2016年12月24日夜に起こった新千歳空港での大騒動。
中国メディアは当初、事件の内容をわりと冷静に伝えていました。
北海道では50年来の大雪で、交通機関が影響を受けている。
新千歳空港では大部分が決行となり、中国観光客が影響を受けた。
24日夜、100名ほどの中国人客が欠航を不満として抗議行動を起こした。
搭乗ゲートの柵を超え、警官ともみ合いになる者もいた。
けが人は出なかったが、2人が不調を訴え病院に運ばれた。
環球時報が反撃を開始
しかし、一方的に中国人が批判されるのが我慢できないメディアがありました。
中国の超右寄りメディア、中国の産経新聞と呼ばれる「環球時報」です。
27日未明に日本メディアを大々的に批判する記事を掲載しました。
現在、この記事が新華社などあちこちのメディアに転載され、中国で拡散中です。
環球時報の記事を見てみましょう。
中国旅行客をあざ笑う日本メディア
中国人観光客に対して、日本人は複雑な感情を持っている。
一面では経済の救世主と見ている。
その反面、一部の中国人観光客の行動に対し、嫌悪感を抱いている。
26日、中国の観光客がまた日本メディアの嘲笑の的となった。
TBSテレビや読売新聞など多くのメディアが「空港で大騒ぎ」との見出しで、新千歳空港での中国人客の「異常行為」を報じた。
環球時報は(朝日を除く)日本メディアに対して攻撃的です。
記事タイトルの「炒作」は「大げさに煽り立てる」という意味です。
日本メディアの報じた内容を紹介
新千歳空港は大雪で混乱し、22~24日の間に1万人以上が足止めされた。
毎日新聞は、100名ほどの中国人客が欠航に抗議し、警察官と衝突して騒動を起こしたと報じた。
TBSテレビは中国人客がゲートに乱入し、阻止しようとした警察官と激しく衝突した。この騒ぎで2人の中国人が体調を崩して病院に送られたと報じた。
日本のネット民に嘲笑されている
TBSテレビのニュース画像では、多くの中国人が警察と押し合いとなり、ある人は力を入れすぎて倒れていた。
すぐあとにカメラは待合ホールを映したが、そこでは多くの日本人が毛布をかぶって休んでいた。
そしてアナウンサーは、これら日本人の静かさと中国人の騒動は対照的だと述べた。
日本メディアの報道を受けて、日本のネット上では激論がかわされた。
多くの日本のネット民が「みっともない」と書き込んでいる。
空港と警察に電話取材
事件の真相を求め、記者は26日、新千歳空港に電話取材を行った。
空港職員は記者に対し、24日夜に乗客が騒ぎを起こしたと答えたが、答えた内容は日本メディアから得たものであった。
記者はさらに千歳警察署に電話をかけた。
警察署員は、確かに衝突が起こったが、「大騒ぎ」だったかについては、なんとも言えないとした。
日本のメディアは煽り立てている
当時の状況を知る別の人が26日記者に伝えたところによると、この騒ぎの前に中国国際航空に搭乗した研修団と大韓航空の搭乗者も騒ぎを起こしたが、その場で解決し、大きな騒ぎにはならなかった。
彼は「いつくかのメディアが煽り立てており、意図的に大げさに言っているうたがいが拭えない。」と述べた。
このあと記事は、札幌の中国領事館の対応を紹介しています。
24日はキャセイパシフィック航空なども欠航し、香港人を含む500人ほどが空港で足止めとなりました。
彼らから領事館に電話で対応の要請があり、領事館は食料や毛布などを届けたとのことです。
歯切れが悪い環球時報
今回の環球時報の記事ですが、今ひとつ歯切れが悪いです。
決定的な証拠も示せず、想像だけで日本メディアが煽り立てていると報じています。
それもそのはずで、一番恥ずかしく悔しく感じているのは環球時報だからです。
中国ではこの手の事件が多発しており、そのたびに中国人から徹底批判が出ます。
「祖国の恥さらし」、「二度と帰ってくるな」などなど。
中国人自身がみっともなくて恥ずかしいと思っているのです。
日本だけには言われたくない
その恥ずかしいことをよりによって日本でやらかし、憎き日本メディアに批判された。
例えて言うならば、日本人が韓国で集団万引き事件を起こし、朝鮮日報にボロクソに批判されるようなものです。
それゆえ環球時報としては、中国側に100%落ち度があることは百も二百も三百も承知の上で、何か言わずにはおれなかったのでしょう。
心中お察しします。
同情はこれっぽっちもしませんが。笑