投資初心者の
ソーシャルレンディング教室

担保とLTV

ソーシャルレンディングで非常に大切な担保とLTVについて、投資初心者向けに簡単に説明します。ここでは最重点の概略だけを理解してください。(最終更新日:2018年12月31日)

担保とは?

担保には主に質権、抵当権、譲渡担保があります。これらを細かく説明しだすとドツボにはまりますので、ここではスルーします。(興味のある方はこちらを→質権、抵当権、譲渡担保の違い

担保で一番分かりやすいのは質屋です。ロレックスの時計を預けて3万円を借りる。返済できなかったら、質屋さんが時計を誰かに売って3万円を回収する。

質屋のイメージ図

つまり、担保とは借り手が返済できなくなった時に、貸したお金を取り戻す安全装置のようなものです。

ソーシャルレンディングで私たち投資家は、ソシャレン業者を通して企業にお金を貸します。その企業がお金を返せなくなった時には、担保を処分して貸したお金を回収します。

担保の重要性

返済不能はあり得る

私たち投資家がソシャレン業者を通して企業にお金を貸すということは、私たちが貸金業を営むということです。

貸金業を営む以上、借り手が返済不能になることは当然あり得ます。私たちは借り手が返せない場合があることを前提にソーシャルレンディングをしなければなりません

返済不能を前提に担保を見る

したがって私たちは、借り手が返済不能になることを前提に担保を見なければなりません。

つまり、借り手がお金を返せなくなり、担保を処分して自分のお金を取り戻すことになる前提で担保を見る、ということです。

担保のイメージ図

そうなると、担保をいい加減に見ることはできませんよね?実際に担保を処分することになって安くでしか売れなかったら、自分のお金が戻ってこないのですから。

ですので、その担保は貸したお金を回収できるだけの値段で売れるのか?常にその視点で担保をチェックすることが非常に重要です。

不動産担保

ソーシャルレンディングで最も硬いとされる担保は不動産への抵当権です。

土地や建物などを担保に企業にお金を貸し、返済できない場合はその土地や建物を売って貸したお金を回収します。

不動産担保のイメージ図

ですので、本当に回収できる値段で売れるのかがポイントです。1億円貸したのに5千万円でしか売れなかったら、貸したお金の半分しか戻ってきません。

そんな担保の案件に投資しないために、不動産サイトを使って近隣の似たような物件の売買価格を見るなど、あらゆる手を使って自分なりに調べる習慣を付けましょう。ここで手を抜いてはいけません。

ポイント:担保は飾りではなく実際に使って貸したお金を取り戻す唯一の武器です。それがポンコツだとあなたのお金は戻ってきません。
ポンコツ武器の案件に投資してお金を失わないように、担保評価額が妥当なのかは死にものぐるいで調べましょう。
手抜きをして危ない案件に投資して、最後に泣くのはあなた自身です。

LTV

LTVとは?

ソーシャルレンディングの担保でよく出てくるのがLTVです。LTVはLoan to Valueの略で、担保評価額に対する貸したお金の比率を表します。

LTVの説明図1

例えば、評価額1億円の土地を担保に7千万円を貸す場合、7千万円は1億円の70%なのでLTVは70%です。

80%を超えると危険

LTVは非常に重要です。なぜならば、担保が評価額通りで売れるとは限らず、評価額より安くでしか売れない場合もあるからです。

例えば、担保評価額1億円の土地が7千万円でしか売れなかったとしましょう。

仮に9千万円を貸していた場合(LTV90%)、7千万円しか回収できないので2千万円の損失となります。

LTVの説明図2

これに対して、6千万円を貸していた場合(LTV60%)、6千万円全額を回収できますよね。

LTVは低ければ低いほど安全性が高まります。ソシャレン業界ではLTVが80%を超えると危険であると言われています。

LTVの例外

売れない担保に価値はない

ただし、単純にLTVだけで担保を評価できない場合もあります。

例えば、評価額1億円の北海道の原野を担保に3千万円を貸すとします。この場合のLTVは30%と非常に低いです。でも、北海道の原野を買う人がそう簡単に現れるでしょうか?

原野のイメージ図

つまりLTVがどれだけ低くても、担保が売れなければ意味がないということです。LTVは重要ですが、そもそも買い手が付く担保なのか注意が必要です。

担保評価額の妥当性

担保評価額の妥当性も重要です。評価額1億円の土地を担保に6千万円を貸すとLTVは60%です。でも、1億円というのが実はかなりの水増しで、実際の価値は5千万円しかなかったら大変ですよね。

ソシャレン業者が出す評価額はあくまでも自己申告です。本当に妥当な評価額なのか、自分でしっかり調べましょう。

ポイント:LTVは80%が安全ライン。でも、担保に買い手が付かないと1円も回収できないし、担保評価額が間違っているとLTVの数値は無意味になっちゃいます。そのあたりも注意しましょう!

担保順位

複数融資

1つの担保に複数の融資が発生する場合があります。例えば、ある企業が評価額1億円の土地を担保に8千万円を借りようとした。ところが銀行は3千万円しか貸してくれなかった。

そこでソシャレン業者に依頼して5千万円を貸してもらった。1億円の担保に対して合計8千万円の融資ですので、LTVは80%です。

担保構造図1

さて、この企業が返済不能となり担保を処分しましたが、7千万円でしか売れませんでした。この7千万円をどう分け合えば良いのか?ここで出てくるのが担保順位です。

担保順位とは?

融資を行う際には担保順位を設定し、担保を処分したら担保順位が高い債権者から貸したお金を回収します。

担保構造図2

今回の例で銀行が第1順位、ソシャレン業者が第2順位だった場合、まず銀行が3千万円を回収します。そして、残った4千万円をソシャレン業者が回収します。結果、ソシャレン業者は1千万円の損失を負います。

シニアとメザニン

シニアローンとは?

ソシャレン業界では第1順位の融資をシニアローン、第2順位以下の融資をメザニンローンと呼びます。単なる呼び方だけで特別な意味はありません。

そして1つの担保に貸し手が複数いるケースではほとんどの場合、シニアローンは銀行です。

メザニンローンが良い場合も

先ほど見たように、債権回収を考えると担保順位は少しでも高い方が安全です。この点ではシニアローンの方がメザニンローンよりも良いと言えます。

シニアとメザニンの説明図

ただ、自分がメザニンローンである=シニアローンが存在する=銀行が貸している、ということです。それはつまり、借り手は銀行が貸すくらいの安全性があるということです。

ですので、メザニンローンであることが必ずしも悪いとは言い切れない面もあります。

シニアローンの落とし穴

また、シニアローンが常に安全の証になるとは限りません。

評価額1億円の担保に銀行がシニアローンで1千万円、ソシャレン業者がメザニンローンで6千万円を融資する案件があったとします。銀行が融資しているし、LTVは70%と低めです。良さ気に見えますよね。

担保構造図3

でも、1億円の担保で銀行が1千万円しか貸していない。これって妙だと思いませんか?

借り手企業の経営に問題があるとか、その土地が実際には2千万円の価値しかないとか、1千万円しか貸せない理由があるのかもしれませんよね。

ですので、シニアとかLTV80%とかだけで担保を判断するのではなく、細かい部分までしっかり見るようにしましょう。

ポイント:担保順位やLTVの数値だけで判断するのは危険です。投資の世界は落とし穴だらけ。案件や担保の説明は隅々まで目を通し、書かれてあることすべてを疑ってかかりましょう!

関連記事