東南アジア放浪記/イメージ画像

新興国でがんばってる日本企業もあるのだが。サラリーマン社長ではダメなのか?

ちょっと連発で日本に対してネガティブなことを書いてしまった。こんなことばかり書いてると、ヘイトスピーチの攻撃を受けそうなので、ここらでちょっとフォローを。笑

日本企業が決して新興国市場でボロボロというわけではない。僕は中国、フィリピン、ベトナムくらいしか知らないけれど、がんばってるなと思うのが、キッコーマン、味の素、味覚糖、キューピー、日清、カシオ(G-SHOCK)。

G-SHOCK

上の写真はホーチミン市内の大通りで見かけたカシオのBaby-Gの看板。G-SHOCKとBaby-Gは僕が住んでるフィリピンでも大人気で、Gを付けてる若い子をあちこちで見かける。

ちなみに看板に写ってるのは誰でしょう? 全部で9人いるよね。ハイそうです。少女時代です。 日本の商品売り込むのに何が悲しゅうてK-POPアイドルを使わんならんのや。かといってAKBやももクロ使っても誰も知らんしなぁ。ほんま、情けないわ。笑

日清

こちらは日清のインスタントラーメンならぬインスタントフォー。買って帰って食べましたが美味でありました。日清もフィリピンで人気です。ラーメンと焼きそば、最近ではパスタまでラインナップを広げ、どんなスーパーに行っても必ず売られてます。

あと、味覚糖とか日本では地味かも知れないけど、中国の片田舎のスーパーでも見ることがある。アメでいったら不二家もそう。中国のド田舎のスーパーでペコちゃんとポコちゃんの笑顔に何度癒やされたことか。


このように新興国でがんばってる日本企業もあることはある。ではあるのだが、やっぱりトータルで見ると日本企業って出遅れているのだ。(やっぱりネガティブになった!笑)

ではなぜ出遅れるのか? 完璧を目指しすぎると思うのだ。新興国市場で完璧なんてできるわけがない。「とりあえずベトナム行ったれ~、あかんかったらサクッと逃げて、また様子見て行けそうなったら行ったらええがな~」的なノリで良いと思うのだ。

事前の計画段階で100%とか求めてたら、海外進出なんてできるわけがない。60%の出来でとりあえず進出して、走りながら90%まで引き上げれば良い。100%になる必要なんてまったくない。

そして失敗したらサクッと引き上げれば良い。全戦全勝なんて目指してたら勝負なんてかけられない。ミスったら速攻で撤退して、次のチャンスを狙えばそれで良いじゃないか。


しかし日本企業にはそれができない。できないとは言わないまでもやりにくいことは確かだ。日本という社会は減点主義だ。成功するよりも失敗しないことを良しとする文化がある。特に企業ではそれが顕著だ。それゆえトップがリスクを負えなくなる。

もちろんそんな企業ばかりではない。ソフトバンクとか楽天とかユニクロとか、オーナー社長の企業は果敢にリスクを取りに行ってる。そしてリスクテイクするからこそ大ヒットも飛ばすが、時としてミスも犯す。

例えばユニクロとか、つい数年前に農業に進出して痛い目にあった。30代以上の人は覚えてると思うけど、今から20年ほど前だったろうか、柳井さんはユニクロの他にファミクロ、スポクロって店を作って、3ブランド展開にした。トヨタがネッツ店とカローラ店とトヨペット店ってやるみたいに。で、これが大ゴケの大失敗となった。ものの見事のボロンボロンだった。

リスクテイクすれば失敗することもある。でもリスクテイクしないとチャレンジはできない。多くの日本企業が新興国市場で欧米企業に遅れを取っている原因の一つがそこにあるのではないだろうか。


では、サラリーマン社長ではダメなのか?サラリーマン社長ではリスクを取れないのか? 僕はそうは思わない。というか、元サラリーマンの1人としてそう思いたくない。

まずやはり、今のトップがなんとかがんばって社内にリスクテイクする文化を少しでも芽生えさせるべきだ。そして、安全型ではないリスクテイク型の人材にトップの座を譲る。これを繰り返していくことが必要だろう。

それともう一つ。株主対策だ。株主が短期の利益を求める以上、企業としてはリスクテイクなんて言ってられない。かと言って株主、特に機関投資家やファンドなどはどうしても短期の利益を求めざるをえない。

であるならば、企業グループ内で長期的に株を持ち合うとか、場合によっては上場を廃止するとか。トップが安心してリスクテイクできるような環境を作る必要もあるのではないだろうか。


僕は在外邦人なのでよりいっそう思うのだが、やはり日本企業にはがんばってもらいたい。世界中のスーパーで日本の商品を目にしたい。そのために企業トップには果敢にリスクテイクして欲しい。そして日本には、リスクテイクを容認できるような社会になってほしい。

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