東南アジア放浪記/イメージ画像

ベトナムのスーパー、日本製品はどこに? あ、おっとっとだ~!え、えぇ~っ?!

僕は小売業出身なので旅に出るとどうしても地元のスーパーをのぞいてしまう。元バイヤーの血が騒ぐといったものではなく、その土地のものが売られていておもしろかったり、どんなメーカーのものが売られているのか気になったり、要はただの好奇心だ。笑

しかし、フィリピン然り、ここベトナム然り、途上国のスーパーで売り場を見ていると、時としてショボボーンな気持ちになってしまう。それは日本のメーカーの商品が今一つ並んでいないからだ。


ベトナムのリジョイ

ホーチミンシティのとあるスーパーにて。こちらはシャンプーの売り場。ズラッと並ぶ緑のパッケージはP&Gのリジョイ。


ベトナムのTide

こちらは洗剤売り場。やはりP&GのTideが一等地を取っている。こんな感じでトイレタリー系はP&Gとユニリーバの独占状態に近い。日本の商品は花王のアタックさえ販売されていない。こういう光景を見せられると、いかにノー天気な僕でもショボンとなってしまうのだ。


「あぁーあ、PGとリーバばっかりやん。花王もライオンもどこ見てもあらへん。ケータイだけやなくメーカーも内弁慶のガラパゴスや。せっかくベトナムまで来たのにションボリ気分。(´・ω・`)  と、思ったら~。おぉ~、あった~っ!」

おっとっと

「おっとっとやー! 森永がんばってるやん。こっちでもコマーシャル、とんねるずがやってるんかなぁ? と、思ったら~。森永ちゃうやん、オリオンやん!」


そう。森永のおっとっとだと思ったその商品は、韓国のオリオン製菓が販売する、おっとっとのパクリ商品だったのだ。 (´・ω・`)ショボーン


こういうのを見ると昨今の嫌韓感情もあり、「パクるな、南朝鮮!」とか、「これもウリジナルか、半島人が!」とか言い出す読者諸兄もいるかもしれない。しかし僕の考えはまったく違う。

そもそもパクリというのはするものなのだ。良いか悪いか以前に日本企業だって思いっきりやっている。例えば数年前に桃屋が「食べるラー油」を出して大当たりした時、半年もしないうちにS&Bが類似品を出したではないか。それとオリオンのおっとっとの何が違うというのだ?

食品だけではない。スバルがレガシィのステーションワゴンを出してヒットしたら、トヨタもニッサンも三菱もこぞってワゴンを出したではないか。トヨタに至ってはホンダが東京モーターショーに出展したコンセプトモデルを、ホンダが市場に出す前に市販化して「Bb」という名で販売したという超絶パクリ伝説まで持っている。

売れるものがあるならば自分も作って売る。商売の世界では当たり前のことなのだ。


パクられることに文句を言ってはいけない。というか、文句を言ったら自分の首を絞めることになる。今度他社が売れるものを作った時、自分がパクれなくなるから。笑

すべきことは文句をいうことではない。そうではなくて、パクられる前に一気に市場を押さえる。よそがパクリ商品を新しい市場に投入する前に、いち早く自社がオリジナルの商品を市場に投入し、その市場を一気に押さえてしまう。すべきことはそれだ。


新興国市場はスピードが命だ。すでにベトナムではオリオンがおっとっとを売ってしまった。今から森永がベトナム市場に入ってきておっとっとを売っても、すべてのベトナム人は「森永がオリオンのパクリ商品を売っている」としか見なさないであろう。

それはオリオンが悪いのではない。おっとっとがベトナム市場で受け入れられることに気付き、いち早くベトナムで販売したオリオンが優秀だっただけ。ベトナム市場で売れると気付かず、オリオンに先に売らせてしまった森永が愚かだっただけ。

それが商売だ。僕はそう思っている。

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