今回の記事、明確な結論がありません。
親愛なる読者諸兄姉に疑問を残す内容となっておりますのでご容赦を。
テーマは「ローンと組み合わせた不動産クラファン」です。

よく分かりまへん!
タップできる目次
TREC4号の事例
まずよくあるパターンとしてTREC Fundingの4号案件を例に出します。
劣後出資比率は10%
TREC4号は7月28日に募集が行われる案件です。
利回りや運用期間はTRECサイトをご参照いただくとして、匿名組合の出資構造は以下の通りです。
- 優先出資:1億3,000万円
- 劣後出資:1,480万円
- 出資総額:1億4,480万円
これだけ見ると「劣後10%やねぇ~」となるのですが。

違うの?
実は金融機関からの融資も入っています。
値下がり余地は4.6%
TREC4号全体では3億2,180万円
金融機関からのローンは1億7,700万円です。
図で示すとこういうことになっておりまして。
融資 | 金額 |
---|---|
金融機関 | 1億7,700万円 |
匿名組合出資 | |
優先出資(投資家) | 1億3,000万円 |
劣後出資(トーセイ) | 1,480万円 |
TREC4号全体では3億2,180万円の資金を得ていて。
その内の1億7,700万円は金融機関からのローン、残りの1億4,480万円が匿名組合出資でっせ、ってことです。

クラファンだけじゃないんだ。
返還順位は第2位のはず
ここで気になるのが元本の返還順位です。
99%ありえませんがトーセイが返済できなくなった場合、物件を処分して元本を回収することになります。
で、今回の物件には当該金融機関が第1順位の抵当権を設定しています。
したがって、元本返済(返還)の優先順位はこうなるはずです。
- 金融機関:1億7,700万円
- 投資家:1億3,000万円
- トーセイ:1,480万円
ですので、物件の値下がり余地は1,480万円÷3億2,180万円=4.6%になるのかなと。

10%ではないわけか。
ローンが入るのは必ずしも悪くない
こういうことを書くと「さてはトーセイがコソコソと悪どいことをしてやがるな、キ~ッ!」と単純反応する御仁が出てきますが。
まったくそうではありません。
トーセイは思いっきり明らかにしている
まずトーセイはサイトの投資概要欄の一番上に出資構造の図を示し、ローンが入っていることを明確に示しています。
劣後10%なんて表現も使っていません。
いくらまでの値下がりならば元本が毀損しないかのおなじみの図にも、ローン分をちゃんと入れています。
トーセイコソコソではないです。
ローンが入るメリットもある
また、ローンが入ることで「規模の大きい物件に投資できる」というメリットがあります。
分かりやすいのが(ソシャレンですが)bitREALTYのレム六本木案件です。
全体では180億円の物件ですが、その内の130億円ほどを銀行が融資しています。
そして、残りの内の数億円をbitREALTYが受け持つ。
銀行様の融資に便乗させていただくことで、我々チンケなソシャクラ投資家が六本木の1棟ビルに出資できるわけでござんす。

ソシャレンだけでは無理っす!
値下がり余地が10%から4.6%に下がるのはマイナスですが、必ずしもマイナスだけではないのです。

メリットもあるわけね。
TASUKI3号の事例
さて、もう一つ事例を挙げます。
こちらが今回の本題ですが、TASUKI FUNDSの3号案件です。
値下がり余地は25%?
本案件の出資構造ですが、さきほどと同じように図で示すとこうなります。
融資 | 金額 |
---|---|
金融機関 | 2億円 |
Funds | 5,000万円 |
匿名組合出資 | |
優先出資(投資家) | 5,000万円 |
劣後出資(タスキ) | 1億円 |
本案件の融資は2カ所から入っており、1つは金融機関、もう1つは6月に募集されたFundsのTASUKI X-Techファンド#1でまず間違いないです。
全体で4億円、劣後出資が1億円だから値下がり余地は25%かな?と思うのですが。

違うの?
Funds分の返済順位は何位?
Fundsの融資は無担保
金融機関の融資には本物件に対する第1順位の抵当権が付いています。
ですので、物件を売却した代金が最初に振り向けられるのは金融機関で決定です。
ところがです、Fundsの融資は無担保なんですよね。
物件の売却代金はFunds分の返済に充てられるのでしょうか?

物件はFundsの担保じゃないだけに。
値下がり余地は37.5%?
もし充てられないって話ならば、TASUKI投資家分が優先されて返還順位がこうなるのかな?
- 金融機関:2億円
- TASUKI投資家:5,000万円
- Funds投資家:5,000万円
- タスキ:1億円
こうなるとTASUKI投資家にとっての値下がり余地は1億5千万円÷4億円=37.5%になります。

3分の2に下がっても大丈夫。
よく分からん…
普通に考えたらFunds優先
でも、普通に考えたら返済は出資より融資が優先ですよね?
Fundsの案件説明にはノンリコースローンみたいなことも書いてないし。
それに、あとから出たTASUKI案件に投資した人の方が有利なんて話になったら、Fundsの投資家は納得しないでしょう。
Fundsがそんな下手を打つとは考えられない。
5千万円を受け取るのはTASUKI?Funds?
もし仮に、
- タスキが債務不履行になり
- 物件が2億5千万円でしか売れなかった
融資 | 金額 |
---|---|
金融機関 | 2億円 |
Funds | 5,000万円 |
匿名組合出資 | |
優先出資(投資家) | 5,000万円 |
劣後出資(タスキ) | 1億円 |
この場合、5千万円を受け取るのはTASUKI投資家なのか?Funds投資家なのか?
う~ん、分からない。
いや、業者の方に言わせれば「ま~た、ヒヨコがピヨピヨとアホなことを言うとるわいw」って話なんでしょうが。
学校で武家諸法度は習ったけど貸金業法は勉強しとらんもんね。笑
ご存じの方、コメント欄で教えて下さい!

それが結論かい!

分かりまへんねん…
タスキに問い合わせできず
ちなみに、タスキサイトの問い合わせフォームから質問したのですが、これまでに回答はありません。
問い合わせの送信ボタンを押したあと、「送信しました」表示もなく、確認メールも届かなかったんですよね。
もしかしたら問い合わせフォームにトラブルが起きているのかもしれません。
タスキさん、問い合わせできるようにしてもらえると助かります!

おなしゃす!
コメント
タロウさん、こんばんはー。
非会員なので書面とかを見ていないので、ヤマカンになりますけど、
つまりは不特法の書面の中に金融機関分も口数として記載があるわけですよね。
例えば借入が物件にあったとしても、口数に入っていなければ、全体の何分の1かがファンドに切り分けられてるだけですから匿名組合的には無関係ですし、
劣後出資として借り入れてる金額部分が裏側に入っているなら、
これまた金融機関がいるいないは無関係ですよね。
今回の案件がレンダーの分も、ファンズの分も、出資口数にカウントされているのだとすれば、
単純に素直にレンダーとファンズが最優先で、優先出資者は擬似的にジュニアローンの位置になると考えるのが自然かなーと思います。
(実際は無論、エクイティなわけですが)
不特法の口数において借入が優先出資より常に上に来るはずなので、
担保権があるかどうかは、匿名組合には無関係な事象なので、
単純に借入が上と考えれば、良いのでは?
と、私は何となく感じました。
私も単なる予想ですけど・・・
どうなんでしょうね!?
こんにちは~
自分の無知さが改めて明るみになり、夕陽の如く赤面なのですが…
融資分は成立前書面の中に「口数」としては書かれていません。
匿名組合の出資は総額1億5千で、タスキが1億、投資家が5千です。
また、書面の出資構成図には次のように書かれています。
シニアローン:金融機関(2億)
メザニンローン:Funds(5千)
優先匿名組合出資:投資家(5千)
劣後匿名組合出資:タスキ(1億)
なのでおっしゃるように、匿名組合分がジュニアの位置に来るんでしょうね。
書面を読み直してて気付いたのですが。
「対象不動産の価格、算定方法」のところに次のように書かれています。
++++++++++++
対象不動産の価格の内、2億5千はタスキの固有勘定における借入債務2億5千(金融機関+Funds)を匿名組合勘定において承継することの対価2億5千と相殺することで支払う予定
++++++++++++
また、土地は元々タスキの所有で匿名組合勘定が取得、建物はタスキの請負契約を匿名組合勘定が承継です。
これ、匿名組合が借入債務を負う、つまり、匿名組合が金融機関とFundsに2億5千を返さんにゃいかんってことですよね。
その返済原資として土地、建物の売却代金を充てまっせと。
ってことは、タスキ投資家への元本償還よりもFundsへの返済が優先されるってことか。
仮に匿名組合が返済できなくなったら?
土地に抵当権設定してるのは金融機関だけです。
土地の売却代金から金融機関が融資分を引いて、それでも余りがあったら誰が取る?
Fundsに対する債務自体は残っているから、やっぱりFunds分の返済に充てられるのか。
なんか自分が全然分かってないのが分かってきて。
怖くなってきました。
投資止めよっかなぁ。苦笑