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CRE Funding第10号厚木愛川に投資するか?【案件分析】

CRE Fundingの第10号案件の募集が行われます。

CREはいつも早めで1週間くらい前に公開してくれるので助かりますね。

この案件に投資すべきか?

内容を分析し、投資の是非を判断します。

タロウさん
タロウさん

今回はリファイナンス案件です!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に2億円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

CRE Funding第10号案件の概要

まず、第10号案件の概要です。

 

CRE Fundingとは?

CRE Fundingは2020年2月に運営を開始したソーシャルレンディングです。

基本情報は以下の通りです。

サービス名 CRE Funding
運営会社 シーアールイー
運営開始 2020年2月
最低投資額 1万円
利回り 2.5~3%
運用期間 8~24カ月

実質的な運営会社は物流不動産大手のシーアールイー(以下、CRE)です。

売上高400億円の東証一部上場企業で、業績は好調です。

CRE Fundingで投資家の資金を借りるのも、実質的にCREです。

東証一部上場企業が投資家から借りた資金を踏み倒すなど考えにくく、ガチガチに硬い投資先と僕は考えています。

左野くん
左野くん

東証一部は安心だね。

●公式サイト:CRE Funding(FUELオンラインファンド)

CRE Fundingについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

CRE Fundingの評判・リスク・特長など徹底調査!5000万円投資してきた現役投資家が解説
累計投資額5000万円の現役投資家が、CRE Fundingの評判、口コミ、特長、デメリットなどを実体験から解説します。メリット、運営会社と経営者、リスク、投資の際の注意点と対策についても紹介します。

 

CRE Funding第10号案件の基本情報

CRE Funding第10号案件の基本情報は以下の通りです。

  • 案件名:CRE物流ファンド10号厚木愛川
  • 利回り:2.5%
  • 運用期間:12カ月
  • 募集総額:8,700万円
  • 最低投資額:1万円
  • 投資単位:1万円
  • 投資上限:なし
  • 分配:半期ごと
  • 募集開始:2021年2月25日19時
  • 募集方式:先着方式

前回は運用期間が24カ月だったので、僕は鉄のマイルールで投資を見送ったのですが。

今回は12カ月です。

タロウさん
タロウさん

あざっす!

 

CRE Funding第10号はリファイナンス案件

今回の第10号案件は第1~4号案件のリファイナンス(借り換え)案件です。

CRE Funding第1~4号案件

CRE Funding第1~4号は2020年の2月から5月にかけて募集が行われました。

案件 利回り 運用期間 募集額
第1号 3.0% 12カ月 1,000万円
第2号 2.5% 11カ月 3,000万円
第3号 3.0% 10カ月 2,500万円
第4号 3.0% 9カ月 3,500万円

投資家の資金の貸付先が神奈川県内の倉庫を取得します。

そして運用期間の最後に、倉庫をCREグループの別ファンドに売却し元本を返済する予定でした。

計画が狂った

ところで、この倉庫には図面にない増床、増築部分がありました。

そのため当初は、

  1. 増床、増築部分を是正する
  2. 是正してから売却する

という計画でした。

タロウさん
タロウさん

ところが、すっとこどっこい!

倉庫を借りて使っている物流業者に、増床、増築部分がないと作業に支障が出るなどの事情があったのでしょう。

当面の間、

  1. CREグループの別ファンドへは売却せず
  2. 現状のまま運用を続ける

ことになったのです。

右田さん
右田さん

計画通りにいかなかったんだ。

1~4号返済のためにリファイナンス

そうなると困るのは1~4号に投資した投資家です。

倉庫を売却した代金で1~4号の投資家のお金を返す予定だった。

売却できないと返せなくなります。

何を隠そう、わたくし小心タロウさん、1号に50万円投資しています。

タロウさん
タロウさん

ワイの50万、返さんかい!

そこで、

  1. 今回の10号で投資家からお金を集め
  2. 1~4号の元本返済にあてる

ことにしました。

これがリファイナンス(借り換え)です。

なので、僕が10号に50万円投資すると、僕の50万円で僕の50万円を返すことになります。

なんか変な感じ。笑

左野くん
左野くん

金が無意味に回ってる!

右田さん
右田さん

セルフ救済w

 

リファイナンスの説明が不十分では?

一つ指摘しておきたいのですが。

今回の案件、リファイナンスに至る経緯の説明が不十分だと思います。

CRE Fundingサイトでの説明

今回のリファイナンスについて、CRE Fundingはサイトで次のように説明しています。

当該箇所の是正が現時点では困難であると判断されることから、リファイナンスによって現状のまま運用を継続することと致しました。
これに伴い(中略)本リファイナンスのための資金をCRE Fundingによって調達致します。

  1. 増築部分の是正ができない
  2. 現状のまま運用継続する
  3. これに伴いCRE Fundingでリファイナンスする

書かれてあること自体は事実です。

しかし、1と2の間で説明すべきことが抜けていると思います。

左野くん
左野くん

なにが?

1~4号案件の事業計画

1~4号案件の事業計画には次のように書かれていました。

本ファンドは対象不動産を売却し、その売却資金により借入金の返済を行います。
売却先としては、上記遵法性懸念事項について運用期間中に是正を行い、CREグループが運用する別ファンドを予定しています。
運用期間中に当該是正が行われない場合は、株式会社シーアールイーへ譲渡する予定です。

重要なのは3段落目です。

  1. 増築部分の是正ができない場合は
  2. CREに譲渡する
右田さん
右田さん

CREに譲渡する予定だったんだ。

事業計画が変わった理由の説明がない

CREに譲渡する予定だったのに、なぜ譲渡しなかったのか?

1号に投資している僕としては、

  1. 現在の借り手が付いたままの状態で
  2. CREに譲渡すれば良い

と思うのです。

そうすれば、予定通り償還できるし、借り手も現状のまま倉庫を利用できます。

タロウさん
タロウさん

なぜCREに譲渡しないの?

予定が変わったのだから説明すべき

当初のCREに譲渡するという予定が変わった。

であるならば、予定が変わった理由は説明されるべきではないでしょうか?

上述の通り、CRE Fundingサイトではリファイナンスの経緯を次のように説明しています。

  1. 増築部分の是正ができない
  2. 現状のまま運用継続する
  3. これに伴いCRE Fundingでリファイナンスする

僕は下の2と3も書かれるべきであると思います。

  1. 増築部分の是正ができない
  2. その場合はCREに譲渡する予定だった
  3. だが○○の理由で譲渡はできない
  4. よって現状のまま運用継続する
  5. これに伴いCRE Fundingでリファイナンスする

予定は未定なので変わること自体はしょうがないです。

ただ、投資家に示した予定が変わったのであれば、投資家に対しその理由が示されて然るべきだと僕は思います。

左野くん
左野くん

相変わらず細かいやっちゃなぁ。

タロウさん
タロウさん

重箱の隅が気になるもので…

 

リファイナンス自体は大歓迎

なお、誤解のないように申し添えますと、リファイナンス自体は大歓迎です。

今回のリファイナンスはグリフラやクラリのような自転車リファイナンスではありません。

東証一部上場企業に普通預金の数千倍の利回りでお金を貸せる。

めっちゃ美味しい話です。

CREの業績が好調である限り、永遠に借りてほしいくらいです。

経緯の説明に不満があるだけで、リファイナンスはウェルカムです。

右田さん
右田さん

銀行預金で2.5%とかありえないもんね。

CRE Funding第10号案件の分析

次に、分配金と元本紹介について見ていきます。

 

分配金は受け取れるか?

まず、分配金は倉庫の賃料から支払われます。

今回の案件ではまずCREが倉庫を借り、左下のテナントに又貸しします。

そして、テナントの賃料支払の有無に関わらず、CREが賃料を支払う賃料保証契約になっています。

ですので、CREが倒産しない限り分配金は受け取れます

 

元本は回収できるか?

CREの連帯保証付き

次に元本ですが、今回の案件はCREの連帯保証付きです。

ですので、CREが倒産しない限り元本は回収できます。

左野くん
左野くん

東証一部の連帯保証は強い。

担保は有効か?

では、CREが倒産した場合ですが。

1~4号は無担保でしたが、今回は倉庫が担保になっています。

そして、この倉庫の担保評価額に関連して、CRE Fundingは次のように示しています。

  • 投資家元本:8,700万円
  • 直接還元法による評価額:2億100万円
  • 上記の還元利回り:5.1%

この還元利回り5.1%が妥当であれば、評価額も妥当となります。

右田さん
右田さん

余裕で元本を回収できる。

還元利回りではよく分からない

そこで、物件の近隣にある倉庫について調べてみました。(A~CはNCF利回り)

物件 逐年 延床面積 還元利回り
A 2015年3月 40,942平米 4.5%
B 2016年6月 76,856平米 4.1%
C 1981年10月 16,470平米 4.8%
10号 1998年11月 999平米 5.1%

延床面積が違いすぎて参考にならないような気もするのですが。

10号の5.1%が相場より高すぎないならば、評価額2億100万円は相場より低すぎないと言えるでしょう。

左野くん
左野くん

イマイチ安心できないよね。

「評価額=収益÷利回り」なので、評価額と利回りは反比例します。

土地代で元本をカバーできる

そこで、土地代で元本を回収できないか考えてみます。

都合よく物件から50mの場所の地価公示があり、平米46,400円でした。

物件の敷地面積は1,888平米なので、

  • 投資家元本:8,700万円
  • 土地代:46,400円✕1,888平米=8,760万円
右田さん
右田さん

ギリギリカバーできる。

土地の実勢価格は公示地価の1.2倍くらいと言われています。

それで考えると土地代は1億500万円です。

投資家元本の8,700万円は十分に回収できるのではないでしょうか。

 

恐れ多いことは承知しております!笑

なお、CREは物流施設を専門に扱う不動産会社です。

そのCREの評価額の妥当性を不動産ド素人の僕が検証するなど、恐れ多いこと甚だしきは十二分に承知しております。

ただ、ピヨピヨですが投資家である以上、出された数字を「ハイそうですか」と受け取るわけにはいかないものでして。

CREさん、ご気分害されましたらご容赦を。

タロウさん
タロウさん

すません!

CRE Funding第10号案件の投資判断

それでは最後にCRE Funding第10号案件に投資するかの判断です。

 

50万円で投資します

セルフ救済します。笑

業績が好調な東証一部上場企業の連帯保証付きです。

僕はCRE FundingはCREの社債のつもりでいます。

運用期間がマイルールの12カ月以内であれば投資します。

担保も硬そうですし、元本割れすることはないでしょう。

左野くん
左野くん

損することはないよと。

 

キャンペーンで利回りアップ!

利回りが2.5%とさみしいのですが、今回の案件はキャンペーン対象です。

初めて投資する人は1%、2回目以降の人も0.5%のキャッシュバックが付きます。

ですので僕の場合、利回りは実質3%です。

タロウさん
タロウさん

CREで3%はマックスです!

 

今後も積極的に投資

募集開始は2月25日19時

今から会員登録すれば間に合うでしょう。

CRE Fundingはおおむね月イチペースで募集しています。

東証一部の社債並みの硬さ。

今後も積極的に投資していきます。

タロウさん
タロウさん

主力投資先にします!

●公式サイト:CRE Funding(FUELオンラインファンド)

CRE Fundingについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

CRE Fundingの評判・リスク・特長など徹底調査!5000万円投資してきた現役投資家が解説
累計投資額5000万円の現役投資家が、CRE Fundingの評判、口コミ、特長、デメリットなどを実体験から解説します。メリット、運営会社と経営者、リスク、投資の際の注意点と対策についても紹介します。

コメント

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

デビュー案件

業者が運営を開始後、初めて募集する第1号案件のことを、このブログではデビュー案件と呼んでいます。

このブログが独自に使っている用語であり、一般用語ではありません。

デビュー案件は一般に安全性、利回りともに高いことが多いです。

また、運営開始直後で会員がまだ少ないため、競争率が低く投資しやすいです。

デビュー案件はおすすめだと僕は思っています。

軍用地案件

軍用地案件はソーシャルレンディングのPocket Fundingが扱っている案件です。

担保が投資用不動産として人気が高い軍用地であるため、元本をほぼ確実に回収できることから、安全性が非常に高い人気の案件です。

なぜ、軍用地案件で元本をほぼ確実に回収できるのかは、この狭いスペースでは説明できません。

3分で読めますので、こちらの記事を参照してください。

軍用地案件の安全性が高い理由

1棟アパート、1棟マンション

不動産クラウドファンディングで「1棟アパート、1棟マンション」という表現を使う場合、アパートやマンション丸々1棟が投資対象であることを表します。

逆に投資対象が部屋単位である場合は「区分マンション」という表現を使います。

(区分アパートというのは聞いたことがありません)

海外案件

ソーシャルレンディングでは投資家のお金を借りるのが海外の企業であったり、借り手が日本企業であっても資金使途が海外企業への出資であるなど、投資家のお金の最終的な行先が海外である案件を海外案件といいます。

不動産クラファンでは投資家のお金で取得するのが海外の不動産である案件を海外案件といいます。

一般に海外案件は利回りが高い一方、海外ゆえにリスクが高くなることが多いです。

投資においてリターンとリスクはワンセットであり、ハイリターン・ローリスクはありえません。

初心者は海外案件には手を出さないことを強くおすすめします。

分散投資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分散投資とは、利用する業者や投資する案件、案件のタイプなどを集中させず、複数に分ける投資手法のことです。

例えば、ソシャレンで1つの業者だけを使っている場合、その業者が倒産するとすべての資産を失うことになります。

また、不動産クラファンで東京の物件だけに投資していると、東京の地価の下落が全投資額に影響を及ぼしますよね?

分散投資をすることで大きな被害を防ぎ、万が一の場合でも被害を小さく済ませることができます。

事故

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで分配金の支払いや元本の償還が遅れたり、元本が戻ってこなくなるなどのトラブルを、このブログでは「事故」と表現しています。

業者

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングの運営会社のことを、このブログでは「業者」と呼んでいます。

FundsやCREAL、バンカーズ、いずれも業者です。

Fundsのサイトの画像

「事業者」という表現を使っているメディアもあります。

満了

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで募集額満額の応募が集まることを、このブログでは「満了」と表現しています。

募集額1億2千万円の案件で、応募が1億2千万円集まった状態が満了です。

満了のイメージ画像

「完売」という表現を使っているメディアもあります。

担保順位

1つの担保に複数の貸し手がいる場合の、貸したお金を回収する優先順位のことです。

例えば、評価額1億円の土地を担保に3者が下のように融資したとします。

担保順位 貸し手 融資額
第一順位 悪徳銀行 6千万円
第二順位 腹黒信金 2千万円
第三順位 山田さん 1千万円

借り手が返済できなくなり担保を処分するも、8千万円でしか売れなかった。

この場合、まず悪徳銀行が6千万円を回収、次に腹黒信金が2千万円を回収します。

第三順位の山田さんは1円も回収できません。

ソシャレン業者の担保順位が低い場合は注意が必要です。

源泉徴収税

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングでは、業者が20.42%の所得税を引いてから投資家に分配金を支払います。

この20.42%の所得税のことを源泉徴収税といいます。

引かれた源泉徴収税は業者が税務署に納めます。

壁芯面積

マンションの部屋の面積を測る際に、壁の中心線を基準に出した面積を壁芯面積といいます。

一方、我々が普通に使う壁の内側の線を基準に出した面積は内法面積です。

壁芯面積と内法面積の説明図

1口単位と最低口数

1口単位とは投資できる金額の単位です。

例えば1口=10万円の案件では、20万円、70万円と10万円単位で投資できます。

ですが、13万円や99万円では投資できません。

最低口数とは投資する際に最低限必要な口数です。

例えば以下の案件の場合、

  • 1口単位:1万円
  • 最低口数:2口

最低2万円から1万円単位で投資できます。

右田さん
右田さん

2万円の次は3万円だよ。

こんな感じに別ウィンドウが開き、ここで用語の解説などをします。

右下の「close」か別ウィンドウの外の部分をタップすると、別ウィンドウが閉まり記事に戻ります。

不成立

不成立とは案件の募集を行ったが、事情により案件を実行できなくなることです。

例えば、応募が最低成立金額に達しない場合、案件を実行できず不成立となります。

また、不動産クラファンで応募は順調に集まっていたものの、取得予定だった不動産に不備が見つかったため取得が中止になり、案件が不成立となることもありえます。

逆に成立は応募が集まり案件を実行できるようになることです。

最低成立金額

例えば、ソーシャルレンディングで「投資家から5千万円集めて企業に貸す」という案件があるとします。

この案件を募集して10万円しか集まらなかったら、ぜんぜん足りないので貸せませんよね?

でも、不足が数百万円ならば、その分は業者が自社で資金を出して合計5千万円とし、企業への融資を実行できるかもしれません。

そこで、業者が募集の際に「4千万円以上集まれば、満額集まらなくても不足分は自社で負担して融資を実行します」と約束します。

この場合の4千万円が最低成立金額です。

つまり、最低これだけ集まれば案件を実行しますよというラインのことです。

貸付金利

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を企業などに貸し、得られた利益を投資家に分配します。

例えば、企業に7%で貸し、ソシャレン業者が利益を2%取り、5%を投資家に分配します。

ソーシャルレンディングの貸付金利の説明図

企業に貸す際の金利(上図の7%)が貸付金利です。

上場企業系

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで「上場企業系の業者」とは、業者自身やその親会社などが上場企業である業者を指します。

上場企業は信用力が高いことから、上場企業系の業者が運営するソシャレン、不動産クラファンは信頼性、安全性が高いと多くの投資家に認識されています。

ただし、「上場企業系=100%安全」とは限らないので注意が必要です。

運用と運用期間

不動産クラウドファンディングにおいて運用とは、投資家から集めた資金で取得した不動産を、賃貸したり売却したりすることで利益を生み出すことをいいます。

運用を行う期間は案件ごとにあらかじめ決められており、これを運用期間といいます。

マスターリース契約

不動産クラウドファンディングでは投資家の資金で不動産クラファン業者が物件を取得し、入居者から家賃を得ます。

しかし、入居者が見つからなければ家賃が入らず、投資家が分配金を得られなくなります。

そこで、不動産クラファン業者が不動産業者と次のような契約を結びます。

  1. 不動産クラファン業者が不動産業者に部屋を貸す
  2. 不動産業者が入居者に部屋を貸す
  3. 入居者が見つからなくても不動産業者は毎月の家賃を不動産クラファン業者に払う

マスターリース

これがマスターリース契約です。

マスターリース契約により投資家は入居者が見つからないリスクから隔離され、投資の安全性が向上します。

部分当選

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集には、早い者勝ちの先着方式の他に、応募した人の中から投資できる人を抽選で決める抽選方式があります。

抽選方式では、50万円で応募して当選したら50万円投資できるのが基本です。

しかし、50万円の内、30万円分だけ当選する(=30万円だけ投資できる)こともあります。

これが部分当選です。

当選者の最後の1人が残額を割り当てられて部分当選になる場合の他、多くの人を当選にするために業者が全員を部分当選にする場合などがあります。

借り手企業

ソーシャルレンディングでは投資家から集めたお金を、ソシャレン業者が企業に貸します。

投資家のお金を借りるのが借り手企業です。

ソーシャルレンディングの仕組み

そして、借り手企業が支払う利息が、投資家が受け取る分配金となります。

一方で、借り手企業が倒産したり返済不能になると、投資家のお金が戻ってこないことも。

ソーシャルレンディングのリスク

ですので、ちゃんと返済できるのか?ソーシャルレンディングでは借り手企業の見極めが非常に重要です。

満室賃料

満室賃料とは、その物件が満室の場合に得られる想定賃料のことです。

全4室の1棟アパートで、各部屋の賃料が以下の場合、

  • 101号室:4.5万円
  • 102号室:4.5万円
  • 201号室:5.5万円
  • 202号室:5.5万円

満室賃料は月間20万円、年間240万円です。

空室リスク

空室リスクとは投資対象物件に入居者がつかず、空室で家賃収入を得られなくなるリスクです。

匿名組合型と任意組合型

不動産クラウドファンディングを含む不動産特定共同事業は、主に匿名組合型と任意組合型に分かれます。

主な違いは一般に下表の通りです。

匿名組合型 タイプ 任意組合型
匿名組合契約 契約 任意組合契約
なし 物件の所有権 あり
少なめ 最低出資額 多め
短め 運用期間 長め
有限責任 責任 無限責任
雑所得 所得区分 不動産所得

物件が倒壊して隣接する建物に被害が及んだ場合、任意組合型では出資額を超えて賠償責任が発生します。

匿名組合型の場合は責任範囲は出資額が上限であり、最悪でも全損で済みます。

任意組合型は所得区分が不動産所得で有利なため、相続など節税対策に使われることが多いです。

不動産クラファンではほとんどの案件が匿名組合型です。

不動産特定共同事業

不動産特定共同事業は次のような事業です。

  1. 複数の投資家から出資を受け
  2. 集まった資金で不動産を取得、運用し
  3. 得られた利益を投資家に分配する

多くの場合、1億円の1棟マンションを100口の持ち分に分割し、1口100万円で販売するといった、不動産小口化商品の形を取ります。

不動産特定共同事業のうち、募集などをインターネットを使って行うのが不動産クラウドファンディングです。

不動産小口化商品

不動産小口化商品は不動産を小口の持分に分割して販売する不動産投資商品です。

例えば、1億円の1棟マンションを1口100万円の持分100口に分割し、1口単位で販売します。

仮にこのマンションで1,000万円の利益が出た場合、1口投資した人は10万円、5口投資した人は50万円を得るイメージです。

不動産クラファンの場合、持分には利益の分配を受ける権利が含まれますが、物件の所有権は含まれません。

 

デポジット口座

デポジット口座とは業者内で投資家ごとに設置されるお財布のようなものです。

デポジット口座方式の業者では、投資家は事前に銀行から業者にお金を振り込み、そのお金は業者内のデポジット口座で保管されます。

デポジット口座

そして、デポジット口座のお金で案件に投資します。

また、分配金や償還された元本はデポジット口座で保管され、投資家が必要なときに出金申請し、自分の銀行口座に引き出します。

デポジット口座

 

売却リスク

不動産において、物件が予定通りの価格で売却できない、もしくは、売却そのものができない可能性を売却リスクといいます。

売却リスクが現実化すると、投資家には次のような不利益が生じる場合があります。

  • 分配金が予定額を下回る
  • 分配を受けられない
  • 元本の一部が戻ってこない
  • 元本のすべてが戻ってこない

流動性

不動産において、売買のしやすさや、現金化のしやすさを流動性といいます。

都心の一等地など需要が高く売りやすい物件は「流動性が高い」、逆に農村の空き家など需要が低く売りにくい物件は「流動性が低い」です。

譲渡

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングで自分の出資持分(利益の分配や元本の償還を受ける権利)を、第三者に譲り渡すことを譲渡といいます。

例えば、〇〇FUNDINGで10万円投資し、それを第三者(〇〇FUNDINGを含む)に10万円(もしくはそれ以外の金額)で買い取ってもらうイメージです。

入金と出金

投資するお金をソシャレン、クラファン業者の銀行口座に振り込むことを入金といいます。

運用が終わったお金が業者から投資家の銀行口座に振り込まれることを出金といいます。

元本

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、投資家が出資(投資)したお金のことを元本といいます。

リフォームとリノベーション

リフォーム、リノベーションともに、住宅の改修や改築を指します。

両者の違いはリフォームは「元の状態に戻す」ことであり、例えば壁の張替えや外壁の塗替えはリフォームです。

対して、リノベーションはリフォームよりも大がかりな改修、改築を行うことで「住宅の機能や価値を高める」ことを指します。

例えば、床暖房の新設や、壁を撤去して広々としたLDKへの間取りの変更はリノベーションです。

リフォームが老朽化で800万円に下がった物件の価値を元の1,000万円に戻すのに対し、リノベーションでは機能を付加して1,200万円に高めるイメージです。

分配と分配金

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、運用で得られた利益を投資家に支払うことを分配といいます。

また、支払われる利益を分配金と呼びます。

案件

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで、募集される1つ1つの投資商品のことを案件と呼びます。

この用語は次のように使われます。

  • 〇〇業者から新しい案件が出た
  • 今度の案件は利回りが高い
  • 先週は△△案件に10万円投資した
  • □□業者は先月は3案件募集があった
  • ◇◇案件に応募したが抽選で落選した

すいません、上手く説明できなくて。

区分マンション

マンションを部屋単位で購入し投資する場合、「区分マンションに投資する」といった表現をします。

対して、1棟単位で購入、投資する場合は「1棟マンションに投資する」といいます。

独立した部屋1つ1つが区分マンションであり、面積や間取りを問いません。

ワンルームでも4LDKでも区分マンションです。

大島てる

大島てるは全国の事故物件情報を掲載するウェブサイト、及び、そのサイトを運営する会社の名称です。

先着方式と抽選方式

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの募集方式は2つあります。

一つは募集開始と同時によ~いどんで早い者勝ちで投資できる人が決まる先着方式です。

もう一つは募集期間中に応募した人の中から抽選で投資できる人を決める抽選方式です。

成立前書面

成立前書面(契約成立前書面、契約締結前交付書面)は、ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングで案件に応募する前に確認する書類です。

確認することで応募できるようになります。

成立前書面の確認画面

案件の詳細情報や契約内容などが書かれており、契約書に相当するものだと考えてください。

多くの業者で募集開始前から確認が可能です。

サイトに書かれていない情報も多いので、事前に必ず確認することを強くおすすめします。

モニタリング

ソーシャルレンディングにおいてモニタリングとは、借り手が融資契約を守れるか、ソシャレン業者が監視することをいいます。

業者によって異なりますが具体的な作業としては、定期的な借り手企業の訪問、経営者などへのヒアリング、財務書類のチェックなどがあります。

定期的にモニタリングを行うことで借り手の異常などを早期に察知し、貸し倒れを防ぐことができます。

このため、業者のモニタリングの実施とその精度は投資家にとって重要です。

あと入金と事前入金

投資するお金を業者に入金する方法は2つあります。

一つは先着や抽選の結果、投資できることが決まってから業者の口座に振り込むあと入金方式です。

もう一つは募集開始前に業者のデポジット口座への入金が必要な事前入金方式です。

デポジット口座

デポジット口座のお金は応募した案件への出資に充当されます。

ただし、抽選に落選などで投資できなくなると、入金したお金がデポジット口座で寝ることになります。

さらに、このお金を自分の口座に出金する際の振込手数料が投資家負担の業者もあります。

投資家にとってはあと入金の方が有利です。

 

早期償還

ソーシャルレンディングで借り手が予定より早く返済したり、不動産クラウドファンディングで物件が予定より早く売れることがあります。

そういった理由で案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に返済できる借り手、売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損(元本割れ)とは投資したお金の一部、または、すべてが戻ってこなくなることです。

例えば、不動産クラウドファンディングで2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなった、ソーシャルレンディングで借り手企業が倒産したなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

インカムゲイン型の案件では、最初から自社買取の予定で案件を組成することもあります。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円のマンションを取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%
合計 3,000万円

そして、劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

右田さん
右田さん

数字が大きいほど安全だよ。

なぜ高いほど安全なのか?

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が利払いや元本の返済をすることや、連帯保証人が借り手に代わってそれらを行うことが債務履行にあたります。

逆に、借り手が経営悪化などに至り、利払いや元本返済をしない(できなくなる)ことが債務不履行です。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで分配金の支払いや元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。