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FUELオンラインファンドの復活はあるか?

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FUELオンラインファンドが髙島屋SLで久々の募集を行いました。

昨年11月以来、実に5カ月ぶりです。

長らく冬眠状態だったFUELですが、これで本格的に復活するのか考察します。

タロウさん
タロウさん

復活希望です!

 

この記事の著者
投資家・ブロガー
タロウ

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファディング専門の投資家です。
2018年にソシャレン・クラファン投資を始め、これまで400件を超える案件に1億9千万円以上を投資し損失ゼロ。
安全性を最重視した投資情報を発信しています。

FUELのこれまでの経緯

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まず、これまでのFUELの経緯を見ておきましょう。

 

2021年までは順調に成長

1年で募集額が倍増

2020年2月に1号CRE厚木案件でデビューしたFUELは、その後も順調に募集を続けました。

FUELの募集状況のグラフ

2021年に入ると成長は加速し、募集額は前年比254%の大幅増を達成しています。

 

融資先も増加

増えたのは募集額だけではありません。

初年度はCRE頼みでしたが、2年目の2021年には新たにADワークスなど5社が融資先に加わりました。

高島屋ソーシャルレンディング

  • ADワークス
  • さくらさくプラス
  • ディア・ライフ
  • 髙島屋SL
  • シノケン

特筆すべきは、さくらさく以外の4社がいずれも上場企業系であった点です。

左野くん
左野くん

安心して投資できるよね。

しかし、FUELが順調に成長したのはここまででした。

 

日本エスコン子会社化で暗転

日本エスコン子会社化で募集が急減

2021年12月28日、FUELは不動産業大手の日本エスコンの100%子会社になることを発表しました。

日本エスコンは東証一部上場企業(当時)で、北海道日本ハムファイターズの本拠地球場でお馴染みでしょう。

日本エスコンのサイト画像

上場企業がバックに付き、これで成長が加速すると誰もが期待したのではないでしょうか?

しかし、期待とは裏腹に子会社化後は3月にようやくCRE厚木案件が出ただけでした。

右田さん
右田さん

期待ハズレだったよね…

 

急減した原因

募集が急減した理由はよく分かりません。

可能性があるとすれば、東証一部で中部電力子会社の日本エスコングループに入ったことで、案件組成に慎重になった。

タロウさん
タロウさん

堅い社風なだけに?

他に可能性があるとすれば不動産クラファン進出の準備でしょうか?

日本エスコンは2006年9月に不動産特定共同事業の認可を受けています。

また、FUEL子会社化時のプレスリリースには次のように書かれていました。

FUELを子会社化することにより(中略)、5年10年先の新しい不動産DXビジネス(ST・CF等)に挑戦できる体制を早期に整備して参ります。

ただこちらも「5年10年先」とありますので可能性は低そうな気が。

 

日本エスコン不祥事で完全ストップ

FUEL減速のとどめとなったのが日本エスコンの不祥事です。

2022年6月17日、証券取引等監視委員会は金融庁に対し、日本エスコン子会社に対する行政処分を行うよう勧告しました。

検査結果に基づく勧告について(令和4年6月17日):証券取引等監視委員会
...

発表があった17日は金曜日でしたが、翌週火曜日がCRE羽生案件の募集日でした。

左野くん
左野くん

顔色が変わっただろうね。

上述した通り、FUELの借り手は上場企業ばかりです。

行政処分を受けたグループの企業と関わりたくないと思うのは当然でしょう。

エスコンアセットマネジメントのサイト画像

このあと、FUELは11月に高島屋5号案件を出しただけで、長い冬眠状態に入るのでした。

親会社がやらかしちゃったわけで、FUELは不運としか言いようがないでしょう。

FUELは復活するか?

FUELは復活するか?のタイトル画像

長い冬眠からようやく1案件を出したFUELですが、本格的に復活するのでしょうか?

 

FUELの運営終了はない

まず、FUELがこのまま運営を終了することは100%ないと僕は思っています。

今年2月10日に行われた日本エスコンの決算説明会の資料には、FUELがグループ会社として明記されています。

エスコングループ図

また、FUELでは3月23日付で若山勝志氏と久木野良樹氏が新たに取締役に選任されています。

FUELの人事発表

なにより、運営を終了するなら今回の髙島屋案件はなかったでしょう。

右田さん
右田さん

たしかに。

 

不動産クラファン参入の可能性も

なくすには惜しい

FUELはなくすには惜しい。

これは僕に限らず多くのソシャレン投資家の思いのはずです。

借り手の大半が上場系顔ぶれも堅い

CRE Fundingのサイトの画像

安全性ではAGクラファンのアイフル案件、Fundsの上場系案件に匹敵します。

特に僕のような元本回収至上主義のチキン野郎にとって、FUELは絶対に存在してほしい業者です。

タロウさん
タロウさん

なくすには惜しい。

 

不動産クラファン参入はあるか?

復活と合わせてFUELに期待したいのは不動産クラファンへの参入です。

日本エスコンはグループ全体で見ると、レジデンス、物流、商業施設、さらには納骨堂など、多様な不動産商品を持っています。

エスコンの商業施設

また上述の通り、不動産特定共同事業の認可は取っており、あとは電子取引業務の許可を受けるだけです。

FUELは不動産クラファン向けのシステムも開発していましたので、このあたりは問題ないでしょう。

FUELのサイトイメージ

プライム上場企業をバックに持ち、豊富な種類の案件を組成できる。

そんな業者が登場してくれたらうれしいですよね。

 

FUELの復活に期待

ということで、FUELのこれまでの経緯と今後の展開について考えてみました。

ガチ堅のソシャレン業者として、そして、魅力あるクラファン業者として。

FUELがこれまで以上にパワーアップして復活することを期待します。

左野くん
左野くん

次の案件、待ってるよ~

コメント

早期償還

案件の運用が予定より短い期間で終わり、業者が元本を予定より早く投資家に返すことを早期償還といいます。

例えば、運用期間12カ月の予定が6カ月で早期償還になると、受け取る分配金は基本的に半分になります。

ネガティブに捉えられがちですが、業者が確実に売れる物件を選んで案件を組成した証でもあります。

分配原資

分配原資とは分配金の出どころのことです。

例えば、入居者から得る家賃から投資家に分配金を払う場合、分配原資は家賃です。

家賃はインカムゲインですので、分配原資はインカムゲインとも表現できます。

組成

案件を作ることを組成といいます。

  • 投資対象は緑町ハイツ102号室で
  • 利回りは4.5%で
  • 運用期間1年
  • 募集総額2,300万円の案件を作る

こうやって案件が出来上がります。

組成 → 募集 → 運用開始 → 運用終了 → 償還

ソーシャルレンディング、不動産クラウドファンディングの案件はこのような流れで運営され、その最初の段階が案件の組成です。

元本毀損

元本毀損とは投資したお金が戻ってこなくなることです。

例えば、2,000万円で取得した物件が1,500万円でしか売れなかった場合、元本の一部が戻ってこないことがあります。

また、取得した物件が地震で倒壊し売れなくなったなどで、元本の全額が戻ってこないこともありえます。

クラファン案件の管理手数料

不動産クラファンで区分マンションなどが投資対象になる場合、物件の入居者募集や家賃徴収といった管理業務が行われます。

これらの業務は業者または外部の不動産業者が代行し、そこでは管理手数料が発生します。

案件の利回りはこういった手数料や経費も差し引いた上で計算されたものです。

ですので、投資家が管理手数料を別途支払う必要はありません。

優先出資と劣後出資

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

出資者 出資額
投資家(優先出資) 2,400万円
業者(劣後出資) 600万円
出資総額 3,000万円

この時、投資家分の出資を優先出資業者分の出資を劣後出資といいます。

なぜ、そのような言い方をするのかなど、詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

キャピタルゲイン型

不動産クラファンの案件は大きくキャピタルゲイン型とインカムゲイン型に分かれます。

投資対象物件を売却した際の売却益を分配原資(分配金の出どころ)とする案件がキャピタルゲイン型です。

一方のインカムゲイン型は運用期間中の家賃収益を分配原資とします。

なお、売却益と家賃収益の両方を分配原資とする併用型の案件もあります。

自社買取

不動産クラファンでは運用期間の最後に物件を不動産投資家など第三者に売却するのが一般的です。

しかし、何らかの事情で売却できなかった場合、自社で物件を買い取ることがあります。

売却できずに元本が戻ってこないところが、業者が買い取ることで元本が戻ってくることになるので、自社買取は投資家にとってメリットです。

劣後出資比率

不動産クラファンでは一般に投資家と業者が共同で出資し、物件を取得します。

例えば、投資家が2,400万円、業者が600万円出資し、3,000万円の物件を取得するといった感じです。

このとき、出資総額に対する業者分の出資額の比率を劣後出資比率といいます。

さきほどの例では20%です。

出資者 出資額 出資比率
投資家 2,400万円 80%
業者 600万円 20%

劣後出資比率が高いほど安全性が高まります。

詳しくは下記記事を参照してください。

優先劣後出資方式と劣後出資比率

償還

案件の運用が終わり、業者が元本を投資家に返すことを償還といいます。

クリック合戦

募集が先着方式の案件では、投資できる人が決まるのは早い者勝ちです。

このため、人気の案件では募集開始と同時に応募が殺到します。

この状態をクリック合戦といいます。

信託受益権

信託受益権とは信託財産から発生する利益を受け取る権利のことです。

詳しくは↓こちらの記事を参照してください。

信託受益権とは?(別タブで開く)

信託受益権とは?(今開いているタブで開く)

抵当権と根抵当権と極度額

抵当権とは借り手が返済できなくなった時に担保を売却し、その代金から他の債権者に優先して返済を受ける権利です。

抵当権は1つの借り入れに対して設定されるため、返済時点で消滅します。

これに対し根抵当権ではあらかじめ融資の上限額を設定し、その範囲内であれば何度でも融資と返済が可能です。

その都度、抵当権の設定登記を行う必要がないため、企業への融資などでよく利用されます。

極度額は根抵当権の融資上限額のことです。

債務履行

まず、「債務」とは他人に対し何らかの行動を行う義務のことです。

そして、債務を実際に行うことを債務履行といいます。

ソーシャルレンディングの場合、借り手(債務者)が返済することや、連帯保証人が借り手に代わって返済することが債務履行にあたります。

LTV

ソーシャルレンディングで使われる用語で、担保評価額に対する融資額の割合をいいます。

例えば、1億円の土地を担保に8千万円を融資する場合、LTVは80%です。

担保が評価額通りに売れるとは限らないため、LTVの数字が小さいほど安全性が高いとされます。

資金使途

ソーシャルレンディングで業者から借りたお金を借り手が何に使うかを資金使途といいます。

延滞

ソーシャルレンディングで借り手が期限内に返済できなくなることを延滞といいます。

また、ソシャレン、不動産クラファンで元本の償還が予定より遅れている状態を延滞と呼ぶことがあります。

業者や投資家によっては「遅延」という表現が使われることもありますが、意味は同じです。