ヤマト運輸など宅配便の過重労働問題。
アマゾンなどネット通販の普及がその背景にあります。
この解決策の一つとして、中国の宅配便が紹介されました。
ドライバーの方は本当にご苦労されているようで。
業界内外で様々な解決策が議論されていますが。
僕は日本人がおおらかになればかなり解決できると思います。
中国の宅配便事情
職場に配達するのは普通
冒頭に挙げた記事で紹介されたのは配達先の問題です。
中国では勤務先を配達先にするのが一般的という指摘です。
僕は中国に何年か住んでいたのですが、記事の指摘の通りです。
ネット通販で買った商品の配達先を職場にして、勤務中に受け取る。
中国ではごくごく普通のことです。
職場受取りは効率抜群
この職場受け取りはものすごく効率が良いです。
外出中に配達が来たら、社内の誰かが代わりに受け取っておいてくれます。
再配達を頼んで家で待機したり、営業所まで取りに行かなくて済みます。
配達する側も個人宅を一件ずつ回るより配送効率が良くなります。
しかも、再配達が激減する。
配達する側、受け取る側、双方にとって効率が非常に良いのです。
その場で新たな注文も
届いた荷物を見て、隣の席の人が何買ったの?と聞いてくる。
これだよ。すごく安かったの。
えー、それ良いね。私も買おう!
その場でスマホを取り出して、通販サイトにアクセスして注文。
こういう光景もよくあります。
段ボールはその場で破棄
冒頭の記事に対し、アマゾンの段ボール箱を抱えて電車で帰るのは大変という反論がありましたが。
中国では梱包が大きい場合、段ボールは会社で捨てて中身だけ持って帰ります。
帰るまではデスクの横に置いたままです。
宅配便の段ボールがオフィスのあちこちに転がっている。
これもごく普通の光景です。
さらにスゴイ中国の宅配便
冒頭の記事では職場配達だけが挙げられていましたが。
中国の宅配便では日本では考えられないような効率手法が使われます。
工場や大学への配達
下の写真をご覧ください。
中国の工場や大学の入口でよく見る光景です。
路上に転がっているのは宅配便の荷物です。
製造業の工場は寮制が多く、中国の大学はすべて全寮制です。
寮は6~8階建てでエレベーターは付いておらず、そんな建物が数十棟あります。
それを全部回って配達していたらドライバーは死にます。
受取人が受け取りに来る
そこで、ドライバーは工場や大学に着いたら荷物を路上に並べます。
そして送り状を見て、受取人の携帯にメッセージを送ります。
「荷物が届いたので、何時までに取りに来てくださいね~」って。
受取人は休憩時間や授業の合間に荷物を受け取りに来ます。
受取人が探す
そして荷物を取りに来た受取人は…
路上に転がっている荷物の中から、自分の荷物を自分で探します。笑
お兄ちゃんはその間、伝票をチェックしたり、取りに来ない人に催促したり、スマホゲームをしたりしてます。
これが通用し許容されるのが中国です。
日本もおおらかになろうよ
さて、こういったやり方が日本で通用するか?
通用するかしないかではなく、通用させるべきです。
日本だとどうなるか?
日本で職場に商品を届けさせると、絶対に批判が出るでしょう。
公私混同だとか、自分の荷物を職場の通路に置くなとか、梱包のダンボールを捨てて帰るなとか。
買った商品を見せあって井戸端会議するなとか、その場で自分も注文とかとんでもないとか。
絶対にうだうだ堅苦しいことを言い出す。特に男女を問わず老害どもが。
(僕もジジイだけどw)
誰も困らないじゃん
職場に荷物を届けさせて誰が困りますか?
届いた荷物を机の横に置いたら、売上高がいくら下がるってんですか?
段ボールは掃除のおばちゃんゴメンね、で済むでしょ。
買った商品の井戸端会議OK。その場で自分も注文OK。
日本中の会社がみんなそうすれば、自分の会社の商品も売れるようになるじゃないですか。
工場、大学は入口配達でOK
路上に荷物を並べて何が悪い?
そもそも梱包材とは中身を守るためのもの。汚れて本望でしょ?
ってか、日本の道端って中国の道端の20万倍はキレイだよ。笑
工場の従業員や大学の学生が、ちょっと入口まで取りに来てくれる。
それで配達のお兄ちゃんが、何十棟もある寮の階段を荷物を抱えて昇り降りしなくて済む。
だったらそれで良いじゃん?
日本人よ、おおらかになろう
日本人のキッチリカッチリや生真面目なところは、日本人の良い部分です。
でも、何事もケースバイケースってのがあるじゃないですか。
少なくとも宅配便問題については、中国のやり方のほうが効率的です。
職場に配達でも良いじゃん。路上に並べても問題ないじゃん。
それだけで、ヤマトや佐川のドライバーがそうとう楽になるのです。
日本のみなさん、もうちょっとだけおおらかになりませんか?