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カンボジアの治安と対策

カンボジア=東南アジアの途上国=治安が悪くて危険、のようにステレオタイプに当てはめて思考停止に陥る日本人が多いですが、決してそうではありません。かと言って日本と同様に治安が良いわけでもありません。正しい知識と対策を身に付けて、カンボジアで安全な移住ライフを過ごしましょう。

カンボジアの治安

まず大前提として、世界中で日本より治安が良い国は皆無です。犯罪発生率で比較した場合、ある程度の人口規模がある国の中で、日本より発生率が低い国は世界中に一つもありません。日本は異常に治安が良い国です。海外で暮らす以上、日本並みを求めるのは無理であることは理解してください。

カンボジアの民家

その上での話になりますが、カンボジアの治安は比較的良好です。外務省が発表する危険情報ではカンボジア全土が危険度レベル1に指定されていますが、これは同じ東南アジアの国々の中ではタイやインドネシアと同じです。

また、少数民族が極めて少なく、国教である仏教が圧倒的に多数派ながら宗教の自由も認められており、テロなどの心配もありません。実際に現地で暮らしている者の実感として、普通に暮らしている限りは危ない目に遭うことはなく、安定した治安の良好な国です。

外国人の犯罪被害

ただし、決して日本並みに安全で治安が良いわけではありません。また、「普通に暮らしている限り」と書きましたが、日本の普通とカンボジアの普通は同じではありません。日本と同じ感覚で暮らしていると必ず痛い目に遭います。

カンボジアで安全に暮らす第一歩として、外国人観光客や居住者が被害に遭いやすい犯罪を知っておきましょう。

強盗・引ったくり

夜間に暗いところで刃物で脅されて所持品を奪われたり、歩いている時に走ってきた男にバッグを引ったくられるといったパターンが多いです。カバンをたすき掛けにしていたり、リュックを体の前で抱えていたりしても強引に奪われたという事例もあります。

また、トゥクトゥクやバイクタクシーに乗っている時にバイクに乗った2人組が後ろからやってきて、カバンや財布、携帯電話を奪い取られるというケースも増えてきています。

スリ・窃盗

これも非常に多いです。遺跡を見学していて気が付いたらカバンがナイフで切られて中の物が奪われていた。レストランで食事をしていたら横に置いていたバッグがなくなっていた。オールドマーケットなどの人混みを歩いていたらポケットに入れていた財布をスられた。こういった外国人の被害が毎日のように起こっています。

トランプ詐欺

カンボジアに限らず東南アジア全域でよくある詐欺です。日本のことを教えて欲しいとか、一緒に食事をしようとか、カンボジアの普通の家庭を見てみないかとか、いろいろ言って彼らのアジトに連れて行かれます。

そしていつの間にかポーカー賭博が始まり強制的に参加させられ、所持金やスマホなど身ぐるみ剥がされた上に、キャッシュカードやクレジットカードを使ってATMでお金を引き出すように強要されるという手口です。

荒っぽい非常に雑な手口なのですが、これにまんまと引っかかる外国人が後を絶ちません。特に日本人はカモ中のカモとされており、フィリピンやインドなど他の国のスリ集団が日本人観光客を狙って、遠路はるばるシェムリアップまで出稼ぎに来るほどです。

被害に遭う側が悪い

犯人が悪いのは当然ですので改めて言及しません。同様に悪いのは被害者です。被害を受けた人を叩くのか?という方がいらっしゃるかもしれませんが、それでもあえて言います。被害者が悪いです。何が悪いのか? まず第一に無知であることです。無知は罪です。

東南アジアの治安が日本より悪いこと、日本よりも犯罪率が高いことは誰でも知っているはずです。知っているのならば具体的にどのような犯罪があるのか、どのようにすれば防ぐことができるか、カンボジアに来る前に調べておくのは当然のことです。

知っておけば犯罪被害を防ぐことができたのに、横着をしたのか、大丈夫だろうと高をくくったのかは人によるでしょうが、いずれにしても必要な知識を身に付けなかった、無知な状態でカンボジアに来た。その結果、犯罪被害に遭ったのですから自業自得です。事前に調べる、知るべきことを知るという海外に行く前に当然すべきことを怠った被害者に非があります。

シェムリアップの街角

第二は日本と同様の動きをした、日本よりも犯罪率が高いカンボジアで日本にいる時と同じような行動をしたことです。

日本のレストランで荷物から目を離しても問題はないでしょう。それは日本は犯罪者が少ないからです。日本よりも犯罪者が多いカンボジアに来ているのに、日本と同じようにレストランで荷物から目を話したら盗まれるのが当たり前です。日本とは違うカンボジアに来ているのに、日本にいる時と同じように荷物から目を離した。明らかに盗まれた被害者が悪いです。

無知であることも然り、日本同様の行動も然り、一言で言うと甘いのです。そこは日本ではないのだ。このことを十二分に分かっていれば、事前に十分な知識も付けるでしょうし、日本と同じような行動ができないことなど容易に分かるはずです。海外で犯罪に遭う日本人は甘すぎます。

カンボジアでの犯罪対策

ではどうすればカンボジアで安全な移住生活を過ごすことができるのか、基本的な対策を以下に述べます。

他人を信用しない

5年前に日本に出稼ぎに行っていた、日本が懐かしい、日本のことを教えてほしい。こういう言葉を信用してのこのこついて行ってトランプ詐欺の被害に遭う。まったく理解できません。

日本に行っていたと言われてなぜそれをそのまま信用するのか。もしかしたら騙そうとしているのでは?となぜ疑わないのか。簡単に人を信用したらダメです。自分に近づいてくる人は一人残らずすべて疑ってかかる。海外生活での基本中の基本です。

日々付き合う身の周りの人も同じです。アパートの大家さん、いつも行く食堂の店員、クリーニング屋の奥さん、普段は仲良く付き合ってかまいません。ですが心の底から信用して全幅の信頼を寄せてはいけません。少なくとも付き合いが3年を超えるまでは警戒心をゼロにすべきではないです。

誰にも頼らない

海外です。日本ではありません。いざというときに自分を助けてくれる人は一人もいません。何かあった時に我が身を守れるのは自分だけです。

誰にも頼れないという意識を強く強く持ってください。誰も助けてくれない。誰一人として手を差し伸べてくれない。常にそう思っていればいやでも用心深くなります。

盗られて困るものは持たない

クレジットカードを盗られたという話をたまに聞きますが、クレジットカードを使える場所が少ないカンボジアになんでクレジットカードを持ってくるのか理解に苦しみます。持って来るから盗られるのです。

シェムリアップのスーパー

旅行者ではなく現地在住者であればクレジットカードの1枚くらいは持っているでしょう。ですがなぜ近所のスーパーに買い物に行く時に財布の中にクレジットカードを入れているのか。現金で支払うのですからカードを持って来る必要なんてないじゃないですか。

持っているから盗られるのです。持っていなければ盗られません。盗られて困るものは持ち歩かない。どうしても必要なとき以外は家から1cm足りとも外に出さない。これは徹底してください。最も簡単な窃盗防止策です。

後ろポケットは使わない

ジーパンの後ろのポケットに財布やスマホを入れていたらいつの間にか盗られていた。いやというほど聞く話です。そして、カンボジアに来る前に事前にちゃんと調べた人は、一人残らず後ろポケットに入れるのは危険であることを知っているはずです。

なのに入れてしまう。そして盗られるのです。なぜ知っているのに入れてしまうか? きっと大丈夫だろう、ちょっとくらいならば大丈夫だろう、自分は警戒心が強いから大丈夫だろう、と思っているからです。その「大丈夫」の根拠は何ですか?

根拠の「こ」の字もない大丈夫が通用するわけがありません。自分は大丈夫だと思っている人は今まで運が良かっただけです。いつか痛い目に遭います。盗られて困るものは後ろポケットに入れてはいけません。前ポケットです。入れにくくても取り出しにくくても前です。

人混みに入らない

人混みにはスリがいます。彼らは遊びでスリをしているのではありません。自分と家族の生活のために日々必死にスリで稼いでいる職業人です。彼らはスリという名の勤勉で優秀なプロフェッショナルです。

シェムリアップの商店

そんな彼らにオールドマーケットに遊びに来てふらふら歩いている観光客が勝てるわけがありません。遊び銭を使いに来ている観光客が、かわいい我が子の明日のミルク代を必死になって稼ぎに来ているプロのスリに勝てるわけがない。負けて当然です。

そういうスリたちが獲物を狙っている人混みの中に、現金、スマホ、クレジットカード、その他諸々を身に付けて入って行くなんて自殺行為です。

明確にノーという

特に最近の若い方が苦手だそうですが。家に遊びにおいでよと言われて危なそうだなと思ったけれど、何となく断りにくくてついて行ったら、現金から携帯電話から全部奪われた。これは明らかに被害者が悪いです。

危ないと思ったのならば断らないとダメです。イエス、ノーを明確に言う。これは海外で自分を守るために絶対にしなければならないことです。

これができない人はお願いですから海外に来ないでください。こういう人が被害に遭うことで、犯罪者の間で日本人はカモだという認識が広がり、他の日本人が犯罪のターゲットになる可能性が高まるのです。在外邦人の一人として、はっきり言って迷惑です。

周りには泥棒しかいない

盗られて困るものを持っているときは、自分の周りにいる人はすべて泥棒だと思ってください。もちろん実際にはすべてではありません。あなたの持ち物に強い視線を送っている人たちがすべて泥棒です。

ですが、泥棒と泥棒ではない人の区別は付かないはずです。ならば周りはすべて泥棒だと思うのが当然です。周りに泥棒しかいないのですから、自分から離れたところに物を置くとか、所持品から目を離すなどあり得ないことです。

知らない人について行かない

トランプ詐欺とか美人局とかその類の犯罪者はすべてそうですが、なんだかんだと上手いことを言って自分のアジト、テリトリーに連れ込もうとします。連れ込まれたら最後、被害から逃れることは不可能です。ですからついて行ってはダメです。

シェムリアップの街角

相手はいろいろ言ってきます。ですが信用してはいけません。旅先で初めて会った赤の他人の言うことを聞いて信用するなどバカげています。

カンボジアの若い男の子や女の子に可愛いとか魅力的とかいろいろ言われてその気になってついて行ってしまうのですが、そういう人たちは鏡を見たことがないのでしょう。

ハゲ頭にビール腹、しわくちゃのクソジジイに若い女の子は魅力の欠片も感じません。彼女たちにとって魅力なのはあなたの財布の中身だけです。良い年なのですから身の程をわきまえようではありませんか。

日が暮れたら外に出ない

夜は危険度が高まります。君子危うきに近寄らずです。危険度が高まるのが分かっているのであれば、夜は外に出なければよいのです。私はカンボジアに移住して以来、日が暮れてから外に出たことはただの一度もありません。

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