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信長ファンディング第3号案件に投資するか?【案件分析】

信長ファンディングから第3号案件が出てきました。

前回、前々回は名古屋のアパートでしたが、今回は岐阜の1棟マンションです。

名古屋の不動産業者らしいですね。

この案件に投資するか?

内容を分析し投資の是非を判断します。

タロウさん
タロウさん

今回も難しいです!

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に1億9千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

信長ファンディング第3号案件の概要

まずは案件の概要から見ていきましょう。

 

信長ファンディングとは?

信長ファンディングは2020年11月に運営を開始した不動産クラファンです。

サービス名 信長ファンディング
運営会社 株式会社ウッドフレンズ
運営開始 2020年11月
最低投資額 10万円
利回り 5~6%
運用期間 12カ月

運営会社のウッドフレンズは名古屋に本社を置く不動産会社で、ジャスダック上場企業です。

右田さん
右田さん

上場してるのはポイント高いね。

●公式サイト:信長ファンディング

 

信長ファンディング第3号案件の基本情報

信長ファンディング第3号案件の基本情報は以下の通りです。

  • 案件名:信長ファンド3号
  • 利回り:5.3%
  • 運用期間:12カ月
  • 劣後出資比率:20%
  • 分配:満期一括
  • 募集総額:3,680万円
  • 出資単位:10万円
  • 最低出資額:10万円
  • 出資上限:1人1,000万円
  • 募集方式:先着方式
  • 募集期間:2021年3月25日12時~4月5日17時

先週木曜日に情報開示し、今週木曜日の募集開始です。

信長ファンディングはいつも成立前書面も含めて早めに情報開示してくれるので良いですね。

タロウさん
タロウさん

助かってます!

 

信長ファンディング第3号案件の投資対象物件

今回の投資対象物件は名鉄岐阜駅から徒歩11分の1棟マンションです。

岐阜といえばJトラストの藤澤大先生の出身地ですね。

  • 物件名:コレクション岐阜駅
  • 所在地:岐阜市老松町1番地
  • 築年:1985年1月
  • 構造:RC6階建て
  • 最寄り:名鉄岐阜駅 徒歩11分

築35年の物件で、ウッドフレンズ(信長ファンディングの運営会社)が取得後にリニューアル工事を行っています。

 

値下げ余地は20%のはず

今回の案件の注意点です。

今回の出資状況

今回の出資状況は次のようになっています。

出資者 金額 比率
投資家(優先) 3,680万円 80%
ウッドフレンズ(劣後) 920万円 20%
4,600万円

これを見て、みなさん「あれ?」と思ったでしょう。

いくら地方都市の築古物件と言っても、4,600万円で6階建てのマンションは買えませんよね?

左野くん
左野くん

気付かなかった。

マンションの一部を取得

信長ファンディングサイトの分配シュミレーション欄に次のように書かれています。

物件価格の総額は1億3,800万円ですが、「信長ファンド3号」はその3分の1を対象とします。

また、この物件は昨年9月にウッドフレンズが取得した自社所有物件です。

つまり、こういうことです。

  1. この物件の権利の3分の1を
  2. 信長ファンド3号に移し
  3. そのうちの3,680万円分を
  4. 投資家の出資対象とする

右田さん
右田さん

ややこしい…

値下げ余地は20%?

では、物件の値下がり余地はいくらでしょうか?

今回の物件には抵当権は付いていません

ですので、1号、2号と違って今回は銀行のローンは付いていないと推測します。

また、分配シュミレーション欄には次の記述があります。

分配原資も同じく収支の3分の1とします。

つまり、利益の分配において

  1. ウッドフレンズ分(全体の3分の2)と
  2. 信長ファンド3号分(全体の3分の1)は
  3. 対等に扱われる

ということです。

であるならば、損失の分配も対等に扱われるはずです。

そして、信長ファンド3号内ではウッドフレンズが劣後出資です。

以上より、

  • ウッドフレンズ分:1,840万円
  • 信長ファンド3号分:920万円
  • 合計:2,760万円

損失が2,760万円以内であれば投資家の元本は全額償還されることになると思います。

左野くん
左野くん

結果的に20%だね。

なお、以上は銀行ローンがなく、損失の分配においてウッドフレンズ分と信長ファンド3号分とが対等に扱われることを前提としています。
本案件に投資される方は、この点について信長ファンディングに問い合わせて確認することをおすすめします
タロウさん
タロウさん

ここまで案件についてでした!

信長ファンディング第3号案件の分析

それでは、分配金の受け取りと元本が戻ってくるかを見ていきます。

 

分配金を得られるか?

まず、分配金を受け取れるかです。

必要な分配金

今回の案件で支払いが必要な分配金は195万円です。

  • 投資家の出資総額:3,680万円
  • 利回り:5.3%
  • 運用期間:1年
  • → 必要な分配金:195万円
右田さん
右田さん

利益が195万円以上出れば良いのね。

賃料利益で分配金をカバーできる

信長ファンディングサイトの分配シュミレーション欄によると、マンションの運用で得られる利益は年間861万円です。

このうち、3分の1の287万円が信長ファンド3号の取り分です。

左野くん
左野くん

195万円を超えてる。

287万円の7掛けでも201万円なので195万円をクリアします。

入居率56%で分配金ゲット

そして、この287万円は入居率が80%の場合です。

したがって、入居率が80%×0.7=56%でも195万円をクリアするということです。

以上より、分配金はまず間違いなく受け取れるでしょう。

右田さん
右田さん

よっしゃ!

ただし、売却損が出て家賃からの利益を食いつぶすと、分配金は受け取れなくなります。

 

元本を回収できるか?

次に元本回収です。

必要な売却価格は1億1,040万円

ウッドフレンズ分も含めた出資総額は1億3,800万円です。

そして、上述の通り値下げ余地は2,760万円です。

したがって、物件が1億1,040万円以上で売れれば元本は全額回収できます。

売却を前提としているはず

成立前書面には「自社(ウッドフレンズ)で買い戻す場合もあります」と書かれています。

ただ、今回の物件については、

  • ウッドフレンズが昨年9月に物件を取得した
  • 取得後にリノベーションをしている

ことから、

安く取得 → リノベで価値再生 → 高く販売 → 利益を出す

売却を前提にしているはずです。

左野くん
左野くん

売れるの?

実質利回りは12.6%

成立前書面によると、ウッドフレンズが物件を取得してから5カ月の純利益は581万円です。

年換算にすると1,394万円です。

仮に買い手が最低必要額の1億1,040万円でマンションを買った場合、実質利回りは12.6%となります。

1,394万円÷1億1,040万円=12.6%

買い手は十分付くように思います。

タロウさん
タロウさん

自信ないですけど!

利回りから還元すると1億7千万円

逆に利回りから見てみると、近隣の集合住宅や店舗付き住宅などの利回りは、NCFで6%代後半でした。

JR岐阜駅前の高層ビルでも6.5%です。

そこで、仮に今回のマンションの利回りを8%として還元すると、

1,394万円÷8%=1億7,425万円

物件価格は1億7,425万円となります。

う~ん、ありえん気が。

この価格なら1億1,040万円を楽勝でクリアで、元本回収は確実です。

タロウさん
タロウさん

僕がミスってると思います…

信長ファンディング第3号案件の投資判断

それでは、この案件に投資するかの判断です。

 

ビビって見送ります

自信がないのでパスします。

分配金は99%間違いない。

元本も恐らく大丈夫。

ただ、実質利回りが12.6%と周辺の倍近かったり

収益還元法で物件価格が1億7千万円と、評価額1億3,800万円より2割も高くなったり

どう考えても自分の分析が間違っているとしか思えないです。

右田さん
右田さん

それでブログ書くか?笑

分配金、元本ともに大丈夫だろうとは思いますが。

自分の見立てに自信を持てないのでパスします。

左野くん
左野くん

出た~っ!笑

 

修業を続けます!

不動産における情報の非対称性ってよく言われますが、不動産クラファンも然りだと思います。

もちろんそれは、クラファン業者が悪いのではありません。

僕みたいなピヨピヨ投資家のレベルが低いだけです。

ただ、現状のままでは、

  • よく分かってないまま投資する
  • よく分からないから投資しない

の二択になってしまうと思うのです。

アメリカでしたっけ?不動産の取引価格が見られるとかなれば良いのでしょうが。

ワクチン接種証明書ごときで個人情報が~っ!の日本で実現するとは思えず。

やっぱり投資家が頑張ってレベルを上げるしかないんでしょうね。

ってことで、今後も修業を続けます!

タロウさん
タロウさん

愚痴っぽくなってすまん!

 

信長第1号は順調に運用中

ところで、僕が投資した信長ファンディング第1号案件。

1月1日に物件の運用が始まり2カ月が経ちました。

アパートなんですが入居率は2カ月連続で85%

そして、分配金の支払いに必要な家賃収益の2倍以上を2カ月連続で稼いでいます

順調に運用中です!

タロウさん
タロウさん

良い感じです!

●公式サイト:信長ファンディング

コメント

  1. 匿名 より:

    下記についてウッドフレンズに問い合わせしたら、今後第4号、第5号の募集がそれぞれ1/3づつあるらしいです
    つまり現在のウッドフレンズ分が4号と5号になるんですね、
    上場企業の20%の劣後比率案件ですので、ある程度固いと判断しました

    >なお、以上は銀行ローンがなく、損失の分配においてウッドフレンズ分と信長ファンド3号
    >分とが対等に扱われることを前提としています。
    >本案件に投資される方は、この点について信長ファンディングに問い合わせて確認するこ>とをおすすめします。

    • タロウ タロウ より:

      こんにちは!

      つまり、最終的に
      3号 4,600万(3,680万+920万)
      4号 4,600万(3,680万+920万)
      5号 4,600万(3,680万+920万)
      合計1億3,800万(1億1,040万+2,760万)
      となるってことですか。
      な~るほど。

      ならば全体で劣後20ですね。
      情報提供ありがとうございました!

早期償還

案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損とは投資したお金が戻ってこなくなることです。

例えば、2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなったなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%

劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が返済することや、連帯保証人が借り手に代わって返済することが債務履行にあたります。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。