Skyscannerはイギリスのエジンバラに本社を置く格安チケット検索サイトです。航空券の他にホテル、レンタカーも扱っています。シンガポール、スペイン、中国、アメリカにも拠点を持っており、日本語を含め30以上の様々な言語に対応しています。
創業者のGareth Williamsは10代の頃からコンピュータに興味を持ち、マンチェスター大学で数学とコンピュータを学び、卒業後はプログラマーとして働いていました。あるときフランスに住む兄弟に会いに行くために航空券を購入しようとしましたが、当時はチケット価格の比較サイトなどありませんでした。そのため、いくつもの航空会社と旅行代理店のウェブサイトを調べてチケット価格を比べるという、面倒でうんざりな作業をさせられる羽目になったのです。
この経験をきっかけにGarethは各航空会社、旅行代理店のチケット価格を1つのサイトで簡単に比較できるようにするというサービスを思い付きました。彼はマンチェスター大学時代の同級生だったBonamy GrimesとBarry Smithに声をかけ2001年に開発に着手し、翌2002年にSkyscannerのベータ版を公開しました。そしてこのベータ版が口コミで広まり1日に数千人が利用するまでに成長したため、3人は当時勤めていた会社を辞め、2003年にスコットランドのエジンバラに会社を設立し正式にSkyscannerのサービスを開始しました。
設立当初はヨーロッパの格安航空会社だけを扱っていたSkyscannerでしたが、すぐにブリティッシュ・エアウェイズなどレガシーキャリアも扱うようになり、同時にサービスの提供エリアもヨーロッパ全土から北米、アジアへと急速に展開しました。また、2011年にイギリスの旅行サイトZoombuを、2013年にスペインのホテル予約サイトFoggを、2014年には中国のチケット予約サイト游比比を買収するなど積極的に事業の拡大をすすめました。
2013年にはAppleやGoogle、LinkedIn、Evernoteなどの立ち上げ時に投資を行ったシリコンバレーの著名ベンチャーファンドSequoia Capitalから出資を受けました。Skyscannerは現在ではeDreamsなどとともにヨーロッパを代表するチケットサイトとなっています。
SkyscannerがExpediaやTravelocityのような一般的なチケット予約サイトと違うのは、Skyscannerはチケットの販売は行わないことです。Expediaでチケットを検索するとExpediaが販売するチケットが出てきます。これに対してSkyscannerで検索するとSkyscannerが販売するチケットではなく、ExpediaやTravelocityなどのチケット予約サイトが販売するチケットが出てきます。そして、実際の購入手続きはこれらの予約サイトで行います。
つまりSkyscannerはチケットを予約するサイトではなく、安いチケットを販売している予約サイトを探してくるサイトということです。価格.comで安い電器店を探して実際の購入はその電器店で行うのと同じだと考えてください。Skyscannerはチケット予約サイトではなく、momondoなどと同じメタサーチ型チケット検索サイトです。
Skyscannerのチケット価格は安いです。特にLCC(格安航空会社)のチケットが検索結果に出た時は、安さで知られるmomondoと最安値争いをすることも少なくありません。時としてmomondoよりも安いです。またLCCではないレガシーキャリアのチケットについてもeDreamsと良い勝負をします。ですので、Skyscannerは常にチェックすべきチケットサイトとしてリストアップしておくべきです。
Skyscannerが極めて優れているのは日本のチケット予約サイトが使える点です。momondoやKAYAKなどのチケット検索サイトでは検索結果に表示されるチケットを販売するのはすべて海外の予約サイトです。ほとんどの海外の予約サイトは日本語に対応していませんので、予約表が届かないなど何か問題が起きた時にはメールにせよ電話にせよその国の言語でやりとりしなければなりません。日本語は使えません。
ですが、Skyscannerで居住国を日本にしておくと、検索結果にenaやDeNA Travelなど日本のチケット予約サイトが出てきます。Expediaも日本のExpediaでの購入になります。海外のサイトに比べて若干高くなることが多いのですが、日本のサイトで購入しておけば何かあった時も日本語でやりとりができるので安心です。チケットを安く買いたいけれど英語でのやりとりに自信がないので海外の予約サイトで購入するのは不安という人におすすめです。
Skyscannerで格安チケットを予約する際の画面の操作方法について説明します。
まず最初に画面上部の「Change」(スマホ版は右上のメニューボタンをタップして表示)を押して言語、通貨、居住国を選択します。以下では英語、米ドル、アメリカを選択した場合で説明します。
次にRoundtrip(往復)かOne way(片道)かを選択し、出発地、目的地を入力します。
出発地だけ指定して目的地を「Everywhere」にして検索すると安く行ける国から順番に表示されます。機能として有用かどうかは微妙ですが暇つぶしにはなるでしょう。
さらに出発日、帰国日、搭乗者数を入力します。「Economy / All flight types」を押すと座席クラスと直行便を指定することができます。
また日付入力で「Whole month」を選ぶとその月1ヶ月の、「Whole Year」を選ぶとこの先1年の値動きを表示させることができます。
すべての入力が終わったら「Search」ボタンを押して検索結果画面に移動します。
検索結果画面では各チケットの航空会社、発着時刻、発着空港、所要時間、乗り継ぎ地、チケット価格が表示されます。
「Details」を押すと搭乗便名、乗り継ぎ空港での待ち時間などが表示されます。使用機材は表示されません。
画面左の「Stops」など(スマホ版では「Filter」をタップして表示)を操作すると乗り継ぎ回数、発着時間帯、利用する航空会社などで検索結果を絞り込むことができます。
画面左上の「Get price alerts」(スマホ版では右上のベルマーク)を押してメールアドレスを登録すると、チケット価格が変わるたびにSkyscannerからメールで連絡を受け取ることができます。
購入するチケットが決まったら「Details」を押し、Who sells this ticket?の中から利用したいチケット予約サイト名(航空会社が直接販売する場合は航空会社名)を押します。
すると別ウインドウでその予約サイトが開きますのでここで購入手続きを行います。
Skyscannerを利用して購入したチケットの変更やキャンセルについてSkyscannerは一切対応しません。Skyscanner日本語版にも予約についての相談は「お客様の方でこれら旅行関連会社と直接連絡を取っていただき、予約の完了、予約の変更、~に関する質問を行っていただくようおすすめします。」と書かれています。
これはなぜかというと、このページの上の方で説明した通りSkyscannerはチケットが安い予約サイトを紹介しただけで、チケットの販売自体は行っていないからです。勘違いしやすいのですがSkyscannerはチケット「予約」サイトではありません。どの予約サイトが安いかを調べる「検索」サイトです。
世界にはチケットを販売する予約サイトが何百とあります。それらのサイトを一つずつ開いて自分でチケット価格を調べるのは大変です。そこで自分の代わりに調べてくれるのがSkyscannerのようなチケット検索サイトです。ですが調べるだけです。チケットの販売はしません。代わりに調べて「Expediaが一番安いですよ~」と教えてくれるだけであって、チケットの購入は教えてもらったExpediaで行っているわけです。
Skyscannerはどの予約サイトが安いか調べて教えただけです。チケットの販売はしていません。なので、自分が売ったわけでもないチケットの変更やキャンセルについてあれこれ言われてもSkyscannerとしては困るわけです。変更やキャンセルをするんだったらそのチケットを買ったExpediaさんに言ってください、ということです。この点を間違わないようにしましょう。
Skyscannerで調べた東京発主要路線往復の最安値の推移です。調査方法、表の見方については「価格調査の概要」をご参照ください。