サイトイメージ画像 カンボジア移住ガイド

薬の入手方法

それなりの年齢になってきますと、毎日飲んでいる薬があるという方も多いと思います。さてその薬、カンボジアでも手に入りますか? このページに書いてあることは私自身が海外に移住して初めて知った健康に関わる危機です。人によっては命に関わる危機です。

上から目線で大変恐縮ですが、このページを読んでぜひ素直に良いことを知ってラッキーと思ってください。そして身の周りの海外在住経験のない方に是非教えて差し上げてください。

処方されるのは90日まで

人間それなりに長く生きてますと体のあちこちにどうしてもガタが出てきます。それを補うために薬のお世話になるのは致し方ないこと。毎日、もしくは定期的に服用している薬があるという方は少なくないはずです。カンボジアに移住してもその薬は当然飲むことになります。どうしますか?

ドラッグストアで普通に買える一般薬であれば問題ありません。半年分でも1年分でも買い込んでカンボジアに持ち込めば(持ち込み制限などを別とすれば)済む話です。問題は病院で処方箋を書いてもらって調剤薬局で処方してもらう処方薬です。

シェムリアップの薬局

医療費削減などの問題もあり、病院では長期間分の薬品を一括で処方することが難しくなっています。私が知る限りでは最長でも90日分までです。薬事法の改正で今後は大きな病院では60日分までしか処方できなくなるとも言われています。

では、カンボジアに移住したらどうすれば良いのでしょうか。まさか薬を買うために3ヶ月ごとに日本に帰るわけにもいきません。つまり、不足する分は現地で調達しなければならないのです。果たしてそれは可能なのでしょうか?

同じ薬があると思うな

みなさん、ご近所のドラッグストアの店に並ぶ薬がどれだけあるか、今度行った際によく見てみてください。それと同じ薬がカンボジアに限らず世界中すべての国のドラッグストアで1品目も欠けることなく売られているでしょうか?

逆の立場でも考えてみてください。ロシアからサウジアラビア、アルゼンチンまで世界200以上の国々の薬局で販売されているすべての薬が日本の薬局で一つ残らず売られているでしょうか?

シェムリアップの薬局

考えるまでもないことです。そんなことはあり得ません。つまり、自分が普段服用している薬が海外でも販売されている、手に入れることができる保証などまったくないということです。

私は初めて移住したとある国のドラッグストアで、自分が服用していた絶対に欠かすことができない薬が販売されていないという事実に直面し、まさに絶望的な気持ちになりました。膝が砕けそうになりました。そんなこと考えたこともなかったので、どうしようもないショックを受けたことを今でも鮮明に覚えています。

必ず代替薬を紹介してもらう

その時は慌ててかかりつけの医師に電話をし、代替として使える薬をいくつか紹介してもらいました。運良くそのうちの一つが当地で販売されておりなんとか事なきを得ました。

ですので常備薬がある方がカンボジアに移住する際は、その薬が手に入らないことを前提にしてください。多分手に入るだろうなんて思わないでください。手に入れば超ラッキーで1年分の運を使い果たしたくらいに思ってください。

シェムリアップの薬局

ですので、手に入らなかった場合の代わりとなる薬を、かかりつけの医師に紹介してもらっておいてください。1種類ではダメです。それがなかったらもうアウトです。命と健康を守りたかったら根拠の無い自信は持たないでください。代替薬は必ず複数種類を紹介してもらっておいてください。

さらに絶対必要!現地での下見のページにも書きましたが、本格的に移住する前にシェムリアップに下見旅行をし、実際に薬局を何件もまわって必要な薬が売られているかを実地調査してください。我が身を守るためです。お金がかかる云々の問題ではありません。

容量が違う!

さて、膝から崩れかけた私ですが、その経験がありましたのでもちろんシェムリアップに下見に行き、20件以上の薬局を見て回りました。なぜ20件以上も見たのか? 言うまでもありません。必要な薬がなかったからです。

クレストール10mg錠

正確に言うと薬自体はありました。私が服用しているのはクレストールという血液中のコレストロールを低下させる薬です。動脈硬化などを抑制する薬で、同年代で服用してらっしゃる方も少なくないと思います。で、クレストール自体はあったのです。シェムリアップの半分弱くらいの薬局で売られていました。

問題は容量でした。私は医師の指示で1日に2.5mgを服用していました。ところが、シェムリアップ市内ではどの薬局で探しても10mg錠しか売られていないのです。4日に1回服用で対応できる薬ではありませんので10mgでは困るのです。

もちろん私は海外移住初心者ではありませんでしたし、膝から崩れる経験もしていました。実は過去にクレストールの5mg錠しか売られていない国にしばらく住んだことがあります。その時に知って購入したのがピルカッターです。

錠剤を半分に割ってくれる便利な商品でして、その国に住んでいた時は5mg錠を毎日ピルカッターで2つに割って2.5mgずつ服用していました。なのでせめて5mg錠があればなんとかなると思ってシェムリアップの薬局を20件以上もまわったのです。

ジェネリック薬品もあるが…

そして最後に入った店で5mgはないのかな?と話をしたところ、5mgだったらあるよとお店の人が出してくれたのがRovistaという薬です。クレストールのジェネリック薬品です。成分はロスバスタチンと書かれていますのでクレストールと同じです。値段も格安でした。

Rovista5mg錠

なんですが。このRovistaを作っているのがパキスタンのメーカーだったのです。別に私はパキスタンが遅れたいい加減な国と思っているわけではありません。Getz Pharmaというメーカーで親会社はアメリカにあります。恐らくちゃんとしたメーカーで、ちゃんとした薬だと思うのです。でもね、カンボジアで売られているパキスタン製の薬を飲むって勇気いりませんか?笑

勇気のない私は致し方なくクレストール10mg錠を4分割して飲むという選択をしました。上で紹介したピルカッターを使っていますが、たまに粉砕気味になります。そこで次に日本に帰ったらもう少しスペックの高いピルカッターを購入する予定です。

いずれにしてもこの薬の問題、命と健康に関わる本当に大きな深刻な問題です。高をくくらず用心に用心を、準備に準備を重ねください。海外では健康維持が何よりの保険です。

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