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カンボジアの賃貸契約

カンボジアで部屋を借りる際には大家との間で賃貸契約を結びます。契約内容はどうなっているのか、契約書は何語で書かれているかなど、ちょっと心配な発展途上国カンボジアでの不動産賃貸契約について説明します。

契約内容の基本

シェムリアップに移住してアパート、マンションなどの部屋を借りる際には賃貸契約を結びます。どのような契約内容なのか、重要なポイントについて説明します。

契約期間

まず、契約期間は6ヶ月以上のところが多いです。1年というところもかなりあります。では絶対に6ヶ月以上でなければならないかというと、必ずしもそうとは限りません。私の場合、カンボジアで初めて部屋を借りるのにいきなり長期契約は不安でした。そこで、2回目からは6ヶ月で良いから最初の契約期間だけは3ヶ月にしてくれと要望したところ、あっさりそれでOKになりました。

敷金(デポジット)

次に敷金です。カンボジアでは「デポジット」と呼びます。デポジットは家賃の1ヶ月分が相場で、契約時に支払います。部屋や設備、家具に損傷がなければ退去時に全額返金されます。

家賃の支払い

家賃ですが私の場合は契約時に1ヶ月分を支払い、2ヶ月目からは1ヶ月分ずつ前払いとなっています。日本では仲介した不動産屋に払いますが、カンボジアでは大家さんに直接払います。つまり不動産屋が関与するのは契約時までで、それ以降はすべて大家さんと直接やり取りすることになります。

カンボジアの賃貸契約書

カンボジアなんて途上国だから部屋を借りるのも口約束だろうとか思ってませんか? 実は私はそう思っていました。ところがとんでもありませんでした。入居した当日に大家さんが英文でぎっちり書かれた契約書を持って来ました。おったまげました。笑

そしてこのカンボジアの賃貸契約書、けっこうキッチリしているんです。最初に「大家誰それ(以下、甲)、店子誰それ(以下、乙)」みたいに書かれ、物件の住所、契約期間、家賃などが書かれます。日本とまったく同じです。

シェムリアップの賃貸物件

またデポジットについて「物件、設備、備品に損傷がなければ退去時に全額返還する、損傷の復旧にかかる費用はデポジットから差し引く」と規定するのは当然ですが、そのあとに「デポジットから生じた利息は返還しない」とちゃんと書かれているのです。

さらに「家賃滞納から2週間が経過したら大家は即座に契約を解消できる」と定めていますが、その前に「規定の支払日から7日が経過した時点で家賃を滞納したものとする」と、滞納の定義もしっかり定めています。けっこうキッチリしてるんです。

カンボジアの賃貸契約はフェア

それ以上に驚かされるのが賃貸契約の内容が非常にフェアであるところです。賃貸契約って基本的に大家有利に作られています。また、外国人に貸す場合の賃貸契約は、大家の国側にとって有利になっています。

例えば中国で部屋を借りると「契約書は中国語版、英語版の2部を作り、中国語版を本契約書とする」みたいに書かれますし、フィリピンで借りると「双方で異議が生じ訴訟を提起する場合はマニラ地方裁判所を第一審の専属所轄裁判所とする」みたいなことが書かれます。日本もそうですがあくまでも貸し手優位です。

シェムリアップの賃貸物件

ところが私が結んだカンボジアの賃貸契約書では、例えば「大家は家賃収入の税金を負担する」とか「家賃を受領したら大家は領収書を発行する」みたいに大家の義務事項を明示していますし、「火災、天災による物件の損傷は店子に過失がない限り大家の負担で復旧する」とも定められています。

さらに契約期間内に大家が契約終了を求める場合は店子と相談するのですが、店子が同意した場合は店子が無料で1ヶ月住むことができるとも定められていました。カンボジアの不動産契約すべてがそうなのかは知りませんが、少なくとも私が結んだ契約は意外と公平でフェアなものでした。

でも最後は出たとこ勝負

ただし、契約書で定められた内容と、それが実際にその通り実行されるかは別の問題です。特にカンボジアのような途上国と日本のような先進国では契約意識や遵法意識が違います。どちらが良い悪いではなく、先進国の流儀は途上国では必ずしも通用しないのです。

事実、契約書では「大家または店子が契約延長を求める場合は契約期間終了の30日前までに申し出、双方合意に至った場合は書面作成を以って契約期間を延長するものとする」と書かれているのですが、書面作成どころか申し出することもなく、今までずっと延長が続いています。笑

そもそも、我々移住者にとって外国は圧倒的に不利なアウェイです。ひとたび揉め事が起こったら周囲のカンボジア人はすべて大家の味方。契約がどうだろうと法律がどうだろうとこちらに勝ち目はありません。

何か起こったらあの手この手で出たとこ勝負。そうならないように日頃から大家と円満な付き合いをする。これに尽きると思います。

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