長崎新幹線はフリーゲージは諦めて単線のフル規格orミニ新幹線で!

博多と長崎を結ぶ九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)。

JR九州がフリーゲージトレイン(FGT)導入を諦めたと日経新聞が伝えました。

さらにFGTの新型車両に不具合があると国土交通省が報告しました。

この状況を受けて長崎県は全線フル規格化を主張。

JR九州も自然とそうなってくれることを期待。

ですがプチ鉄オタの僕は、単線でのフル規格化orミニ新幹線化を主張します。

まぁ、ジジイの戯言です。苦笑しながら読み流してやってください。

先におことわり

今これを読んでらっしゃる方は、長崎新幹線+フル規格とか、ミニ新幹線とか、フリーゲージトレインとか、三線軌条とかの検索結果から来たはずです。

つまり、平均的日本人よりも鉄分が豊富な方ばかりでしょう。

なので、ミニ新幹線とは何かみたいな説明は一切省いて、さっそく本論とさせていただきます。

長崎新幹線やらイラン!

長崎新幹線はそもそも必要性のないムダな新幹線です。(言っちゃった!笑)

僕は元福岡県民でして、長崎に行くなら白いかもめか高速バスで十分です。

土建業以外の長崎市民の方の多くも同じ意見だと思います。

だって、新幹線になって運賃高くなって28分しか縮まらんちゃろう?

そげんなもんいらんよ。かもめで十分たい。笑

山陽新幹線直通が絶対条件

でも作っちゃいましたから。

作っちゃった以上、活かす方向で考えるしかない。

活かすとなると、山陽新幹線へ直通させることが絶対条件である。

これに異論がある鉄な方はまずいらっしゃらないと思います。

博多止まりでは効果マイナス

まず上述の通り、長崎ー博多の時短効果は30分足らずです。

なのに運賃が高くなる。

どう考えても白いかもめよりも乗客が増えるとは思えません。

それどころか今でも高速バスが20分ごとに走るほどの人気ぶり。

さらにバスに流れてJRの利用客が今より減る可能性だってあるでしょう。

ってか、確実に減る

それ以上に大きな問題があります。

実は長崎市の人口減少数は九州の主要都市でトップです。

なので、長崎と福岡の2点間の移動需要はこれから減少していくはずです。

つまり、長崎ー福岡間の需要に頼るだけだと、長崎新幹線はいずれジリ貧になるってことです。

博多以東の需要取り込み

そこで必要となるのが、博多から先の需要の取り込みです。

もし長崎新幹線が山陽新幹線に直通することができればどうなるか?

小倉、広島から長崎への需要は確実に取り込めます。

それ以上に大きな需要が見込めるのが関西です。

長崎空港から大阪へは1日9便、神戸へも3便の定期便が飛んでいます。

新大阪-長崎は4時間を切るでしょうから、十分飛行機から取れると思います。

関西需要を取らないと赤字になる

ってか、取らないと赤字新幹線になりかねないと思うんです。

長崎本線の営業係数は90台後半で、赤字転落一歩手前です。

しかも上述の通り長崎市は人口減少が止まらない。

東京は無理にしても、せめて関西からの需要を取り込まないと、いずれ赤字になるでしょう。

そのためには、やはり山陽新幹線直通が至上命題です。

できるかどうかを別とすれば、これに異論がある鉄な方はいないはずです。

フリーゲージトレインは無理

そこでフリーゲージトレインですが。

ご存知の通りです。保守や速度の面からJR西日本が乗り入れ拒否をしています。

FGTの技術面とかJR九州の負担増の面からではなく、山陽に乗り入れられないというこの一点で、僕は長崎新幹線へのFGT導入には絶対反対です。

ではどうするか?答えは一つです。

山陽新幹線を長崎まで乗り入れさせる

山陽を走っている車両を長崎新幹線に乗り入れられるようにする。

これしかありません。

長崎新幹線をスーパー特急方式にすれば?というご意見があります。

でもそれでは山陽新幹線に乗り入れられません。博多で乗り換えとなります。

それでは今と同じです。関西からの旅客は絶対に増えません。

直通して初めて関西効果が出る。鹿児島ルートがそれを証明しています。

なのでスーパー特急方式は営業的にプラス効果が弱い。

やはり山陽新幹線をそのまま長崎まで走らせるのがベストです。

全線フル規格化はムリ

ではどうするかで、まずは全線フル規格化ですが、僕は無理だと思います。

佐賀県がお金を出さない

みなさまご存知の通り、まずは佐賀県の問題です。

フル規格化すると佐賀県の負担が800億円になると言われています。

佐賀県の年間の歳入総額は4,000億円です。800億って2割ですよ。

フル規格化しても佐賀県のメリットは大きくない。

なのに800億も出せって、佐賀県が首を縦に振らないのは当然だと思います。

並行在来線の問題

それ以上に大きいのが並行在来線の問題です。

鳥栖ー武雄温泉間をフル規格にすると、同区間の長崎本線、佐世保線が並行在来線になります。

第3セクターとして佐賀県が引き受けなければならなくなります。

ここでまた佐賀県の負担が増えてしまう。

特急を走らせると約束してもらった肥前鹿島も納得しないでしょう。

国民も納得しない

佐賀県の800億円を国が負担するか?

800億って実は大した金額ではありません。

国民1人あたり、1年限定で800円増税すれば済むだけの話ですから。

でも、遠く離れた佐賀で、しかも時短効果は30分。

誰もハイ喜んで!と800円出しませんよね?

これらを総合的に考えると、フル規格化はやはり良くないと思います。

三線軌条

そこで次善の策として上がるのが、新鳥栖ー武雄温泉間の三線軌条化です。

三線軌条にして、狭軌の在来線と標準軌の新幹線の両方が走れるようにする。

僕も最初はそれが良いかな?と思いました。

電圧の問題

でもよく考えたら、電圧が違いますよね?

なので、長崎新幹線用に複電圧対応の車両を開発しなければなりません。

FTG開発のコストに比べれば屁みたいなものでしょうけど。

それでも700系をそのまま導入するよりコストアップになります。

構造が複雑になる

また、三線軌条にするとポイントなどが複雑になります。

それと、在来線やJR貨物の列車と同じ線路上を一緒に走ることになります。

中国が新幹線導入初期にその状態だったのですが、新幹線の通過待ちで在来線の運転停車がめちゃ増えました。

これらの点から、三線軌条もどうなのかな?と思っちゃうわけです。

単線で分けちゃえば?

そこで提案なのですが、単線で分けちゃうってのはどうでしょうか?

長崎本線は複線です。佐世保線の肥前山口-武雄温泉間も複線になる予定です。

そこで、片方を1,067mm、2万ボルトで在来線と貨物専用。

もう片方を1,435mm、2万5千ボルトで新幹線専用。

在来線、貨物用の単線と、新幹線用の単線に分けるってことです。

こうすれば三線軌条の複雑なポイントの問題を回避できます。

また、地図で見る限りですが武雄温泉までは線形も悪くなさそうなので、700系車両をそのまま走らせられないかな?

もし車幅や回転半径で問題が出るようならばミニ新幹線で。

ちなみに武雄温泉までトンネルはありません。

工事をどうする?

課題はまず改軌のための工事の問題です。

山形、秋田では長期間の運休で工事をしました。

仙山線や陸羽東線など回避ルートがあったので長期運休できましたが。

長崎はそれがないので、長期運休を伴う工事はできません。

しかし、単線分けであれば片方の線路は工事期間中もそのまま使えます。

また、標準軌に改軌する方については、運行を続けながら工事します。

狭軌+標準軌のレール4本の区間を夜間工事で作っていく。

昼間は狭軌のレールを使って通常通り運行します。

そして新幹線が開通してから狭軌のレールを撤去です。

長崎本線は夜行列車はないし、貨物列車は本数が少なく佐賀駅の隣の鍋島駅までしか走ってませんので、夜間工事は十分できると思います。

列車交換はどうする?

もう一つの大きな問題が列車交換です。

単線にすると上りと下りの新幹線を行き違いさせなければなりません。

現在、かもめは1時間2本の運行です。鹿児島ルート並みにしても1時間3本です。

要するに20~30分間隔で向かい側から列車がやってくるということです。

新鳥栖ー武雄温泉間を現在の特急と同じ1時間で走るとすると、2~3本の列車と交換する必要があります。

それは可能なのか?

複線区間で交換できる

調べてみたのですが可能性はあります。

新鳥栖ー武雄温泉間で2面3線以上の線路を持つ駅がいくつもあるからです。

例えばこんなのどうでしょうか?

現在の線路を在来線(赤)と新幹線(青)に振り分けたイメージ図です。(数字は駅間距離)

2面3線以上の駅を使って交換させることができると思うのです。

武雄温泉と新鳥栖も含めると5ヶ所あるので、2~3本の列車と交換するのは可能ではないでしょうか?

編成長ですが、現在のかもめは最長で7両編成の140mです。

仮に700系を6両編成で運用すると15mほどオーバーしちゃいますが。

それくらいだったら何とかならないかな?

新鳥栖ー武雄温泉間は新幹線用単線で

まとめますと。

1.長崎新幹線は山陽新幹線と直通しないと意味がない

2.でも、フリーゲージトレインはJR西が受け入れない

3.スーパー特急では博多乗り換えになる

4.全線フル規格はコストと3セクの問題で無理

5.三線軌条も複電圧対応とポイントで問題がある

6.そこで、複線を在来線用と新幹線用の単線2つに分ける

7.700系をそのまま走らせられなければミニ新幹線

8.改軌は夜間工事で対応

9.列車交換は2面3線以上の駅で実施

山陽直通を実現させよう!

かなり突飛な案ですし、きっといろいろ問題はあると思います。

ただ、長崎新幹線を赤字路線にしないためには、山陽直通が絶対条件です。

FGTや武雄温泉での乗り換え定着は何としても避けなければなりません。

この方法ならば比較的低コストで山陽直通を実現できるのではないでしょうか?

他にもっと良い案があれば、ぜひぜひご意見を!

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