東南アジア放浪記/イメージ画像

いざ20年ぶりのベトナムへ、格安航空セブパシフィックでレッツらゴー!

20年ぶりとなった今回のベトナムへの旅。実は取り立てて行きたいと思っていたわけでもなく、密かに計画を温めていたわけでもなく、どちらかというと成り行きと言ったほうが良いものであった。

僕はつい最近アラフォーを卒業した個人事業主。フィリピンのマニラに住んでいる。フィリピンには「ACR I-Card」というものがある。フィリピンに59日を超えて滞在する外国人はこのI-Cardを取得しなければならない。外国人登録証のようなものだ。

ACR I-Card

このまま7月末までフィリピン国内にいると59日を過ぎることになる。そうなるとI-Cardを取得しなければならい。

「ふーん、弱ったなぁ。こんなしょうもない晩ご飯のおかずにもならんようなプラッチックに何が悲しゅうて6,000ペソも払わんならんのや。なんかええ抜け道ないもんかいな?」


法律相手に抜け道もへったくれもあったものではないのだが。庶民向けの食堂で100ペソも出せば腹一杯になれるこの国で、みすみすお上に6,000ペソも献上するのは口惜しい。とは言うもののこのまま7月末までフィリピンにいれば6,000ペソ払わない訳にはいかない。

「ん?待てよ。そうやん、いるからあかんのや。59日になる前に出ていったらI-Card取らんで済む。どっか外国行ったらええやん。ほんで戻ってきてまた59日になる前に出て行く。それ繰り返したら永遠にI-Card取らんでOKノープロブレムやがな。せっかくフィリピンに居るんやしな。東南アジアあっちこっち放浪しまくるんも面白そうやし。うん、そないしよ。」


読者諸兄はこれを聞いてきっと「アホか?」と思うであろう。6,000ペソといえば1万5千円。1万5千円で外国って、あんた遠泳よっぽど得意やな?といったところだろう。

が、しかし、ここはフィリピンである。7千の島からなる群島国家フィリピンでは航空機が国内移動の重要な交通機関となっている。とは言え、1人当たりのGDPが日本の20分の1ちょっとしかない貧しいフィリピン。飛行機なんてそう簡単に乗れるものではない。いや、なかった。


そんなフィリピンの航空業界を変えたのが格安航空会社のセブパシフィック航空である。1996年に運行を開始したセブパシは格安の運賃を武器に乗客を集め急速に成長。今ではフラッグキャリアであるフィリピン航空を抜いてフィリピン最大の航空会社となった。

高運賃で殿様商売をしていたフィリピン航空に対して徹底した低価格で勝負したセブパシ。その結果、フィリピンではセブパシの成長にともなって航空機を利用する乗客も急増したのである。貧乏フィリピン人でも乗れるセブパシ。それくらい運賃が安い。


セブパシフィック航空

ちなみに上の写真は、僕が乗る1ヶ月前にフィリピン南部のダバオ空港で着陸に失敗したセブパシ機の写真。タガログ語が分からない僕はフィリピンのニュースを見ないためこの事故のことは知らなかった。まぁ、知ってても乗ってただろうけど。笑


「セブパシやったらどっか行って帰って6,000ペソでチケットあるやろ?セブパシがダメやったらエアアジアとかジェットスターとかもあるしな。」

東南アジアは日本と違ってLCC天国。どんな国にも2つか3つは格安航空会社がある。そして東南アジア域内で盛んに国際線を飛ばし合っている。セブパシで6,000ペソのチケットがなくても他に使える航空会社はいくらでもある。

そう思いさっそくセブパシのサイトを開いて運賃チェック。そしてまさに往復ジャスト6,000ペソのチケットがあったのがベトナムのホーチミンシティへのフライトだったのだ。


ホーチミンシティ。確か社会人1年目だったろうか、もう20年くらい前になる。はっきり言ってほとんど何も覚えていない。覚えていることといったら、買ってきたおみやげが社内で成績が悪かったやつに食べさせる罰ゲームに使われたことくらいだ。

「ベトナムかぁ。悪くはないよな。ホテル代とかで多少は足出るやろけど、プラッチックに6,000ペソも払うよりよっぽど良いわ。おっしゃ、行こ。」

こうして20年ぶりのベトナム行きが決定した。ちなみにフィリピンに戻ってから気付いたことであるが、I-Cardの申請料金は6,000ペソではなく3,000ペソだった。勘違いしていた。涙

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