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バンカーズ医療ファンド第2号案件に投資するか?【案件分析】

月イチペースでの案件募集を有言実行中のバンカーズ

2月は医療ファンドの第2弾が登場です。

この案件に投資するか?

案件の内容を解説します。

タロウさん
タロウさん

僕は1号と2号に投資済みです!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

バンカーズ医療ファンド第2号案件の概要

まず、バンカーズ第2号案件の概要です。

 

バンカーズとは?

バンカーズは2020年12月に運営を開始したソーシャルレンディングです。

基本情報は以下の通りです。(2021年1月現在)

サービス名 バンカーズ
運営会社 株式会社バンカーズ
運営開始 2020年12月
最低投資額 1万円
利回り 2~5%
運用期間 4~6カ月

トップがメガバンクの元専務など、信頼性と透明性の高さが期待される業者です。

●公式サイト:バンカーズ

バンカーズについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

【最新】バンカーズの評判・口コミとデメリット・リスク
【2024年3月6日更新】累計投資額1億9千万円の現役投資家が、バンカーズ(Bankers)の概要、デメリットとリスク、評判と口コミ、注意点と対策などを解説。バンカーズでの僕の投資実績も公開します。

 

バンカーズ医療ファンド第2号案件の基本情報

バンカーズ医療ファンド第2号案件の基本情報は以下の通りです。

  • 案件名:バンカーズ地域医療機関支援・商業手形ファンド第2号
  • 利回り:2.73~3.51%
  • 運用期間:12カ月
  • 募集総額:3,300万円
  • 最低投資額:1万円
  • 投資単位:1万円
  • 分配:満期一括
  • 募集開始:2021年2月2日12時
  • 募集方式:先着方式

全開の医療ファンド第1号と利回りはほぼ同じです。

募集額は全開5,500万円の6掛けになりました。

左野くん
左野くん

クリック合戦になりそうだね。

 

2つの案件がワンセットに

今回の医療ファンド第2号は、2つの案件をワンセットにまとめた案件です。

  • 手形割引案件
    1. 投資家から集めたお金を元手に
    2. 手形割引事業を行い
    3. 割引手数料で儲ける
  • 融資案件
    1. 投資家から集めたお金を
    2. 企業に貸して
    3. 利息で儲ける

バンカーズは過去の2案件も同じパターンでした。

そして、投資家から集める3,300万円は、2つの案件に分けて運用されます。

  • 手形割引案件:300万円
  • 融資案件:3,000万円

バンカーズが投資家から3,300万円を集める。

そのお金を使って、手形割引と融資で利益を上げる。

そして、利益の一部を僕たち投資家に分配する、ということです。

右田さん
右田さん

私たちのお金で商売をしてもらうのね。

タロウさん
タロウさん

手形割引はバンカーズが自社で行います!

 

手形割引案件の詳細

手形割引案件は過去2回の案件のものとまったく同じです。

次のような事業を行います。

  1. 投資家のお金300万円を使って
  2. 手形割引を行い
  3. お金を稼ぐ

手形割引とは簡単に言うと次のようなものです。

  1. 例えば、次の約束手形を98万円で買い取る
    • 額面100万円
    • 支払いは2カ月後
  2. 2カ月後に100万円を受け取って2万円儲かる
  3. 売った人は2カ月早く現金を受け取れる
左野くん
左野くん

資金繰りが苦しい企業が2万円で時間を買うって感じか。

手形割引がよく分からないという方は、こちらの記事を読んでみてください。

バンカーズ(Bankers)1号案件に投資するか?【案件分析】
バンカーズ(Bankers)の第1号案件を詳しく解説、分析し、投資するかを判断します。今回は融資と手形の2つの案件がセットになっています。手形案件を初心者向けに説明します。融資案件については担保物件を特定しました。
タロウさん
タロウさん

初心者向けにやさしく解説しています!

 

介護報酬案件の詳細

今回の融資案件は最終の借り手が介護事業者の案件です。(以下、介護報酬案件と呼びます)

前回に続き、今回の案件も非常に難しいです。

以下、詳しく解説していきます。

右田さん
右田さん

お願いしま~す!

介護報酬案件の登場人物

介護報酬案件に関係するのは以下の3者です。

  • バンカーズ
  • 借り手(医療サポート事業者)
  • 介護事業者

借り手は医療機関への資金支援やコンサルティングなどを行っている医療サポート事業者です。

ファクタリングとは?

借り手は介護事業者に対してファクタリングのサービスを提供します。

左野くん
左野くん

ファクタリング?

介護事業者が介護サービスを提供すると、利用者は介護報酬の1割か3割しか払いません。(病院の3割負担などと同じ)

介護事業者は残り9割ないし7割分の介護報酬の支払いを、社保や国保(以下、社保国保)に請求します。

そして、請求から2~3カ月後に社保国保が介護事業者に介護報酬の支払いを行います。

右田さん
右田さん

そんなに時間がかかるんだ。

タロウさん
タロウさん

イエ~ス!

でも、資金に余裕がない事業者は2~3カ月も待っていられません。

そこで、貸金業者やノンバンクなどの金融機関が介護報酬を受け取る権利(介護報酬債権)を割安で買い取ります。

例えば、100万円の介護報酬を90万円で買取る

そして、2~3カ月後に貸金業者やノンバンクが社保国保から100万円の支払いを受ける

こうすることで、介護事業者と金融機関の双方にメリットが生まれる。

  • 介護事業者:2~3カ月も待たずに済んだ!
  • 金融機関:10万円儲かった!
左野くん
左野くん

介護事業者は10万円で時間を買ったんだ。

このように、医療報酬や介護報酬を買い取るサービスをファクタリングといいます。

タロウさん
タロウさん

手形割引の医療介護報酬バージョンです!

前回の医療ファンド第1号は、医療報酬債権を担保にノンバンクが医療機関にお金を貸しました。債権を担保に融資するだけで、債権を買い取るのではありません。
ですので、医療ファンド第1号はファクタリングではなく医療報酬債権担保融資です。

借り手がファクタリングを行う

さて、今回の介護報酬案件に話を戻します。

  • 借り手(医療サポート事業者)
  • 介護事業者

借り手の医療サポート事業者は、介護事業者に対してファクタリングを行います。

つまり、こういうことですね。

  1. 介護事業者から
  2. 介護報酬を受け取る権利(介護報酬債権)を
  3. 買い取る
右田さん
右田さん

まさに医療サポートだ。

最初に3カ月分を買い取る

借り手は今年1月に、昨年11月~今年1月分(11月~1月に実施した介護サービス分)の介護報酬債権を買い取り済みです。

  • 11月分
  • 12月分
  • 1月分

これにかかった費用がアバウト3千万円です。

左野くん
左野くん

3千万円で3カ月分を買い取ったと。

2月分以降も順次買い取る

1月末に11月実施分の介護報酬が支払われます。(借り手が受け取る)

借り手はそのお金で2月分の介護報酬債権を買い取ります。(予約的な買い取り)

  • 11月分 → 受け取り
  • 12月分
  • 1月分
  • 2月分 ← 新規買い取り

2月末には12月分が支払われ、そのお金で3月分を買い取ります。

  • 12月分 → 受け取り
  • 1月分
  • 2月分
  • 3月分 ← 新規買い取り

これを繰り返すので、借り手の資金3千万円が借り手の金庫から出ていっている状態がずっと続くわけです。

右田さん
右田さん

手元資金が減った状態が続くわけね。

タロウさん
タロウさん

そこでバンカーズです!

バンカーズが借り手に融資する

もし、手元に3千万円があれば、他の医療機関にファクタリングとかできますよね?

そこで、バンカーズが借り手に3千万円を貸すということです。

左野くん
左野くん

これで資金に余裕ができた。

 

介護報酬案件の担保

次に、バンカーズが借り手に融資する際の担保を見ていきます。

借り手の介護報酬債権に譲渡担保を設定

バンカーズは借り手が介護事業者から買い取った介護報酬債権に譲渡担保を設定します。

借り手が返済できなくなった場合には担保権を実行し、借り手が社保国保から受け取るはずだった介護報酬をバンカーズが受け取ります。

これによって元本を回収するということです。

前回の診療報酬案件と同じです。

バンカーズの診療・介護報酬債権担保融資案件をやさしく解説
...

有効な担保は2カ月分

バンカーズは借り手にお金を貸す際に、2020年12月サービス提供分から2025年8月サービス提供分まで67カ月分の介護報酬債権に一括して譲渡担保を設定します。(予約的なイメージ)

ところで、さきほどの2月末の介護報酬債権の動きですが。

  • 12月分 → 受け取り
  • 1月分
  • 2月分
  • 3月分 ← 新規買い取り

借り手は2月末に12月分の債権の支払いを受け、ほぼ同時に3月分の債権を買い取ります。

上述の通りバンカーズは1~3月分の債権に譲渡担保を設定しています。

でも、3月の介護サービスはまだ発生していませんよね?

  • 1月分(発生済債権)
  • 2月分(発生済債権)
  • 3月分(将来債権

1・2月分がすでに報酬が発生済みの債権であるのに対し、3月分は将来の見込み債権です。

このため、バンカーズでは有効な担保は2カ月分としています。

右田さん
右田さん

3月になったばかりだから、3月分の介護報酬はまだ発生してないんだ。

カバー率は72.4%

そして、バンカーズでは介護事業者の過去の実績などから、1カ月分の債権の担保評価額を1,086万円と算定しています。

これが2カ月分あって、融資額は3千万円ですので、

  • 2カ月分の担保評価額:2,172万円
  • 融資額:3,000万円
  • → 担保のカバー率:2,172万円÷3,000万円=72.4%

担保でカバーできているのは融資額全体の72.4%としています。

左野くん
左野くん

融資全体をカバーできてないってヤバイよ!

タロウさん
タロウさん

のちほど説明します!

借り手の銀行口座に質権設定

なお、バンカーズは上記担保とは別に社保国保から介護報酬が振り込まれる借り手の銀行口座に質権を設定します。

借り手が返済不能となった場合は質権を実行し、この口座のお金を回収します。

タロウさん
タロウさん

ここまで案件の説明でした!

バンカーズ医療ファンド第2号案件の分析

それでは、バンカーズ医療ファンド第2号案件で元本を回収できるかを考えます。

 

手形案件の元本は回収できる

上の方で示した手形割引の解説記事で説明していますが。

手形案件で元本を回収できるかは、手形の振出人(下の図ではSONY)が予定通り支払うか次第です。

バンカーズは手形割引を行うのに先立って、振出人の支払い能力を審査済みです。

支払える確信があった上で手形割引を行っています。

左野くん
左野くん

でも、万が一があるんじゃない?

そこで、振出人が支払えない場合は手形の割引依頼人(上の図の工場)に手形の買い戻しを求めることができる契約にしています。

これらの手法を駆使し、バンカーズはこれまで10年間、手形割引で不渡りを起こしていません。

ですので、手形案件で元本は高い確率で回収できると考えます。

タロウさん
タロウさん

もちろん100%ではありませんが!

 

介護報酬案件の元本も回収できる

介護報酬案件で借り手に貸した3,000万円を回収できるか?

いくつかのパターンで考えてみます。

1.借り手が普通に返済できる場合

まず、借り手が普通に期限までに返済できるケースです。

借り手の医療サポート事業者の経営者はメガバンクや外資系銀行などを経て2016年に同社を創業しました。

初年度から介護報酬債権の買取事業を行っており、2020年度までの買取実績は約60億円です。

創業2年目から4期連続の黒字経営で、今期も黒字の見込みです。

資金残高は常時2億2千万円以上を維持しています。

これらの状況から、借り手が普通に返済できる可能性が高いと思います。

タロウさん
タロウさん

バンカーズがまともな相手に融資するってことです!

2.介護事業者が経営破綻した場合

例えば、3月1日にデポドンの直撃を受けて介護事業者が経営を継続できなくなった場合。

右田さん
右田さん

いきなりテポドン。

  • 1月分(発生済債権)
  • 2月分(発生済債権)
  • 3月分(将来債権)

3月分の債権は介護報酬ゼロですので、借り手は2カ月分しか回収できなくなります。

つまり、借り手はバンカーズに返すお金の3分の2しか用意できない状態です。

ですが、バンカーズのサイトには以下の記載があります。

介護事業者が破綻した場合でも(中略)借り手は全財産をもって返済する義務を負っている(後略)

上述の通り、借り手は常時2億2千万円以上の資金を保有しています。

そのお金で返してくれればOKなので、元本は回収できます

左野くん
左野くん

借り手が金持ちでなにより。

3.借り手が経営破綻した場合

次に、3月1日に借り手にデポドンが直撃した場合。

右田さん
右田さん

まだ言うか。

バンカーズは借り手が保有する3カ月分の債権に譲渡担保を設定しています。

  • 1月分(発生済債権)
  • 2月分(発生済債権)
  • 3月分(将来債権)

1月分と2月分は期日になれば社保国保からお金が入ってきます。

3月分についても介護事業者が事業を継続していれば、介護報酬が発生していずれバンカーズにお金が入ってきます

何らかの事情で元本の返済が遅れるかもしれませんが。

早いか遅いかの違いだけで、最終的には元本を回収できます

左野くん
左野くん

介護事業者から直で回収するってことだ。

4.借り手と介護事業者がともに経営破綻した場合

3月1日にテポドンが借り手に、ノドンが介護事業者に直撃した場合です。

右田さん
右田さん

増やすな!

  • 1月分(発生済債権)
  • 2月分(発生済債権)
  • 3月分(将来債権)

バンカーズは3カ月分の債権に譲渡担保を設定しています。

しかし、介護事業者がノドン直撃で3月の介護サービスを行えないので、3月分の債権が価値ゼロになります。

したがってバンカーズは、

  • 2カ月分の担保評価額:2,172万円
  • 融資額:3,000万円
  • → 回収不能額:3,000万円-2,172万円=828万円

828万円の回収不能になります。

融資額3千万円の28%ですので、投資家が元本の3割弱の損失を受けます。

左野くん
左野くん

ヤバい!

元本毀損の可能性は低い

ということで、理屈の上では元本が毀損される可能性があります。

ただ、4期連続黒字で資産2億円以上の借り手が破綻するのは、それこそテポドンが直撃でもしない限りありえないと思います。

また、介護事業者についてはコロナのクラスター発生など、借り手よりは破綻への選択肢が多いとは思いますが。

いずれにしても両者がともに破綻する可能性は、RimpleとRENOSYとPARTNERS Fundingで同時当選するよりも低いのではないでしょうか?

タロウさん
タロウさん

限りなくゼロの3乗です!

以上より、今回の案件で元本が回収できる可能性は極めて高いと考えます。

バンカーズ医療ファンド第2号案件の投資判断

それでは最後に、バンカーズ医療ファンド第2号案件で投資するかの判断です。

 

20万円で投資

手形案件については心配していません。

介護報酬案件も運用期間が12カ月なので、借り手が破綻する可能性は低い。

介護事業者はコロナのクラスターで営業停止は可能性としてある。

でも、両者ともにアウトは極めて可能性が低いですよね?

したがって、今回の案件のリスクは高くないと判断します。

ただ、前回の4カ月に比べて今回は12カ月と運用期間が長いので、投資額は減らして20万円とします。

 

3月にも期待

バンカーズは運営開始の際に次のように表明しました。

  • 月に1回
  • 3~5千万円を募集

現在のところ、ほぼ表明通りで来ています。

案件 募集開始 募集額
不動産第1号 12月15日 2,200万円
医療第1号 1月15日 5,500万円
医療第2号 2月2日 3,300万円

毎月、募集があるのはうれしいですね。

次回は3月でしょうか?

会員が増えてきていると思うので、次回は募集額のアップを期待します。

タロウさん
タロウさん

次も投資します!

コメント

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系」とは、運営会社やその親会社が上場企業であることを指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと考える投資家が多いです。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

ソーシャルレンディングの仕組み

案件の募集で集められた投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこない場合があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。