ebookersはヨーロッパをメインマーケットとするアメリカ資本の格安チケット予約サイトです。インド系イギリス人の実業家Dinesh Dhamijaによって設立され、現在はExpedia傘下の予約サイトとなっています。
Dinesh Dhamijaは1950年にインド人外交官の子としてオーストラリアで生まれ、ケンブリッジ大学を卒業後、IBMなど複数の企業で勤務しました。そして1980年に独立し地下鉄駅校内の小さな売店で夫婦で航空券の販売業務をスタートさせました。事業は順調に成長し1983年に旅行代理店Flightbookersを設立、ヨーロッパの4つの航空会社から航空券の販売総代理店に指定されるまでになりました。
1996年には社内にインターネット販売の事業部を設置しましたが、これはインターネットを利用したチケット販売としてはイギリスで初めてのものでした。1999年にこのネット販売事業部をFlightbookersから分社化してebookersを設立し、アメリカNasdaq市場とドイツNeuer Markt市場への上場も果たしました。1999年に2300万ドルであった売上高は5年後の2004年には10億ドルにまで達し、ebookersはヨーロッパを代表する旅行代理店の一つになりました。
Dinesh Dhamijaは2005年にアメリカのCendant社にebookersを売却しました。その後Cendant社の業績が悪化したため、ebookersは同社内のチケット販売サイトであったOrbitzなどとともにTravelport社として分離され、Travelport社内のヨーロッパ向けチケット予約サイト部門となりました。
さらに2007年には同じくチケット予約サイトのOrbitz、CheapTicketとともにTravelport社から分離されOrbitz Worldwide社となり、同社内のヨーロッパ部門となりました。そして2015年にOrbitz Worldwide社が同業大手のExpediaに買収されたことにより、ebookersはExpedia傘下のヨーロッパ向けチケット予約サイトとなっています。
ebookersは上述の通りOrbitz Worldwide社内のヨーロッパ部門です。またイギリス発祥の予約サイトであるため、日本語には対応しておらず、表示される通貨単位は英ポンドだけです。日本円はおろか米ドルでの表示もできませんので、他サイトの価格と比較するのが非常に面倒です。
チケットの価格についてはOrbitz系の他のサイトもそうですがそれほど安いとはいえません。また、これは英ポンドを米ドルに換算して比較するからそうなるのかもしれませんが、多くの路線、特にアジア路線で同社内の予約サイトであるOrbitzよりも高いです。ですので、イギリスに住んでいるなどの事情がない限り、Orbitzだけチェックすれば十分なのではないでしょうか。
LCC(格安航空会社)のチケットはイージージェット、エアアジアなどごく一部についてのみebookersの検索対象となっています。サイトに表示される価格は税金、燃油サーチャージなどを含めた総額です。クレジットカード会社によっては決済の際に手数料が加算されます。
ebookersで格安チケットを予約する際の画面の操作方法について説明します。PC版を基本に説明していますので、スマホ版では項目名などで若干違いがある場合があります。
まず最初に「Round-trip(往復)」、「One-way(片道)」、「Multi-City(2区間以上)」を選択します。そして出発地と到着地を入力します。東京のように複数の空港がある都市では画面のように複数の選択項目が表示されます。安さ優先の場合は「All Airports」を選択しましょう。
出発日、帰国日の下にある「Anytime」のところで搭乗する時間帯を指定することもできます。「Search 3 days before and after」にチェックを入れると指定日の前後3日も含めたチケット価格を検索できます。
その下は搭乗する人の人数です。ebookersでは大人(Adult)は20歳以上ではなく18歳以上ですので注意してください。
「I prefer non-stop flights」にチェックを入れると直行便だけを対象に検索します。「Narrow the search ~」にチェックを入れるとその下に現れる選択欄で航空会社を3社まで指定することができます。
入力が終わったら「Search Flights」を押して検索結果を表示させます。
しばらくすると検索結果が安い順に表示されます。PC版では左からチケット価格、出発時刻、到着時刻、乗り換え回数、所要時間、搭乗便名が表示されます。
注意して欲しいのはチケット価格の通貨単位が英ポンドだということです。米ドルでもユーロでもありません。ebookersでは通貨を選択できませんので、他のチケット予約サイトと比較する場合はいちいち米ドルや日本円に換算しなければなりません。PC版では換算機が装備されているのですが使い勝手は非常に悪いです。
各検索結果右上の「Flight details」をクリック(スマホ版では検索結果をタップ)すると使用する機材などの詳細情報が表示されます。
左側の「Refine Results」の欄(スマホ版では「Filter」ボタンをタップ)で乗り換え回数、所要時間、価格帯、航空会社を指定して検索結果を絞り込むことができます。
PC版では画面右上にある「Search +/- 3 days」をクリックすると前後3日を含めた検索ができます。例えば画面の例では指定した出発日3月20日、帰国日3月27日の前後3日、つまり、出発3月17~23日、帰国3月24~30日とし、3月17日出発24日帰国から3月23日出発30日帰国まで合計49パターンの日程それぞれについて最安値を一括表示します。
ただ、時刻や航空会社などの詳細を知るためには表示された価格をクリックして詳細画面に移動しなければなりません。また、スマホ版では一番最初の画面に戻って「Search 3 days ~」にチェックを入れて検索しなおさなければなりません。このあたりの操作性は悪いと言わざるを得ません。
購入するチケットが決まったら「Select」をクリック(スマホ版では画面をタップ)し、さらに次の画面で「Continue」ボタンをクリックして搭乗者情報の入力画面に移動します。
入力画面ではまず最初に旅行保険加入の案内があります。購入しない場合は「No, thank you ~」にチェックを入れます。
氏名は「名前、名字」の順です。Seat preferenceのところで座席の希望を出すことができます。Aisleは通路側、Windowは窓側です。希望がない場合はAny Seatを選択します。
国番号を選択した後に電話番号を入力します。その際に先頭のゼロははずします。
メールアドレスを入力します。ここで入力したアドレスに予約表などが添付資料で送られてきます。確実に受信できるアドレスを入力しましょう。
また、ebookersからの安いチケットの案内などをメールで受信したい場合は「I would like to receive ~」にチェックを入れます。
選択したチケットの航空会社のマイレージ会員になっている場合は、「Frequent Flyer Information」のところにカード番号を入力します。
食事の希望、車いすを使うといった情報は「Flight special requests」で入力します。すべての入力が終わったら「Continue Booking」を押して支払い画面に移動します。
支払いはカードです。カードによってはカード利用料がかかります。画面の例ではVisaカードを選んだため、利用料2ポンドが加算されています。「Security Code」はクレジットカードのウラに書かれている数字の下3桁です。
次にカードの有効期限と名義を入力します。名義欄には搭乗者名が自動的に入力されていますので、カード名義と同じか確認しましょう。
住所はカード会社に登録してあるものを入力します。「City」の欄に都道府県名を入力し、それ以外を「Street address」の欄に入力します。「ZIP/Postal Code」は郵便番号です。
電話番号は1つ前の画面で入力したものが自動的に入力されています。カード会社に登録しているものと同じか確認しましょう。
最後にebookersの利用規約を読んで「By ticking this box ~」にチェックを入れます。ここにチェックを入れると利用規約に同意したことになります。また、チェックを入れないと支払処理を実行できません。ですので、必ず利用規約すべてに目を通し問題ないことを確認した上でチェックを入れてください。
チェックを入れたらその下にある「Agree and book」を押します。確認画面は出ず、直接支払い処理に移ります。支払いが完了するとebookersから予約表などがメールで送られてきます。
予約手続きの最後の方にある「booking terms and conditions」のリンク先に変更やキャンセルについての規定が書かれてあります。格安チケットでは変更やキャンセルができないことが多く、できても数千円以上の手数料がかかってきます。
また、「You must call us to change or cancel your trip.」と書かれてありますので、変更、キャンセルはメールではなく電話でebookersに連絡を取る必要があります。電話対応は英語のみで日本語は使えませんので注意しましょう。
ebookersで調べた東京発主要路線往復の最安値の推移です。調査方法、表の見方については「価格調査の概要」をご参照ください。