地下鉄車内でのリュックの背負い方に見る中国の治安改善と豊かさ

先日、中国広東省で地下鉄に乗ったのですが。

腰を抜かすほどビックリする光景に遭遇しました。

いや、もう、唖然呆然愕然。

思わず写真を撮っちゃいました。こちらです↓

え、驚かない?いや、驚いてよ!

地下鉄車内でリュックを背負っている!

何がビックリって、リュックを背負ってるんです。

青とピンクの左の女子高生2人。その奥の男子高校生1人。

そして黒くて分かりにくいけど、右の大学生2人。

僕の前にいる若者5人が、5人ともリュックを背負っていたんです。

超衝撃。マジでぶっ飛ぶかと思うほどの衝撃です。

中国ではリュックは前で抱えるのが普通

なぜ衝撃なのか?

車内でリュックを背負うと周りの人に迷惑って中国人は民度が低い!

いや、違います。

実は背負うのが日本で問題になるはるか昔から、中国ではリュックは体の前で抱えるのが普通でした。

地下鉄やバスの車内だけではありません。混雑した人混みも然り。

人が多い場所では、リュックは背負うものではなかったのです。

リュックを背負わないのはスリ対策

なぜか?想像つきますよね。

混雑した車内や人混みにはスリがいるからです。

通学時に背負ったリュックの中から大切なものを盗まれた。

よく聞く話でした。

スリ対策でリュックは背負うのではなく前で抱えていたのです。

リュックを抱えている人が皆無!

それなのに、目の前の5人はリュックを背負っている。

周りを見回すと、前で抱えている人はほとんどいない。

しかも写真の女子高生のピンクのリュック。画像を拡大します。

水色の矢印のところにご注目。

なんと、リュックの口を閉め忘れて開いたままなのです!

なんなんだ、これは!!

中国の治安が向上している

この無防備さ。考えられる理由はただ一つ。

スリがいなくなったのです。それ以外に説明のしようがありません。

そう言えば僕自身も、昔に比べて中国滞在中の緊張感が低下しています。

昔はバスの中でも明らかに挙動がおかしいのとかいました。

ふと振り返ると僕のかばんを開けようとしていたってこともあった。

今はもうそんなことはありません。中国が安全になっているのです。

中国人が豊かになっている

ではなぜスリが減ったのか?

そんな危ない稼業に手を染めなくても食っていけるようになった。

スリが割に合わないほど普通に働いて生計が立つようになったのでしょう。

そう言えば、この10年近くで激的に減った商売があります。乞食です。

昔は大きな駅やバス停には必ずいました。

上海でも地下鉄の車内を無心して歩く乞食が必ずいたものです。

今ではすっかり見なくなりました。

中国の変化は大きく速い

中国とはかれこれ15年ほど付き合っていますが。

ここ5年ほどの変化は極めて大きく、なおかつ速い。

そのことを自分ではよく分かっているつもりでした。

ところが、リュックを背負う姿に驚愕している。

中国の変化と速さに対する自分の理解がいかに足りていないか。

頭を叩き割られるほど思い知らされました。自信喪失です。

現場で自分の目で

マスコミが伝える事実は、世に数多ある事実の中のごく一部です。

基本的に販売部数と視聴率につながる事実を選んで伝えます。

その結果、読者、視聴者の共感、納得を得やすい事実ばかりになります。

マスコミ報道ばかりを見ていると、本当の事実は見えてこない。

やはり、もっと現場で自分の目で見なければならない。

そうしないと取り残される。

目の前のリュックを眺めながら、改めて認識しました。

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