生2号が早期償還しただけで、その他の合計6億3,700万円が未償還です。

東証一部のRimpleでも8カ月で5億6,521万円です。

しかも、都内の区分マンションのRimpleに対して、TSONは郊外のアパートです。

案件 所在地
森林再生1号 名古屋市緑区大高町、安城市高木町他
森林再生2号 愛知県春日井市朝宮町
森林再生3号 名古屋市北区中味鋺、守山区小幡中
森林再生4号 北名古屋市弥勒寺東
森林再生5号 愛知県岩倉市新柳町、岡崎市丸山町
森林再生7号
SMART FUND 1号 愛知県津島市西愛宕
森林再生6号 愛知県岡崎市柱
SMART FUND 2号 東京都日野市神明
SMART FUND 3号 愛知県江南市田代町郷中
森林再生8号 名古屋市緑区滝ノ水、稲沢市駅前
SMART FUND 4号 東京都板橋区小茂根
SMART FUND 5号 愛知県津島市今市場町
SMART FUND 6号 愛知県清須市清洲
SMART FUND 7号 愛知県刈谷市今岡町宮岡

TSONは上場企業なので一定の信頼性はあるでしょう。

ただ、こんなに未償還の案件を抱えて大丈夫なのかな?

タロウさん
タロウさん

ちと不安です…

 

もう少し検討する

情報量については、TSON FUNDINGはまだ第1号案件です。

試行錯誤の段階でしょうから、2号以降に期待したいと思います。

ただ、今回の案件は漠然としたものではありますが不安が残ります。

確信を持たずに投資するのはよろしくない。

募集は抽選方式で応募期間は12月25日までです。

会社、経営者を含めてTSONについてもう少し調べた上で判断します。

左野くん
左野くん

抽選だったら、ヒヨコはどっちみち落ちるよ。

タロウさん
タロウさん

それを言わんで!

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。