投資初心者の
ソーシャルレンディング教室

税金と確定申告

ソーシャルレンディングで発生する税金と源泉徴収、確定申告、還付申告などについて、投資初心者向けに詳しく説明します。かなり複雑で難しいです。がんばって理解してください!(最終更新日:2018年12月30日)

ソーシャルレンディングで発生する税金

ソーシャルレンディングと不動産投資型クラウドファンディングで発生する税金と税率は以下の通りです。

税金
税率
所得税
課税所得額による
復興特別所得税
所得税率×0.021
住民税
10%

所得税は稼いだお金が増えるほど税率が上がります。それに合わせて復興特別所得税の税率も上がります。

住民税は都道府県民税4%と市町村民税6%を合わせて10%です。

源泉徴収

源泉徴収とは?

税金の計算と納付は複雑で難しく面倒くさいです。自分で一つ一つ計算して税務署に行って書類を書いて納付とかやりたくないですよね。

そこで、会社などに勤めている場合は、経理部などが社員の税金の計算をして税務署に納める手続きをしてくれています。これを源泉徴収と言います。

ソーシャルレンディングでも同じで、案件に投資して得た分配金からソシャレン業者が税金を差し引いて、税務署に納めてくれています

源泉徴収されているもの

ただし、上で挙げた3つの税金すべてを源泉徴収してくれているわけではありません。ソーシャルレンディングでは以下の税金について、決まった税率で源泉徴収が行われています。

所得税率は稼いだお金に応じて決まるのに、ソシャレンの源泉徴収では一律20%で計算されていることを覚えておいてください。

税金
税率
所得税
20%
復興特別所得税
0.42%

例えば、利回り6%、運用期間1年の案件に10万円を投資すると、分配金は6,000円です。この6,000円にかかる所得税20%+復興特別所得税0.42%は、6,000円×20.42%=1,225円です。

ソシャレン業者は1,225円を投資家に代わって税務署に納め、投資家には6,000円ー1,225円=4,775円が支払われます。

源泉徴収されていないもの

一方、源泉徴収されていないのは住民税です。

税金
税率
住民税
10%

住民税10%は源泉徴収(正しくは特別徴収)されていません。先ほどの例では6,000円×10%=600円です。

ソシャレン業者が代わりに納めてくれていないので、この600円は自分で税務署や市役所などに行って納める必要があります。

このあとで説明する確定申告が必要ない場合でも住民税10%の納付は必要です。納めないと脱税になりますので注意しましょう。

注意点

ただし、住民税の基礎控除が33万円あります。これは、所得から誰でも無条件に33万円を引き算し、残った分に住民税10%が課税されるというものです。

例えば、年間の所得が100万円だった場合、33万円を引いた67万円の10%=6万7千円が住民税です。

住民税の基礎控除

このため、例えば個人事業主で年間の所得が33万円以下だった場合、基礎控除ですべて消えるので住民税は発生しません

また、住民税の基礎控除とは別に給与所得控除というのが65万円あって、給与所得から65万円を引き算し、残った分に所得税が課税されます。

給与所得控除

このため、例えば主婦で年間のパート所得が98万円以下だった場合、住民税の基礎控除33万円+給与所得控除65万円でパート所得がすべて消えますので、住民税は発生しません

お断り

なお、住民税には所得割と均等割があったり、扶養親族がいると非課税限度額35万円があったりとか、本当はもっと複雑です。

でも、それらをすべて説明しだすとわけが分からなくなっちゃいますので、ここでは一番ベーシックな最低限のことだけを書いています。

投資初心者の場合、ソシャレン分の住民税を払っていないので市役所に行く。そして、いくら納めれば良いか職員に聞く、という対応でOKです。

ポイント:所得税と復興特別所得税はソシャレン業者が源泉徴収で払ってくれている。でも、住民税は源泉徴収されていないので、役所に行って払わないといけない。ここだけしっかり押さえておきましょう!

確定申告の要不要

確定申告とは?

確定申告とは所得税の税額を最終的に確定させることです。って言われても分かんないですよね?笑

例えば個人事業主の場合、会社員みたいに経理部が源泉徴収してくれていません。ですので、いくら払わないといけないのか計算して、税務署に行って手続きをしなければなりません。

税金の計算

また、以下で説明しますが会社員の場合でも、源泉徴収で所得税を100万円払っていたけど、本当は90万円だったので10万円戻ってくるとか、実は110万円だったので追加で10万円払うといったことがあります。

そういった所得税の最終調整をするのが確定申告です。

給与所得者の場合

確定申告は必要な場合と必要ない場合があります。それについて先に説明しましょう。

まず、

  • 会社員や派遣社員、パート、アルバイトなど
  • 給与所得を得ており、
  • メインの給与所得以外の所得が、
  • 20万円を超える

場合、確定申告が必要です。例えば次のような場合です。(必要経費や各種控除などは無視しています。以下同)

  • 会社員で副業の所得が年間(1月1日~12月31日)で50万円だった
  • 専業主婦でパートをしていて、ソシャレンの分配金が年間で25万円だった
  • 大学生でバイトを2つしていて、サブのバイトの所得が10万円で、ソシャレンの分配金が11万円だった

逆に言うと、メイン給与以外の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。

非給与所得者の場合

個人事業主やフリーランサー、パートをしていない専業主婦など、給与所得を得ていない人については、

  • 所得が年間38万円を超える

場合、確定申告が必要です。例えば次のような場合です。

  • 無職の専業主婦でソーシャルレンディングの分配金が39万円だった
  • 個人事業主で、受けた仕事の報酬とクラファン分配金の合計が40万円だった
  • ブロガーでアフィリエイト収入とソシャレン分配金の合計が100万円だった

こちらも逆に言うと、非給与所得者は年間の所得が38万円を超えなければ、確定申告は不要です。

ポイント:① 会社やパート先、バイト先から給与を得ている人→副業などの所得が20万円を超えたら確定申告
② 給与を得ていない人→すべての所得が38万円を超えたら確定申告
★20or38を超えたら税務署にGOです!

所得税

次に、確定申告が必要となる場合、つまり、

  • 給与所得者でメイン給与以外の所得が20万円を超える
  • 非給与所得者で合計所得が38万円を超える

場合、確定申告で所得税がどのような影響を受けるのかを見ていきます。

なお、以下では説明を複雑にしないため、復興特別所得税は無視しています。

所得税の計算方法

その前に、所得税の計算方法を説明します。これを知っておかないと確定申告を理解できないからです。

所得税率

所得税の税率は以下の通りです。

課税所得額
税率
~195万円
5%
195万1円~330万円
10%
330万1円~695万円
20%
695万1円~900万円
23%
900万1円~1,800万円
33%
1,800万1円~4,000万円
40%
4,000万1円~
45%

課税所得とは所得から経費や基礎控除、生命保険控除などを除いたものです。(ややこしくなるのでここでは説明しません。)

課税所得がいくらかによって所得税の税率が決まります。

超過累進課税率方式

では、課税所得が500万円の場合、所得税は500万円×20%=100万円になるのかと言うと、そうではありません。

日本の所得税は超過累進課税率方式を採用しており、所得帯に応じた税率をかけて積算します。何のことやら意味不明だと思いますので、下の表を見てください。

所得帯
課税所得
税率
税額
~195万円
195万円
5%
97,500円
195万1~330万円
135万円
10%
135,000円
330万1~695万円
170万円
20%
340,000円
合計
500万円
572,500円

このように所得帯ごとに税率をかけて税額を出し、それらを足し算して所得税は572,500円となります。

う~ん、さらに意味不明になりましたね。それでは図にしてみましょう。これで分かるかな?

超過累進課税率方式の説明図

課税所得500万円の内、195万円分に5%、195~330万円の135万円分に10%、330万円より上の170万円分に20%と、それぞれに税率をかけて税額を出します。

そして、3つを足した572,500円が所得税額ってことです。

所得税の速算表

でも、こうやって一つ一つ計算して出すのって面倒ですよね。そこで、実際には下記の所得税の速算表を使って計算します。

課税所得額
税率
控除額
~195万円
5%
0円
195万1~330万円
10%
97,500円
330万1~695万円
20%
427,500円
695万1~900万円
23%
636,000円
900万1~1,800万円
33%
1,536,000円
1,800万1~4,000万円
40%
2,796,000円
4,000万1円~
45%
4,796,000円

課税所得額に応じた税率をかけ、控除額を引きます。例えば課税所得500万円の場合は次のようになります。

500万円×20%ー427,500円=572,500円

さっきと同じ税額になりましたよね。

厳密には間違いですが…

この速算表が広く一般に使われているため「500万円の税率は20%」と聞くと、500万円全体に20%がかかっているように感じます。

ですが、先ほどの図で説明したように、20%が500万円全体にかかっているわけではなく、それぞれの所得帯にそれぞれの税率がかかっています。

ですので、厳密に言うと正確さを欠く表現なのですが、話を分かりやすくするため、以下では「500万円の税率は20%」といった表現を使います。←これを言うために超過累進課税率方式について長々と説明しました。(^^ゞ

ポイント:所得税の計算式は「課税所得額×税率-控除額」です。以下の説明で使うので覚えておきましょう!

確定申告の詳細

お待たせしました。それでは、確定申告の詳細について説明していきます。

給与所得者の場合

まず、会社員やパートタイマーでメイン給与以外の所得(以下、メイン以外所得)が20万円を超える場合です。

課税対象

課税対象はメイン以外所得全体です。20万円が控除されるわけではありません

例えば、ソシャレンの所得が25万円発生した場合、税金は25万円全体に対して発生します。20万円を引いた残りの5万円だけに発生するのではありません。

このあとで説明する基礎控除38万円とは違い、この20万円は控除ではないからです。注意してください。

総合課税

ソーシャルレンディングやクラウドファンディングの所得は雑所得に分類されます。

雑所得と給与所得は総合課税の対象です。このため、雑所得が加わることで給与所得の税率が上がる場合があります。(以下で具体的に説明します。)

なお、株式の譲渡所得などは分離課税の対象であるため、給与所得の税率に影響しません。

合計195万円以下の場合

それでは具体的に見ていきます。

まず、給与所得とメイン以外所得の合計が195万円以下の場合、源泉徴収されたメイン以外所得の税金の税率15%分が戻ってきます。

例えば、給与所得が150万円で、ソーシャルレンディングの分配金が40万円だったとします。この場合、課税所得は190万円ですので、税率は5%ですよね。

課税所得額
税率
控除額
~195万円
5%
0円

給与所得の150万円は会社の経理部がちゃんと5%で計算して源泉徴収しています。(厳密には年末調整で正確に確定します。以下同)

これに対してソシャレン分配金の40万円は、上の方で説明したようにソシャレン業者が一律20%で源泉徴収しています。つまり、15%多く税金を払っている状態です。

ですので、確定申告の際に40万円×15%=6万円を返してくれと申し出ることができます。これを還付申告と言います。

合計195万円超330万円以下の場合

給与所得とメイン以外所得の合計が195万円を超えて330万円以下の場合、源泉徴収されたメイン以外所得の税金の税率10%分が戻ってきます

例えば、給与所得が300万円で、ソーシャルレンディングの分配金が30万円だったとします。この場合、課税所得は330万円ですので、税率は10%です。

課税所得額
税率
控除額
195万1円~330万円
10%
97,500円

給与所得300万円の税率は元々10%なので、経理部が10%で源泉徴収してくれています。なのでこのままでOKです。

これに対してソシャレンの30万円にかかる税率は10%なのに、ソシャレン会社で税率20%で源泉徴収されています。10%多く取られちゃってますよね。

ですので、30万円×10%=3万円を還付申告できます。やった!

★なお、97,500円は控除されません。

この97,500円は全体に10%をかけて簡単に計算する際の調整に使うものです。

給与所得300万円は下の図の黄色(10%)と緑(5%)の部分に分かれているのに、計算の際には300万円すべてに10%をかけますよね。実はその調整のために引き算をしているのです。

控除計算の説明

オレンジ色のソシャレン分30万円はすべて10%ですので、控除で調整する必要はないということです。

合計330万円超695万円以下の場合

給与所得とメイン以外所得の合計が330万円を超えて695万円以下の場合、確定申告は必要ですが、メイン以外所得分の税金は何も戻ってきません

例えば、給与所得が500万円で、ソーシャルレンディングの分配金が50万円だったとします。この場合、課税所得は550万円ですので、税率は20%です。

課税所得額
税率
控除額
330万1円~695万円
20%
427,500円

給与所得500万円の税率は20%なので変わりません。そして、ソシャレンは一律20%で源泉徴収、つまり、偶然ですが正しい税率で源泉徴収されています

ですので、今までの例のように戻ってくることはありませんが、かと言って余計に払わなければならないわけでもありません。

合計695万円超900万円以下の場合

給与所得とメイン以外所得の合計が595万円を超えて900万円以下の場合、メイン以外所得の税金を追加で3%払います

例えば、給与所得が700万円で、ソーシャルレンディングの分配金が100万円だとします。この場合、課税所得は800万円ですので、税率は23%です。

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円

給与所得700万円の税率は元々23%なので、23%で源泉徴収されています。これに対し、ソシャレンの源泉徴収は一律20%なので、3%分を納めていない状態です。

したがって、確定申告でソシャレン所得100万円×3%=3万円を追加で納税します。

給与所得の税率が変わる場合

最後に特殊な事例を紹介しておきます。

例えば、会社員で給与所得が890万円、ソーシャルレンディングの分配金が30万円だったとします。この場合、課税所得は920万円なので、税率は33%です。さて、どうなるか?

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円
900万1円~1,800万円
33%
1,536,000円

① まず給与所得ですが、ソシャレン分配金のことを知らない経理部は、給与所得890万円ですので23%で計算して源泉徴収しています。

ところが、ソシャレン分配金30万円が付いたことで実際の税率は33%になりました。でも、源泉徴収では23%分しか払っていません。

10%分を払っていない状態ですので、890万円×10%=89万円を、確定申告で追加で納税します。

② 次にソシャレン分配金も実際の税率は33%なのに、20%しか源泉徴収されていません。

よって、払っていない13%分の30万円×13%=3万9千円を追加納税です。

③ ところで、所得税額を計算する際に課税所得額に税率をかけてから控除額を引き算しますよね。その控除額をよく見てください。変わってるでしょ?

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円
900万1円~1,800万円
33%
1,536,000円

経理部は23%で源泉徴収しているので、636,000円で引き算しています。でも、実際の税率が33%になったので、最後の引き算は1,536,000円じゃないとおかしいですよね?

1,536,000円-636,000円=90万円分が引き算されていない。本当は税金があと90万円減るはずなのに減っていない。つまり、90万円余計に税金を納めている状態です。

以上①~③より、

給与所得分追加納税
+89万円
ソシャレン分追加納税
+3万9千円
控除分引き算不足
▲90万円
差し引き
+2万9千円

差し引き2万9千円を確定申告で追加納税することになります。分かりますでしょうか?

非給与所得者の場合

次は個人事業主やフリーランサー、パートをしていない専業主婦など給与所得を得ていない人で、所得の合計が38万円を超える場合です。

課税対象

合計所得から38万円を引いた残りが課税対象となります。先ほどの20万円と違い、この38万円は基礎控除だからです。

例えばブロガーで、アフィリエイト収入とソシャレン分配金の合計が100万円だった場合、38万円を引いた62万円に税金がかかります。

総合課税

個人事業主が本業で得た所得は、事業所得になる場合と雑所得になる場合とがあります。ソーシャルレンディングと投資型クラウドファンディングの分配金は雑所得です。

そして、事業所得、雑所得ともに総合課税の対象ですので、両方を合わせた所得の合計額で税率が決まります

合計195万円以下の場合

確定申告をするとどうなるのか、給与所得者の場合と同じように見ていきましょう。

課税所得の合計が195万円以下の場合、ソシャレンで源泉徴収された税金の税率15%分が戻ってきます

例えば、本業で100万円、ソシャレンで50万円の所得があったとします。合計所得は150万円です。

ここから基礎控除38万円を引いた112万円が課税所得となります。195万円以下ですので税率は5%ですよね。

課税所得額
税率
控除額
~195万円
5%
0円

考えやすくするために、本業100万円から基礎控除38万円を引いた62万円と、ソシャレンの50万円が課税所得であると考えましょう。イメージとしてはこんな感じです。

基礎控除の例

まず本業分の62万円ですが、会社員と違って経理部が源泉徴収してくれていません。まだ1円も税金を払っていない状態です。

ですので、確定申告をして62万円×5%=31,000円を納税します。

次にソシャレン分の50万円ですが、こちらはソシャレン業者で一律20%が源泉徴収されています。でも、実際の税率は5%ですので、税金を15%分納めすぎている状態です。

ですので、50万円×15%=75,000円を還付申告して返してもらいます。

合計195万円超330万円以下の場合

課税所得の合計が195万円を超えて330万円以下の場合、ソシャレンで源泉徴収された税金の税率10%分が戻ってきます

例えば、本業で200万円、ソシャレンで50万円、合計250万円の所得があったとします。このとき、基礎控除38万円を引いた212万円が課税所得となり、税率は10%です。

課税所得額
税率
控除額
195万1円~330万円
10%
97,500円

先ほどと同じように、本業200万円から基礎控除38万円を引いた162万円と、ソシャレン50万円に税金がかかると考えましょう。

まず、本業162万円にかかる税金は、162万円×10%ー控除97,500円=64,500円となります。ここで控除を使い切ってしまったので、ソシャレン分では控除は使えません

次にソシャレン分ですが、一律20%で源泉徴収されています。実際の税率は10%なので、10%余計に取られている状態ですよね。

ですので、確定申告の際に50万円×10%=5万円を還付申告します。

合計695万円超900万円以下の場合

課税所得の合計が695万円を超えて900万円以下の場合、ソシャレン所得の3%分を追加で納税します。

例えば、本業で800万円、ソシャレンで100万円、合計900万円の所得があったとします。このとき、基礎控除38万円を引いた862万円が課税所得となり、税率は23%です。

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円

先ほどと同じようにすると、まず本業800万円から基礎控除38万円を引いた762万円にかかる税金は、762万円×23%ー控除636,000円=1,116,600円です。これを確定申告で払います。

次にソシャレン分ですが、源泉徴収では20%しか取られていませんので、3%分を払っていない状態です。そこで、ソシャレン100万円×3%=3万円を確定申告で追加納税します。

ここまでで基本的なパターンは理解できたかと思います。

特殊なパターン

特殊なパターンを一つ挙げておきます。所得の合計が800万円で、そのすべてがソシャレンの分配金だった場合です。ちょっと複雑で難しいですよ~

まず税率ですが、800万円から基礎控除38万円を引いた762万円が課税所得となり、税率は23%です。

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円

① まず源泉徴収は一律20%ですが、注意して欲しいのはソシャレンやクラファンの源泉徴収では課税所得762万円に対してではなく、分配金800万円すべてに20%が課税されている点です。

本来は800万円の内の38万円は基礎控除でゼロになるので、この38万円分に課税するのはおかしいですよね。そこでまず、38万円×20%=76,000円を返してもらう必要があります。

② 次に課税所得762万円ですが、この分には源泉徴収で20%しか課税されていません。本来の税率は23%ですので、3%分を納めていない状態です。

そこで、762万円×3%=228,600円を追加で納税しなければなりません。

③ そして重要なのが、ソシャレン業者での源泉徴収額の計算の仕方です。

課税所得額
税率
控除額
695万1円~900万円
23%
636,000円

実は、800万円×20%と掛け算をするだけで、その後の控除額の引き算はされていません。引かれていない、つまり控除額の分を余計に払っている状態ですので、この636,000円を返してもらいます。

以上①~③より、

基礎控除の分を返せ!
▲76,000円
3%分払います(T_T)
+228,600円
引き算してない控除を返せ!
▲636,000円
差し引き
▲483,400円

差し引き483,400円を還付申告して返してもらうことになります。合ってるか念のため確認しておきましょう。

  • 本来の税額:(800万円ー基礎控除38万円)×23%ー控除636,000円=1,116,600円
  • 源泉徴収で取られた税額:800万円×20%=1,600,000円
  • 返してもらうべき税額:1,600,000円ー1,116,600円=483,400円

合ってますね!

ポイント:ソシャレン業者では一律20%で源泉徴収されているけれど、実際の税率は課税所得額によって変わる。そのギャップで10%戻ってきたり、3%追加で払ったりする必要が生まれる。そして、その処理をするのが確定申告です!

損益通算

所得と損失を差し引くことを損益通算と言います。ソーシャルレンディングではできる場合とできない場合があります。

雑所得内はできる

雑所得同士の損益通算はできます。例えば、ソシャレンの分配金(区分は雑所得)で100万円の利益が出たけれど、一部の案件で債務不履行が発生し20万円の損失が出たとします。この場合、

利益
100万円
損失
▲20万円
課税所得
80万円

となり、税金は100万円に対してではなく、80万円に対してのみ課せられます。

総合課税内はできない

総合課税内で給与所得や事業所得など、他の区分の所得と雑所得を損益通算することはできません

例えば、ソシャレンをやっている会社員で給与所得が500万円で、ソシャレンで100万円の損失が出たとします。この場合、

利益
500万円
損失
▲100万円
課税所得
400万円

とすることはできません。給与所得500万円全額に対して課税されます。

未確定の損失は損益通算できない

なお、確定していない損失を損益通算することはできません

例えば、ソシャレンで10個の案件に投資し、9個の案件で分配金を100万円得たけれど、残り1個の案件には10万円投資中で、分配金の支払いがストップしていて、最悪の場合10万円が戻ってこない可能性があるとしましょう。

でも、どれだけ最低最悪でお先真っ暗の状態であったとしても、10万円が全損になることが確定したわけではないですよね。

ですのでこの場合、9個の案件から得た分配金100万円から、1個の案件に投資中の10万円を引いて、課税所得を90万円とすることはできません。

ポイント:不動産投資型クラウドファンディングの分配金の区分はソーシャルレンディングと同じ雑所得なので、投資型クラファンとソシャレンの間で損益通算するのはOKです!

繰越控除

損失額すべてを1年で損益通算できなかった場合、残りの損失を翌年度以降3年間に渡って繰り越すことができます。これを繰越控除と言います。

例えば、株の売買で利益が70万円出たけれど、別の株の売買で損失が100万円出たとします。損益通算で利益の70万円を帳消しにし、その年の課税所得をゼロにできますが、30万円分の損失が残りますよね。

この30万円を翌年度に繰り越し、例えば翌年度に利益が50万円出た場合、30万円を損益通算して課税所得を20万円にすることができます。これが繰越控除です。

残念ながら雑所得では繰越控除はできません。ですので、ソシャレンで出た損失を翌年度に繰り越して損益通算することはできません。

年間取引報告書

年間取引報告書とは?

ソーシャルレンディングの所得について確定申告を行う場合、年間取引報告書という書類が必要です。年間でいくらの分配金を受け取り、源泉徴収で税金をいくら払ったかが書かれています。

年間取引報告書は各ソシャレン業者で1~2月頃に発行されますが、郵送はされません。各業者のサイトでダウンロードします。

ダウンロードの仕方をいくつかの業者について紹介しておきます。

OwnersBook

不動産系で一番人気のOwnersBookの場合、サイト上部の人のマークをクリックして明細&関連書面ページに移動し、ここで必要な年度の年間取引報告書をダウンロードできます。

OwnersBookの明細&関連書面ページ

クラウドバンク

業界第3位の大手業者であるクラウドバンクでは、年間取引報告書のことを「期間損益報告書」と呼びます。

ダウンロードするには、まずサイト上部の人のマークをクリックして各種書類ページに移動します。

クラウドバンクの各種書類ページ

そして、期間損益報告書の欄でダウンロードをクリックし、次の画面で期間を指定しダウンロードします。

クラウドバンクの期間損益報告書ページ

これがクラウドバンクの期間損益報告書です。なお、指定する期間は確定申告対象年の1月から12月です。

クラウドバンクの期間損益報告書

事前に確認を!

なお、確定申告は投資初心者には分かりにくく最初はかなり手こずります。

可能であれば実際に確定申告をする前に、一度税務署に行ってどのような書類が必要かなど相談することをオススメします。けっこう親切に教えてくれますよ!

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