東南アジア放浪記/イメージ画像

中華とヒンズーが同居する街。日本に移民を受け入れることはできるのか?

美術館を出て今度は北へと向かう。ホーチミンシティでどこか見どころってあるのかな?と昨夜ネットでぱらぱら見てたら、「ホーチミンシティのメインストリート、ドンコイ通り」、「ドンコイ通りはホーチミンのシャンゼリゼ」、「ホーチミンシティを観光するならまずはドンコイ通りの散策」ってな記述があちこちに。

どちらかというとショッピングストリートよりビジネスストリートのほうが興味があるのだが。そこまで有名ならばちょっと見に行ってみようかと。どっちみち暇だし。笑


地図を見る限りドンコイ通りは右斜め前方にあるような雰囲気。とりあえず北に進み、途中で右に曲がろう。そう思って歩いているとにわかに雲行きが怪しくなってきた。さらにポツポツと雨粒が。

「うげっ、こりゃやばい、来よるで、スコールや。」

普段マニラのような熱帯気候エリアに住んでいると、おかげさまで雨が降り出した瞬間に普通の雨かスコールかの見分けが付くようになる。笑) やばい、雨宿りをしなければ。目の前にあった建物の中に入る。


間一髪。予想通りスコールだった。土砂降りの雨が頭上から勢い良く降り注ぎ、雨粒が地面を叩くけたたましい音が周囲に響く。その音に我に返る。はて、ここはどこ?

ヒンズー寺院

雨宿りに駆け込んだ先はヒンズー寺院だった。異教徒お断り、もとい、無教徒お断りって感じでもなさそうな様子。せっかくなので中をのぞいてみる。

女の神様

ライオンに乗った女の神様。

サル型神様

サル型神様。

うーん、コメントのしようがない宗教画というのは厄介なものである。


なにせベトナムは大陸国家なのでインドとも地続きだ。古い時代からインド人が交易などでこの地を訪れ、そして住み着いた人がいてもおかしくないだろう。そういった人たちの末裔や、今の時代になってベトナムに渡り住んだ人たちがこういったヒンズー寺院を必要としているのだろう。

そう言えば、インド人だけでなく中国人の気配もこの街にはある。昨日訪れたチャイナタウンのチョロンではあまり感じなかったが、ホーチミンシティをぶらぶら歩いていると、中国を感じさせるものも散見される。


中華系一般住宅

住宅街で見かけた一般住宅。いやいや、一般じゃないよね。思いっきりチャイナな門構え。華僑か中華系の人が住んでらっしゃるのでしょう。

五福臨門

こちらは商店の軒先。ちょっと見にくいかな。「五福臨門」と書かれています。健康とか長寿とか金儲けとかすべてバッチグーになるという、スーパー欲張りな縁起の良い中国語。

ガソリンスタンド

「加油站」ってのは中国語でガソリンスタンドのこと。中華系の人が経営しているのだろう。

インド文化や中国文化、インド式暮らしや中国式暮らし、それらが街のあちこちに現役で息づいている。それがホーチミンシティという街だ。


そこで思ったのだが、僕らには果たしてこんなことができるだろうか。自分の住む町内に普通にヒンズー寺院があって、2つあるガソリンスタンドのうち1つは中国人の陳さんが経営している。隣のムハンマドさんはイスラム教徒で明日は断食で、子供の同級生のサントスくん一家はブラジル人で声がデカイ。

自分の周囲にいくつもの異文化がある。どうだろうか。僕は対応できそうな気はしつつ、でもやっぱりあまり自信がない。多くの日本人には容易ではないように思う。

となると、外国人排斥とかそういう意味じゃなしで、日本には移民受け入れって難しいんだろうなぁ、と。ってことはやっぱり、これからさらに高齢化が進み、人口が減っていく前提で自分の将来を考えなきゃいけないんだなぁ、と。そんなことを考えてみた。


勢いは良いが続かない、それがスコール。さて、雨も止んだことだし。そろそろ行きましょうかね。

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