KAYAKはアメリカの格安チケット検索サイトです。2004年に現CEOのSteve Hafnerと現Blade,LLC(IT系起業支援企業)CEOのPaul M. Englishが設立しました。日本語を含む20ヶ国語以上の言語に対応しており、KAYAKの他にドイツ語版チケット検索サイトのcheckfelixとswoodooも運営しています。2013年5月に同業大手のPriceline Groupに買収されました。
KAYAKはExpediaなど普通のチケット予約サイトと異なりチケットの販売は行いません。複数のチケット予約サイトの検索結果を一括表示する検索サイトです。複数の予約サイトを自分で一つ一つ調べるのではなく、KAYAKが代わりに調べて結果を教えてくれるというイメージです。そして実際のチケット購入は各予約サイトで行います。KAYAKのようなタイプのサイトをメタサーチ型チケット検索サイトと呼びます。
KAYAKがこのようなスタイルを採っているのはCEOであるSteve Hafnerの経験に理由があります。Hafnerはノースウェスタン大学を卒業してボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に入社しましたが、当時IBMから独立したExpediaに対抗するチケット予約サイトを作りたいというクライアントの構想に共鳴し、1999年にBCGを辞めて後に業界大手となる予約サイトOrbitzの設立に参加しました。
しかし、当時のOrbitzはチケットの購入者に予約手数料を課していたため、利用者がOrbitzで安いチケットを探してから航空会社に直接連絡を取って購入するというケースが絶えませんでした。情報だけタダ取りされて終わりということです。このためHafnerはOrbitzのビジネスモデルに限界を感じて同社を退社し2004年にKAYAKを設立しました。
彼は予約手数料で儲けるより、誰がどんなチケットを探しているかという情報を旅行代理店に売ったほうが商売になるし、旅行代理店にとってもその情報を買うほうがグーグルに広告を載せるより価値があると考えました。それを実現する手段として、KAYAKの利用者には課金せず、利用者を旅行代理店に送客して紹介料を徴収するというシステムを作り上げたのです。
KAYAKのチケット価格は安いです。平均的な予約サイトに比べると確実に安い価格を出します。LCCにあまり対応していないため、LCCが使える区間ではLCC対応サイトに負けますが、レガシーキャリアのチケットについてはコンスタントに安い値段を出します。チェックして損のないチケット検索サイトです。
サイトに表示される価格は税金、燃油サーチャージなどを含めた総額です。日本語サイトからのメールは日本語対応となっていますが、チケットの販売は行っていないため購入したチケットについての問い合せや変更、キャンセルには対応していません。
KAYAKで格安チケットを予約する際の画面の操作方法について説明します。以下は英語版についてです。
最初にRound-trip(往復)、One-way(片道)、Multi-city(複数区間)を選択します。Multi-cityとは東京→バンコク→シンガポールのように2つ以上の区間のチケットをまとめて購入することです。さらに出発地、出発日、人数などを入力します。
「Show flexible dates」を押す(スマホ版では日付入力欄の一番下)と指定日の前後3日を含めて検索するなどの検索オプションを選択できます。
必要項目の入力が終わったら「Search」(スマホ版では「Find Flights」)を押して検索結果画面に移動します。
検索結果画面ではチケット価格、発着時刻、所要時間、乗り換え回数が表示されます。
「Show details」をクリック(スマホ版では画面をタップ)すると搭乗便名、使用機材、乗り継ぎ航空での発着時刻などの詳細情報が表示されます。
「Sort by」をクリック(スマホ版では「Sort」をタップ)すると価格の他、所要時間、出発時刻などで並び替えができます。
左側のStopsなどを操作(スマホ版では「Filter」をタップ)すると乗り換え回数や時間帯、航空会社などで検索結果の絞り込みができます。
PC版だけの機能ですが、一部の路線では今後の値動きの予想が表示されます。画像の例では、79%の確率で7日以内に値段が上がるので買ったほうが良い、と書かれています。
当たるか外れるかは分かりませんが、他のチケットサイトにはない非常にユニークな機能です。
またこれもPC版だけの機能ですが、「Segment」を押すと横軸が時間でフライトを帯で表した画面に変わり、フライトの時間帯や乗り換え空港での待ち時間などを視覚的にイメージしやすくなっています。
購入するチケットが決まったら購入する予約サイトを選びます。PC版では発着時刻の下に(スマホ版では画面をタップして表示)、価格と予約サイトが並んでいますので、購入したい予約サイト名を押します。
すると選択した予約サイトの購入画面が別ウィンドウで開きますので、ここで購入手続きを行います。移動先の予約サイトでの操作方法については、このサイトのトップページから各サイトの紹介ページを参照してください。
すでに説明したようにKAYAKは「予約」サイトではありません。複数の予約サイトから安いチケットを選んでくる「検索」サイトです。チケットの購入は移動先の予約サイトで行います。KAYAKでチケットを購入するのではありません。
購入する予約サイトを選択するところでExpediaやOrbitzなど他の予約サイトと並んでKAYAKと書かれていることがありますが、KAYAKを選択すると開く画面で「You are booking this flight on サイト名 via KAYAK」と表示される通り、実際にはKAYAKではなくその予約サイトで購入することになっています。
このため、購入したチケットについての問合せや変更、キャンセルなどはKAYAKではなく購入した予約サイトに連絡を取ります。KAYAKで購入したのではないのですからKAYAKに聞かれても困る、ということです。KAYAKは検索結果を表示するだけで販売はしていないという点をよく理解してください。
KAYAKで調べた東京発主要路線往復の最安値の推移です。調査方法、表の見方については「価格調査の概要」をご参照ください。