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タスキFunds第1号案件に投資するか?【案件分析】

タスキFundsマザーズ上場企業が運営する新登場の不動産クラファンです。

その第1号案件が現在募集中です。

この案件に投資するか?

案件を分析し投資の是非を判断します。

タロウさん
タロウさん

今回は斜めから判断しました!

左野くん
左野くん

出た、ひよこ判断!笑

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に1億9千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

タスキFunds第1号案件の概要

それではさっそく、タスキFunds第1号案件の概要を説明します。

 

タスキFundsとは?

タスキFundsは2020年10月に運営を開始した不動産クラファンです。(※1 第1号案件のもの)

サービス名 タスキFunds
運営会社 株式会社タスキ
運営開始 2020年10月
最低投資額 10万円
利回り 10% ※1
運用期間 6カ月 ※1

運営会社のタスキは東京の不動産会社です。

投資用不動産の企画開発の他、給与前払いサービスの提供も行っています。

4期連続の増収増益で、2020年10月に東証マザーズに上場しました。

社名 株式会社タスキ
本社所在地 港区北青山2-7-9
設立 2013年8月
資本金 10億1,246万円
代表者 代表取締役社長 村田浩司
上場 東証マザーズ

タスキはジャスダック上場の新日本建物のグループ会社として2013年に設立されました。

2017年にグループから独立しましたが、現在でも新日本建物創業者の村上三郎氏が持ち株比率53%の筆頭株主で、取締役会長を務めています。

また、Rimpleを運営するプロパティエージェントもタスキの株式を1%保有しています

●公式サイト:タスキFunds

 

タスキFunds第1号案件の基本情報

タスキFunds第1号案件の基本情報は以下の通りです。

  • 案件名:タスキ キャピタル重視型第1号ファンド
  • 利回り:10%
  • 運用期間:6カ月
  • 分配:満期一括
  • 募集総額:2,000万円
  • 最低投資額:10万円
  • 出資単位:10万円
  • 出資上限:なし
  • 募集方式:抽選方式
  • 募集期間:12月7日18時~14日18時
右田さん
右田さん

来週の月曜日までね。

値下がり余地は8.9%

出資についてタスキFundsのサイトでは次のようになっています。

  • 投資家分(優先出資):2,000万円
  • タスキ分(劣後出資):3,600万円

これを見て、

左野くん
左野くん

劣後出資比率64%!

と、狂喜乱舞した方は

タロウさん
タロウさん

おっちょこちょい確定!

今回はエクイティ出資とは別に銀行ローンがあります

返済順 出資/融資者 出資/融資額 出資/融資比率
1位 銀行 3億5,000万円 86.2%
2位 投資家 2,000万円 4.9%
3位 タスキ 3,600万円 8.9%
合計 4億600万円

返済の優先順位は「銀行→投資家→タスキ」です。

したがって、僕たちが普段「値下がりしても大丈夫な範囲」という意味で使う劣後出資比率は、今回の案件では64%ではありません。

値下がり余地は8.9%です。

タロウさん
タロウさん

ここは条件悪いです!

借り手はマザーズ上場企業

今回の投資対象物件は土地取得からタスキが自社で開発した保育園「キッズガーデン北区滝野川」です。

そして、2019年6月1日の開園から建物を借りて運営しているのは株式会社Kids Smile Projectです。

親会社(実質的に同一)のKids Smile Holdingsは首都圏を中心に認可保育園など62施設を運営しています。

社名 Kids Smile Holdings
所在地 品川区西五反田1-3-8
設立 2018年4月
代表者 代表取締役社長 中西正文
資本金 5億7,600万円

2020年3月期の売上高は72億7,500万円、当期純利益は11億7,500万円。

2020年3月に東証マザーズ上場を果たしました。

本物件の賃貸契約は2039年4月までとなっています。

右田さん
右田さん

20年契約なのね!

タスキFunds第1号案件の分析

次にタスキFunds第1号案件の内容を分析します。

 

分配金は受け取れるか?

まず、分配金を満額受け取ることができるかです。

今回必要な分配金は100万円です。

  • 募集額:2,000万円
  • 利回り:10%
  • 運用期間:6カ月
  • → 2,000万円×10%÷12カ月×6カ月=100万円

そして、案件情報から分かった収入、支出は以下の通りです。(6カ月分)

  • 収入
    • 賃料:1,170万円
  • 支出
    • 銀行金利:385万円
    • 諸費用:73万円

きっと他にもいろいろあるでしょうが、100万円は大丈夫じゃないかな?

タロウさん
タロウさん

いい加減ですまん!

タスキさん、情報もっと出してください!

ってか、タスキFundsの情報量って絶望的に少なくないですか?

「これでどげんして判断すれば良いと?」と橋本環奈ちゃんが泣き出すレベル。

CREALやジョイントアルファ並みに出していただければ助かるのですが。

タロウさん
タロウさん

タスキさん、お願いします!

 

元本は回収できるか?

次に最重点の元本回収です。

評価額の妥当性は?

今回は物件の値下がりが8.9%以内で済めば元本は回収できます。

返済順 出資/融資者 出資/融資額 出資/融資比率
1位 銀行 3億5,000万円 86.2%
2位 投資家 2,000万円 4.9%
3位 タスキ 3,600万円 8.9%
合計 4億600万円

ただ、保育園なんて買ったことがないので相場が分かりません。

左野くん
左野くん

ふつう買わねぇよ!笑

そこで、まずは評価額の4億600万円が妥当であるかを考えます。

タロウさん
タロウさん

鑑定された方、天文学的な失礼をお詫びします!

評価額は保守的

今回、この保育園を鑑定したのはCREALで鑑定をしているのと同じ会社でした。

CREALといえば?

右田さん
右田さん

保育園案件!

ですよね?

そこで、CREALの保育園案件の還元利回りを調べてみました。

他社さんの案件ですので具体的な数値を出すのは差し控えますが、いずれも4%台前半でした。

物件 還元利回り
さくらさくみらい駒込 4%台前半
関町北保育園 4%台前半
ココファン・ナーサリー 4%台前半
グローバルキッズ西大井 4%台前半

これに対して今回の案件の鑑定利回りは4%台後半です。

収益還元法では収益を還元利回りで割って評価額を出します。

  • 評価額=収益÷還元利回り

したがって、還元利回りが大きくなるほど評価額は下がります

こういう見方が正しいのか分かりませんが、少なくとも評価額は保守的である、無理に高く評価しているのではないと思います。

土地代も極端には高くない

今回の鑑定では土地代も出しています。

それによると平米57.7万円と見ているようです。

ちょうど上手い具合に保育園から30mの場所で地価公示がありました。

  • 住所:北区滝野川6丁目28-7
  • 公示地価:平米48.3万円

保育園が通りから1本入っているのに対し、こちらは通りに面しています。

ですので、条件が若干違いますが、

  • 57.7万円÷48.3万円=1.2

評価額は公示地価の1.2倍ですので、極端に高くはないと思います。

評価額は正しそう

以上より、評価額の4億600万円は極端には外れていないと考えます。

タロウさん
タロウさん

お前に判断されたくない!と言われそうですが…

では、これが6カ月で8.9%の値下がりで済むのか?

正直わかりません。

右田さん
右田さん

それが結論なのね…

タロウさん
タロウさん

ちょいとお待ちを!

タスキFunds第1号案件の投資判断

イマイチ結論が出ないタスキFunds第1号案件。

そこで僕は案件を斜めから分析し、結論として投資することにしました

その理由を説明します。

 

タスキFundsは見込み客の獲得装置

僕が新しい業者を検討する際に必ず考えるのが「なぜ運営会社は不動産クラファンを始めるのか?」です。

それを調べていたところ、タスキの2020年9月期決算説明会資料に次のような記載がありました。

小口から参画可能なクラウドファンディングを通じて、IoTレジデンスの潜在顧客を囲い込み

また、マザーズ上場時のインタビューで社長の村田氏がタスキFundsについて次のように語っています。

1口10万円からの少額投資ということで、幅広いお客様にまずはタスキを知っていただこうという趣旨でこういった事業の展開を10月から行おうと思っております。

IoTレジデンスとはタスキが開発する投資用1棟マンションのことです。

タスキは投資用マンションを開発し投資家に販売することを主力事業としています。

つまり、こういうことです。

  1. タスキFundsでタスキを知ってもらい
  2. 将来的に投資用マンションを買ってもらいたい

タスキがタスキFundsを運営する目的は、

  • タスキの認知度向上
  • 本業の見込み客の獲得、囲い込み

要は、本業の投資用マンション販売につなげたい、タスキFundsは見込み客の獲得装置ということです。

であれば、見込み客に損をさせることはないのではないでしょうか?

左野くん
左野くん

それは一理ある。

 

クラファンシステムの外販も検討

さらに、さきほどの決算説明会資料では次のようにも書かれています。

不動産クラウドファンディングプラットフォームの外販展開

これは何かというと、

  1. タスキFundsのシステムを
  2. 不動産クラファンをやりたい同業他社に
  3. 販売することを商売にする

ということです。

であれば、タスキFundsで投資家に損をさせられないですよね?

そんな前科がある業者のシステムを誰も使おうとは思わないですから。

タロウさん
タロウさん

いずれも僕の推測です!

 

投資判断の選択肢は3つ

以上を踏まえると、タスキFunds第1号案件に投資するかの判断の選択肢は3つです。

  1. タスキFundsは損を出させない → 投資する
  2. タスキFundsは損を出させる
    1. 保育園の値下がりが8.9%以内で済む → 投資する
    2. 保育園の値下がりが8.9%を超える → 投資しない

見込み客獲得装置のタスキFundsが損を出させるか?

その見立ては間違いで損を出させるならば、今回の案件は安全か?

2段階での判断となります。

右田さん
右田さん

どれにするの?

 

50万円で応募

僕はAの損をさせないだと考えます。

Rimple、ジョイントアルファと同じ系統だと思うからです。

それに今回は第1号ですし、上場企業同士の案件ですし、そういう意味でも硬いかなと。

そう判断して50万円で応募しました

左野くん
左野くん

応募?

 

抽選に期待します!

そうです。投資ではなく応募です。

だって、

  • 募集方式:抽選方式

ですから。

右田さん
右田さん

だったら結論出たね。

左野くん
左野くん

天下無敵のクジ運の悪さ!笑

タロウさん
タロウさん

あぅぅ…

現在の競争率は3倍強。

ここ最近、RENOSY、Rimple、ぽちぽちと連戦連敗ですが。

そろそろ当たりが来るはず。

抽選結果に期待します!

タロウさん
タロウさん

応募期限は14日18時です!

●公式サイト:タスキFunds

コメント

早期償還

案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損とは投資したお金が戻ってこなくなることです。

例えば、2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなったなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%

劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が返済することや、連帯保証人が借り手に代わって返済することが債務履行にあたります。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。