人気の仮想通貨ですが、デメリットやリスクもあります。
安全な投資をするには仮想通貨のマイナス面と安全対策もよく理解することが大切です。
この記事では、
- 仮想通貨自体の9つのデメリットとリスク
- 仮想通貨投資の6つのデメリットとリスク
- 仮想通貨の10の安全対策
を解説します。
初心者向けに解説します!
タップできる目次
仮想通貨自体のデメリットとリスク
まず最初に仮想通貨そのものが持つデメリットとリスクです。
信頼性が低い
法定通貨は国家がついている
法定通貨の信頼性は国家が担保します。
円は日本国政府、米ドルはアメリカ政府が後ろ盾となることで、強い信頼性が認められているのです。
仮想通貨は国家の後ろ盾がない
これに対して、仮想通貨には後ろ盾となり信頼性を担保する国家が存在しません。
このため、法定通貨に比べて仮想通貨は信頼性が低いです。
どこの馬の骨って感じか。
国家による保護がない
仮想通貨の価値は誰も守ってくれません。
法定通貨は国家による保護がある
法定通貨は国家がその価値を保護します。
例えば急激な円安が進むと、日本銀行が為替介入を行いますよね?
円を買い支えることで円の価値を守ります。
仮想通貨は国家の保護がない
これに対して仮想通貨はどの国家の通貨でもありません。
つまり、仮想通貨は国家による保護の対象外です。
どこも為替介入してくれないので、実際の価値に応じて下がるところまで下がります。
国に守ってもらえないんだ…
法整備が不十分
仮想通貨は歴史の浅い金融商品です。
このため、仮想通貨に関する法整備はまだ十分には整っていません。
現行法が想定していないリスクが今後出てくる可能性があります。
国の規制が強化される
国が規制を強化する可能性
通貨は国家主権に関わるもので、仮想通貨が自由に流通する状態は国家にとって好ましくありません。
このため今後、仮想通貨への国の規制が強化される可能性があります。
規制強化による仮想通貨の価値下落
規制強化の内容によっては仮想通貨の価値が下がります。
2021年9月に中国で仮想通貨の取引が全面的に禁止された際には、ビットコインの価値が10%下落しました。
規制強化の可能性はあります!
サイバー犯罪の対象になる
仮想通貨はデジタル通貨ゆえに、ハッキングなどサイバー犯罪のターゲットになりやすいです。
日本でも過去に数百億円相当の仮想通貨が盗まれるなどの被害が発生しています。
プチ解説 ハッキングとは?
詐欺の増加
最近は仮想通貨に関する詐欺が増えています。
SNSでつながって信用したら仮想通貨をだまし取られたなど。
手口も巧妙化しています。
すごく増えてるよ。
インターネット環境が必須
仮想通貨はインターネットが使えることが大前提です。
インターネット環境がなければ、決済も送金も残高確認もできません。
オフラインでは何もできない。
停電に手も足も出ないのが仮想通貨です。
けっこう弱キャラなのね。
決済で使いにくい
仮想通貨は決済(支払い)で使いにくいです。
仮想通貨は値動きが大きい
仮想通貨は値動きが大きいです。
1イーサ=20万円だったのが、数時間後に19万円になることもあります。
決済で使いにくい
例えば、20万円のテレビを買うとします。
1イーサで支払おうと思ったら「1万円足りません」と言われるわけです。
仮想通貨は値動きが大きいため決済では使いにくいです。
食事してる間に価値が変わるみたいな…
レジで会計する際にビックリ!
ミスやトラブルのリスクがある
ミスやトラブルで仮想通貨がリスクにさらされる可能性があります。
秘密鍵の紛失
仮想通貨業者を使わず自分で仮想通貨を保管する際、秘密鍵というパスワードのようなものを使います。
これを紛失したり忘れたりすると、仮想通貨を取り出せなくなります。
プチ解説 仮想通貨業者とは?
アドレスの入力ミス
仮想通貨を業者などに送金する際、アドレスと呼ばれる住所のようなものを入力します。
30文字前後と長いのですが、1文字でも間違うと仮想通貨は消失します。
プチ解説 アドレスとは?
システムトラブル
仮想通貨業者や仮想通貨自体のシステムトラブルも大きなリスクです。
アナログなところに弱いよね。
仮想通貨投資のデメリットとリスク
次に仮想通貨で投資する際のデメリットとリスクです。
大損する可能性がある
仮想通貨投資は大儲けする可能性がある一方、大損する可能性もあります。
株は値幅制限がある
どんな投資商品でも価格変動はあります。
そこで例えば日本の株式市場では値幅制限(ストップ高・ストップ安)という仕組みが導入されています。
値幅制限により株の値動きは最大でも前日比で30%です。
つまり、1日の取引での損失は最大でも前日比30%にとどまります。
仮想通貨は値幅制限がない
これに対して仮想通貨には値幅制限のような仕組みはありません。
上がる時は無限に上がりますが、下がる時も無限に下がります。
1日に90%を超えるような暴落が過去に何度も起きています。
このため、仮想通貨投資では大損をする可能性があるのです。
90%って…
仮想通貨業者が犯罪被害に遭う
仮想通貨業者がサイバー攻撃の被害に遭う可能性があります。
実際、2018年にCoincheckがサイバー被害に遭い、580億円相当の仮想通貨が盗み取られました。
利用者の損失は補填されましたが、この事件をきっかけにCoincheckはマネックスグループの子会社になりました。
大きなニュースになったよね。
仮想通貨業者の経営破綻
仮想通貨は購入した仮想通貨業者で保管してもらうことができます。
保管中に仮想通貨業者が経営破綻した場合、自分の仮想通貨が戻ってこない可能性があるのです。
仮想通貨は銀行の預金保険制度の対象外ですので注意してください。
投資詐欺が増えている
仮想通貨投資の詐欺が非常に増えています。
最近多いのはツイッターを使って儲け話を持ちかけてくるパターンです。
持っている仮想通貨を奪われるだけでなく、出資して預貯金まで失うなど被害が拡大しています。
甘い話は全力ブロック。
税金が不利
仮想通貨は税金が不利です。
税率で不利
株やFXは申告分離課税で税率は一律20%です。(復興特別所得税を除く、以下同)
これに対して仮想通貨は総合課税で所得税の税率は累進性です。
税目 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
株やFX | 15% | 5% |
仮想通貨 | 5~45% | 10% |
このため、住民税と合わせた税率は最高で55%になります。(国税庁:所得税の税率)
半分以上も…
損益通算などができない
また、仮想通貨の所得区分は雑所得です。
このため、雑所得以外との損益通算はできません。(国税庁:雑所得)
また、損失を翌年以降に繰り越す繰越控除も使えないなど、株に比べて不利です。
税制が変わる可能性も
なお、これらを問題視する声が大きくなってきています。
仮想通貨の税金の扱いを株やFXと同じにすべきだとの意見も出ており、仮想通貨の税制が変わる可能性もあります。
むっちゃ期待しています!
仮想通貨の安全対策
ここまで見てきた仮想通貨のデメリットとリスク。
それらを避けるための安全対策を紹介します。
「投資にはリスクがある」ことを肝に銘じる
まず大前提として「投資にはリスクがある」ことを肝に銘じましょう。
儲けることに意識が行ってしまうとリスクに対して鈍感になります。
一寸先は闇だと常に緊張感を持つことが大切です。
慣れてきた頃が危ないよ。
堅い通貨で投資する
大儲けできる可能性が高いのは知名度が低いいわゆる「草コイン」です。
しかし、一気に暴落することも多くハイリスク・ハイリターンです。
リスクを避けるために堅い通貨で投資するようにしましょう。
特に最初の内はビットコインとイーサの2つに絞ることをおすすめします。
僕もこの2つだけです!
プチ解説 草コインとは?
国内の仮想通貨業者を利用する
海外の業者は日本の法律の適用外
取引に際しては国内の仮想通貨業者の利用をおすすめします。
海外の業者は金融庁の監督対象外であり、日本の法律が適用されません。
日本語でやり取りできるし。
金融庁に登録された業者を使う
また、暗号資産交換業者として金融庁に登録されている業者を利用しましょう。
登録されている業者はサイトに登録番号が書かれています。
登録の有無は金融庁のサイト(PDF)でも確認できます。
堅い業者を利用する
金融庁登録済の日本の業者であればどこでも良いわけではありません。
基準は様々ですができるだけ堅い業者を利用しましょう。
- 上場企業系
- 業歴が長い
- 大手
- 仮想通貨専業でない
僕は上場企業系で親会社の規模が大きく業績が堅調であることを重視しています。
上場企業系の仮想通貨業者は以下の5社です。(カッコ内は上場親会社)
- SBI VCトレード(SBIホールディングス)
- Coincheck(マネックスグループ)
- GMOコイン(GMOインターネットグループ)
- LINE BITMAX(Zホールディングス)
- 楽天ウォレット(楽天グループ)
上場系は安心です!
複数の業者を利用する
1つの業者だけで投資する場合、その業者が経営破綻したりサイバー被害に遭ったりすると、自分の資産すべてが影響を受けます。
これを避けるため、複数の業者を利用しリスクを分散しましょう。
分散は投資の基本だよ。
現物取引に徹する
証拠金取引(FX、レバレッジ取引)は大きな儲けを狙える反面、損失も大きくなります。
初心者の間は証拠金取引は避け現物取引に徹することを強くおすすめします。
プチ解説 証拠金取引とは?
長期投資をする
短期投資は勝ちにくい
仮想通貨の短期投資は技術と知識が必要な上、機関投資家などプロが戦う世界です。
初心者が継続的に勝つことは困難と言わざるを得ません。
初心者は長期投資
これに対して長期投資は仮想通貨自体の価値向上で利益を得るため、初心者であることが不利になりません。
初心者は長期投資から始めるのが良いです。
僕は長期投資だけやってます!
余裕資金で少額から始める
仮想通貨投資は必ず余裕資金で行いましょう。
生活に支障が出るような大金を投じるのは絶対にしてはいけません。
最初は数千円など少額からスタートし、徐々に金額を増やすのが安全です。
いきなり大失敗は悲惨だから。
安全性を高めるテクニック
安全性を高めるテクニックとして以下のようなものがあります。
パスワードは使い回さない
面倒でも業者ごとにパスワードは変えましょう。
2段階認証
パスワードでログインした後、届いたメールに書かれてある認証コードを入力したりするのがありますよね?
あの面倒なやつね。
あれが2段階認証です。
面倒ですが2段階認証をすることで安全性は格段に上がります。
アドレスの入力はコピー&ペーストで
仮想通貨を送金する際、送金先の住所にあたる「アドレス」を入力します。
アドレスは30字前後の英数字で、1文字でも間違うと仮想通貨が消滅します。
入力間違いを防ぐため、アドレスはコピー&ペーストで入力しましょう。
コールドウォレット
仮想通貨を業者に置いたままにせず、コールドウォレットで保管するのも有効です。
ハッキングなどサイバー攻撃から守ることができます。
プチ解説 コールドウォレットとは?
危ないと思ったら行政に相談
最近増えているのが仮想通貨に関する詐欺被害です。
まず「儲かる話をわざわざ人に教えない」という当たり前の理屈を認識しましょう。
世の中に甘い話はないよ。
また、おかしい、危ないと思ったら手を出す前に行政に相談しましょう。
- 警察相談専用電話:#9110
- 消費者ホットライン:188(局番なし)
- サイバー犯罪相談窓口:各都道府県警の連絡先
仮想通貨のデメリットとリスク、安全対策のまとめ
それでは最後に要点をまとめます。
デメリット、リスク、安全対策のまとめ
- 仮想通貨自体のデメリットとリスク
- 信頼性が低い
- 国家による保護がない
- 法整備が不十分
- 国の規制が強化される
- サイバー犯罪の対象になる
- 詐欺の増加
- インターネット環境が必須
- 決済で使いにくい
- ミスやトラブルのリスクがある
- 仮想通貨投資のデメリットとリスク
- 大損する可能性がある
- 仮想通貨業者が犯罪被害に遭う
- 仮想通貨業者の経営破綻
- 投資詐欺が増えている
- 税金が不利
- 仮想通貨の安全対策
- 「投資にはリスクがある」ことを肝に銘じる
- 堅い通貨で投資する
- 国内の仮想通貨業者を利用する
- 堅い業者を選ぶ
- 複数の業者を利用する
- 現物取引に徹する
- 長期投資をする
- 余裕資金で少額から始める
- 安全性を高めるテクニック
- 危ないと思ったら行政に相談
仮想通貨は国家の後ろ盾がないなど、法定通貨に比べてリスキーです。
サイバー犯罪などデジタルゆえの弱点もあります。
仮想通貨投資は大儲けのチャンスと同時に大損のリスクがあり、犯罪や詐欺に遭いやすい点もデメリットです。
常にリスクを念頭に置き、業者選択や投資手法は安全を第一に検討しましょう。
最重点は損をしないことです!
仮想通貨と上手に付き合おう!
なお、もちろん仮想通貨には良い点もたくさんあります。
ぜひ仮想通貨のメリットも知ってください。
仮想通貨全般についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ちょっと分からないところが?という方は、読んでみてください。
以上です!