キャシュカードを使ってスーパーのレジで現金引き出し。
2018年4月から可能になるそうです。
僕は基本的には新しいものにポジティブなんですが。
これはどうかなぁ。
元小売業の人間としては、歓迎する気持ちにはなれないです。
レジで現金を引き出せる
使い方はこんな感じになるそうです。
- レジでキャッシュカードを提示する
- 専用の端末で暗証番号を入力する
- レジの店員から現金を受取る
カードを渡して3万円と伝え、暗証番号を入力して現金受け取り。
こんな流れになるのでしょう。
けどこれ、現場としては問題ありありなんですよね。
想定される問題
レジ教育の内容が増える
レジ教育ってけっこう面倒なんですよ。
パート・アルバイトって新入社員みたいに一括採用じゃないですから。
入ってくるたびにマンツーマンで教えなければなりません。
理解や覚えが悪い人ももちろんいる。
内容が増えると教える時間が増えるし、覚える項目も増える。
これって地味にダメージがあります。
使えないカードはないの?
全国すべての銀行のカードが使えるならば良いですが。
大分の店舗で群馬銀行のカードとか出されて。
パートさんはレジ横から一覧表を出して使えるかチェック。
その間、レジは動かないので後ろのお客さんはイライラです。
現金の補充
このサービスの利用者が増えた場合。
レジのお金が足りなくて補充しなければならない回数が増えます。
土日は人手があるのでなんとかなるでしょうが。
平日は社員も少ないので補充で呼ばれまくるとつらいです。
券面の指定
これが絶対あると思う。
1万円を千円札10枚でくれとか。
ないとは言えないから、また補充で呼ばれることになります。
今の日本だと新札で出せとか言い出すDQNもいかねませんからね。
トラブルのもとになるとしか思えません。
レジが混む
お客さんが手際が悪い場合。
出金お願いと言ってから、財布を開けてカードを探し出すとか。
いくら引き出すか迷ったり、端末の捜査に手間取ったり。
確実にレジが混む要素になります。
土日のピークタイムにこんなことされたらたまったもんじゃないです。
犯罪はない
レジに大金を保管するので犯罪につながるという意見がありましたが。
それはないですね。
大きな店だとピーク時でレジに100万円くらい入ってたりします。
なので、このサービス導入で犯罪増加とはならないはずです。
小売り側にメリットはない
ざっと考えただけでこれだけのデメリットがあります。
では、それでもなお導入するだけのメリットが小売り側にあるか?
ないです。断言します。
まず、買い物の最後にレジで出金なので、買い上げ点数増につながりません。
また、小売りは横並び意識が強いので、競合店が入れたら自店も入れます。
サービスの差別化にならないので、集客につながりません。
ここまで小売りにメリットのないサービスって逆に珍しいかも?笑
ATMが少ない地域だけで良い
このサービスを導入する狙いですが。
銀行側によるとATMが少ない地域での利便性アップだそうです。
ならば、ATMが少ない地域だけでの導入にすべきです。
都市部はコンビニも含めてあちこちにATMがあります。
小売りの現場に負担をかけてまで増やす社会的意義がありません。
利用料は銀行側が指定しろ
それと、記事を読んでてカチンと来たのですが。
利用者から手数料を取るかどうかは、小売店に任せる方向で調整する。
だそうです。なめてんのか!
小売り側に任せたら競合店対策で無料になるに決まってるじゃないですか。
つまり、小売りがタダ働きさせられるってことです。
自分たちはATMの利用料を取っているくせに。
ATMの代わりをする小売りには利用料無料でタダ働きさせる。
これだから銀行屋ってキライなんだよね。
ってことでこのサービス、僕は導入反対です!